岡野武志弁護士

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

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未成年に対するわいせつ行為は犯罪?同意の上でキスした場合は?

未成年にわいせつ
  • SNSで知り合った未成年にわいせつ行為をしたら被害届を出された
  • 女子高生の彼女とキスしたら犯罪になる?

未成年に対してわいせつ行為をした場合、不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)や淫行条例違反など、被害者の年齢によって成立する罪名が変わります。

もっとも、未成年と交際していて恋人同士である場合、わいせつ行為をしたとしても、よほどのことがなければ警察に相談されたり訴えられたりすることはないでしょう。

現実的に警察沙汰になるのは、街中や公共施設などで気になった未成年にわいせつ行為をしたり、SNSで知り合っただけで付き合ってもいない未成年にわいせつ行為をしたりするケースです。

この記事では、未成年者に対するわいせつ行為と刑罰について解説します。

未成年に対するわいせつ行為はどんな犯罪になる?

未成年に対するわいせつ行為で成立する犯罪一覧

不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)

相手が13歳未満の未成年(主に小学生以下)の場合、わいせつ行為に対する同意の有無に関係なく不同意わいせつ罪が成立します。

相手が13歳以上16歳未満の未成年(主に中学生)の場合、当事者同士の年齢差が5歳以上離れていれば不同意わいせつ罪となります。

同級生や年齢の近い者同士が同意の上でするわいせつ行為の場合は、不同意わいせつ罪とはなりません。

相手が16歳以上の未成年の場合、同意の上でのわいせつ行為は各都道府県の条例違反に該当します。

不同意わいせつ罪の法定刑は「6か月以上10年以内の拘禁刑」です。

わいせつ被害者の年齢によって成立する犯罪の違い

13歳未満13歳以上16歳未満16歳以上
同意あり不同意わいせつ罪不同意わいせつ罪※条例違反
同意なし不同意わいせつ罪不同意わいせつ罪不同意わいせつ罪

※年齢差5歳以上の場合に成立

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痴漢(迷惑防止条例違反)

電車や公共施設内で未成年の体を触った場合、痴漢として迷惑防止条例違反に該当する場合があります。

痴漢は不同意わいせつ罪に該当するほど悪質ではない性犯罪といえます。服の上から胸や尻に触れる、自分の股間を押し付けるなどの行為が、典型的な処罰対象です。

痴漢の刑罰は、東京都の条例の場合は「6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」です。

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淫行(青少年健全育成条例違反)

各都道府県の青少年健全育成条例では、18歳未満の者に対するわいせつ行為が処罰対象となっていることが多いです。

例えば、東京都の青少年健全育成条例では「何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。」と規定されています。

性交類似行為の中には、口淫や手淫等が含まれますので、わいせつ行為の態様によっては淫行条例違反になるでしょう。

淫行の刑罰は、東京都の条例の場合は「2年以下の懲役又は100万円以下の罰金」です。

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児童福祉法違反

学校教師や塾の講師など、相手の未成年に対して事実上の影響力を持つ者がわいせつ行為を行うと、児童福祉法違反になるケースがあります。

児童福祉法では「児童に淫行させる行為」が禁止されており、これに違反すると「10年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金」が科せられます。情状によっては、併科されるケースもあり得ます。

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監護者わいせつ罪

実親や養親など、未成年の生活を保護監督する者がわいせつ行為を行うと、監護者わいせつ罪に問われるでしょう。

監護者わいせつ罪の法定刑は「6か月以上10年以内の拘禁刑」で、不同意わいせつ罪と同じです。

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未成年に対するわいせつ行為は逮捕されやすい?

未成年に対するわいせつ行為は、被害者が幼ければ幼いほど逮捕の可能性が高まります。

逮捕は「逃亡の恐れ」「証拠隠滅の恐れ」がある場合の措置です。

被害者が幼ければ保護者の処罰感情も強くなり、許してもらうことは困難になるケースが一般的であり、被害者側の処罰感情が強い以上、検察官・裁判官も厳しい処分を下す傾向にあります。

不同意わいせつ罪や条例違反は実刑の可能性も考えられるため、逮捕しなければ逃亡の恐れがあると判断され、逮捕の必要性を満たしてしまうのです。

一方、18歳に近い高校生と同意の上でわいせつ行為を行ったような場合、事件が発覚後の取り調べを受けたとしても、逮捕されることはほとんどないでしょう。

未成年へのわいせつ行為で逮捕された後の流れ

未成年に対するわいせつ行為で逮捕された場合、以下のような流れで手続きが進みます。

身柄拘束は最長で23日間に及ぶ場合があり、最終的な判決までは早い事案で1~2か月ほどとなります。

逮捕の流れ

不同意わいせつで逮捕された後の流れについては、『不同意わいせつ・強制わいせつは現行犯逮捕や後日逮捕される?逮捕後の流れを解説』で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。

未成年とキスすると犯罪?

未成年にキスするとわいせつ行為になるのか?

未成年に対するキスがわいせつ行為になるかどうかは、態様や状況によって判断がわかれます。

愛情表現や挨拶などの目的でキスをしていて、わいせつ目的でない場合は、キスしたとしてもわいせつ行為とみなされないためです。

わいせつ目的であると判断されやすい要素としては、以下のような状況が挙げられます。

  • 唇同士が触れ合うキス
  • 力を入れて抱き寄せてキス
  • 行為の意味が分からないほど幼い子供にキス

未成年の同意を得てキスしても犯罪?

相手が未成年だとしても、キス程度であれば違法にはならないと考える方もいるかもしれません。

しかし、18歳未満の相手とキスすると、たとえ同意の上であっても犯罪になる場合があるので注意が必要です

ただし、相手の年齢にかかわらず、同意のもとで第三者に知られることなく行われる場合は、事件になることはまずありません。

実際に事件になるのは、トラブルが生じた際に無理やりキスされたと主張されたり、保護者にバレて被害届が出されたりするケースが多いでしょう。

未成年の保護者に被害届を出されたらどうなる?

キスした相手の未成年が小学生や中学生など、年齢が幼い場合には悪質な犯行と判断されやすく、逮捕の可能性が高いでしょう。

相手が高校生で交際関係にあるような状況であれば、取り調べを受けた後、当事者同士で話し合うように促されるケースが一般的です。

話し合いで解決できずに、万が一起訴されると、刑罰を受ける可能性が出てきます。そのため、相手方との示談交渉は慎重に進める必要があります。

未成年とキスしたら警察に自首すべき?まずは弁護士相談?

未成年者とキスした場合には、刑事事件化するリスクがあるのか、どのように対応すればいいのかなど、まずは弁護士に相談することをおすすめします

相手が被害届を出したり、警察に逮捕されたりした場合に備えて、アトム法律事務所で相談される方々の中には、弁護士と顧問契約を締結する方も多くいらっしゃいます。

顧問契約では、3か月~6か月の間、気になる内容を希望するタイミングで相談したり、万が一逮捕された場合に接見をすぐに依頼できたりします。

ご自身で自首して警察に事件が認知されてしまう前にまずはアトム法律事務所にご連絡ください。

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不同意わいせつ罪(旧強制わいせつ罪)は自首するべき?自首後の流れとメリット・デメリットとは

未成年に対するわいせつ行為に関するよくある質問

未成年と真剣交際していても犯罪になる?

未成年と交際していて恋人関係にあるだけで犯罪になるわけではありません。

犯罪になるのは、自分の性的欲求を満たす目的で未成年とわいせつ行為や性交等をした場合です。

未成年に性的発言をすると犯罪?

SNSやアプリで知り合った未成年に性的な発言をしてしまい、警察に通報すると言われたとしても、犯罪になるケースは限られています。

一般的にセクハラとされるような性的発言を未成年にしても、即座に犯罪になることはありません。

しかし、断られているのに何度も性行為を誘ったり、裸体や自慰行為中の動画や画像を要求したりする行為は、刑法に規定されている「面会要求罪」や「映像送信要求罪」に該当する場合があります

未成年にわいせつ行為をして訴えられたらどうすればいい?

未成年にわいせつ行為をして、本人や保護者などから訴えられた場合、弁護士を交えて示談交渉を行いましょう。

相手方から金銭請求を受けている場合には、お金さえ払えば解決できると思えるかもしれませんが、弁護士を交えて適切に示談を成立させなければ、再度蒸し返して金銭請求されるリスクが残ります

また、警察に被害届が出されてしまっている場合、警察対応も考えなければなりません。

いずれにしても、刑事事件に強い弁護士に相談することをおすすめします。

未成年にわいせつ行為をして不安な方はアトム法律事務所へ

アトム法律事務所では、刑事事件の加害者側の相談予約を、24時間365日受けつけています。

未成年に対する痴漢や不同意わいせつをしてしまい、今後の被害者対応や処分でお悩みの方は、すぐに以下の番号にお電話ください。

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