仮面夫婦をやめて離婚したい!仮面夫婦の特徴や離婚のきっかけを解説
「仮面夫婦でいることに疲れた」
「仮面夫婦の状態から抜け出して、離婚する方法を知りたい」
仮面夫婦とは、表面上は仲のいい夫婦を装っているものの、実際には冷えきった関係にある夫婦のことをいいます。
仮面夫婦を長く続けている方のなかには、「疲れた」と感じてしまったり、「このままでいいのか」と悩んだりしている方も多いのではないでしょうか。
今回は、仮面夫婦の特徴や離婚のきっかけ、仮面夫婦の状態に疲れてしまったときの対処法、仮面夫婦をやめて離婚するときの方法やタイミングについて解説します。
目次
仮面夫婦の特徴は?
人前では仲良くふるまう
仮面夫婦の特徴として、人前では仲良くふるまう傾向にあることが挙げられます。
一般的な仲の悪い夫婦の場合は、そもそも一緒に外出しなかったり、外に出ても喧嘩をしてしまったりすることが多いでしょう。仮面夫婦の場合は、人前でも仲の良い夫婦を演じ、自然にコミュニケーションをとる傾向があります。
また、子どもがいるという場合は、子どもの参観日や運動会といった行事に夫婦そろって参加することが多いです。お互いの実家に帰省したり、地域行事に参加したりと、円満な過程を演出するという特徴があります。
お互いに興味がなく、会話がない
仮面夫婦の特徴として、お互いに愛情がなくなっており、関心を持ったり、家庭内で会話をしたりすることがない傾向にあります。
一般的な仲の悪い夫婦の場合は、会話の中で口論になったり、相手が浮気をすれば喧嘩をしたりすることがあると思います。
配偶者について関心がないため、場合によっては浮気や不倫といった不貞行為も黙認していることもあります。セックスレスの状態にあるというのも特徴の一つです。
生活費の受け渡しや家事などはおこなっていることが多い
仮面夫婦の特徴として、夫がきちんと生活費を渡していたり、妻がきちんと家事や育児をこなしていたりすることが多いです。
一般的な仲の悪い夫婦の場合は、夫が生活費を渡すのを放棄したり、妻が家事や育児をすることをやめてしまったりといったこともあるでしょう。
仮面夫婦の場合は、「夫は家庭にお金を入れてくれるだけの人」「妻は家事や育児をしてくれるだけの人」と、お互いに割り切っているという特徴があります。
家庭内別居に陥ることも
場合によっては、家の中では一緒に食事をとらなかったり、ほとんど別々の生活をしていたりと、家庭内別居の状態に陥ることもあるようです。
家庭内別居についてくわしく知りたい方は、『家庭内別居とは?離婚率は?離婚の仕方・財産分与・婚姻費用等も解説』をご覧ください。
仮面夫婦になったきっかけは?
配偶者の浮気や不倫
仮面夫婦になったきっかけとして、配偶者の浮気や不倫といった不貞行為が発覚し、相手への信頼がなくなった、といったことが挙げられます。
一度不貞を許したとしても、愛情が冷めてしまったり、何度も不貞行為を繰り返されたことで相手のことについてどうでもよくなってしまったりといったケースがあるようです。
とくに子どもがいる場合は、世間体や子どもの影響を考えたうえで、離婚せずにそのまま夫婦関係を継続することがあるようです。そして、そのまま仮面夫婦の状態になってしまうことが多いと考えられます。
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生活リズムが合わない
配偶者と生活リズムが合わず、会話をしないことに慣れてしまった結果、仮面夫婦の状態になることもあるようです。
会話が疎遠になってしまい、会話をするといっても、相手と自分のスケジュールを話すだけの事務的な連絡をするにとどまってしまう場合があります。
セックスを拒絶され、セックスレスになった
配偶者にセックスを拒絶されてしまったり、セックスレスに陥ったりすることで、仮面夫婦の状態になる場合があります。
一度強くセックスを拒絶されてしまうと、ショックを受けてセックスレスになることもあるでしょう。また、子どもが生まれて「女性として見れなくなった」という理由でセックスレスになることもあるようです。
セックスレスになった結果、相手への気持ちが薄れてしまい、結果として仮面夫婦の状態に陥ってしまうケースがあります。
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夫婦の価値観が合わずに喧嘩した
夫婦の価値観が合わず、大喧嘩した結果、相手と歩み寄ることをあきらめ会話が疎遠になって、仮面夫婦の状態になることもあるようです。
性格の不一致が原因ですれ違いが積み重なることで、相手への愛情が薄れてしまうということがあります。
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結婚当初から愛情がなかった
結婚を急いだり、相手のことをよく知らないまま結婚したりして、相手について無関心な状態で結婚した結果、仮面夫婦の状態になることもあるでしょう。
相手について無関心なため、「会話がない」「相手のすることに興味がない」といった状態に陥ることが多いです。
仮面夫婦が離婚しない理由は?
子どものため
仮面夫婦が離婚しない理由として、子どもへの影響を考えているということが挙げられます。
離婚をしてしまうと、どちらかの親と一緒に住まなくなることが大半ですので、子どもにとっては大きな影響を与えることになります。
「苗字が変わる場合がある」「転園や転校をしなくてはならない場合がある」など、子どもを取り巻く環境が変化してしまうことは否めません。
子どもに対する影響を考えて、離婚をしないまま仮面夫婦の生活を続けるという夫婦もいるようです。
ただし、子どもが夫婦の関係性に気付いており、居心地の悪さや精神的なつらさを感じている場合があります。子どもの気持ちに寄り添ったうえで、どういった形の生活がよいかを今一度考えてみることが重要です。
お金のため
お金の問題で、仮面夫婦を続けるというケースがあります。
たとえば、専業主婦(夫)の場合は、離婚することを選ぶと経済的に厳しくなってしまうリスクがあります。子どもを引き取ってひとり親家庭になるという場合であれば、なおさらです。
結婚していると、配偶者控除を受けられるというメリットもあります。遺産相続や年金の観点から、あえて結婚したままで過ごすという仮面夫婦もいるでしょう。
お金を家に入れている側からしても、「家事はきちんとしてくれる」という理由で、離婚をすることなく夫婦生活を続けるということも多いです。
離婚の手続きが面倒
離婚に伴う手続きや、離婚条件について検討することが面倒で、離婚をせず仮面夫婦の生活を続ける夫婦もいるでしょう。
離婚する際は、「財産分与はどうするのか」「慰謝料は発生するのか」「子どもがいるときは親権・養育費はどうするのか」といった、さまざまな離婚条件に付いて検討しなければなりません。
離婚についての話し合いがまとまらなければ、離婚調停や離婚裁判にもつれ込むこともあるでしょう。
離婚に関する手続きが煩雑なため、それを嫌って仮面夫婦のまま過ごすというケースがあります。
世間体のため
仮面夫婦の状態を継続する夫婦のなかには、「離婚したことで世間体が悪くなることを防ぎたい」と考えている夫婦もいるでしょう。
「離婚したことが同僚や友人に知られたら恥ずかしい」「職場での評価に響くから離婚したくない」「実家や親類からの視線が気になる」といった理由で、離婚を選ぶのではなく仮面夫婦の生活を続けるケースがあります。
仮面夫婦でいることに疲れて離婚したいと思ったら
「仮面夫婦の状態になっていて、疲れてしまった」という方もいらっしゃると思います。
ここでは、仮面夫婦でいることに疲れたときの相談先や対処法について解説します。
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第三者や外部の相談窓口に相談する
「仮面夫婦の状態に疲れてしまった」という方は、現在の状況を親類や知人といった第三者や、外部の相談窓口に相談してみてもよいかもしれません。
第三者の意見を聞いてみることで、気持ちが和らいだり、自分が次にどういった行動をとればよいかが分かったりすることもあるでしょう。
外部の相談窓口には、24時間対応しているところもありますので、活用してみることをおすすめします。
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カウンセリングを受ける
仮面夫婦で離婚するかどうか悩んでいるという場合は、離婚カウンセラーに相談してみるのもよいかもしれません。
離婚カウンセリングとは、夫婦間の離婚問題についてカウンセラーによるアドバイスやサポートを受けることができるサービスです。
離婚をする方法だけでなく、離婚を回避し、夫婦関係を修復するための解決方法も含めてカウンセリングを受けることができるため、検討してみるのもおすすめです。
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・離婚カウンセリングとは?離婚カウンセラーに無料相談はできる?
別居してみる
「仮面夫婦状態から抜け出して離婚したい」と思う場合は、別居を検討してみるのも一つの手です。
別居をすることで、相手と離れて自分の考えを冷静に整理することができる場合があります。
また、「別居をする」というステップを踏むことで、相手にこちらが「仮面夫婦の関係をやめて、本気で離婚したい」と思っているということを伝えることもできるでしょう。
一般的に、別居期間がおおよそ3年~5年程度あれば、婚姻関係が破綻していると裁判所に判断してもらえ、離婚できる可能性が高くなります。
もし「とくに不貞行為などの理由はないけれど、仮面夫婦の状態になっているから離婚したい」という場合は、別居を検討してみることをおすすめします。
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・別居何年で離婚できる?離婚成立に必要な別居期間は?1年未満も多い?
弁護士に相談する
「仮面夫婦状態から抜け出して離婚したい」と考えている場合は、弁護士に相談するのもよいでしょう。
弁護士に相談すれば、法的な観点から離婚についてのアドバイスをもらえます。「離婚する理由がない」と思っていても、法的に見れば十分離婚理由になるような事実を指摘してくれる場合もあります。
離婚の交渉を代理することも可能ですので、とくに「離婚の手続きが面倒だから仮面夫婦として過ごしている」という方は検討してみることをおすすめします。
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仮面夫婦が離婚するときの方法やタイミング、ポイント
離婚の手続きは通常の夫婦と変わらない
仮面夫婦の状態だからといって、離婚の方法が通常と変わるわけではありません。
離婚は基本的に「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」とステップを踏んでいくことになります。
「仮面夫婦の状態をやめて離婚したい」と考えている方は、離婚の手続きについて確認しておくとよいでしょう。
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タイミングの多くは子どもが大きくなったら
仮面夫婦が離婚するタイミングとしてよく挙げられるのが、「子どもが大きくなったら離婚する」というものです。
子どもが大きくなってから離婚する理由として、「子どもの生活環境を変えたくない」「子どもから父親(母親)を奪ってしまうことにつながる」といった理由が挙げられます。
しかし、無理をして仮面夫婦として生活を続けることが、子どもにとって幸せであるとは限りません。
子どもを守るために離婚をするべき状況もありますので、今一度現在の状況を見つめなおしてみることも重要です。
仮面夫婦の状態が夫婦生活の破綻とみなされるケースは少ない
仮面夫婦の状態から抜け出すために離婚を考えている場合、仮面夫婦の状態イコール夫婦生活の破綻とみなされるケースは少ないということについて覚えておきましょう。
もし離婚の話し合いがまとまらず裁判離婚にまでもつれた場合は、離婚するためには「婚姻関係が破綻していること」と、「法定離婚事由があること」の2つの条件を満たす必要があります。法定離婚事由とは、以下の5つです。
法定離婚事由
- 不貞行為
- 悪意の遺棄
- 3年以上の生死不明
- 回復の見込みのない強度の精神病
- その他婚姻を継続しがたい重大な事由
「婚姻関係が破綻していること」は、お互いに離婚を決意し、夫婦関係が修復不可能なまでに至っている状態のことをいいます。
仮面夫婦の状態であったとしても、同居している場合は、「婚姻関係が破綻している」とは容易に判断されないケースがあることに注意が必要です。
ただし、仮面夫婦の場合は、「長年にわたってセックスレスの状態にある」「過去に不貞行為をしていた」といった理由から、婚姻関係が破綻しているとみなされるケースももちろんあります。
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仮面夫婦をやめて離婚する場合は準備をしておく
仮面夫婦をやめて離婚しようと思い立ったら、まずは離婚に向けた準備をしておきましょう。
準備をすることなく離婚をしてしまうと、不利な条件での離婚を強いられたり、離婚後の生活が苦しくなってしまったりといったリスクがあります。
「離婚後の住居・仕事はどうするのか」「子どもの転校先はどうするのか」「財産分与や養育費といった、金銭面の条件はどうするか」といったことについて準備しておきましょう。
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仮面夫婦をやめて離婚したい場合は弁護士に相談!
仮面夫婦として生活するのに疲れてしまったという方は、弁護士に相談することをお勧めします。
弁護士に相談すれば、離婚についてのアドバイスをもらえるほか、「離婚する理由がない」と思っていても、法的に見れば十分離婚理由になるような事実を指摘してくれる場合もあります。
離婚の話がもつれたときも、離婚調停や離婚裁判で心強い味方になってくれるはずです。
無料相談を受け付けている弁護士事務所もありますので、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了