岡野武志弁護士

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

アトムは夜間土日も受け付けの相談窓口で刑事事件のお悩みにスピーディーに対応いたします。

強制性交等罪とは?構成要件や刑罰をわかりやすく解説

この記事は強制性交等罪について解説しています。

2023年7月13日に性犯罪に関する刑法が大きく改正され、新たに「不同意性交等罪」が創設されました。それ以前に適用されていたのが「強制性交等罪」です。

強制性交等罪は、暴行や脅迫を用いて性交等を行った場合に成立する犯罪です。刑法改正前の行為に関しては、不同意性交等罪ではなく強制性交等罪で処罰される可能性があります。

この記事では、強制性交等罪の構成要件や刑罰、暴行・脅迫の判断基準などをわかりやすく解説します。性犯罪が厳罰化されている昨今、事件から年月が経っても強制性交等罪で処罰されるケースはあります。お悩みの方はぜひ最後までご覧ください。

0120-215-911刑事事件でお困りの方へ

無料相談予約
ご希望される方はこちら

24時間365日いつでも全国対応

※無料相談の対象は警察が介入した刑事事件加害者側のみです。
警察未介入のご相談は原則有料となります。

0120-215-911刑事事件でお困りの方へ

無料相談予約
ご希望される方はこちら

24時間365日いつでも全国対応

※無料相談の対象は警察が介入した刑事事件加害者側のみです。
警察未介入のご相談は原則有料となります。

強制性交等罪とは?

強制性交等罪とは、暴行や脅迫を用いて性交等を行った場合に成立する犯罪です(刑法旧177条)。2017年7月13日から2023年7月12日まで適用されていました。

十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いて性交、肛門性交又は口腔性交(以下「性交等」という。)をした者は、強制性交等の罪とし、五年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の者に対し、性交等をした者も、同様とする。

刑法旧177条(強制性交等罪)

強制性交等罪に問われる可能性があるのは、以下のようなケースです。

  • 被害者を無理やり押し倒し、抵抗できない状態にして性交
  • 「叫んだら殺す」と脅して恐怖を与え、抵抗できない状態にして性交
  • 上司が部下に「断ったら職場にいられなくなる」と暗に脅して性交

【相手が13歳以上】強制性交等罪の構成要件

強制性交等罪の構成要件は、相手の年齢が13歳以上・未満で異なります。

相手が13歳以上の場合、強制性交等罪は以下の3つの要件をすべて満たした場合に限り成立します。

強制性交等罪の構成要件

  • 「暴行」または「脅迫」を用いたこと
  • 性交等をすること
  • 故意があること

(1)暴行または脅迫を用いたこと

構成要件の1つ目は、加害者が被害者に対して「暴行」または「脅迫」を用いたことです。

強制性交等罪が成立するための「暴行」または「脅迫」は、単に腕を掴んだり、大声を出したりするだけでは足りません。被害者の反抗を著しく困難にさせる程度のもの」が必要と判断されています。

判断にあたっては、加害者と被害者の身体的な差やその場の状況、行為の具体的な態様など、個別の事情を総合的に見て、「被害者の抵抗を著しく困難にさせたかどうか」が評価されます。

なお、直接的な暴行や脅迫が用いられていなくても、以下のような要素があった場合、強制性交等罪が成立する可能性があります。

  • 犯行に使った部屋が施錠されていた
  • 周囲に人影がないような状況だった
  • 集団で取り囲んだ
  • 体格差があった

「抵抗が困難になると認められるような理由」があれば、暴力や脅迫が用いられたと解釈される可能性はあるでしょう。

(2)性交等をすること

強制性交等罪の「性交等」とは、膣内、肛門内、口腔内に陰茎を入れる行為を意味します。

性交等の具体例

  • 膣への陰茎の挿入
  • 肛門への陰茎の挿入
  • 口腔への陰茎の挿入

性交等をしたかどうかの判断基準に、射精の有無、妊娠の有無などは問われません。

つまり、「膣内等に陰茎を挿入後、被害者に同情して犯行を中止した」といった態様でも強制性交等罪は成立します。

(3)故意があること

強制性交等罪が成立するためには、「わざと行った(=故意)」こと、つまり暴行・脅迫によって相手の意思に反して性交等をしたと本人が認識していた必要があります。

つまり、加害者が「相手が同意している」と思っていた場合には、原則として強制性交等罪の故意が認められません。

ただし、この点は判断が難しいため、事案によっては当事者の認識や証拠が慎重に検討されることになります。

【相手が13歳未満】強制性交等罪の構成要件

相手が13歳未満の場合、上記で解説した「暴行または脅迫」は必要ありません。

法律では、13歳に満たない子どもは、性的な行為に対して真の意味で同意する能力がないと考えられています。たとえ、子どもが「いいよ」と言ったり、抵抗していなかったりした場合でも、その意思表示は無効とされます。

つまり、暴行や脅迫をしなくても相手が13歳未満であることを認識したうえで性交等を行えば、強制性交等罪が成立するということです。

強制性交等罪の相手の年齢による違い

13歳以上13歳未満
「暴行・脅迫」の要否必要不要
同意の法的効力同意があれば強制性交等罪は不成立
※条例違反となる可能性あり
同意があっても法的に無効

強制性交等罪の刑罰は?不起訴を目指せる?

強制性交等罪の刑罰

強制性交等罪の法定刑は、5年以上の有期懲役です。

暴行や脅迫によって13歳以上の相手に性交等を行った場合、または13歳未満の相手に対して暴行・脅迫の有無に関わらず性交等を行った場合のいずれにも適用されます。

強制性交等罪で不起訴を目指すことはできる?

検察統計によると、2022年の強制性交等罪の不起訴率は約68%でした。起訴された人数が481人だったのに対し、不起訴になったのは1,016人ことからも、不起訴となる可能性は十分にあります。

容疑を認めている場合、不起訴を目指すためには、被害者との示談が重要です。被害者との示談により、当事者間の問題は解決していることを捜査機関に示すことができ、不起訴となる可能性が高まります。

示談とは

容疑を否認している場合の対応や、不起訴を目指すための弁護活動について詳しく知りたい方は『不同意性交・強制性交で不起訴になるためのポイントは?強制性交等罪の起訴率を紹介』をご覧ください。

アトムの強制性交事件の解決事例

逮捕なし・示談で不起訴獲得

強制性交等罪で不起訴獲得

帰宅途中の女性に、自宅まで送る旨を提案して車に乗せて胸を揉む等の行為をし、女性宅で口淫させるなどしたとされる強制性交等(強姦)の事案。


弁護活動の成果

被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。不起訴処分となった。

逮捕あり・示談で刑事処分軽減

強制性交等罪で刑事処分軽減

路上において、被害者女性に口淫させたり、ナイフで脅して性交するなどしたとされる強姦未遂、強姦の事案。同種前科あり。


弁護活動の成果

被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結し、強姦について不起訴処分、強姦未遂は求刑を下回る判決となった。

強制性交等罪と関連する犯罪との違い

準強制性交等罪との違い

準強制性交等罪は、暴行や脅迫を用いるのではなく、「人の心神喪失もしくは抗拒不能に乗じて」性交等を行った場合に成立する犯罪です。

具体的には、相手が酩酊状態で意識を失っていたり、昏睡状態で自衛できないことを利用して、性交等を行ったときに成立します。手段が「暴行・脅迫」か、「相手の状態を利用した」かという点が大きな違いです。

準強制性交等罪は名称に「準」が入っているので、強制性交等罪よりも軽い犯罪と思われがちですが、法定刑はどちらも5年以上の有期懲役です。

強制性交等罪と準強制性交等罪の違い

強制性交等罪準強制性交等罪
性交等の手段暴行や脅迫心神喪失や抗拒不能
法定刑5年以上の有期懲役5年以上の有期懲役

準強制性交等罪に関して詳しく知りたい方は『準強制性交等罪(準強姦罪)とは?構成要件・強制性交等罪との違いは?』の記事をご覧ください。

監護者性交等罪との違い

監護者性交等罪は、18歳未満の者に対して、親などの「監護者であること」を利用し、その影響力があることに乗じて性交等を行った場合に成立する犯罪です。

暴行や脅迫がなくても、親や指導者といった逆らえない立場を利用して性的な行為に及んだ場合に適用されます。手段が「暴行・脅迫」か、「監護者としての地位や影響力」かという点が異なります。

強制性交等罪と監護者性交等罪の違い

強制性交等罪監護者性交等罪
性交等の手段暴行や脅迫監護者としての地位や影響力
法定刑5年以上の有期懲役5年以上の有期懲役

強制性交等罪に関するよくある質問

Q.強制性交等罪の時効は?

強制性交等罪の公訴時効は、かつては10年とされていましたが、2023年6月23日に施行された刑法訴訟法改正により15年へと延長されました。

改正時点で時効がまだ成立していない事件については、延長された新しい時効が適用されるため、強制性交等罪の公訴時効は15年です。

さらに、被害者が18歳未満であった場合には、被害者が18歳に達するまでの年数が時効に加算されます。たとえば、12歳時の被害であれば、基本の15年に加えて6年が加算され、合計21年間が時効期間となります。

Q.過去の強制性交で訴えられないか心配…対象法はある?

強制性交等罪は、公訴時効が成立していなければ訴えられる可能性はあります。過去の行為で時効が成立していない場合は、弁護士に相談すべきでしょう。

強制性交はその性質上、事件からしばらくの間は精神的なショックから被害申告が困難なケースも少なくありません。年月が経ち、被害を訴えられるほどに落ち着いてから事件化するケースもあります。

時間が経過してから事件化した場合、被害者の処罰感情も高くなりやすく、有罪判決を受ければ、仕事上の地位や家庭などを築いていた場合、突然にすべてを失ってしまうことにもなりかねません。

事件を起こしてしまった心当たりがあるのであれば、今後の対応について弁護士に相談しておくべきでしょう。

Q.強制性交等罪は性別の有無にかかわらず成立する?

強制性交等罪は性別に関係なく成立します。

かつての強姦罪は「男性が女性に対して行うもの」という前提がありました。しかし、2017年の刑法改正により、性別を問わず加害者・被害者になり得るとされ、同性間の行為や、女性が加害者となるケースでも成立するようになりました。

過去の強制性交等罪の不安はアトムの弁護士に相談

過去の強制性交等罪について不安を抱えている方は、時効の完成をただ待つのではなく、刑事事件に強い弁護士に相談することが重要です。

とくに強制性交等罪は、時効の延長や非親告罪化など、法改正によって刑事処分を受ける可能性が広がっています。そのため、過去の自身の行為が現在の法律の下でどのように評価されるのか、時効が成立しているのかなどを正確に把握するには、刑事事件に詳しい弁護士の判断が必要不可欠です。

不安を抱えたまま一人で悩むよりも、早期に相談し、正確な情報と対策を得ることが、今後の人生を落ち着いて過ごすための第一歩となります。

24時間受付の相談予約窓口はこちら

アトム法律事務所の弁護士相談のご予約窓口は、24時間365日つながります。

アトム法律事務所では現在、警察が介入した刑事事件で初回30分無料の弁護士相談を実施中です。

  • 過去の強制性交等罪で警察から呼び出しを受けた
  • 過去の強制性交で被害届を出すと言われている

上記のようなお悩みを抱えている方は、今すぐに弁護士にご相談ください。

また、アトム法律事務所では、過去の性犯罪が刑事事件化した場合に備えて、弁護士と顧問契約を締結する方も多いです。顧問弁護士は、逮捕された場合に接見に駆け付けたり、会社や家族に事件が発覚するのを防ぐために捜査機関との調整を行ったりします。

不安な毎日から解放されるためにも、まずは一度弁護士までご相談ください。お電話お待ちしております。

0120-215-911刑事事件でお困りの方へ

無料相談予約
ご希望される方はこちら

24時間365日いつでも全国対応

※無料相談の対象は警察が介入した刑事事件加害者側のみです。
警察未介入のご相談は原則有料となります。

0120-215-911刑事事件でお困りの方へ

無料相談予約
ご希望される方はこちら

24時間365日いつでも全国対応

※無料相談の対象は警察が介入した刑事事件加害者側のみです。
警察未介入のご相談は原則有料となります。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了