
第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
アトムは夜間土日も受け付けの相談窓口で刑事事件のお悩みにスピーディーに対応いたします。
器物損壊は罰金?懲役?器物損壊罪は示談で解決できる?

器物損壊罪で捜査を受けている方、そのご家族の方へ。
器物損壊罪は、他人の物を、わざと壊す等して使えない状態にした場合に、成立する犯罪です(刑法261条)。
器物損壊罪の刑罰は、懲役(1ヶ月以上3年以下)、または罰金(1万円以上30万円以下)、もしくは科料(1,000円以上9,999円以下)です。
ただし、器物損壊罪は、告訴がなければ処罰されません。告訴された場合でも、被害者の方との示談によって、不起訴を目指せる可能性もあります。
器物損壊罪の前科を避けたり、処分を軽くするためには、弁護士に相談するのがおすすめです。
この記事では、器物損壊罪の刑罰、不起訴を目指す方法などを解説します。
弁護士による解決事例もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
刑事事件でお困りの方へ
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目次
器物損壊の罰則とは?
器物損壊をしたら罰金?懲役?
器物損壊罪の法定刑は、刑法261条で、「3年以下の懲役」または「30万円以下の罰金」もしくは「科料」と規定されています。
器物損壊罪の刑罰
- 1ヶ月以上3年以下の懲役
- 1万円以上30万円以下の罰金
- 科料(1000円~9999円の納付)
懲役とは、刑務所に収監する刑罰で、しかも刑務作業の義務が課されます。
器物損壊で懲役となった場合、原則として1か月以上3年以下の間、刑事施設に収容される可能性があります。
また懲役刑が科される場合には執行猶予が付される可能性もあり、この場合には指定された年数のあいだ何も犯罪を犯さなければ刑務所に行かずに済みます。
罰金とは、強制的にお金を支払わされる刑罰です。
罰金の範囲は原則として1万円以上です。器物損壊で罰金刑が科された場合、原則1万円以上30万円以下の金銭を徴収される可能性があります。
科料とは、1000円以上1万円未満の金銭の支払いを命じられる刑罰のことです。
器物損壊罪にも「科料」の刑罰がありますが、実務上これが選択されることはほとんどありません。
器物損壊罪の罰金刑と損害賠償の違い
刑事責任 | 民事責任 | |
---|---|---|
内容 | 刑罰を受ける | 損害を賠償する |
例 | 罰金・科料・懲役 | 被害額を弁償 |
罰金刑や科料は、刑事罰です。一方、損害賠償は、壊してしまった物の弁償や賠償を指します。
刑事責任を問われて罰金や科料を国に納めたとしても、被害者に対する、民事上の賠償責任は残ります。
器物損壊罪で有罪になり「罰金」を支払ったからといって、民事責任を果たしたことにはならないのです。
別途、被害者に対して、物を壊したことについて、被害の弁償・賠償が必要になります。
器物損壊で罰金刑でも前科がつく?
刑事事件で懲役にならず罰金刑で済んだ場合、前科がつくことはないと思われる方もいると思いますが、それは間違いです。
前科は刑事事件で有罪判決が確定した事実を意味し、罰金刑もこれに含まれます。
日本における刑事裁判では有罪となる割合が非常に高いです。
前科を避けるためには不起訴処分を目指すことが大切です。
前科の影響・不利益
刑事事件で前科がつくと、職場を懲戒解雇されたり、履歴書の賞罰欄に前科について記載しなければいけなかったりします。
また、賃貸借契約や融資契約を結びにくくなるといった社会生活上の不利益も無視できません。
前科による不利益にもっと詳しく知りたい方は、『前科があると海外出張できない?海外出張と前科の影響|ビザ取得は可能?』の記事もあわせてお読みください。
器物損壊罪になる行為とは?逮捕の可能性は?
器物損壊となる行為とは?
器物損壊罪は、「故意」で「他人の物」を「損壊」した場合に成立する犯罪です。
損壊
「損壊」とは物理的に破壊する行為だけでなく、物の効用を失わせる行為も含みます。
たとえば、他人の車を傷つける行為のように物理的に物を破壊する行為だけでなく、食器に放尿するような行為も器物損壊罪に当たり得ます。
損壊の例
- 石を投げてガラスを割った
- 車に傷をつけた
- 食器に放尿した
- 衣服に射精した
他人の物
器物損壊罪は、「他人の物」を損壊する犯罪ですが、動物を傷害する行為にも成立します。
他人が飼っているペットを傷つけたような場合、器物損壊罪が成立する可能性があります。
故意
器物損壊罪が成立するためには、「壊そうとして壊した」という故意が必要です。つまり、わざとやった場合に、罪になります。
他人の物を壊すつもりがなかったのに、不注意で壊してしまった場合には成立しません。
ただし、実務上、酔っていて覚えていないなどの事情があったとしても「故意」は認められるのが、通常です。
酔っ払ってタクシーの運転手とトラブルになり、タクシーのドアを蹴り壊した場合、記憶がなくても、わざとやったと認定され、器物損壊罪になる可能性が高いです。
器物損壊は逮捕される?
器物損壊罪は逮捕される可能性のある犯罪です。
過去アトム法律事務所がとり扱った事例では、約60%前後の事案で逮捕がおこなわれていました(アトム「器物損壊の逮捕率」の統計より)。
逮捕は「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」が認められるときに行われます。
しかし、器物損壊の程度が大きいなど犯行が悪質な場合では、事件の重大性から逃亡や証拠隠滅のおそれがあるとして逮捕される可能性が高まります。
「加害者と被害者が親しく、脅迫などによる口裏合わせのおそれがある」、「犯行後、現場から逃亡して身をくらませていた」といった事情がある場合も、逮捕の可能性はかなり高まります。
なお、軽微な器物損壊では逮捕が行われず、在宅事件として手続きが進むケースもあります。
関連記事
・器物損壊は逮捕される?後日逮捕の可能性や逮捕後の流れを解説
器物損壊の時効とは?
器物損壊事件には、時効があります。
器物損壊事件で重要なものは、公訴時効、告訴期間です。
公訴時効 | 告訴期間 | |
---|---|---|
内容 | 起訴の期限 | 告訴の期限 |
期間 | 器物損壊から3年 | 器物損壊から6ヶ月 |
以下、くわしく見ていきます。
器物損壊における刑事の時効(公訴時効)とは?
公訴時効とは、犯罪が終わった時から一定期間を過ぎると、起訴されなくなる制度です。
起訴されないということは、刑事裁判が開廷されることもなくなり、罪に問われなくなります。
器物損壊における公訴時効は、犯罪行為が終わったときから3年です。
器物損壊罪の公訴時効についてもっと詳しく
器物損壊罪の法定刑は「3年以下の懲役又は30万円以下の罰金若しくは科料」なので(刑法261条)、刑事訴訟法250条2項6号の「長期5年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪」に該当し、公訴時効が「3年」になります。
時効は、人を死亡させた罪であつて禁錮以上の刑に当たるもの以外の罪については、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
刑事訴訟法250条2項6号
一 (略)
六 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年
刑事事件の公訴時効について、もっと詳しく知りたい方は『刑事事件の時効は何年?公訴時効がなくなった刑事事件は?』の記事もご覧ください。
器物損壊は親告罪?告訴期間は?
告訴とは被害者が捜査機関に対して犯罪の事実を申告して、加害者を処罰してほしいという意思表示をすることです。
器物損壊罪は被害者が告訴をしなければ起訴することができない親告罪となっています。
つまり被害者が告訴しなかったり、告訴後にそれを取り消したりした場合には罪に問われることはないのです。
被害者が告訴をすることができる期間は、被害者が犯人を知った日の翌日から起算して6か月です。
告訴できる期間が経過すれば、器物損壊罪で刑罰を科せられることはありません。
犯人が判明しないなどの例外的な場合を除き、通常であれば公訴時効よりも先に告訴期間が経過します。
コラム:器物損壊事件の民事の時効について
器物損壊における民事の時効とは?
器物損壊では、物を壊したことの民事上の責任を追及されるケースが多いといえます。具体的には壊した物品について損害の賠償を請求されます。
法律上は、器物損壊の刑事上の手続きだけでなく、こうした民事上の侵害賠償請求にも時効が設けられています。
民事の時効が成立すると、損害賠償請求されることがなくなります。
損害賠償請求の時効は、被害者が損害と加害者を知ってから3年です。
3年経過すれば賠償義務はなくなるとしても、時効の経過を待つのはおすすめできません。
器物損壊は逮捕される可能性が高い罪です。早期に穏便な解決を目指すなら、弁護士に相談して、時効前の示談を検討すべきでしょう。
器物損壊をしてしまったら弁護士に相談すべき?
器物損壊では被害者との示談が重要?
器物損壊事件の被疑者として捜査を受けてしまっている方は、弁護士に相談して示談の締結を目指しましょう。
器物損壊事件では被害者との示談締結が重要です。
示談というのは当事者同士の話し合いによって民事上の賠償責任を解消する手続きです。

一般的に、加害者は示談金を支払い被害者はそれを受領して示談締結となります。
先述の通り、器物損壊罪は被害者が告訴をしなければ起訴することができない親告罪です。
そのため器物損壊の示談交渉では、被害者が告訴をしない、あるいは被害者の提出した告訴を取り消してもらうという条項を示談に盛り込むことが重要です。
この条項を盛り込むことができれば、確実に前科が付きません。
告訴の取り消しは、検察官によって起訴される前にする必要があります。
そのためなるべく早く弁護士に相談することが重要です。
実務上、刑事事件における示談交渉は弁護士が介入しないと不可能であるため、まずは弁護士に相談してみてください。
器物損壊の示談を弁護士に相談するメリットとは?
不起訴の獲得以外の面でも弁護士に相談すれば様々なメリットが得られます。
弁護士相談のメリット
- 取り調べに冷静に対応するためのアドバイスが貰える
- 逮捕や勾留を回避できる可能性が高まる
- すでに身体拘束されている場合、早期釈放の可能性が高まる
特に身体拘束の阻止や早期釈放は、今後の日常生活への復帰という点で非常に大きな意味を持ちます。
刑事事件で逮捕されると、起訴・不起訴の判断が下されるまで最長で23日にわたり身体拘束されるおそれがあります。
この間、外出したり個人的に外部と連絡を取ったりすることは完全にできなくなります。
会社や学校にはほぼ確実に事件が知られてしまうことになるため、社会的なダメージを負ってしまうことになるのです。
逮捕されないためにも弁護士にはなるべく早めに相談することをおすすめします。
アトムの解決事例(器物損壊事件)
こちらでは、過去にアトム法律事務所で取り扱った器物損壊事件について、プライバシーに配慮したかたちで一部ご紹介します。
車の損壊(否認・示談なし・不起訴)
駐車していた車に傷をつけたとして逮捕されたが、不起訴処分となった事例
被害者宅に停められていた車にペンで傷をつけたとの疑いをかけられ、逮捕された。依頼者は全く身に覚えがなかった。器物損壊の事案。
弁護活動の成果
裁判官に意見書を提出したところ、勾留延長が却下されて早期釈放を実現。また、黙秘権の行使などのアドバイスを行い、弁護を尽くした結果、不起訴処分となった。
示談の有無
ー
最終処分
不起訴
商品の損壊(認め・示談あり・不起訴)
コンビニ商品を故意に壊したとされた件で、示談が成立して不起訴となった事例
コンビニの商品を故意に壊す等したとされるケース。依頼者は事件から半年後に警察の聴取を受けることになったが、依頼者本人としてはすでに犯行当時の記憶がなかった。器物損壊の事案。
弁護活動の成果
被害店舗に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。不起訴処分を獲得した
示談の有無
あり
最終処分
不起訴
植物の無断伐採(示談なし・罰金10万円)
近隣トラブルを巡り逮捕されたが、罰金で実刑を回避した事例
被害者宅の植物を無断で伐採し、被害者を押すなどした。器物損壊、暴行の事案。
弁護活動の成果
裁判官に意見書を提出したところ、勾留請求が却下され早期釈放が叶った。また、情状弁護を尽くし、略式起訴で罰金刑となった。
示談の有無
ー
最終処分
罰金10万円
接着剤で服等を汚損(示談なし・罰金30万円)
駅で被害者の衣服等に接着剤を付着させ、罰金になった事例
駅や駐輪場において、被害者児童所有の服や自転車に対し、複数回にわたり接着剤を付着させ汚損した器物損壊の事案。
弁護活動の成果
依頼者の希望により示談交渉は中断したが、情状弁護を尽くし略式起訴で罰金刑となった。
示談の有無
ー
最終処分
罰金30万円
精液で衣服を汚損(示談なし・懲役10月執行猶予3年)
駅で女性に体液をかけ起訴され、執行猶予がついた事例
駅構内で、容器に入れた唾液や精液を女性の背後からかけ、服に付着させた。警察官が目撃し、現行犯逮捕された。
弁護活動の成果
親族の葬儀出席のため、勾留の執行停止決定を得た後保釈が認容され、早期釈放。裁判の場で情状弁護を尽くし、執行猶予付き判決となった。
示談の有無
ー
最終処分
懲役10か月執行猶予3年
商品に放火(示談あり・懲役1年6月執行猶予3年)
酔ってコンビニの商品に火をつけ、執行猶予処分となった事例
コンビニの店内で商品に火をつけ、数か月経に逮捕された。当初、放火容疑で捜査を受けていた。
弁護活動の成果
延焼の度合いが小さかったため、意見書を提出。結果、放火ではなく器物損壊、威力業務妨害として立件された。
被害店舗に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。
結果、実刑を回避し、執行猶予付き判決となった。
示談の有無
あり
最終処分
懲役1年6か月執行猶予3年
より多くの事案をご確認されたい方は『刑事事件の解決実績』をご覧ください。
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最後にひとこと
器物損壊罪は、故意に、他人の物を使えなくした場合に成立する犯罪です。
器物損壊の典型例は、壊す、隠すなどの行為ですが、衣服への射精なども含まれます。
器物損壊罪には、懲役、罰金、科料といった刑罰があります。
被害者の方との示談が成立すれば、不起訴を目指せる可能性もあります。
事件の態様が軽微であれば、懲役刑ではなく、罰金、科料を目指せる事案もあります。
器物損壊の件でお悩みの方は、刑事事件に強い弁護士に相談して、今後の対応を検討してみてください。
アトム弁護士の評判・依頼者の声
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迅速に親身かつ快く対応してくれ、自信を持って行動できました。

短い間でしたが、ありがとうございました。何からすればよいのか、今後どうなるのかなどなにも分からない状態から、様々なご指導をいただき、最終的に略式罰金というかたちになったのは、先生のおかげです。本当にありがとうございました。こちらの都合で連絡が疎かになっても、いつでも素早く、そして快く対応していただき、とても信頼してお任せすることができました。分からないことは何でも聞いてくださり、必要なことは何でも話してくださり、迷わず自信を持って行動できたのは先生のおかげです。今後は、弁護士さんのお世話にならないように努めますが、もしもまた機会がありましたら、そのときはよろしくお願い致します。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了