妊娠中の離婚|夫から別れたいと言われたら?別居・養育費・親権とマタニティブルーの影響

妊娠中でも離婚は可能です。マタニティブルーによる精神的な不安定さや夫婦間のすれ違いから、妊娠中に夫から別れたいと言われたり、自ら離婚を決意するケースは珍しくありません。
この記事では、妊娠中に別居する場合の婚姻費用・出産費用の請求方法から、養育費・親権・戸籍の取り扱いまで、弁護士が法的根拠をもとに解説します。
目次
妊娠中に離婚はできる?
妊娠中でも離婚は可能であり、妊娠していること自体が法律上の離婚の障害になることはありません。
妊娠中に離婚を考える背景にはどのような事情があるのでしょうか。マタニティブルーとの関係も含め、その理由から整理していきます。
妊娠中に離婚したくなる理由
夫婦が妊娠中に離婚を決意する理由としては、以下のようなものがあげられます。
妻側の理由
- 夫の不倫・浮気
- DV・モラハラ
- 夫に親としての自覚がない
- 夫の飲み会や遊び
- 夫が家にいても何もしない
夫側の理由
- スキンシップの減少・セックスレス
- 自身の不倫・浮気
- 妊娠の影響による妻の性格の変化
- 妻の体調の変化やつわり、お腹が大きくなること
- 父親になれる自信がない
女性は身体やホルモンバランスの変化などを経て、母親としての意識が芽生えやすい一方で、父親にはそれがないため、すれ違いの原因となってしまいます。
また、妊娠すると性的なニーズも変化し、性交渉やスキンシップが減少するため、不満に感じた夫が不倫や浮気に走ってしまうこともあります。
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マタニティブルーと離婚の関係
マタニティブルー(マタニティブルーズ)とは、出産後にホルモンバランスが急激に変化することで起こる一時的な精神的不安定のことをいいます。
日本産婦人科医会によると、マタニティブルーは出産後の女性の30〜50%が経験するとされており、多くは1〜2週間ほどで自然におさまります。ただし、症状が長引く場合は産後うつに移行することもあるため注意が必要です。
なお、妊娠中のうつ病は約10%にみられるといわれています。
妊娠中や産後のうつ病の発症の背景として、妊娠中の不安やライフイベント(離婚や家族との死別等)、うつ病の既往、産後のサポート不足など環境による影響も大きいとされています。
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妊娠中や産後まもない時期に「離婚したい」という気持ちが生じた場合は、マタニティブルーによる一時的な感情と本当の離婚意思を区別するために、心身が落ち着いた時期に改めて判断することを推奨します。
妊娠中の離婚手続きの流れ
妊娠中でも、離婚の手続きの流れは変わりません。
まずは夫婦間での話し合いによる協議離婚を目指し、合意が難しければ家庭裁判所の離婚調停を、調停でも合意ができなかった場合は、離婚裁判を起こして争うことになります。
以上の流れは、妊娠中でなくとも同じです。
ただし、離婚の話し合いが長引いたせいで離婚の成立と出産が前後した場合は、子どもの親権や戸籍の扱いに違いが出る可能性があります。
出産前・出産後の違いについては、この記事の中でさらに詳しく説明します。
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妊娠中に夫から離婚を切り出された場合の対応
妊娠中に夫から突然「別れたい」と言われた場合、心身ともに不安定な時期だけに動揺は大きいものです。
しかし、協議離婚は双方の合意が必要なため、一方が同意しなければ離婚は成立しません。まずは冷静に対応の選択肢を整理することが重要です。
離婚に応じる前に確認すべきこと
妊娠中に夫から離婚を切り出されたとしても、すぐに応じる必要はありません。離婚届への署名・押印を強く求められたとしても、状況によってはその離婚の効力を争える可能性があります。
協議離婚が有効に成立するには、夫婦双方に婚姻関係を解消するという離婚意思があることが必要です。したがって、強迫を受けて離婚に同意した場合には、民法764条および民法747条にもとづき、家庭裁判所に離婚の取消しを求めることができます。
離婚に応じる前に、次の点を確認しておきましょう。
- 養育費・親権・財産分与・慰謝料など、離婚条件が整理されている
- 離婚届への署名を強要されていない
- 離婚後の住まいや生活費の見通しが立っている
別居で距離を置く選択肢
離婚をすぐに決められない場合は、まず別居という選択肢もあります。物理的に距離を置くことで、状況を冷静に考える時間を確保しやすくなります。
別居中であっても婚姻関係が続いている限り、収入の多い側には婚姻費用(生活費)を分担する義務があります(民法760条)。そのため、妊娠中にやむを得ず別居した場合でも、婚姻費用を請求する権利がなくなることはありません。
別居後は、できるだけ早く婚姻費用分担請求調停を申し立てておくと、申立てをした月以降の婚姻費用を確保しやすくなります。
妊娠中の別居と婚姻費用や出産費用の請求
別居中でも婚姻関係にあれば、婚姻費用として出産費用を含めて請求できる場合があります。
ただし、離婚が成立すると婚姻費用を請求することはできなくなるため、離婚のタイミングには注意が必要です。
離婚後の出産費用については、事情や当事者の合意内容、子どもの扶養義務などを踏まえ、支払いが認められる可能性があります。確実に支払ってもらうためには、離婚前に負担について話し合い、その内容を公正証書などの書面に残しておくことが大切です。
妊娠中に離婚しても元夫から養育費をもらえる?
妊娠中に離婚しても養育費を受け取れる!
妊娠中に離婚しても、元夫が子どもの父親であることは変わらないので、元夫は子どもを扶養する義務を負います。したがって、父親に養育費を請求できます。
離婚前に、子どもの養育費についてしっかりと取り決めを行うことをおすすめします。
離婚した後から養育費を請求することも可能です。離婚後に父親がすんなりと養育費の支払いに応じるとは限りませんが、そういった場合には家庭裁判所に養育費請求調停を申し立てることができ、家庭裁判所を介して話し合いを進めることができます。
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妊娠中に胎児の養育費をもらえる?
妊娠中に離婚しても、出産するまでの間は養育費を受け取る権利がありません。
人は、胎児であるうちは法的な権利を持たず、母親が胎児を代理することもできないとされているからです(相続、遺贈、不法行為に基づく損害賠償請求を除く)。
したがって、胎児の養育費を受け取ることはできず、出産後から養育費を受け取ることになります。
妊娠中に離婚した場合の養育費の相場は?
養育費は、子どもの年齢や人数と、父母それぞれの職業・年収にもとづいて算定するのが一般的です。養育費の計算には、裁判所が公開している養育費・婚姻費用算定表がよく使用されます。
妊娠中に離婚した場合でも、子どもが生まれた後に離婚した場合と同じ計算方法が適用できると考えられます。
厚生労働省が実施した「令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によると、母子家庭が受け取る養育費の平均金額は50,485円でした。
一般的な養育費の相場や計算方法について詳しく知りたい方は、『離婚の養育費とは?人数別の相場や決め方を解説』もご確認ください。
▼カンタン操作で目安がわかる
元夫から養育費を受け取れないケースもある?
以下の3つにあたる場合は、子どもの法律上の父親が元夫ではないため、元夫には養育費の支払い義務が生じません。
離婚後300日経過後に出産した場合
離婚から300日を超えて生まれた子どもは非嫡出子(婚外子)となり、法律上の父子関係を成立させるには父親による認知が必要です。元夫が子どもを認知して自分の子どもだと認めない限り、養育費を請求することができません。
認知には、父親が自ら行う任意認知と、裁判所の手続を通じて認めてもらう強制認知(裁判認知)の2つの方法があります。元夫が任意認知に応じない場合は、家庭裁判所に認知調停を申し立てる、または認知の訴えを提起することで、法律上の親子関係を成立させることが可能です。
そのうえで、元夫が養育費の支払いに応じない場合には、養育費請求調停の申立てを検討します。
出産前に母親が再婚した場合
母親が出産前に再婚していた場合、2024年の民法改正により、離婚後300日以内に生まれた子であっても、原則として再婚後の夫の子と推定されます。この場合、元夫は法律上の父親とはならないため、通常は元夫に養育費を請求することはできません。
その代わり、戸籍上の父親である新しい夫が子どもを養育する義務を負います。
出産後に母親が再婚し、再婚相手と子どもが養子縁組した場合
子どもが生まれた後で母親が再婚した場合、子どもには新しい父親ができます。
新しい父親が子どもを扶養する場合、元夫の養育費は減額されるか、免除される可能性があります。
ただし、再婚したからといって必ず再婚相手が扶養義務が負うわけではありません。再婚相手に子どもを扶養する義務が生まれるのは、子どもと養子縁組をした場合です。

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妊娠中の離婚のリスク・注意点
離婚後は経済的に苦しくなる
妊娠中の離婚を後悔してしまわないように、どのようなリスクがあるかを知り、対策を行いましょう。
女性が出産の前後に働いて十分な収入を得るのは難しいため、離婚後に経済的に苦しくなってしまうことが予想されます。離婚前からの金銭的な備えが必要です。
また、出産費用についても考えなければなりません。
離婚した後で出産費用を請求しても、元夫が任意に応じない限り支払いを強制することは難しいため、離婚前に話し合いで取り決めておくことを推奨します。
妊娠中は離婚の手続きが大変
離婚が決まると、役所での手続きや名義変更、引っ越しなど、様々な手続きが必要になります。これらの手続きの中には期限のあるものも多いですし、何か所も出かけなければいけません。体調の不安定な妊娠中に行うのは、かなり大きな負担になるでしょう。
本人でなくてもできる手続きは、代理人に任せてしまうという手もあります。
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一人で出産することになる
妊娠中に離婚すると、出産時に夫の付き添いを受けることができなくなります。実家が遠方の場合、両親の付き添いも難しく、転院して里帰り出産をするにも、別の病院で分娩予約が取れるとは限りません。
妊娠中に離婚した場合、一人での出産を覚悟する必要があります。
シングルマザーは子育ての負担が大きい
シングルマザーになった場合、一人で子育ての負担を抱えることになります。特に新生児期は、頻繁に授乳やおむつ替えが必要であったり、赤ちゃんが泣き止まなかったりと、母親は休む暇がありません。
また、ゆくゆくは子育てと仕事の両立も必要になるでしょう。
夫以外で家事や育児をサポートしてくれる人を見つけておくと安心です。
子どもが元夫の戸籍に入ってしまう
離婚後に出産すると、親権者は母親になりますが、子どもが父親の戸籍に入る場合が多いため注意が必要です。子どもの戸籍については、後ほど詳しく解説します。
子どもが父親の戸籍にいても、直ちに困りごとが生じるわけではありませんが、自分の子どもが別れた夫の戸籍に入ることに抵抗を感じる方もいるでしょう。
自分の戸籍に子どもを移す手続きも可能です。詳しくは『離婚したら戸籍はどうなる?子どもの氏は変わる?』をご覧ください。
妊娠中に離婚したら子どもの親権や戸籍はどうなる?
親権・苗字や戸籍の扱いは、子どもが生まれるタイミングや再婚のタイミングによって変わります。
| 子どもの戸籍・苗字※ | 子どもの親権者 | 戸籍上の父親 | |
|---|---|---|---|
| 離婚後、300日以内に出産 | 元夫 | 母親 | 元夫 |
| 離婚後、300日以降に出産 | 母親 | 母親 | ー |
| 離婚成立前に出産 | 両親 | 両親 | 元夫 |
| 離婚後、出産前に再婚 | 新しい夫 | 母親と新しい夫 | 新しい夫 |
※婚姻時に妻が夫の苗字に変えていた場合。
離婚後300日以内に出産した場合
離婚後300日以内に生まれた子どもは、(母親が再婚した場合を除き)前の夫との間の子どもであると推定されます。この制度を嫡出推定(ちゃくしゅつすいてい)と呼びます。
その場合、子どもは前の夫の戸籍に入り、前の夫の苗字を名乗ります。子どもを母親の戸籍に入れるためには、子どもの苗字を変える手続きと、戸籍を移す手続きが必要になります。
ただし、結婚の時に苗字を変えたのが夫側であり、離婚時に夫が旧姓に戻る場合は、子どもの戸籍と苗字は母親のものになります。
離婚後300日以降に出産した場合
離婚後300日を過ぎて生まれた子どもは、法律上、前の夫の子どもとは扱われません。そのため、子どもは母親の戸籍に入り、母親の姓を名乗ることになります。
親権も原則として母親が持つことになります。
父親が認知しても、自動的に父親が親権者になるわけではありません。父親を親権者とするには、両親の話し合いでそのように定める必要があります(民法819条4項)。
離婚前に出産した場合
離婚の話し合いが長引き、離婚が成立する前に子どもが生まれた場合、その子どもは夫婦の戸籍に入り、父母が共同で親権を持つことになります。
その後、離婚する際には、どちらが親権を持つかを話し合い、離婚届に記入します。現行法では、離婚後も両親が共同で親権を持つことはできないため、いずれか一方を親権者として定める必要があります。
ただし、民法の改正により、2026年4月1日以降に離婚する場合は、父母の合意があれば共同親権を選べるようになります。
出産前に再婚した場合
母親が出産前に再婚していた場合は、たとえ妊娠したのが前の夫との婚姻中だったとしても、新しい夫が父親であると推定されます。
親権者は新しい夫と母親の2人です。子どもが入る戸籍や苗字も、新しい夫のものとなります(母親が苗字を再婚相手のものに変えた場合)。
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妊娠中に離婚したら、面会交流はできる?
面会交流とは、離婚や別居により子と離れて暮らす親(非監護親)が、子と定期的・継続的に会って話をしたり遊んだり電話や手紙・メールなどで交流することです。
離婚後に相手と関わりたくない、子どもを相手に会わせたくないと思う方は多いですが、妊娠中に離婚しても、元夫が子どもの戸籍上の父親である限りは、子どもとの面会交流の権利は失われません。
したがって、元夫から面会交流を求められたら、子の利益に反する事情がない限り、原則的に拒否できません。
とはいえ、元夫にモラハラやDVがあった場合や、子どもが明確に拒否している場合、連れ去りの恐れがあるような場合は、拒否できる可能性があります。
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離婚後にもらえるお金を知っておこう!
妊娠中に離婚する場合、離婚後の生活資金についてよく考えなければいけません。
ここでは、離婚後の生活や子育てを支えるために、養育費以外で受け取れるお金を紹介します。
夫から財産分与を受け取れる
財産分与とは、夫婦が婚姻期間中に築いた財産を離婚時に公平に分配することです。例えば、家やマンション、貯金、自動車などを、原則2分の1ずつ分け合います。
なお、民法の改正により、2026年4月1日以降に離婚する場合は、財産分与を請求できる期間が、離婚後2年から5年に延長されます。
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夫や不倫相手から慰謝料を受け取れる可能性もある
夫にDV・モラハラや不倫、悪意の遺棄などの行為があった場合は、慰謝料を請求できる可能性があります。
離婚の慰謝料は様々な要素を考慮してそのケースごとに判断されます。おおむね、100万~300万円で支払われることが多いようです。
離婚の理由ごとの慰謝料の相場は以下の通りです。
| 離婚原因 | 慰謝料の相場 |
|---|---|
| 不貞行為 | 100~300万円 |
| 悪意の遺棄 | 50~300万円 |
| DV | 50~500万円 |
| モラハラ | 50~300万円 |
また、夫が不貞行為をしていたのであれば、相手の女性にも慰謝料請求が可能です。
妊娠中の不貞行為は、慰謝料が増額される要因として考慮されることがあります。
過去の裁判では、妻の妊娠期間を含む1年以上にわたる不貞行為に加え、日常的な高圧的言動や妻が被った精神的苦痛など諸事情を考慮し、一審の300万円から400万円への慰謝料増額が認められています(大阪高判令3・8・27)。
このように、妊娠中という時期の特殊性や精神的な負担の大きさが、通常より高い金額の認定につながることがあります。
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離婚で中絶したら慰謝料を請求できるのか?
妊娠中の離婚によって中絶を余儀なくされた場合や、中絶が原因で離婚することになってしまった場合、中絶によって受けた精神的苦痛を理由に、夫に慰謝料を請求することはできるのでしょうか。
結論から言うと、夫婦が合意のうえで妊娠・中絶した場合は、中絶のみを理由に慰謝料を請求するのは難しいでしょう。
ただし、妊娠・中絶に至った経緯によっては、慰謝料を請求できるケースもあると考えられます。たとえば、同意なく性交渉を強いられたケースや、避妊すると嘘をつかれていたケース、中絶の際に相手が協力的でなかったケースなどです。
また、離婚の原因が相手方にある場合は、離婚による精神的苦痛を理由に慰謝料を請求できる可能性があります。
健康保険から出産育児一時金を受け取れる
健康保険に加入している人は、出産時に健康保険から出産育児一時金を受け取れます。一時金の金額は子ども1人につき48.8万円もしくは50万円となっており、非常に頼りになる制度です。
会社の健康保険でも国民健康保険でも、なんらかの健康保険に加入していれば誰でも受け取ることができます。離婚によって夫の扶養から外れる方は、忘れずに健康保険の加入手続きを行いましょう。
離婚後の健康保険の手続きについては、『離婚したら保険はどうなる?生命保険・健康保険はそのまま?』で解説しています。自分はどの保険に加入すればよいのか、いつまでに手続きすればよいのかをご確認ください。
国や自治体の公的支援を受けられる
母子家庭には、多くの公的支援が用意されています。ここでは、代表的なものを紹介します。
- 児童手当
- 児童扶養手当
- 母子家庭の医療費助成制度
- 公正証書作成費用の支援
- 各自治体のひとり親家庭支援制度
これら以外にも、自治体によってひとり親家庭への支援制度が設けられている場合もありますので、各都道府県・市町村のホームページ等で調べてみてください。
以下は、自治体の支援制度がまとめられたページです。
- 東京都|シングルママ・シングルパパ くらし応援ナビTokyo
- 千葉県|ひとり親家庭への支援
- 埼玉県|ひとり親家庭
- 神奈川県|ひとり親家庭支援制度のご案内
- 愛知県|あいちはぐみんネット
- 大阪府|ひとり親家庭等への支援情報
申請が必要なものが多いため、事前に調べておいて、なるべく早く受給を始められるようにしましょう。
離婚後は元夫に生活費を請求できない
婚姻中の夫婦は、生活費(婚姻費用)を分担する義務を負っています。
しかし、離婚が成立してしまうと、生活費の分担義務はなくなるため、調停や裁判では婚姻費用の請求は認められなくなります。
ただし、話し合い次第では、扶養的財産分与といって、離婚後の生活費を財産分与として受け取ることができる可能性もあります。
扶養的財産分与とは、離婚後に生活が困窮する配偶者を扶養する目的の財産分与です。
夫婦間の収入の格差があまりに大きかったり、一方が病気などで離婚後に働くのが難しい場合には、離婚後の生活を支援するために扶養的財産分与が行われることがあります。
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妊娠中に離婚すると元夫に出産費用を請求するのは難しい
離婚後の出産費用についても、元夫には支払いの義務がありません。もちろん、任意で支払ってもらうことはできるので、離婚する前に夫と話し合うのが良いでしょう。
妊娠中の離婚についてよくある質問
Q. 妊娠中でも離婚できる?
妊娠中でも離婚は可能で、妊娠していること自体が法律上の障害になることはありません。ただし、出産の前後で離婚するタイミングによって、子どもの親権や戸籍の扱いが変わる点には注意が必要です。
Q. 妊娠中に夫から別れたいと言われたら?
協議離婚は双方の合意が必要なため、同意しなければ離婚は成立しません。夫が離婚を強行しようとしても、妻が応じない限り協議離婚は成立せず、離婚届への署名を強要することも許されません。
まずは弁護士に相談し、対応策を検討することを推奨します。
Q. 妊娠中に別居した夫から生活費はもらえる?
別居中でも婚姻関係が続いている限り、婚姻費用(生活費)を請求できます。実際の裁判例でも、妊娠中の妻を残して夫が一方的に別居したケースにおいて、その後に生じた費用を妻に負担させるべきではないとして、夫が求めた婚姻費用の減額は認められませんでした(東京高決令元・11・12)。
Q. マタニティブルーが原因で離婚できる?
マタニティブルーは、法律で定められた離婚理由には当たりません。夫婦の合意があれば協議離婚は可能ですが、同意が得られない場合は、調停や裁判での離婚を検討することになります。マタニティブルーは一時的な症状とされているため、出産後に気持ちが変わる可能性も踏まえ、慎重に判断することが大切です。
妊娠中の離婚で後悔しないために
離婚するなら妊娠中?出産後?
妊娠中の離婚と出産後の離婚、それぞれにメリット・デメリットがあります。
離婚前に出産すれば、夫に生活費や出産費用、ベビー用品の費用などを負担してもらえるでしょう。離婚前に別居していても、相手に婚姻費用を請求することができます。このように、離婚前の出産には金銭的なメリットがあると言えます。
一方で、夫と過ごし続けるストレスを軽視することはできません。DVやモラハラなどを受ければ、母子の心身に悪影響が及ぶ可能性もあります。夫と少しでも早く離れたいなら、妊娠中でも離婚した方が良いかもしれません。
また、離婚前に子どもが生まれると、子どもの親権は両親が持つことになり、離婚時に親権争いが生じる可能性があります。離婚後の出産であれば、親権者は自動的に母親になります。離婚後でも親権者変更調停や審判・裁判によって親権者を変更することはできますが、多くの場合母親が親権者とされるため、親権を取られてしまうリスクが低くなります。

弁護士
メリットとデメリットを比較し、妊娠中でも離婚すべきなのか、慎重に判断しましょう。
妊娠中の離婚で後悔しないために必要な準備
離婚後に後悔しないために、以下のようなことについて、離婚前に準備しておきましょう。
- 出産費用や生活費を用意する
- 離婚後の住居を確保する
- 働き口や子どもの預け先を確保する
- 出産の環境を整える
- 家事や育児をサポートしてくれる人を見つける
- 適切な離婚条件を取り決める
離婚したい気持ちは一過性でないか?
妊娠中は、ホルモンバランスの変化や急激な身体の変化によって、どうしても気分が不安定になるものです。
「離婚したい」という気持ちが一過性のものでないか、客観的に検討する必要があるでしょう。
出産を終えて心境や体調、夫婦の関係性が変化すると、離婚したいという気持ちがなくなる可能性もあります。
出産後に「離婚しなければよかった」と後悔することがないよう、周りの人に相談するなどして、冷静な判断を心がけましょう。
妊娠中の離婚は弁護士に相談!
妊娠中の離婚は、話し合いや手続きに通常以上の負担がかかります。弁護士であれば、依頼者の代わりに相手方との話し合いができるため、負担の軽減に繋がります。
また、依頼者にとって最良の条件での離婚となるよう、専門知識をもとに交渉していくことができます。
離婚の話し合いを長引かせないためにも、妊娠中の離婚をお考えの方は、早めに弁護士に相談することをおすすめします。

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

弁護士
こういった不法行為がなく、単に離婚をしただけでは、慰謝料を請求することは難しいと言えます。