第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
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刑事事件が報道される基準は?実名報道を避けるには?記事は削除可能?
- 刑事事件で実名報道される事件・されない事件の基準は?
- 実名報道されるタイミングは逮捕?
- 実名報道を避けるには?実名報道された記事は削除できる?
刑事事件で検挙・逮捕された方は、実名報道される不安をお持ちの方が多いです。
この記事では、刑事事件で実名報道される事件・されない事件について徹底解説します。
実名報道の基準やタイミング、実名報道を避ける方法などを知りたい方はぜひ最後までご覧ください。
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目次
刑事事件で逮捕!ネットや新聞などで実名報道される?
刑事事件が実名報道される基準は?
刑事事件では、実名報道される事件と、「無職の男」「会社員の男」といったように実名報道されない事件があります。
実は、どのような刑事事件が実名報道の対象になるかについて、法律には、明確な基準がありません。
刑事事件が報道されるかどうかは、警察が事件をマスコミ向けに発表するかどうか、発表された事件をマスコミが報道するかどうかによって決められます。
実名報道されやすいのは、以下のような刑事事件です。
実名報道されやすい刑事事件
- 社会的関心が高い刑事事件
- 重大な刑事事件
- 社会的地位のある人物がおこした刑事事件
なお、社会的関心が高い刑事事件が、重大な結果を引き起こした刑事事件でもあり、社会的地位のある人物による犯罪の場合もありますが、以下では、それぞれについて、代表的な具体例をあげてみます。
社会的関心が高い刑事事件
公共の利害にかかわる事件や、社会情勢や技術の変化に応じて増加した犯罪などは、社会的関心が高い刑事事件といえます。
たとえば、オレオレ詐欺などの組織的詐欺事件、介護職員による入所者への暴行事件、飲酒運転による死亡事故などは、社会的関心の高い刑事事件として実名報道されやすいといえます。
また、18歳、19歳の特定少年でも、共犯者と共に被害者を死亡させるような刑事事件をおこした場合、社会的影響が大きいと判断され、実名報道される可能性が高いです。
重大な刑事事件
人が死亡したり、多くの人が巻き込まれたりした重大な刑事事件も、実名報道されやすい傾向があります。
具体的には、殺人、強盗、不同意性交、集団暴行・監禁事件、放火事件などは、重大な刑事事件として実名報道されやすいといえます。
社会的地位のある人物がおこした刑事事件
社会的地位のある人物がおこした刑事事件も、実名報道される可能性が高いです。
具体例をあげると、公務員、学校の先生、医師、弁護士、大企業の従業員、芸能人、著名人などといった立場の人は、社会的注目を集めやすく、実名報道される可能性も高いといえるでしょう。
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実名報道されるタイミングは逮捕時?
報道されるタイミングについても明確には定められていません。
一般的には、以下のようなタイミングで報道されることが多いでしょう。
実名報道のタイミングの例
- 逮捕された直後
- 検察官に刑事事件が送致されるタイミング
- 起訴されたタイミング
- 判決の言い渡しの時点
特に、逮捕直後または、送致のタイミングで報道がなされやすいです。
一方で逮捕直後だとまだ事件の全体像が見えていないような場合もあります。
そのような場合には、逮捕後に捜査がある程度進んだ段階で報道されることもあります。
実名報道されない、されにくいケースは?
事件が起きたとしても、以下のようなケースでは実名で報道される可能性は低いでしょう。
- 軽微な犯罪である
- 被疑者が精神疾患を有している
- 被疑者が未成年である(少年事件)
もっとも、軽微な犯罪であっても地方紙に掲載されることがあります。
また、被疑者が精神疾患を有していても重大な犯罪を犯した場合には実名で報道される可能性があるでしょう。
未成年の刑事事件も実名報道される?
原則:未成年は実名報道されない
未成年が起こした事件は、基本的に実名報道されません。
ここでいう未成年とは20歳未満の人のことを指します。未成年が起こした事件について加害者が特定されるような記事を書くことは、少年法61条によって禁止されています。
家庭裁判所の審判に付された少年又は少年のとき犯した罪により公訴を提起された者については、氏名、年齢、職業、住居、容ぼう等によりその者が当該事件の本人であることを推知することができるような記事又は写真を新聞紙その他の出版物に掲載してはならない。
少年法61条
例外:18歳19歳は起訴されたタイミングで実名報道の可能性がある!
18歳、19歳の未成年は、起訴された場合(略式起訴は含まれない)、そのタイミングで実名報道される可能性があります(少年法68条)。
18歳、19歳の未成年が起訴される可能性があるのは、以下のような刑事事件をおこした場合です。
18歳19歳でも起訴される刑事事件
- 16歳以上で、故意の犯罪行為におよび、被害者を死亡させた刑事事件
→殺人、強盗殺人、傷害致死など - 18歳・19歳のときの犯罪で、刑罰が「死刑、無期の懲役・禁錮、短期1年以上の懲役・禁錮」の刑事事件
→現住建造物等放火、不同意性交等、強盗、組織的詐欺など
実際に、18歳、19歳の未成年が人を死亡させるような重大な刑事事件をおこした場合、報道機関の判断で、実名報道されています。
また、重大事件を引き起こした少年が逃走しており、引き続き犯罪が発生しそうな場合や、身柄確保のために、一般人にも捜査の協力を呼びかける必要があるような場合は、実名報道の可能性があります。
実名報道されたときのデメリットは?
事件を起こしたことが実名報道されてしまうと、会社や職場に知られて、懲戒処分や解雇につながるおそれがあります。
また、仕事に限らず、家族へのバッシングやご近所付き合いの問題から、一家で引っ越さざるを得なくなる場合もあります。
実名報道を原因として、刑事処分とは異なる事実上の不利益を被ってしまう可能性は大いにあります。
また、未成年者が実名報道された場合は、校則にもよりますが学校を退学になるリスクや、その後の更生を阻害する要因にもなるでしょう。
その後の刑事手続きによって前科がつかなかったとしても、逮捕された記事が残っていると、再就職や社会復帰が困難になる可能性が高いです。
実名報道された記事は削除できる?
不起訴や無罪で終わった場合には記事を削除してもらえる?
逮捕されたあと事件自体は不起訴や無罪で終わった場合などでは、報道機関に記事の削除要請をすることで削除に応じて貰える可能性はあります。
ただし、新聞や雑誌など実物の紙媒体で広まった記事について回収や削除をするのは物理的に不可能です。
また、インターネット上の記事については、逮捕後に事件の最終的な処分が下されるまでの間にはかなりの時間があるため、その間にSNSやブログなどでシェアされているおそれがあります。
そのような拡散されてしまった情報まで削除するのは、報道機関の力だけでは不可能です。
そもそも報道機関が削除要請に応じるかどうかは不透明であり、場合によっては削除要請を断られてしまう場合もあります。
報道機関は公益目的で事件を報道しており、特に重大な事件などでは個人のプライバシーを主張しても応じてもらえない可能性があります。
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逮捕の内容が個人ブログに書かれていた場合は削除できる?
個人ブログなどの記事については、弁護士を通してプロバイダに情報開示をしてもらい、場合によっては削除を求める裁判を起こすといった方法があります。
ただし、個人ブログの削除は時間と費用がかかる点、裁判を起こすことで事件が蒸し返される恐れがある点などを考慮すると慎重な判断が必要です。
実名報道されないためにはどうしたらいい?弁護士に相談?
実名報道を避ける弁護士の活動は?
弁護士に依頼すれば事件が報道される可能性を低くすることができます。
実名報道を避けるために弁護士がすること
弁護士は捜査機関やマスコミに報道を控えるよう意見書を提出することができます。
意見書の作成には法的な専門知識が必要になります。
弁護士であれば法的な根拠をもとに効果的な意見書を作成することができます。
実名報道を避けるために弁護士に相談するタイミング
これまで解説してきた通り、一度報道されてしまうとその後の社会復帰に非常に大きな悪影響が生じてしまいます。
いち早く日常を取り戻すためには、逮捕されてしまった直後から報道されないように対策を講じるのが重要です。
そのためにも、弁護士に依頼して、報道されないように適切な弁護活動を行ってもらいましょう。
実名報道を避けるには被害者と示談する?
被害者と示談を締結することも報道回避の可能性を高める効果的な施策のひとつです。
示談というのは、加害者側から謝罪を申し入れ、当事者同士が話し合い、刑事事件について和解の合意をする手続きのことをいいます。
当事者同士の話し合いで示談成立となった事案については、公益性が低下するため、実名報道される可能性が低くなります。
また、実名報道を避ける可能性が高まる以外に、示談の締結によって、逮捕・勾留による身体拘束から解放される可能性も高くなるでしょう。
さらに、示談を成立させることで、不起訴処分獲得により前科を付けずに済む可能性も高まります。
示談は弁護士に依頼すべき?
被害者との示談交渉は弁護士に依頼しましょう。
相手の連絡先を知っている場合でも、刑事事件の実務を知らないまま、被害者との示談を進めるのは難しいものです。
弁護士がいない場合の不都合の例
- 自分では謝罪の方法が分からず、示談交渉がうまく進まない
- 被害者からの提示された条件で、示談を締結してよいか分からない
- 被害者が示談の意味を分かっておらず、示談金を支払ったのに、加害者を許した覚えはないと言われた
また、連絡先を知らない場合、捜査機関に仲介してもらって被害者の連絡先を聞きます。
しかし、捜査機関は原則として、加害者本人には被害者の連絡先を教えてくれません。
これらの観点からいえば、弁護士が介入して初めて適切な示談が可能になるといっても過言ではないでしょう。
弁護士は相手方の心情に配慮した交渉が可能であり、さらに法的に不備の無い示談書を作成することもできます。
刑事事件の示談について、もっと詳しく知りたい方は『刑事事件で示談をした場合・しない場合のメリットとデメリットは?』の記事もあわせてお読みください。
また、刑事事件の示談書や謝罪文の書き方については『刑事事件の示談書・謝罪文の書き方テンプレート』の記事でご紹介しています。個別具体的な事案に応じて、カスタマイズして利用する必要がありますが、弁護士にご依頼いただければ、サポートが可能です。
刑事事件で実名報道されるか不安な方へ
さいごに一言
刑事事件が実名報道されるタイミングは、逮捕直後、検察官送致の時、起訴された時、有罪判決が出た時などが多いです。
実名報道される刑事事件と、実名報道されない事件を区別するための明確な基準は、法律にはありません。
しかし、傾向として、社会的関心の高い刑事事件、殺人などの重大な刑事事件、芸能人や医師、教師などによる刑事事件は、報道の必要性が高いと判断され、実名報道される可能性が高いです。
また、令和4年以降は、少年法が改正され、18歳・19歳でも重大な刑事事件で正式起訴されれば、実名報道されるケースがでてきました。
実名報道を避けるには、早期に刑事事件の弁護士に相談して、警察などに実名報道を回避してほしい旨の意見をしてもらうなどの方法が考えられます。
刑事事件に詳しい弁護士は、いままでのノウハウ・専門性を生かして、考え得る限りの手を尽くし、あなたの弁護活動に取り組みます。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了