第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
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詐欺の容疑をかけられたら逮捕される?犯罪になる行為と対処法を弁護士が解説

2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。
詐欺罪は、相手をだまして、財物を交付させ場合や、財産上の利益を得た場合に成立する犯罪です(刑法246条)。
詐欺罪の容疑をかけられると逮捕される可能性があります。詐欺罪の刑罰は、「10年以下の拘禁刑」です。罰金刑はないため、執行猶予がつかなければ、ただちに刑務所に入る可能性があります。
この記事では、詐欺罪として犯罪になる行為の具体例、逮捕された後の刑事事件の流れ、不起訴処分を目指すための対処法を弁護士が分かりやすく解説します。
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目次
そもそも「詐欺罪」とは?
詐欺罪の構成要件
詐欺罪は、相手をだまして、財物を交付させ場合や、財産上の利益を得た場合に成立する犯罪です(刑法246条)。
単に「うそをついた」だけでは詐欺とはされません。詐欺罪が成立するためには、以下の4つの要件をすべて満たす必要があります。
詐欺の4要件
- 欺罔(ぎもう)行為
相手をだますこと(うそをつく、事実を隠す など) - 錯誤(さくご)
相手がそのうそを信じて、勘違いすること - 処分行為
勘違いした状態で、相手が自分の財産を渡すこと - 財産の移転
結果として財産が加害者に渡ってしまうこと
上記4要件が揃ってはじめて「詐欺罪」として処罰される可能性が出てきます。
実際のケースで見てみましょう。
- 欺罔行為(だます)
息子を名乗り「会社の金を使い込んだ。すぐにお金が必要だ」と嘘の電話をかける。 - 錯誤(勘違いする)
親は「息子が本当に困っている」と信じ込む。 - 財産を渡す(処分行為)
指示された口座に数百万円を振り込んでしまう。 - 財産が移る(財産の移転)
犯人グループが管理する口座にお金が入金される。
犯罪となる行為の具体例
詐欺罪で犯罪となる行為の具体例には、以下のようなものが挙げられます。
- 息子や孫などを名乗って現金をだまし取る
- 商品を送ると嘘をついて代金だけ受け取る
- 実在しない投資話で金銭を集める
- 保険金をだまし取る目的で虚偽の事故を申告する
- ネットオークションで物を売ると偽って代金を取る
いずれも「相手をだまして財産的な利益を得る」という点が詐欺罪の本質です。
詐欺罪の刑罰
詐欺罪の刑罰は、「10年以下の拘禁刑」です。
詐欺罪は、人をだまして財産を得る行為であるため、悪質性が高いと判断された場合には、長期間の拘束が科される可能性があります。
実際に言い渡される量刑は、被害額、被害者との示談の有無、再犯の可能性、前科の有無などによって異なります。
たとえば、特殊詐欺のような組織的犯罪であったり、手口が卑劣かつ巧妙で悪質性が高かったりすると、厳しい刑罰が予想されます。また、被害額が多額であればあるほど、量刑が重くなる傾向があります。
詐欺の容疑をかけられたら逮捕される?
詐欺罪は逮捕される可能性が高い
詐欺罪は他の犯罪と比べても、逮捕される可能性が比較的高い犯罪です。
過去にアトム法律事務所で扱った詐欺事件で逮捕された割合は約63%でした(アトム法律事務所「詐欺の逮捕率」より)。おおよそ3人に2人が逮捕されている割合になります。
特に組織的に行われる詐欺や複数人が関与するケースでは、逮捕はほぼ避けられません。
詐欺罪が逮捕されやすい理由は?
詐欺罪が逮捕されやすい理由は、逮捕の判断基準となる(1)逃亡のおそれ(2)証拠隠滅のおそれがあると判断されやすいからです。

刑罰の重い詐欺罪は、被疑者が起訴前に行方をくらます可能性があると判断されやすく、逃亡防止のために逮捕が行われるケースがあります。
また、詐欺事件の証拠は、通話記録やSNSのやりとりなど、消去が容易なものが多いです。証拠隠滅を防ぐために逮捕の手続きが取られるケースもあります。
逮捕後の手続きの流れ

逮捕(最大72時間)
警察に逮捕されると、警察署の留置場に入れられ、取り調べを受けます。この間、ご家族であっても自由に面会することはできません。警察は逮捕から48時間以内に、検察官に事件を引き継ぐ(送致する)かどうかを決めます。
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勾留(最大20日間)
事件が検察官に送られると、検察官は24時間以内に、さらに身柄拘束を続ける必要があるか(=勾留)を判断し、裁判所に請求します。裁判所が勾留を認めると、原則10日間、延長されるとさらに10日間、合計で最大20日間も身柄拘束が続く可能性があります。
起訴・不起訴の決定
検察官は、勾留期間中に捜査を尽くし、最終的にあなたを刑事裁判にかける(起訴)か、事件を終了させる(不起訴)かを判断します。
不起訴処分になれば、そこで事件は終わり、前科がつくこともありません。 刑事事件においては、この「不起訴処分」を目指すことが極めて重要になります。
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刑事裁判

起訴されると、刑事裁判が開かれます。裁判では、有罪か無罪か、有罪の場合はどのような刑罰にするかが決められます。日本の刑事裁判では、起訴されると99%以上の確率で有罪となります。
詐欺罪の刑罰は「10年以下の拘禁刑」と定められているため、1か月以上~10年以下の範囲で判決が言い渡されます。執行猶予がつかない実刑判決であれば刑務所に入ることになりますが、執行猶予付き判決となれば、直ちに刑務所に行くことは回避できます。
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詐欺罪は初犯でも実刑?前科は回避できる?
詐欺罪は初犯で実刑になる?執行猶予はつく?
詐欺罪は非常に重大な犯罪であり、初犯であっても実刑になる可能性があります。
詐欺罪の裁判実務では、犯行の悪質性、組織的犯罪かどうか、被害弁償の有無、動機や反省等の事情を考慮して量刑が決められます。
たとえ初犯であっても、被疑者に複数の余罪がある場合、振り込め詐欺など組織的犯罪で犯行態様が悪質な場合、被害が大きく被害弁償もされていない場合などでは、執行猶予がつかず、実刑になってしまう場合もあります。
その場合には、実刑を回避するために執行猶予の獲得を目指していくことになります。
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不起訴なら前科はつかない
不起訴処分とは、公訴を提起しない(起訴しない)という検察官の処分のことです。不起訴処分になれば刑事裁判が開かれること無く事件が終了するため前科がつくことはありません。
不起訴処分には「起訴猶予」というものがあり、実際に詐欺行為をしてしまっていた場合でも、犯罪後の情況等から不起訴になるケースがあります。
つまり、警察沙汰になってしまった場合であっても、犯行の悪質性や被害弁償の有無、動機や反省等の事情によっては前科を付けずに済む可能性もあるのです。
統計上、日本の刑事裁判において有罪となる割合は99%以上であることから、前科をつけないためには不起訴処分を獲得することが重要です。
不起訴・執行猶予を目指すためにできること
弁護士に相談する
詐欺の容疑でご自身が警察から捜査を受けた・ご家族が逮捕された場合、まず何よりも重要なのが「できるだけ早く弁護士に相談すること」です。
弁護士に相談すれば、今後の流れや刑事処分の可能性などを教えてもらえるので、今後の方針を立てやすくなります。
特に逮捕された場合は、本人は警察の留置場や拘置所に収容され、外部との自由な連絡ができなくなります。電話もLINEも使えず、逮捕直後のおおよそ3日間は家族との面会も制限されます。
弁護士はいつでも面会(接見)できるため、取り調べで不用意な発言をしないようにアドバイスをしたり、今後の見通しを説明したりできます。
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・弁護士の接見とは?逮捕後すぐ面会可能!接見費用やメリットも解説
弁護士を介して示談交渉をする

詐欺容疑で逮捕された場合、被害者との「示談」がとても大きなポイントになります。
刑事事件における示談とは、事件の民事上の賠償責任を話し合いによって解決する手続きのことです。
示談を締結し民事上の賠償責任を解消したという事実は、検察官や裁判官の心証に非常に大きな影響を与えます。結果として、不起訴の獲得や刑事処分の軽減につながります。
実務上、詐欺をはじめ刑事事件において被害者と示談を締結するには弁護士への依頼が必須になります。

警察等の捜査機関は被害者の連絡先を加害者に教えてくれません。特に詐欺は証拠隠滅のおそれが強く懸念される類型の犯罪であるため、直接的な接触は無理である場合がほとんどです。
弁護士であれば第三者として捜査機関に示談交渉したい旨を申し出て、被害者の連絡先を聞ける可能性があります。
連絡先を聞いた弁護士は、過去の経験をもとに、被害者の心情に寄り添いながら適切に示談交渉をすすめることができます。
再犯しないための姿勢を示す
詐欺罪で逮捕された場合、捜査機関や裁判所は「この人が本当に反省しているか」「もう一度同じことを繰り返さないか」という点を重視して判断を下します。
そのため、本人や家族が「再犯防止に向けた取り組み」をしっかり形にして示すことがとても大切です。
たとえば、反省文を作成して自分の言葉で謝罪や反省の気持ちを伝えたり、家族が責任を持って見守ることを明記した「家族の監督書」を用意したりします。
詐欺罪に関するよくある質問
Q.詐欺罪は懲役刑?
詐欺罪は、かつては「懲役刑」が科される犯罪でした。しかし、2025年6月1日に施行された刑法改正により、「懲役刑」と「禁錮刑」は統合され、「拘禁刑」という新しい刑罰に一本化されました。
したがって、現在の詐欺罪の刑罰は「10年以下の拘禁刑」です。従来の懲役刑と同様に、刑務所で刑務作業を命じられる可能性があります。
Q.詐欺罪の時効は何年?
詐欺罪の時効(公訴時効)は7年です。
公訴時効は刑事上の時効で、詐欺行為が行われた日から7年間、検察官が起訴をしなければ刑事責任を問うことができなくなる制度です。
ただし、以下のような場合には注意が必要です。
- 共犯者がいる場合
誰か1人でも起訴されれば、他の共犯者にも時効の進行が停止されることがあります。 - 国外逃亡や所在不明の場合
その期間は時効が停止します。
民事上の時効は、被害者が損害および加害者を知った時点から3年または不法行為の時点から20年です。
Q.詐欺事件で逮捕されたら解雇・退学?
逮捕・起訴されることで職場や学校を解雇されたり退学となる可能性は十分にあります。逮捕歴・前科が残ることで就職や社会復帰が困難になる場合があります。
また、実名報道された場合には、たとえ刑の執行が終わった後でも、インターネット等で過去の犯罪事実が検索結果に表示され続けるなど、長期間にわたり社会的評価やプライバシーへの影響が残ります。
詐欺の容疑をかけられたら弁護士に相談
詐欺容疑をかけられた場合、逮捕されることも多いです。芋づる式に何件も発覚し、刑事事件の処罰が重くなるケースも少なくありません。
詐欺事件は、いかに早く弁護士に相談するかで、その後の流れが変わります。
逮捕後の早期釈放を実現したり、不起訴を獲得したり、執行猶予を目指すためには、刑事事件に詳しい弁護士に相談することが何より重要です。
詐欺の共犯として容疑をかけられたが、不起訴となった事例
依頼者が共同経営者である会社において、経営難で仕入れができない商品を販売できるように装い、被害者に購入代金を払わせていたとされた詐欺のケースで、共犯が疑われた事案。
弁護活動の成果
共犯ではないという点につき検察官に主張。また取調べに対するアドバイスも綿密に行い、不起訴処分となった。
複数のオレオレ詐欺容疑で起訴され、執行猶予付き判決となった事例
いわゆるオレオレ詐欺の受け子を行ったとされたケース。弁護士を装い、数名の被害者から合計1000万円以上を受け取った。後日警察が自宅を訪問し、詐欺容疑で逮捕された事案。
弁護活動の成果
被害者全員と宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。裁判の場で情状弁護を尽くし執行猶予付き判決(懲役3年執行猶予5年)を獲得した。
ご依頼者様からのお手紙・口コミ評判
刑事事件に強い弁護士選びには、実際に依頼したユーザーの口コミを見ることも効果的です。アトム法律事務所が過去に解決した、刑事事件のご依頼者様からいただいた感謝のお手紙の一部を紹介しますので、ぜひ弁護士選びの参考にしてください。
息子に何回も会ってくれ、4件すべて示談を締結してくれました。

この度は、息子の事件でたいへんお世話になりました。突然の事でものすごく動揺し、何が息子に起きたのか、しばらくわからず、そんな中で電話をさせていただきました。それからは、先生からの連絡、助言などに助けていただき、とても心強く思う日々でした。息子にも、何回も会いに行っていただき、息子自身もたいへん心強かったようです。調べが進むにつれて、4件も、事件にかかわっていたとわかり、たいへんショックを受けましたが、先生がすべて示談の手続きをしていただき、厳しい中、執行猶予の判決を受ける事ができました。本当にありがとうございました。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

