監修者：アトム法律事務所 代表弁護士 岡野武志

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

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美人局で逮捕される？美人局の被害者が不同意性交等罪に問われるケースとは

美人局は主に恐喝罪に問われる犯罪行為で、悪質な場合には逮捕される可能性が高くなります。

特に被害者の財産の多くを奪ったり、怪我を負わせたりすると、強盗罪や傷害罪などが成立し、刑罰が重くなっていきます。

また、金銭を要求される被害者側も、状況次第では不同意性交等罪や淫行の加害者になる恐れがあります。特に問題になるのが美人局を仕掛けてくるのが未成年の場合で、自分が被害者だと思っていても、相手の年齢によっては警察に捜査されることもあるでしょう。

この記事では、美人局をして逮捕されるのか、美人局の典型的なケースなどについて解説します。

美人局とは？逮捕される？

美人局とは

美人局（つつもたせ）は、男性を性的な関係に誘い込んで金銭を要求する犯罪行為です。

通常、女性が男性を誘惑し、性的な状況に持ち込んだ後、共犯者が現れて脅迫や恐喝を行います。この行為は犯罪であり、状況によっては刑罰が科される可能性もあります。

美人局をすると逮捕されやすい

美人局は明らかな犯罪行為であるため、発覚した場合には逮捕される可能性が非常に高いです。警察は被害者の証言や証拠に基づいて捜査を行い、十分な証拠が揃えば逮捕に踏み切ります。

また、美人局は組織的な犯罪であることが多いため、共犯者も含めて一斉に逮捕されることがあります。

中学生・高校生が美人局をした場合も逮捕されるのか

中学生・高校生が美人局をしかけて金銭を奪うような事例は、日常的に発生しています。

中高生が起こした美人局の場合であっても、事件の悪質性や被害状況などによっては逮捕される可能性があるでしょう。

実際に起きた事例として、以下のようなケースがあります。

一般的に、中高生であれば20歳未満であるため、上記のようなケースは少年事件に該当します。

少年事件は通常の刑事事件と異なり、刑罰が科せられることはなく、更生のための保護処分や少年院送致などが行われます。

少年事件の流れについては『少年事件に強い弁護士の特徴や選び方は？少年事件の流れなども解説』の記事をご確認ください。

美人局で逮捕された後の流れ

美人局で逮捕された場合、まず48時間以内に警察での取り調べが行われます。その後検察に送致され、24時間以内に勾留されるかどうかが判断されます。

勾留は最長で20日間に及ぶ可能性があり、身柄拘束が長引いてしまえば、日常生活に多大な影響が出てしまうでしょう。

警察に逮捕される可能性がある場合は、事前に弁護士に相談してどのように対処すべきかアドバイスをもらってください。急に逮捕されてしまった場合は、留置施設の中から当番弁護士を呼ぶことができます。

当番弁護士は1回だけ無料で弁護士に接見を依頼することができる制度です。当番弁護士の詳細は『逮捕と当番弁護士制度の関係｜当番弁護士とは？呼び方や連絡先は？24時間派遣される？』の記事をご確認ください。

家族や友人などが美人局で逮捕されたら

身近な人が美人局で逮捕されたら、弁護士の接見を依頼して、本人にアドバイスを送りましょう。逮捕直後は家族であっても、原則として面会できず、事実確認をすることも、伝言を伝えることもできません。

弁護士の接見を依頼する際には、刑事事件の解決実績が豊富な事務所を検索して電話することをおすすめします。

複数の事務所に連絡して、最も早く動いてくれる事務所にまず依頼してみてください。

なお、本人が逮捕された場合と同じように、当番弁護士を無料で利用することも可能です。当番弁護士を利用する場合は日弁連に連絡してください。

美人局の手口の典型例

ホテルに入る直前に相手の恋人・パートナーが出てきて脅される

典型的な美人局の手口の一つとして、ホテルに入る直前に突然、女性の恋人やパートナーを名乗る人物が現れるというものがあります。

この人物は、男性に対して「妻（彼女）と不倫をしただろう。どうけじめをつけるつもりだ？」などと言って脅し、示談金や慰謝料などの名目で金銭を要求します。このような状況に陥ると、男性は恥ずかしさや恐怖から、相手の要求に応じてしまうことがあります。

性交中・性交後に相手の恋人・パートナーが出てきて脅される

もう一つの典型的な手口は、性行為の最中や直後に、女性の恋人やパートナーを装った人物が部屋に押し入ってくるというものです。

この場合、男性は最も弱い立場に置かれ、脅迫や恐喝を受けやすい状況に陥ります。突然の出来事に動揺した男性は、冷静な判断ができずに要求に応じてしまうことがあります。

美人局をした側の犯罪と刑罰

脅迫罪・恐喝罪

美人局を行った側は、脅迫罪や恐喝罪に問われる可能性があります。脅迫罪は、相手に害悪を加える旨を告知して畏怖させる行為で、「2年以下の懲役または30万円以下の罰金」が法定刑です。

一方、恐喝罪は脅迫して財物を交付させる行為で、「10年以下の懲役」に処せられます。美人局では多くの場合、金銭を要求するため、恐喝罪に該当することが多いです。

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暴行罪・傷害罪

美人局の過程で、物理的な暴力が伴う場合があります。この場合、暴行罪や傷害罪が適用される可能性があります。暴行罪の法定刑は「2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料」です。

暴行の結果、被害者を負傷させると傷害罪となり「15年以下の懲役または50万円以下の罰金」に処せられます。

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強盗罪

暴行や脅迫を用いて財物を奪取した場合、強盗罪に該当する可能性があります。強盗罪は非常に重い犯罪で、「5年～20年の懲役刑」が法定刑です。

美人局の手口が特に悪質で、暴力的な要素が強い場合には、強盗罪として扱われることがあります。

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詐欺罪

美人局は、欺罔行為によって財物を騙し取る詐欺罪にも該当する可能性があります。詐欺罪の法定刑は「10年以下の懲役」です。被害者を騙して金銭を支払わせる行為は、詐欺罪の構成要件に当てはまります。

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美人局の被害者が不同意性交等罪に問われることもある？

相手方が共謀して脅迫しているなら同意があったとみなされやすい

美人局の被害者が不同意性交等罪（いわゆる強制性交等罪）に問われる可能性は、一般的には低いと考えられます。

なぜなら、美人局の場合、性行為自体は被害者の同意の下で行われることが多いからです。相手方が共謀して後から脅迫してくる場合、性行為の時点では同意があったとみなされやすいです。

しかし、状況によっては不同意性交等罪が適用される可能性も完全には否定できません。

例えば、性行為の途中で同意を撤回したにもかかわらず、行為を継続した場合などは、不同意性交等罪に該当する可能性があります。

性交相手が未成年の場合は不同意性交等罪になる可能性もある

特に注意が必要なのは、性交相手が未成年の場合です。13歳未満の者との性交は同意の有無にかかわらず不同意性交等罪となります。

13歳以上16歳未満の者との性交も、行為者が5年以上年長であれば、同意の有無にかかわらず同罪となります。

上記以外で未成年と性交したケースでは、児童福祉法違反や青少年保護育成条例違反などに該当する可能性があります。

SNSで知り合った未成年とお金を払って遊ぶ、いわゆるパパ活をしているような場合、美人局被害に遭う可能性が高いでしょう。

美人局の被害に遭ったと思われる場合でも、「騙された」「脅された」という事実だけでは必ずしも免責されるわけではありません。

パパ活の詳細については『パパ活は犯罪？買春・不同意性交等罪に該当？パパ活で逮捕の可能性』をご覧ください。

未成年と性交して美人局の被害に遭った場合、警察に相談してもいい？

美人局の被害に遭った場合は、相手が未成年であっても警察に相談することをおすすめします。

相手が18歳未満の場合、同意の上で性交をしたとしても犯罪になる可能性があり、警察に相談することで、これらの捜査が始まる可能性はゼロではありません。

しかし、相手の未成年の方も恐喝や脅迫など、金銭を奪う不法行為をしている事実がある以上、逮捕されたり勾留されたりする可能性は高くないといえます。

どのように警察に事情を説明すればいいか分からない場合は、事前に弁護士に相談してみてください。

美人局に関する刑事事件の相談はアトム法律事務所へ

美人局で逮捕されると、被害状況によっては身柄拘束が長引いたり厳しい処分が下されたりする可能性があります。

美人局をしてしまい今後の対応が分からない方や、美人局の被害を受けたものの、未成年淫行で処罰されるか不安な方はアトム法律事務所までご連絡ください。

刑事事件の解決実績豊富な弁護士が、お悩みに対する的確なアドバイスをお伝えします。