よくある離婚後のトラブル!弁護士が対処法を解説
「離婚できたけど養育費が払われない」
「離婚後に相手から嫌がらせを受けている」
ようやく離婚できたと思っても、離婚後には思わぬトラブルが発生するおそれがあります。
すでにトラブルが発生しており、困っているという方も多いのではないでしょうか。
今回は、離婚後に想定されるトラブルや、その解決法、トラブル解決を弁護士に相談するメリットについて解説します。
目次
離婚後に想定されるトラブルと解決法
取り決めた慰謝料や養育費を支払ってもらえない
離婚後に想定されるトラブルとして、慰謝料や養育費、財産分与といった金銭を支払ってもらえないということが挙げられます。
なお、財産分与は「夫婦が婚姻期間中に築いた財産を離婚時に公平に分配すること」をいいます。
「最初に取り決めていた金額を支払ってもらえない」「分割払いの予定だったものの、途中から支払われなくなったり、遅延が発生したりしている」といったケースがあります。
解決法
慰謝料や養育費といった金銭の不払いを防ぐためにも、離婚条件を取り決めるときには公正証書の作成をおすすめします。
協議離婚をするときに、離婚条件を記載した「離婚協議書」を公正証書化して、強制執行認諾文言を入れておくことで、通常の離婚協議書よりも高い証明力や執行力を持たせることができます。
公正証書を作成すれば、相手が慰謝料や養育費などを支払わなかったとき、相手の給料や預貯金を差し押さえることができます。
「慰謝料や養育費が支払われておらず、公正証書も作成していない」という方もいるでしょう。
そういった場合は、基本的に慰謝料については調停や訴訟を提起して支払いを求めることになります。
養育費については、内容通りに支払われない場合は相手に請求をし、話し合いで決着がつかなければ家庭裁判所に調停を求めることになります。
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離婚後に慰謝料や養育費を請求したい
離婚する前に慰謝料や養育費について取り決めておらず、離婚後になってから「やはり慰謝料や養育費を請求したい」と争いに発展するトラブルです。
「お金のことはいいからとにかく離婚したい」と、きちんと話し合いをせずに離婚した場合に陥りやすいトラブルといえます。
解決法
離婚するときに、慰謝料や養育費についてしっかりと取り決めをしておくようにすることが大切です。
「慰謝料や養育費について、取り決めもしないまま離婚してしまった」という方もいるでしょう。
離婚が成立した後でも、慰謝料を請求することは可能です。
ただし、離婚の慰謝料については、離婚が成立してから3年間という時効があり、3年以上が経過してしまうと慰謝料を請求する権利は失われてしまいます。
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また、養育費の支払いは、子どもが経済的に自立するまで続く義務であり、離婚時に取り決めていなかったとしても、基本的には離婚後も養育費を請求できます。
当事者間で話し合いをし、それでも折り合いがつかない場合は、裁判所に調停や審判を申し立てることになります。
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なお、財産分与についても離婚後の請求が認められていますが、離婚が成立してから2年以内という請求期限があるので注意が必要です。
養育費の増額に応じてもらえない
離婚後に相手の収入が増額したり、自分の生活が苦しくなったりした場合、「養育費を増額してもらえないだろうか」と考える方も多いと思います。
養育費の増額を請求したとしても、相手が応じずにトラブルに発展するケースがあります。
解決法
当事者間の合意があれば養育費の変更はいつでも可能です。
まずは話し合いをおこない、それで決まらなければ調停・裁判を申し立てて養育費の額を変更することになります。
子どもに会わせてもらえない
子どもの親権を獲得できなかった場合でも、子どもに面会することは可能です。
しかし、離婚するときに面会の内容について取り決めていても、約束を守ってもらえず子どもに会わせてもらえないというケースがあります。
解決法
子どもに対する影響を考えても、できるだけ当事者間の話し合いで解決することがベターです。
「話し合いをしても面会を断られてしまう」という場合は、家庭裁判所に面会交流調停を申し立てることになります。
面会交流調停を申し立てることで、調停委員が両者の意見を調整してくれます。
調停が決裂した場合は、間接強制をおこなったり、面会させてくれないことによる慰謝料を請求したりします。
間接強制とは、強制執行の中の一種で、相手が義務を履行するまで、裁判所から「一回あたり○万円」といった形で間接強制金の支払いを課すというものです。
金銭的負担やプレッシャーを掛けることで、面会交流の実施を間接的に促すことができます。
相手がしつこく付きまとってくる
離婚した後、元配偶者から付きまとわれたり、新居に押しかけてきて嫌がらせを受けたりするトラブルがあります。
解決法
離婚後に付きまといや嫌がらせを受けているという場合は、抱え込まずに警察や弁護士に相談することをおすすめします。
場合によっては、警察に依頼すればストーカー規制法違反で取り締まってもらえる可能性があります。
弁護士に相談して、内容証明郵便で相手側に警告を送るという手段も有効でしょう。
これから離婚をする方で、「相手がストーカー化してしまうかもしれない」と不安な方は、「離婚後の自分の住所を伝えない」「離婚後に顔を合わせないよう条件の取り決めを徹底する」といったことを心がけましょう。
離婚後のトラブルを弁護士に相談するメリット
離婚後にトラブルが発生して困っている方は、弁護士への相談をおすすめします。
ここでは、弁護士に相談するメリットについて解説します。
適切なアドバイスをもらえる
離婚後にトラブルが発生したとき、自分一人だけでは正しい対応がわからず困ってしまうということも多いでしょう。
弁護士に相談すれば、法的な観点から適切なアドバイスをもらうことができます。
調停や裁判の手続きを任せられる
離婚後にトラブルが発生したときには、相手との話し合いではまとまらず、調停や裁判にまで発展する場合があります。
弁護士に相談すれば、依頼主の代理人として相手方と交渉、調停や裁判を進めることができ、手間を省けるほか、精神的に安心できるというメリットがあります。
差し押さえがスムーズにできる
相手が養育費や慰謝料といった支払いの約束を守らない場合、弁護士であれば、法的手続きを経た後に相手の給料や預貯金をスムーズに差し押さえることができます。
離婚前の相談がおすすめ
離婚後のトラブルの発生を避けるためには、離婚前に離婚条件の取り決めを適切に行っておくことが重要です。
離婚前に弁護士に相談すれば、「財産分与の対象となる資産」「適切な養育費や慰謝料の計算」「公正証書の作成」など、適切な離婚条件の設定や、法的手続きを一任することができます。
離婚後のトラブル発生を避けるためにも、すでに離婚についてお考えの方は、弁護士に相談することをおすすめします。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了