第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
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高校生・大学生が逮捕されたら|退学になる・前科がつく可能性はどのくらい?
- 警察から「あなたのお子さんを逮捕した」と連絡があった!
- 子どもが逮捕されたら前科がつく?
- 子どもが逮捕されたときの対処法は?
もしもある日突然警察から連絡が来て、高校生や大学生のお子さんを逮捕する、呼び出して取調べをすると言われたとき、家族は何ができるのでしょうか。
一番に心配になるのは、逮捕により学校を退学になることはないか、高校生または大学生の子供に前科がつくのかということかもしれません。
この記事では、高校生や大学生が犯罪を犯したときに前科がつく・退学になるまでの流れやそれを防ぐ方法、学生に多い犯罪について解説していきます。
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目次
高校生・大学生が逮捕されたらどうなる?
退学になるかは高校・大学の校則(学則)で決まる?
高校生や大学生が罪を犯したときに退学になるかどうかは、学校側の判断で決まります。
この点、罪を犯したことが学校に知られてしまうかどうかというのがひとつ大きなポイントとなります。
罪を犯したことが学校に知られてしまうパターンとしては、以下のようなものがあります。
学校に知られてしまうきっかけの例
- 事件が報道される
- 長期間の身柄拘束により、学校の無断欠席が続く
- 犯罪をした現場が学校の校内であり、学校関係者に知られる
- 被害者が学校関係者であり、学校に報告される
- 警察や検察、家庭裁判所が捜査のために学校に連絡する
なお学校に知られたとしても、その後の処分が不起訴になったり、本人が十分反省していることが示されたりすれば、学校側の判断で退学とされない可能性はあります。
また、そもそも罪が学校に知られずに済んだ場合には、退学になることはまずありません。
未成年の高校生・大学生でも逮捕される?逮捕後の流れは?
未成年(刑法上では20歳未満を未成年とします)の高校生や大学生であっても、逮捕が行われる可能性はあります。
逮捕が行われた場合、警察官は48時間以内に検察官に事件を送ります。
事件を送られた検察官は、そこから24時間以内に身体拘束継続の必要性があるかを判断し、必要があると判断した場合には「勾留」や「勾留に代わる観護措置」の請求を行います。
名前 | 内容 |
---|---|
勾留 | やむを得ない場合に身体拘束をする手続き。 警察署内の留置場に家庭裁判所への送致が決まるまで最大で20日間拘束する。 |
勾留に代わる観護措置 | 身体拘束の必要がある場合に行われる手続き。 少年鑑別所に家庭裁判所への送致が決まるまで最大で10日間拘束する。 |
検察官からのこれら請求は裁判官が審理します。審理の結果、請求を認めるのが妥当だと判断されれば、上記の身体拘束の手続きが行われてしまうのです。
これら身体拘束が行われたときには、その満期までに家庭裁判所に事件を送られることになります。
逮捕されない場合もある?
未成年者の事件であれば、逮捕されなかったり、逮捕されても勾留や観護措置をされなかったりして帰宅できることもあります。
このような場合には在宅事件として、日常生活を送りながら適宜取調べに呼び出されるなどして捜査が進められていきます。
未成年の子供は通常、学校に通う必要があるため逃亡の恐れが比較的低く、家族が同居して監視することが容易だと考えられます。
逮捕・勾留は「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」がある場合に行われます。
観護措置はこれらのおそれに加えて、自殺や自傷行為のおそれがある場合や心身鑑別が必要な場合にも行われる手続きです。
少年事件においてこれらおそれが認められるケースというのは限定的といえるでしょう。
なお、在宅事件の場合も最終的には家庭裁判所に事件が送られることになります。
逮捕・勾留・観護措置が行われなかった場合であっても何らかの処分が下される可能性はあります。
「身体拘束がなかった場合には処分もない」といった誤解をお持ちの方は多いのですが、身体拘束と処分の有無や内容との間には何の因果関係もないので注意してください。
成人の大学生が逮捕されたあとの流れは?
刑法上は20歳以上の場合、たとえ大学生であっても成人としてあつかわれます。
成人が逮捕された場合には、以下のような流れになります。
成人の事件では家庭裁判所に送致されることはありません。
検察官が起訴・不起訴の判断を下し、起訴されれば裁判が開廷されて99%以上の割合で有罪判決を受けることになります。
高校生・大学生の退学を防ぐための方法は?
犯罪を犯したことを学校に知らせない方法はある?
もしもお子さんが罪を犯してしまい、それがまだ学校に知られていないとき、学校に知らせないようにするのには以下のような方法があります。
学校への犯罪バレを防ぐ方法
- 身体拘束されるのを回避する
- 犯罪事実を学校に伝えないようにという意見書を、警察や検察、家庭裁判所に提出する
- 報道を避けてほしいという意見書を、警察や検察に提出する
- 事件のことを口外しないという誓約を含めた示談を被害者と締結する
ただし、いずれも高校生や大学生、その家族には難しい活動です。
退学を避けたい場合、弁護士に相談し、退学を避けたい旨を必ず伝えるようにしましょう。
被疑者(加害者)が有名大学に所属しているときや、事件が悪質なときは、報道する社会的必要性が高いという理由で報道されてしまうこともあります。
事件の捜査が進んだり、被害者との話し合いが拗れてしまうと、それだけ事件が学校に知られてしまう可能性も高くなります。
なるべく早めの段階でご相談いただければ、学校に知られる可能性が低くなります。
学校に知られてしまった後でも退学は回避できる?
事件が学校に知られてしまった後でも、退学を避けるための活動はできます。
特に学内での犯罪や重大事件の場合、警察の捜査や報道の関係上、学校側に知られてしまう可能性は非常に高いです。
このような場合には、退学させないでほしいという意見書を学校に提出する等の活動によって退学を回避できる可能性があります。
退学を避けるためには、ご本人の反省や、被害者の方への謝罪や賠償、二度と同じような事件を起こさないよう十分な環境が整えられていることについて、学校側に伝える必要があります。
実際、このような意見書を提出するために、学生本人に謝罪文を書いてもらったり、更生のためのクリニック通院を補助したりもします。
弁護士であればこれらの活動を的確にサポートできます。
謝罪文は内容によってはかえって相手方の感情を害してしまう可能性もあるため、専門家のチェックは必須です。
またクリニックへの通院も、ただ通院すればいいというものではなく、適切なクリニックに、定期的に通院していることを証明する必要があります。
弁護士であれば、未成年の非行について適切な対処法をアドバイスできるのです。
退学を回避するためには弁護士に相談すべき?
学生の退学を避けるための意見書を送る、被害者と示談書を交わすといった弁護活動は、弁護士に依頼するべきです。
退学回避のためには、被害者の方に謝罪と賠償を尽くし、示談を締結するのが重要です。
しかし、加害者本人やそのご家族では、被害者の方の連絡先の入手が難しいです。
被害者の方は加害者やその家族に連絡先を教えたくないと思っていることが多いです。
また捜査機関もそういった心情に配慮する観点と、証拠隠滅のおそれの観点から、原則的に加害者本人には被害者の方の連絡先を教えることはありません。
弁護士が第三者として介入してはじめて、被害者の方の連絡先の入手の可能性が出てきます。
退学回避のためには弁護士に依頼した方がよいと言えるでしょう。
高校生・大学生に前科がつくのを防ぐ方法とは?
未成年であっても前科はつく?
20歳未満の犯罪の場合であっても、限定的ではありますが前科が付く可能性はあります。
未成年の犯罪で前科がつくのは検察官送致が行われ、起訴されて有罪になった場合です。
原則として、20歳未満の犯罪では、家庭裁判所の判断によって処分するかどうかが審理され、処分する場合には保護処分が下されます。
保護処分では少年の更生を目指し生活の様子を定期的に観察されたり、少年院に送致されたりします。
しかし重大事件の場合などでは、家庭裁判所から検察官に事件が送致されて、成人と同じように刑事処分の手続きが進むことがあります。
検察官に事件が送致される主な条件は次の通りです。
検察官に事件が送致される主な条件
- 家庭裁判所での審理が終わるまでに20歳を超えた場合
- 事件を起こしたときに16歳以上かつ故意の犯罪行為により被害者を死亡させている場合
- 事件を起こしたときに18歳または19歳でかつ、死刑・無期又は短期1年以上の懲役・禁錮の罪を犯している場合
- その他、刑事処分が相当であると判断された場合
未成年者の犯罪は絶対に有罪にならないと思っている方も多いですが、それは間違いなのです。
未成年の高校生・大学生の事件で前科がつくのを防ぐ方法とは?
少年犯罪の場合、被害者の方と示談を結ぶのと同じくらいに、本人が更生しているかどうかが前科をつけないためのポイントとなります。
未成年に適用される少年法は、犯罪の処罰よりも、判断力の未熟な未成年の更生を目的としているためです。
そのため、未成年の学生に前科がつかないようにするには、本人に反省を促し、家族が監督できる体制を整えることが重要です。
事件が家庭裁判所に送られてから、何度か家庭裁判所調査官とお子さんの面談の時間が設けられますが、このとき調査官が作る意見書が最終的な処分に大きく影響します。
弁護士は調査官と話し合って更生のために必要なことをまとめたり、不処分を求める意見書を調査官に提出したりできます。
前科が付くのを回避したい場合には、やはり弁護士に一度相談したほうが良いでしょう。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
家庭裁判所では事件をどう処理するかの審理が行われます。
勾留や勾留に代わる観護措置が行われている場合、家庭裁判所への送致後も身体拘束が継続される場合がほとんどです。
この手続きを観護措置といい、実務上は家庭裁判所の判断が下されるまで1か月から2か月にわたり少年鑑別所内に身体拘束されます。