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強制性交で不起訴を目指したい!強制性交等罪の起訴率は?

2023年7月13日、強制性交等罪は「不同意性交等罪」に改正されました。
- 強制性交で不起訴を目指すためのポイントは?
- 強制性交等罪の起訴率は?
- 不起訴を目指すためには弁護士に相談?
強制性交で相手とトラブルになっている場合、どうすれば不起訴処分を獲得できるのでしょうか。
「同意があると思った」「抵抗していなかった」と考えていても、当事者間の同意の有無を証明することは困難です。
強制性交は起訴されれば原則不同意性交等罪に問われ、重たい刑罰が科される可能性が高い犯罪です。
強制性交事件を穏便に解決するためには、不起訴を獲得することが重要です。
この記事では穏便に強制性交事件を解決したい方に向けて、不起訴を目指すためにはどうすればいいかを詳しく解説します。
※改正刑法施行後の強制性交事件は不同意性交等罪に問われます。
事件の発生時期によっては、改正前の強制性交等罪(旧刑法177条)に問われます。
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目次
不同意性交・強制性交で不起訴を目指すためには?
不起訴とはどういうもの?
不起訴は、検察官が裁判を開廷させずに、事件を終了する手続きです。
不起訴になれば有罪判決を受けることもなく、前科を付けずに事件を解決できます。
不起訴には主に以下の3種類があります。
不起訴の種類と内容
- 嫌疑なし: 捜査の結果、犯罪の犯人でないことが判明した
- 嫌疑不十分:捜査の結果、犯罪の犯人というには疑いが残る
- 起訴猶予:犯罪の嫌疑が認められるが、犯人の性格や境遇、犯罪後の情況などに鑑みて起訴しない
不起訴処分で最も多いのは起訴猶予で、不起訴処分全体の68.6%に上ります(令和4年版犯罪白書)。
つまり、容疑を認めている場合でも、起訴猶予によって不起訴になる可能性は十分残されているということです。
関連項目
不同意性交・強制性交で不起訴を目指すためには?
不同意性交等罪を定めた改正刑法は2023年7月13日に施行されたため、それ以前の強制性交・強姦は、強制性交等罪(旧刑法177条)に問われます。
しかし、不同意性交等罪、強制性交等罪のどちらに問われた場合でも、不起訴を目指すためのポイントは基本的に同じです。
ここでは、容疑を認める場合と否認する場合のそれぞれのケースで、不起訴を目指すためのポイントを詳しく解説します。
容疑を認めている場合
不同意性交・強制性交の容疑を認めている場合は、被害者との示談が重要です。
示談をすれば、必ず不起訴になるわけではありませんが、不起訴の可能性を高めることができます。
示談は、民事上の賠償責任を当事者間の話し合いによって解決する手続きです。
起訴・不起訴を判断する検察官は、処分を決定する際に、被害者の被害感情を考慮します。
示談を成立させていれば、当事者間の問題は解決したと判断される事由になるため、不起訴処分の可能性が高まるのです。
容疑を否認する場合
不同意性交・強制性交の容疑を否認する場合は、取り調べに適切に対応することが重要です。
たとえば被害者からの抵抗がなかったために性交をしたものの、後日になって被害届を出されたり告訴されたりするケースが想定されるでしょう。
この場合、捜査機関からの取り調べに適切に対応することで、不起訴の可能性が高まります。
容疑を否認する場合には、後々事件が不利になるような供述調書の作成を防ぐことがポイントです。
事件の被疑者として取り調べを受けると、性交に至るまでの経緯や被害者との関わりなどを聞かれることになるでしょう。
取り調べの内容は取調官に供述調書としてまとめられます。
供述調書は、本人の供述として重要な証拠になります。
一度署名押印してしまうと、後で内容の訂正を求めることは原則できません。
話した内容と記載されている調書のニュアンスが異なっている場合もあるので、内容をしっかりと確認したうえで署名押印はするようにしましょう。

弁護士
供述調書は、内容の訂正や追加を求めることができます。
また、取り調べで言いたくない内容は黙秘権を行使することも可能です。
不同意性交・強制性交の刑罰は?
不同意性交・強制性交の刑罰は?
不同意性交・強制性交は原則、不同意性交等罪(刑法177条)に問われます。
被害者が「同意しない意思」を形成・表明・全うすることが困難な状態で、性交等を行うと、不同意性交等罪が成立します。
不同意性交等罪の法定刑は、5年以上の有期拘禁刑です。
(略)同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛門性交、口腔性交又は膣若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(略)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する
刑法177条
性交等とは、性交や肛門性交、口腔性交を指しています。膣や肛門に陰茎以外の体の一部や物を挿入する行為も含まれます。
なお、不同意性交等罪は2023年7月13日に施行されたため、改正刑法施行前に発生した事件は、強制性交等罪(旧刑法177条)に問われます。
どんなときに不同意性交等罪に問われる?
不同意性交等罪に問われる可能性があるのは、「被害者が行為に抵抗できない状態」で性交等をした場合です。
暴行・脅迫を用いたり、アルコールで酩酊状態にさせたりして性交等を行うことが不同意性交罪に問われる典型例といえます。
そのほかにも不同意性交等罪が成立する要件として、下記の行為や状態を利用して性交等を行う場合があげられます。
不同意性交等罪が成立する要件
- 暴行・脅迫
- 心身の障害
- アルコール・薬物の影響
- 睡眠その他の意識不明瞭
- 同意しない意思を形成・表明・全うするいとまがない
- 予想と異なる事態に直面させ恐怖・驚愕させた
- 虐待に起因する心理的反応を用いた
- 経済的・社会的関係上の地位を用いた
刑法改正前の強制性交等罪が成立する要件には、暴行・脅迫が必要でした。
しかし不同意性交等罪は、上記2~8の項目のケースなど、暴行・脅迫を用いなくても犯罪が成立します。
関連項目
・【刑法改正】不同意性交等罪の要件と刑罰は?不同意わいせつ罪についても解説
強制性交等罪の起訴率は?不起訴を獲得した事例
強制性交等罪の起訴率は?
不同意性交等罪は、まだ施行されたばかりの法律のため、統計データがありません。
ここでは参考として、強制性交等罪(旧刑法177条)の起訴率をご紹介します。
強制性交等罪の起訴率は32.1%です(2022年版検察統計)。
なお、起訴された人数が481人だったのに対し、不起訴になったのは1,016人でした。
今後、不同意性交等罪に関しても、近い数値になることが推測されます。
強制性交等罪で不起訴を獲得した事例
これまでアトム法律事務所が扱った強制性交(強姦)の起訴率は25%でした。
最終処分:不起訴
出会い系アプリで出会った女性と同意を得る前に性交をしたとされるケース。後日警察の家宅捜索を受け、在宅事件として刑事事件化した。強制性交等として立件された。
弁護活動の成果
被害者と宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。不起訴処分を獲得した。
最終処分:不起訴
職場内において被害者である同僚女性と、口腔性交等を行ったとされるケース。なお依頼者は同意の上だと認識していた。強制性交等罪の事案。
弁護活動の成果
被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。不起訴処分を獲得した。
不同意性交・強制性交は弁護士に相談?
不同意性交・強制性交で不起訴を目指したい方は弁護士に相談?
不同意性交・強制性交で不起訴を目指したい方は弁護士に相談しましょう。
警察沙汰になる=有罪とお考えの方は多いですが、不起訴で事件が終了すれば有罪にはなりません。
また、警察から捜査を受け、逮捕されたとしても、不起訴になる可能性は十分に残されています。
弁護士に取り調べのアドバイスを受けることや、示談交渉を依頼するタイミングは早ければ早い方がいいです。
弁護士が早く対応するほど、逮捕・勾留の回避や身体拘束からの早期釈放、不起訴獲得などの可能性が上がります。
示談は弁護士への依頼が必須?

示談は弁護士への依頼が事実上必須になります。
被害者の多くは、加害者に連絡先を教えることを拒否します。また捜査機関も口裏合わせを防ぐために、加害者と直接の連絡を控えるように助言していることも多いです。
弁護士であれば、加害者に連絡先を教えないという条件のもと、検察官から被害者の連絡先を聞くことができます。
つまり、弁護士が介入してはじめて、示談交渉に臨める可能性が生じるのです。
また、弁護士であれば、被害者の心情を考慮しながら、適切な金額をもって示談交渉を行うことができます。
弁護士であれば示談成立後に、その事実を適切に検察官や裁判官に主張することも可能です。

弁護士
さらに示談交渉の経験が豊富な弁護士であれば、処罰を望まないと言った宥恕文言や被害届の取り下げなどを示談の内容に含めることができる場合もあります。
被害届取り下げ・告訴取り消しで不起訴になる?
被害届の取り下げや告訴取り消しをされただけでは、不起訴になるとは限りません。
捜査機関は、被害届の取り下げ・告訴取り消し後であっても、事件の態様によっては捜査を継続することができます。
しかし、被害届の取り下げや告訴取り消しは、被害者の処罰感情が低下したことを意味するため、不起訴の可能性が高まります。
刑事事件に強い弁護士の相談窓口は?
不同意性交・強制性交で不起訴を目指すためには、刑事弁護の経験が豊富な弁護士への相談をおすすめします。
アトム法律事務所の弁護士は、刑事弁護に注力し、これまで多くの強制性交・強姦事件を不起訴で解決した実績があります。

弁護士
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
弁護士
容疑を否認する場合は、基本的に嫌疑なしや嫌疑不十分による不起訴を目指すことになるでしょう。