第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
アトムは夜間土日も受け付けの相談窓口で刑事事件のお悩みにスピーディーに対応いたします。
強制わいせつの示談金相場は?不同意わいせつの示談は弁護士に依頼?
2023年7月13日以降の事件は「不同意わいせつ罪」に問われます。
- 強制わいせつ・不同意わいせつの示談金額の相場は?
- 示談すると逮捕されない?前科がつかない?
- 示談を成立させるにはどうすればいい?
このような不安をお持ちの方に向け、この記事では、強制わいせつ事件・不同意わいせつ事件の示談交渉について詳しく解説します。
強制わいせつ事件・不同意わいせつ事件は、いかに早期に示談を成立させるかが刑事処分に大きく影響します。
示談交渉なら刑事事件に強いアトム法律事務所にぜひご相談ください。
なお、令和5年7月13日より強制わいせつ事件には「不同意わいせつ罪」が適用されます。
一方、令和5年7月12日以前におこした強制わいせつ事件は、公訴時効をむかえるまでは「強制わいせつ罪」として逮捕・起訴されます。
強制わいせつ罪と、不同意わいせつ罪の違いも踏まえながら、示談金の金額や刑罰を科される可能性について解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
刑事事件でお困りの方へ
ご希望される方はこちら
強制わいせつ・不同意わいせつの示談金相場は?
アトム法律事務所が過去とり扱った強制わいせつの示談金相場とは?
アトム法律事務所が過去とり扱ってきた強制わいせつ事件(≒不同意わいせつ事件)の統計では、強制わいせつ罪の示談金相場は50万円です。
なお、令和5年7月13日以降、強制わいせつ事件は不同意わいせつ罪に問われることになります。
罪名の違いはありますが、犯罪の本質は変わらないので、罪名が不同意わいせつ罪に変わったあとも、強制わいせつ罪の示談金相場は参考になるでしょう。
ただし、この数字はあくまで参考であり、行為態様の悪質性や処罰感情の大きさによって示談金額は大きく違ってきます。
事案によっては、30万円程度で示談が成立するケースもあれば、100万円を超えるケースもあります。
強制わいせつ・不同意わいせつの示談金額に影響する事情は?
示談金額は、特定の計算式にあてはめて答えが出るものではありません。様々な事情を総合的に考慮した上、当事者双方の話し合いによって示談金額が決まります。
不同意わいせつ罪(旧 強制わいせつ罪)の示談金額に影響するのは、主に以下の事情です。
不同意わいせつ罪(旧 強制わいせつ罪)の示談金額に影響する事情
- 暴行・脅迫の態様・程度
- わいせつ行為の内容
- 被害者の年齢
- 被害者やその家族に与えた肉体的・精神的苦痛の大きさ
- 被害者やその家族の処罰感情 など
不同意わいせつ罪(旧 強制わいせつ罪)は、被害者の性的自由を侵害する犯罪です。したがって、性的自由を侵害する程度が大きいほど、示談金額も高くなります。
例えば、キスをする等の行為よりも、衣服の中に手を入れて身体に直接接触する行為の方が示談金は高くなる傾向があるでしょう。
また、被害者が未成年者の場合、被害者本人はもちろん、そのご家族の精神的苦痛も非常に大きくなります。そのため、被害者が未成年の強制わいせつ・不同意わいせつ事件は、示談金額が高くなる可能性が高いでしょう。
強制わいせつ・不同意わいせつで示談をするメリットとは?
強制わいせつ・不同意わいせつ事件において被害者の方と示談を締結するのは重要です。示談の締結により、早期の釈放や不起訴処分獲得等の可能性が非常に高まります。
示談締結の時期 | 得られるメリット |
---|---|
警察が関与する前 | 刑事事件化を防げる可能性が上がる |
警察関与~逮捕前 | 逮捕回避と不起訴の可能性が上がる |
逮捕後~起訴前 | 早期釈放と不起訴の可能性が上がる |
起訴後 | 執行猶予の可能性が上がる |
特に不起訴処分の獲得の可能性が上がるのは非常に大きなメリットです。
不起訴というのは、裁判を開廷せずに事件終了とする手続きです。不起訴になれば刑を科されることはありませんし、前科もつきません。
実際に犯罪を行ってしまっている場合であっても、犯罪後の情況などによって起訴猶予で不起訴になる可能性はあるのです。
実務上、被害者の方と示談を締結し賠償を尽くしたという事実は、起訴・不起訴の判断において非常に重要視されるのです。
強制わいせつ・不同意わいせつ事件を起こした場合、事後的にできる最も重要な対応は示談です。被害者の苦痛を少しでも早く和らげるため、真摯な謝罪と共に早期に示談を申し出ましょう。適切な被害者対応は、結果的に刑事処分の軽減につながります。
強制わいせつ・不同意わいせつ事件では、起訴の判断に際し、被害者の処罰感情も重視されます。したがって、被害者が加害者を許すという宥恕文言が明記された示談を成立させると、より不起訴の可能性が高まります。すでに被害届の提出や告訴がなされているケースでは、それらの取下げや取消しをしてもらうことも重要です。
強制わいせつ・不同意わいせつ事件の被害者との示談交渉は、特に慎重な配慮が必要です。
いずれのタイミングで示談する場合であっても、刑事弁護の経験豊富な弁護士に相談することをおすすめします。
強制わいせつ・不同意わいせつ事件で示談すべきタイミングとは?
強制わいせつ・不同意わいせつ事件を起こしてしまった場合、被害者の方となるべく早く示談をすべきです。
示談成立は、どのタイミングであっても加害者に有利な事情として考慮されます。しかし、示談成立は早ければ早いほど、そのメリットは大きくなります。
警察が関与する前に示談を成立させれば、刑事事件化自体を回避できるケースもあります。刑事事件にならなければ、職場や学校への事件の発覚を防げる可能性が高いです。被害者から、被害届を提出しないという合意を得ておくとより効果的です。
警察が関与した後であっても、早期に示談が成立するほど不起訴の可能性が高まります。
強制わいせつ・不同意わいせつ事件が罪に問われるケースとは?
新法の「不同意わいせつ罪」とは?
新法の不同意わいせつ罪(刑法176条)は、令和5年7月13日以降のわいせつ事件に適用されます。
不同意わいせつ罪とは、16歳以上の者に対し、被害者が「一定の事由」によって、被害者が「同意しない意思を形成・表明・全う」することが困難な状態である場合に、「わいせつな行為」をしたときに成立します。
一定の事由というのは、以下の8類型に代表されます。
不同意わいせつ罪(刑法176条1項)
①暴行・脅迫
②心身の障害
③アルコール・薬物の影響
④睡眠その他の意識不明瞭
⑤同意しない意思を形成・表明・全うするいとまの不存在
⑥予想と異なる事態との直面に起因する恐怖又は驚愕
⑦虐待に起因する心理的反応
⑧経済的・社会的関係上の地位に基づく影響力による不利益の憂慮
①~⑧までの行為・事由その他これらに類する行為・事由によって、「同意しない意思を形成・表明・全う」を困難にさせたり、その状態に乗じたりして、「わいせつな行為」をした場合、不同意わいせつ罪(刑法176条1項)が成立します。
なお、不同意わいせつ罪は配偶者間であっても成立します。
また、16歳未満の者に対しては、上記①~⑧のような行為がなくても、わいせつ行為をしただけで不同意わいせつ罪が成立します。
不同意わいせつ罪の法定刑は、6ヶ月以上10年以下の拘禁刑です。
電車内や駅における痴漢行為についても、悪質なものについては不同意わいせつ罪になり得ます。
従来、実務では、衣服の上から接触した場合は迷惑防止条例違反、衣服の中に手を入れ直接身体に触れた場合は強制わいせつ罪に問われる傾向がありました。
今後もこのような傾向が踏襲され、衣服の中に手を入れて直接身体に触れる痴漢行為は、不同意わいせつ罪に問われやすいといえるでしょう。
衣服の中に手を入れて下着の上から陰部をもてあそぶなど執拗な態様の場合も、不同意わいせつ罪が成立する可能性が高いです。
旧法の「強制わいせつ罪」とは?
令和5年7月12日以前の「わいせつ事件」については、改正される前の「強制わいせつ罪」(旧 刑法176条)が適用されます。
おこした強制わいせつ事件が公訴時効をむかえるまでは、強制わいせつ罪の刑罰を受ける可能性がつづきます。
強制わいせつ罪というのは、13歳以上の者に対し、暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をした場合に成立します。
暴行または脅迫というのは、判例上「相手の意に反する」という程度の行為だと解釈されています。
この点、具体的に殴る蹴る等の暴力を振るっていなくても、強制わいせつ罪が成立します。
さらに13歳未満の者に対しては、暴行又は脅迫がなくても、わいせつ行為をしただけで強制わいせつ罪が成立します。
強制わいせつ罪の法定刑は、6か月以上10年以下の懲役です。
強制わいせつ・不同意わいせつで逮捕される可能性は?
強制わいせつ・不同意わいせつ事件の中で、被害者と面識のない痴漢事件などでは逮捕されないケースも多いです。
一方、被害者と加害者が顔見知りの場合は、被害者を脅すなど証拠隠滅のおそれが高いため逮捕される可能性は上がります。また、行為態様が悪質な場合も逃亡・証拠隠滅のおそれが高いため、逮捕される可能性が高いでしょう。
逮捕は「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」が認められるときに行われます。
不同意わいせつ事件・強制わいせつ事件で逮捕されると、起訴・不起訴が決まるまで最長23日間も拘束されるおそれがあります。
身体拘束が長引けば、仕事や学校生活に多大な影響が及びます。そのような影響を最小限に抑えるには、逮捕・勾留の阻止が非常に重要です。
逮捕・勾留を阻止するポイントも示談です。被害者の許し(宥恕)を得た示談が成立すれば、身体拘束されず早期に釈放される可能性が高まります。
強制わいせつ・不同意わいせつ事件の示談は弁護士に依頼すべき?
強制わいせつ・不同意わいせつ事件の示談は本人では無理?
強制わいせつ・不同意わいせつ事件においては、実務上、被害者の方と示談を結ぶには弁護士への依頼が必須です。
捜査機関は原則として、被害者の心情への配慮から、加害者に直接連絡先を教えることはありません。
弁護士が介入し、加害者本人には連絡先を教えないという約束をした上ではじめて連絡先を入手できる可能性が生じるのです。
仮に相手方の連絡先を事前に知っていたという場合であっても、連絡を取るのは不可能である場合が多いでしょう。
捜査機関は被害者の方への脅迫等による証拠隠滅のおそれを危惧します。そのため加害者と直接連絡しないよう事前にアドバイスが行われている場合がほとんどです。
そもそも被害者の方の心情からいっても、加害者本人との示談交渉に応じてもらえる可能性はゼロに近いです。
示談交渉は相手方の心情への特別な配慮が必要になりますから、実務上は弁護士への依頼が必須となります。
強制わいせつ・不同意わいせつ事件の示談を弁護士に依頼するメリットは?
示談交渉を弁護士に依頼することで様々なメリットが得られます。
まず、弁護士に依頼すれば冷静な話合いのもと、適切な金額での示談成立が期待できます。
弁護士は、同種事例や裁判例を精査し、適切な示談金額を算出するノウハウを身につけています。そのため、被害者に対しても、適切な示談金額の根拠を具体的に説明することが可能です。
もちろん、一方的に金額を提示するのでなく、被害者の心情にも十分配慮した上で慎重に示談を進めます。被害者に納得いただけるよう、再犯防止のための条項を盛り込むなど工夫をこらします。
また、示談内容を不足なく正確に示談書にまとめられるというのも弁護士に依頼する大きなメリットのひとつです。
弁護士が関与する示談では、一般的に清算条項を盛り込みます。清算条項によって、将来、被害者から損害賠償を請求されるリスクを防止できます。
示談成立後は、検察官に対し、ただちに示談書の写しを送付し、刑事処分の軽減を求めます。
法的な観点から必要な条項をとりまとめ、不起訴獲得に向けて必要な手続きを迅速に行うことができるのです。
刑事事件でお困りの方へ
ご希望される方はこちら
監修者
アトム法律事務所
所属弁護士
不同意わいせつ事件・ 強制わいせつ事件の内容は様々です。同じ身体に触れる行為でも、直接触れたのか服の上からだったか、触る強さや執拗さはどの程度だったかなど具体的状況により悪質性が異なります。
適切な示談金額を算出するには、個々の事情の詳細な検討が不可欠です。
ご自身の適切な示談金額を知りたい方は、弁護士へ直接相談することをおすすめします。