岡野武志弁護士

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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詐欺の容疑をかけられたらどうする?やるべきこと・やってはいけないことを解説

更新日:
詐欺罪とは?

2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。

「詐欺の容疑をかけられている」「警察から連絡が来た」

詐欺罪の刑罰は、10年以下の拘禁刑です。罰金刑はないため、執行猶予がつかなければ、ただちに刑務所に入る可能性がある重い罪です。

しかし、詐欺の容疑をかけられた段階で適切な行動を取ることができれば、不起訴処分や刑罰を最小限に抑えられる可能性が高まります。

本記事では、詐欺の容疑をかけられた際にまず取るべき対処法と、絶対にやってはいけない行動を解説します。

刑事事件と民事事件における詐欺の違いと対処法についても整理しているので、ご自身の状況を正しく把握するためにお役立てください。

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詐欺の容疑をかけられた際に取るべき対応

詐欺の容疑がかけられると、取り調べのために警察署に呼び出されたり、自宅や勤務先の捜査が行われる可能性があります。

証拠が集まると逮捕・勾留されるおそれがあり、実刑になる可能性もあるため、詐欺の容疑をかけられてから最初の数日間の行動が重要です。以下の対応を速やかに行いましょう。

刑事事件を取り扱っている弁護士に相談する

詐欺容疑を受けた段階で、弁護士にできるだけ早く相談することが重要な対処法です。弁護士に依頼することで、取り調べへの対応方針が明確になるほか、不当な自白の強要を防ぐことにもつながります。

逮捕前であれば、自ら弁護士を選んで依頼できます。逮捕後であっても、家族が弁護士へ接見依頼することで接見が可能です。また、知り合いの弁護士がいれば、警察官を通じて連絡を依頼できます。

経済的な理由で弁護士費用が心配な場合は、当番弁護士制度を利用すれば、1回に限り無料で弁護士と接見することも可能です。

事実関係を正確に整理する

弁護士に相談する前に、自分自身でも事実関係を時系列で整理しておくことが大切です。いつ、どこで、誰と、どのようなやり取りをしたのかをメモに残しておきましょう。

この段階では「自分に不利かもしれない事実」も含めてすべて整理してください。弁護士に対しては、包み隠さず事実を伝えることが最善の防御につながります。

証拠を保全する

契約書、メール、LINEのやり取り、振込記録、領収書など、関連する資料はすべて保全しましょう。スマートフォンのメッセージはスクリーンショットを取り、クラウドにもバックアップしておくと安心です。

これらの証拠は、容疑が事実無根であることを証明する材料になることもあれば、弁護士が弁護方針を立てるための重要な判断材料にもなります。

詐欺容疑をかけられた際にやってはいけないこと

以下の行動は、状況を大幅に悪化させるおそれがあります。容疑をかけられた直後は冷静な判断が難しくなりますが、これらの行動は避けてください。

証拠を隠滅・破棄する

不利な証拠を消そうとする行為は、逮捕のリスクを高めるだけでなく、捜査機関に「やましいことがある」という悪印象を与えます。メールやメッセージの削除、書類のシュレッダー処理などはやめましょう。

デジタルデータは復元技術が高度化しており、削除しても復元される可能性が高いです。隠滅を図った事実自体が不利な証拠として使われるため、証拠はそのまま保全することが鉄則です。

関係者と口裏を合わせる

共犯者や関係者と連絡を取り、供述内容をすり合わせる行為は危険です。捜査機関は通信記録を確認できるため、口裏合わせの事実はほぼ確実に発覚します。

弁護士を通さずに関係者と事件について話し合うことは、たとえ悪意がなくても避けるべきです。

取り調べで安易に自白する

「早く終わらせたい」という気持ちから、事実と異なる自白をしてしまうケースは珍しくありません。しかし、一度なされた自白を後から撤回することは困難です。

取り調べでは黙秘権が保障されています。弁護士と事前に打ち合わせができていない段階では、無理に供述する必要はありません。

供述調書への署名・押印は、内容に間違いがある場合はもちろん、間違いがない場合でも法的義務ではなく、拒否することができます。

SNSやインターネットで事件について発信する

事件の経緯や自分の言い分をSNSやwebサイトに投稿する行為は、捜査機関に情報を提供するのと同義です。投稿内容が証拠として使われるだけでなく、被害者との示談交渉にも悪影響を及ぼすおそれがあります。

一方で、経営者や個人事業主が取引先への説明を求められる場合や、SNSで事件が拡散されて本人の社会的信用に影響が出ている場合など、沈黙を続けることが難しいケースもあります。

そのような場合でも、事件に関する情報発信は一切控え、対外的な発信が必要な場合は弁護士を通じて行いましょう。

刑事事件と民事事件における詐欺の違い

詐欺という言葉は日常的に使われますが、法律上は刑事事件における詐欺と民事事件における詐欺では、意味や効果が異なります。

以下の表で自分が置かれている状況を把握し、適切な対処を行いましょう。

【詐欺罪】刑事事件と民事事件の違い

刑事事件の詐欺民事事件の詐欺
根拠法刑法246条(詐欺罪)民法96条(詐欺による意思表示)
目的国家が犯罪行為を罰すること被害者が経済的な回復を図ること
手続き捜査機関が捜査し、検察が起訴する被害者本人が裁判所に訴えを起こす
罰則有罪の場合、10年以下の拘禁刑契約の取消し、損害賠償の支払い
立証責任検察官が「合理的な疑いを超える証明」を行う原告(被害者)が証拠の優越で証明する

重要なポイントとして、刑事事件と民事事件は同時に進行することがあります。たとえば、詐欺罪で刑事告訴されると同時に、被害者から民事上の損害賠償請求を受けるケースは少なくありません。

詐欺罪の刑事事件と民事事件はまとめて解決できる可能性がある

詐欺罪においては清算条項付きの示談を成立させることで、刑事事件と民事事件を両方解決できる可能性があります。

清算条項とは、示談書や和解契約書に記載される条項で、「この合意をもって当事者間には本件に関する一切の債権債務が存在しないことを確認する」という趣旨の取り決めです。

刑事面では、示談の成立が検察官の起訴・不起訴判断において被疑者に有利な事情として大きく考慮されるため、不起訴処分(特に起訴猶予)を得られる可能性が高まります。

民事面では、清算条項によって「本件に関する一切の債権債務が存在しないことを確認する」と合意するので、被害者はその後に追加の損害賠償請求ができなくなります。

つまり、刑事は「示談成立の事実」が処分を軽くする材料になり、民事は「清算条項」が請求権を消滅させるという、それぞれ別の効果を発揮するため、1つの示談書で両方を同時に解決できる構造になっています。

清算条項付きの示談を締結するには弁護士の助力が必要不可欠です。詐欺の容疑をかけられてお困りの方は速やかに弁護士へ相談しましょう。

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そもそも詐欺罪とは?構成要件や刑罰

詐欺罪の構成要件

詐欺罪は、相手をだまして、財物を交付させた場合や、財産上の利益を得た場合に成立する犯罪です(刑法246条)。

単に「うそをついた」だけでは詐欺とはされません。詐欺罪が成立するためには、以下の4つの要件をすべて満たす必要があります。

詐欺の4要件

  • 欺罔(ぎもう)行為
    相手をだますこと(うそをつく、事実を隠す など)
  • 錯誤(さくご)
    相手がそのうそを信じて、勘違いすること
  • 処分行為
    勘違いした状態で、相手が自分の財産を渡すこと
  • 財産の移転
    結果として財産が加害者に渡ってしまうこと

上記4要件が揃ってはじめて「詐欺罪」として処罰される可能性が出てきます。

実際のケースで見てみましょう。

  • 欺罔行為(だます)
    息子を名乗り「会社の金を使い込んだ。すぐにお金が必要だ」と嘘の電話をかける。
  • 錯誤(勘違いする)
    親は「息子が本当に困っている」と信じ込む。
  • 財産を渡す(処分行為)
    指示された口座に数百万円を振り込んでしまう。
  • 財産が移る(財産の移転)
    犯人グループが管理する口座にお金が入金される。

犯罪となる行為の具体例

詐欺罪で犯罪となる行為の具体例には、以下のようなものが挙げられます。

  • 息子や孫などを名乗って現金をだまし取る
  • 商品を送ると嘘をついて代金だけ受け取る
  • 実在しない投資話で金銭を集める
  • 保険金をだまし取る目的で虚偽の事故を申告する
  • ネットオークションで物を売ると偽って代金を取る

いずれも「相手をだまして財産的な利益を得る」という点が詐欺罪の本質です。

詐欺罪の刑罰

詐欺罪の刑罰は、10年以下の拘禁刑です。

詐欺罪は、人をだまして財産を得る行為であるため、悪質性が高いと判断された場合には、長期間の拘束が科される可能性があります。

実際に言い渡される量刑は、被害額、被害者との示談の有無、再犯の可能性、前科の有無などによって異なります。

たとえば、特殊詐欺のような組織的犯罪であったり、手口が卑劣かつ巧妙で悪質性が高かったりすると、厳しい刑罰が予想されます。また、被害額が多額であればあるほど、量刑が重くなる傾向があります。

容疑の段階で弁護士に相談するメリット

詐欺の容疑をかけられている段階に弁護士に相談することで、以下のようなメリットがあります。

逮捕の回避につながる可能性がある

弁護士が早期に介入することで、捜査機関に対して逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを示し、逮捕ではなく在宅捜査で進めるよう働きかけることが可能です。

逮捕を回避できれば、日常生活や仕事への影響を最小限に抑えられます。

被害者との示談交渉を進められる

詐欺事件では、被害者との示談が成立しているかどうかが、検察官の起訴・不起訴の判断に大きく影響します。弁護士を通じて早期に示談交渉を開始することで、不起訴処分を得られる可能性が高まります。

示談交渉は被害者の心情に配慮しながら進める必要があり、当事者同士で直接行うとかえってこじれることが多いため、必ず弁護士を介して行いましょう。

また、『詐欺罪の刑事事件と民事事件はまとめて解決できる可能性がある』の項目で説明したように、清算条項付きの示談を締結することで刑事と民事、どちらの解決もできる可能性があります。

詐欺の示談金や慰謝料についてはこちらの記事で詳細に解説しているので併せてご確認ください。

取り調べに対する適切な準備ができる

弁護士との事前の打ち合わせにより、取り調べでどのように対応すべきか具体的な助言を受けられます。

どの質問に答えるべきか、どの場面で黙秘権を行使すべきかなど、個別の状況に応じた対策を立てることができます。

詐欺の容疑に関するよくある質問

詐欺の容疑をかけられた場合、会社や職場にバレますか?

在宅事件(逮捕されていない状態)であれば、捜査機関から勤務先に連絡が行くことは通常ありません。

ただし、逮捕・勾留された場合は長期間の欠勤が生じるため、事実上知られる可能性が高くなります。

また、起訴されて実名報道がなされた場合は、職場への発覚は避けられません。弁護士と相談の上、職場への説明のタイミングや内容を慎重に検討しましょう。

家族が詐欺容疑で逮捕された場合、面会はいつからできますか?

逮捕直後は、弁護士以外の一般面会(家族を含む)はできません。勾留が決定した後(逮捕から最大72時間後)に一般面会が可能になります。

ただし、接見禁止の処分が付いた場合は、勾留中であっても家族の面会が制限されます。

この場合、弁護士に接見禁止の一部解除を申し立ててもらうことで、家族面会が認められる場合があります。

詐欺で逮捕される前後の流れはこちらの記事で解説しているので併せてご確認ください。

詐欺事件の時効は何年ですか?

詐欺罪の公訴時効は7年です。これは犯罪行為が終わった時点から起算されます。時効が完成すると検察官は起訴できなくなります。

なお、民事上の損害賠償請求権の時効は、被害者が詐欺の事実と加害者を知った時から3年(または行為時から20年)です。刑事と民事で時効期間が異なる点にも注意が必要です。

まとめ|詐欺の容疑にかけられたら弁護士へ相談を

詐欺の容疑をかけられた場合、最も重要なのは「すぐに弁護士に相談すること」と「不用意な行動を取らないこと」の2点です。

詐欺の容疑をかけられた際のポイント

  • 容疑をかけられたら、まず弁護士に相談する
  • 証拠の隠滅、関係者との口裏合わせ、安易な自白は絶対にNG
  • 早期の弁護士介入が、逮捕回避・不起訴・示談成立の可能性を高める
  • 清算条項付きの示談を締結する
  • 詐欺罪の構成要件を理解し、弁護士と一緒に弁護方針を検討する

詐欺の容疑にかけられた際は焦って行動するのではなく、専門家の助けを借りて冷静に対応することが最善の結果につながります。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了