相続税の計算方法をわかりやすく解説!概算の早見表や節税できる制度も

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相続税の計算方法

相続税は、遺産総額から基礎控除を差し引き、法定相続分や税率をもとに計算します。しかし、土地や生命保険金、生前贈与財産なども考慮する必要があるため、「計算方法が複雑でよくわからない」と感じる方も少なくありません。

そこで本記事では、まず相続税の概算がわかる早見表や計算機をご紹介したうえで、相続税の計算方法を7ステップでわかりやすく解説します。

また、遺産総額の計算方法や相続税を軽減できる制度、申告期限や注意点についても解説するので、相続税の全体像を把握したい方はぜひ参考にしてください。

相続税はいくら?概算で目安をつかもう【早見表と計算機】

相続税の概算早見表

ここでは、相続税はいくらなのか概算をまとめた表をご紹介します。

なお、この概算は「相続税の計算機」に沿ったもので、以下の条件のもと算出されています。

  • 法定相続人だけで、法定相続分で遺産分割した場合を想定
  • 配偶者には配偶者控除を適用
  • 子の相続税額は合計額
  • 小数点以下四捨五入

相続人が配偶者と子である場合の概算

遺産総額配偶者/子1人配偶者/子2人配偶者/子3人
5,000万円0円/40万円0円/10万円0円/0円
8,000万円0円/235万円0円/175万円0円/138万円
1億円0円/385万円0円/315万円0円/263万円
1億5,000万円0円/920万円0円/748万円0円/665万円
2億円0円/1,670万円0円/1,350万円0円/1,218万円

相続人が子である場合の概算

遺産総額子1人子2人子3人
5,000万円160万円80万円20万円
8,000万円680万円470万円330万円
1億円1,220万円770万円630万円
1億5,000万円2,860万円1,840万円1,440万円
2億円4,860万円3,340万円2,460万円

相続税の計算機

相続税の計算機は、こちらからご利用可能です。

遺産総額や配偶者の有無、その他の相続人の人数を入力すると、無料で簡単に相続税の概算を確認できます。

なお、遺産総額の計算方法については、本記事内で後ほど詳しく解説するので、合わせて参考にしてみてください。

相続税の計算方法|7ステップでわかりやすく解説

相続税の計算は、以下の7STEPで行います。

相続税の計算7ステップ

  1. 相続人や受遺者を確認する
  2. 相続財産を洗い出し、遺産総額を算出
  3. 遺産総額から基礎控除を引く
  4. 法定相続分で分けた場合の金額を算出
  5. 各人の仮の相続税額を計算
  6. 相続税額の合計を計算
  7. 実際の取得割合に応じて税額を割り振る

STEP1 相続人や受遺者を確認する

まずは、今回の相続で財産を取得する人を確認します。

基本的には民法で定められた法定相続人が財産を取得することになります。

相続人の確認方法

配偶者がいる場合、配偶者は必ず相続人となります。

そのうえで、残りの相続人は以下のように検討しましょう。

  1. 子がいれば子も相続人になる。
    相続人となるべき子が、被相続人の死亡以前にすでに亡くなっているなどの場合で、その子に子供(被相続人の孫)がいれば、孫が代わりに相続人になる(代襲相続。何代でも可能)。
  2. 子や孫がいなければ親や祖父母(直系尊属)が相続人になる。
  3. 親もいなければ兄弟姉妹が相続人になる。
    相続人となるべき兄弟姉妹がすでに亡くなっているなどの場合、その子供(被相続人の甥・姪)が代わりに相続人になる(代襲相続。一代限り)。

認知された子(婚外子)や養子がいる可能性もあるため、現在の戸籍だけでなく、「除籍謄本」や「改製原戸籍謄本」も確認することが重要です。

また、相続人でない人でも、遺言で指定があれば受遺者として財産を取得できます。
遺言には種類があり、家庭裁判所での検認が必要なケースもあります。

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STEP2 相続財産を洗い出し、遺産総額を計算

次に、相続する財産をリストアップし、遺産総額(正味の遺産額)を算出します。相続税の対象となる財産としては、主に以下が挙げられます。

区分主な財産の例
プラスの財産不動産
手元の現金
口座の預金
有価証券
自動車
貴金属
美術品
ゴルフ会員権 など
みなし相続財産生命保険金
死亡退職金
一定額を超える弔慰金
信託受益権などの権利 など
生前贈与された財産(加算が必要なもの)生前贈与加算の対象財産
相続時精算課税制度による贈与財産
教育資金・結婚子育て資金の一括贈与* など
マイナスの財産借入金
未払いの税金
未払いの医療費 など

*贈与者が契約途中で死亡した際に、使い残した残額がある場合。教育資金の一括贈与は2026年年3月31日、結婚・子育て資金の一括贈与は2027年年3月31日まで。

プラスの財産+みなし相続財産+生前贈与された財産(加算が必要なもの)−マイナスの財産」が遺産総額です。
遺産総額からマイナスの財産を控除することを、「債務控除」と言います。また、計算上、葬儀にかかった費用も遺産総額から控除できます。

なお、上記の財産は、必ずしも購入時の価格や相続時の価格で評価されるわけではありません。
それぞれの財産ごとに、価格をいくらとして遺産総額に加算するか(評価額)の算定方法が決まっています。

詳しくは本記事内で後ほど解説します。

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STEP3 遺産総額から基礎控除を引く

続いて、遺産総額から基礎控除を引きます。基礎控除は以下のように計算しましょう。

相続税の基礎控除

3,000万円+600万円×法定相続人の数

  • 相続放棄した人も、法定相続人の数に含められます
  • 普通養子については、実子がいる場合は1人まで、いない場合は2人まで法定相続人の数に含められます

遺産総額が基礎控除以下であれば、相続税はかからず、相続税申告も不要です。

ただし、財産評価において「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」など、申告必須の特例を使う場合はたとえ相続税がかからなくても、申告する必要があります。

遺産総額が基礎控除を超える場合、超える部分(課税遺産総額)に対して相続税がかかります。

モデルケースでの計算例

ここでは、以下の例から正味の遺産額を計算してみましょう。

計算例モデルケース(相続税の計算)

この場合、現金・預金・株式、土地、建物、死亡保険金の合計から、借入金、葬式費用を引いたものが遺産総額(正味の遺産額)となり、2億4,800万円です。

ここから基礎控除として「3,000万円+(600万円×3)=4,800万円」を引き、課税遺産総額は2億円となります。

STEP4 法定相続分で分けた場合の金額を算出

相続税が課される金額(課税遺産総額)がわかったら、それをいったん法定相続分どおりに分けたものとして、各相続人の取得金額を算出します。

法定相続分とは、民法で定められた相続人間での遺産分割の割合です。

実際には遺言や遺産分割協議により、法定相続分とは違う割合で分割することもあります。相続人以外に受遺者がいるケースもあるでしょう。
しかし、相続税の計算では一度、課税遺産総額を法定相続分に応じて各相続人に振り分けるのです。

法定相続分に応じた分配方法は、次の通りです。

【参考】法定相続分

モデルケースでの計算例

先ほど挙げたモデルケース(正味の遺産額2億4,800万円、相続人は妻、長男、長女)で考えてみます。

この場合、法定相続分は妻1/2、長男と長女はそれぞれ1/4(1/2を2人で分割)です。

相続人と法定相続分(相続税の計算)

これに従い課税遺産総額を分配すると、次の通りです。

  • 妻 :2億円 × 1/2=1億円
  • 長男:2億円 × 1/4=5,000万円
  • 長女:2億円 × 1/4=5,000万円

STEP5 各人の仮の相続税額を計算

STEP4で算出した各人の法定相続分にかかる、相続税額を計算します。計算式は次の通りです。

相続税の計算式

法定相続分に応ずる取得金額(STEP3で算出)×税率-控除額

税率と控除額は、以下をご覧ください。

相続税 速算表

モデルケースでの計算例

先ほどのモデルケースに従って各人の相続税を計算すると、以下の通りです。

妻 :1億円×30%-700万円=2,300万円
長男:5,000万円×20%-200万円=800万円
長女:5,000万円×20%-200万円=800万円

STEP6 相続税額の合計を計算

法定相続分で分けたとした、各人の仮の相続税額が計算できたら、それぞれの相続税額をすべて足し合わせます。

これが、今回の相続で家族が支払う相続税額の合計になります。

モデルケースで計算

STEP4で算出した、モデルケースでの各人の相続税を合計すると、次の通りです。

2,300万円(妻)+800万円(長男)+800万円(長女)=3,900万円

STEP7 実際の取得割合に応じて税額を割り振る

STEP5で算出した家族全体の相続税額を、実際の取得割合に応じて各人に分配します。

ここで算出された金額から、さらに各人の事情に応じた控除(特例)などを差し引いた金額が、実際に各人が支払う納税額です。

先述の通り、実際の分割は、法定相続分に従っても、遺言や遺産分割協議の内容に従っても構いません。

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遺産相続の割合の決め方は?相続割合のシミュレーションや相続税計算への影響も解説

モデルケースでの計算例

今回のモデルケースの相続割合は、法定相続分ではなく、「妻50%、長男30%、長女20%」ですので、以下のような計算になります。

妻 :3,900万円 × 50%=1,950万円
長男:3,900万円 × 30%=1,170万円
長女:3,900万円 × 20%=780万円

なお、妻が支払う相続税額は、「配偶者の税額軽減」という特例を適用することで0円になります。配偶者の税額軽減について詳しくは次の見出しで解説します。

納付する相続税額(相続税の計算)

遺産総額の計算方法

遺産総額は、「プラスの財産+みなし相続財産+生前贈与された財産(加算が必要なもの)−マイナスの財産」で計算します。

それぞれについて、詳しく見ていきましょう。

プラスの財産

プラスの財産とは、経済的価値のある財産のことです。

プラスの財産(相続税の計算)

相続税を計算する際は、各財産を相続開始時点の「相続税評価額」で評価します。購入時の価格や現在の市場価格をそのまま使うわけではありません。

たとえば、土地は路線価方式または倍率方式によって評価し、建物は固定資産税評価額を基に評価します。そのため、実際の売却価格や購入価格とは異なる評価額になることも少なくありません。

このように財産ごとに評価方法が異なるため、まずは相続財産を漏れなく把握し、それぞれの相続税評価額を算出することが重要です。

なお、現金を自宅などに保管していた、いわゆるタンス預金も、相続税の計算では課税対象となります。

金融機関に預けていない現金であっても、被相続人の財産である以上、課税対象として漏らすことはできません。

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みなし財産

みなし相続財産(相続税の計算)

みなし相続財産とは、被相続人の死亡をきっかけに受け取る財産のことをいいます。

代表的なものとして、死亡保険金や死亡退職金があります。

なお、死亡保険金や死亡退職金を相続人が受け取った場合には、以下の非課税策を適用できます。

非課税枠

500万円×法定相続人の数

  • 相続放棄した人も、法定相続人の数に含められます
  • 普通養子については、実子がいる場合は1人まで、いない場合は2人まで法定相続人の数に含められます

相続税の計算では、受け取った金額から非課税枠を差し引いた残りを正味の遺産額に加算します。

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みなし相続財産とは?生命保険や退職金の扱いと非課税枠、相続財産との違いを解説

生前贈与された財産(加算が必要なもの)

生前贈与財産(相続税の計算)

相続税では、一定期間内の生前贈与も課税対象に含めます。

死亡前3~7年以内に受け取った贈与財産(生前贈与加算)

暦年課税で贈与された財産は、被相続人の死亡前3~7年間(※2026年中に発生した相続については従来通り3年間のみ)にされたものが、相続財産に持ち戻され、遺産総額に加算されます。

生前贈与加算の対象期間は、死亡前3年から段階的に延長され、最終的に7年となります。

被相続人の死亡日遡る期間
〜2026年12月31日死亡日前3年間
2027年1月1日〜2030年12月31日2024年1月1日から相続開始日までの間の贈与
2031年1月1日〜死亡日前7年間

ただし、相続開始の日が2027年1月2日以後の場合、延長された4年間(亡くなる3〜7年前)の贈与については、その4年間に行われた贈与額の合計から100万円を差し引いた残額のみが相続財産に加算されます。

また、相続時に財産を取得していなければ、生前贈与加算は発生しません。

相続時精算課税制度で受け取った贈与財産

相続時精算課税制度とは、毎年110万円の基礎控除(2024年1月1日以降の贈与に適用)と、累計2,500万円の特別控除までは非課税で贈与ができる制度です。

しかし、贈与した人が亡くなった場合、基礎控除を除いた贈与財産が相続税の対象になります。

よって、相続時精算課税制度で贈与された財産がある場合は、基礎控除を除く部分を遺産総額に加算しましょう。

なお、相続時精算課税で贈与された財産は、贈与時の評価額で遺産総額に加算します。

マイナスの財産

マイナスの財産(相続税の計算)

マイナスの財産とは、被相続人が負っていた借金や未払い金などの債務のことをいいます。マイナスの財産は、相続税の課税対象となる財産から差し引くことができます。

これを債務控除といいます。

また、葬式費用や火葬・埋葬にかかった費用など、被相続人の死亡に伴って必要となった支出も、債務ではありませんが、計算上は債務と合わせて課税対象から差し引くことが可能です。

※お墓や仏壇などの購入未払金は、非課税財産に関する債務のため控除できません。

関連記事

葬式費用は相続税で控除できる!どこまでが対象か、控除できる人は誰かも解説

相続税を軽減できる制度|自分が使えるかチェック

相続税は、使える制度を正しく利用することで、大幅に税負担を軽減できることがあります。

ただし、すべての人がすべての制度を使えるわけではありません。

ここでは、相続税の計算で特に影響が大きい制度を中心に、「自分が使える可能性があるかどうか」を確認していきましょう。

配偶者の税額軽減|配偶者が相続する場合

配偶者の税額軽減とは、被相続人の配偶者が取得した財産について、1億6,000万円または法定相続分に相当する金額のいずれか多い額までは、相続税がかからない(税額が軽減される)制度です。

相続税の配偶者控除ともいわれています。

なお、この制度は相続税が0円になる場合でも、相続税申告が必要です。
また、原則として相続税の申告期限までに遺産分割が完了している必要があります。

配偶者の税額軽減(配偶者控除)を適用する予定の方はぜひ一度、関連記事『相続税の配偶者控除とは?計算方法と二次相続への影響を解説』をお読みください。知っておきたい適用要件や注意点について解説しています。

小規模宅地等の特例|宅地を相続する場合

小規模宅地等の特例とは、一定の要件を満たす宅地について、相続税評価額(相続税が課される金額)を大幅に減額できる制度です。

たとえば、被相続人が住んでいた自宅の土地であれば、330㎡を上限に、相続税評価額を80%減額できるケースがあります。

相続税評価額が低くなるほど相続税も安くなるため、非常に節税効果が高い制度といえます。

ただし、「相続人の居住状況など細かな要件が定められていること」、「相続税が0円でも申告が必要なこと」「原則として申告期限までの遺産分割が必要なこと」には注意が必要です。

小規模宅地等の特例の適用要件や注意点について詳しくは、関連記事『小規模宅地等の特例とは?要件・計算方法をわかりやすく解説【フローチャート付き】』をお読みください。

相次相続控除|10年以内に2度目の相続をする場合

相次相続控除とは、10年以内に2回以上相続があった場合、今回支払う相続税額から一定額を控除できる制度です。

相次相続控除の適用要件は、以下のとおりです。

  • 今回の相続が前回の相続から10年以内に発生していること
  • 前回の相続で、今回の相続の被相続人が相続税を負担したこと
  • 控除の適用者が今回の相続の相続人(※)であること

※相続人でない受遺者(遺言により財産を受け取った者)、相続放棄をした者、相続権を失った者は含まない

短期間に相続が重なると税負担が過重になりやすいため、その調整のために設けられている制度です。

相次相続控除については、関連記事『相次相続控除とは?要件と控除額の計算方法|10年以内に2回相続が発生した場合』でも詳しく解説しています。

その他相続税額を軽減できる制度

相続税では、ほかにも以下のようなケースで適用できる制度があります。

  • 相続人が未成年者
  • 相続人が障害者
  • 3~7年以内に生前贈与を受け、すでに贈与税を支払っていた
  • 国外財産を相続し、外国で相続税に相当する税金を支払った

それぞれについても見ておきましょう。

未成年者控除

未成年の相続人がいる場合、支払う相続税額から一定額を差し引くことができます。

未成年者控除による控除額は以下の計算式で算出できます。

未成年者控除の控除額

10万円×(18歳-相続開始時の年齢)

※相続開始時の年齢は1年未満を切り捨てて満年齢で計算します。なお、控除額計算上の年数に1年未満の端数がある場合は1年として計算します。

詳しくは関連記事『相続税の未成年者控除とは?いくら控除される?計算方法・適用要件を解説』をご覧ください。

障害者控除

障害のある相続人がいる場合、障害の程度に応じて相続税額から控除できます。

障害者控除による控除額は以下の計算式で算出できます。

障害者控除の控除額

【一般障害者の場合】
10万円×(85歳-相続開始時の年齢)

【特別障害者の場合】
20万円×(85歳-相続開始時の年齢)

※相続開始時の年齢は1年未満を切り捨てて満年齢で計算します。なお、控除額計算上の年数に1年未満の端数がある場合は1年として計算します。

一般障害者と特別障害者の違いなど、詳しくは関連記事『相続税の障害者控除|等級などの要件や申告義務は?控除しきれない時はどうする?』にてご確認ください。

贈与税額控除

先述の通り、生前贈与加算の対象となる贈与は、相続税の対象です。

しかし、すでに贈与税を支払っていれば、その分を相続税額から差し引くことができます。

これにより、贈与税と相続税の二重課税を防げます。

もし気づかず二重で払っていたら?

もし気がつかずに贈与税と相続税を二重に払ってしまっていても、税務署が教えてくれることはありません。

相続税の計算に不安がある場合には、ぜひ一度相続税に強い税理士にご相談ください。

外国税額控除

国外の財産を相続し、外国で相続税に相当する税金を支払った場合、日本の相続税額から一定額を控除できます。

ひとつの財産に対して日本と外国で二重課税されてしまうことを防ぐために設定されました。

ただし、外国で支払った金額をそのまま日本の相続税額から控除できるわけではありません。

相続税が外国税額控除でどのくらい変わるか気になる方は、関連記事『相続税の外国税額控除で二重課税を防ぐ|控除額の計算例も解説』をお読みください。計算例を用いて控除額をわかりやすく解説しています。

相続税の相続税の無料相談

相続税の計算における注意点

相続税を計算するときに注意すべき点を解説します。

相続税額は概算で把握しておけば十分か

以下の判断をする目的であれば、相続税額は概算程度での把握で問題ありません。

  • 相続税がかかるかどうか
  • 税額が高額になりそうか
  • 税理士に相談すべきケースかどうか

一方で、実際に相続税の申告・納付をするにあたっては、概算ではなく正確な計算が欠かせません。

不動産を所有している場合の相続税計算は難しい

不動産を所有している場合は、相続税計算が難しくなりやすいので、専門家である税理士に相談することをおすすめします。

不動産について相続税評価額を算出する場合、不動産の種類によっては複雑な計算が必要となるケースがあるためです。

不動産の場合、相続税評価額の算出方法は以下のようになっています。

不動産の種類評価の考え方
土地路線価方式または倍率方式で計算
建物固定資産税評価額をそのまま使用
マンション(区分所有)土地や建物の評価額に補正率を乗じて計算することがある
賃貸用不動産土地や建物の評価額から一定割合が差し引かれる

不動産は高額なことが多いので、複雑な計算を自身で行うと、相続税の金額を大きく間違ってしまう危険性があります。

このような事態を防ぐためにも、計算については専門家である税理士に相談・依頼を行うべきでしょう。

関連記事

不動産の相続税はいくら?土地と建物の計算方法や税率を解説

二次相続が一次相続より重い負担になる恐れ

相続は一般的に、両親の死亡により二度発生します。両親からの二度の相続のうち、一度目を「一次相続」、二度目を「二次相続」といいます。

二次相続では、「法定相続人が少ない」「配偶者の税額軽減が利用できない」といった理由から一次相続よりも相続税が高くなる傾向にあります。

そのため、生前贈与や二次相続を意識した遺産分割といった対策をとることが重要です。

関連記事『二次相続の相続税はいくら上がる?計算例と対策を解説』では、一次相続と二次相続の相続税額の比較や、二次相続に備えて行うべき節税対策を解説しています。あわせてお読みください。

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相続税が計算できたら次にやること

支払うべき相続税額が計算できたら、相続税申告を行います。

また、相続税が0円だったとしても、「配偶者の税額軽減」や「小規模宅地等の特例」を適用する場合は相続税申告が必要なので注意してください。

相続税の申告期限は10か月

相続税の申告期限は、相続開始を知った日の翌日から10か月です。これは相続税の納付期限も同様です。

相続開始を知った日とは、被相続人が死亡したことを知った日をいいます。通常は「相続開始を知った日=被相続人が死亡した日」となることが多いです。

具体例を挙げると、以下の通りです。

  • 相続開始を知った日:2026年1月1日
  • 相続税申告・納付ができる期間:2026年1月2日から2026年11月2日(1日は日曜日であるため)

ただし、相続税の申告期限日が「土曜日・日曜日・祝日」の場合は税務署が閉まっているため、休み明けの次の平日が申告期限になります。

申告期限が過ぎるとペナルティあり

申告期限を過ぎると延滞税や無申告加算税などのペナルティが発生し、放置するほど負担は大きくなります。

  • 延滞税
    納付が遅れた場合や不足税額がある場合に課されるペナルティ
  • 無申告加算税
    相続税申告を期限内にしなかったことに対するペナルティ
  • 重加算税
    財産隠しや、相続税の支払いを避けるために申告しないなど、悪質な行為があった場合のペナルティ

それだけでなく、本来なら使えたはずの特例(配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例など)が使えずに相続税額が増加したり、財産の差し押さえがなされる恐れもあります。

このようなペナルティを防ぐためにも、期限内の申告を行いましょう。

関連記事

相続税の申告期限が過ぎたらどうする?間に合わない場合の対処法とペナルティ

相続税申告書の作成方法

相続税申告時には、相続税申告書を作成して提出します。

相続税の申告書には第1表から第15表まであり、相続する財産や適用する制度に応じて、必要な書類を作成します。

また、相続税申告書の作成・提出は「e-Tax」というシステムを使えば、インターネット上で行うことも可能です。

ご自身で相続税申告書を作成する方はぜひ一度、関連記事『相続税申告書の書き方【記載例付き】書く順番や用紙の入手方法も解説』をお読みください。各相続税申告書の書き方を、記載例付きでわかりやすく解説しています。

相続税の申告・納付の流れ

相続税申告は、「被相続人が最後に住んでいた住所地を管轄している税務署」で行います。

住民票がある場所ではなく、「生活の本拠としていた場所」を管轄している税務署ですので注意しましょう。生活の本拠とは、睡眠や食事など、日常生活を過ごしていた場所のことです。

相続税の納付も管轄の税務署に対して行いますが、税務署の窓口だけでなく、お近くの金融機関(銀行や郵便局)の窓口、クレジットカード納付、インターネットやスマホアプリを利用した電子納税なども可能です。

病院に入院していた場合や、老人ホームに入居していた場合など、管轄の税務署がわからない場合は、関連記事『相続税申告書の提出先はどこ?管轄税務署の調べ方から提出方法・綴じ方まで解説』でご確認ください。

納付は一括が原則

相続税の納付は、一括ですることが原則となります。

一括の納付が困難な場合は、分割払いとする延納が可能です。

延納も困難な場合は、相続財産を納付するという物納により納付することとなります。

関連記事

相続税の延納・物納|利用条件や利子税、担保、申請手続きを解説

相続税の計算に不安がある場合は税理士に相談

相続税を正しく計算して適切な控除を受けるためにも、相続税の計算に不安がある場合は、相続税に強い税理士への相談をおすすめします。

相続税の計算は要素が多くとても複雑です。

加えて計算を誤ったり、どの相続税の控除が自分に当てはまるかを正しく見極めることができなかったりすると、本来払わなくていい金額を余計に納めることになってしまうおそれもあります。

そのため、相続税の計算は税理士に依頼することがおすすめです。

また、相続が開始してから早めの段階で税理士に相談することで、効率的な節税対策のアドバイスを受けることもできます。

ご自身で相続税を計算してみたけど不安が残る、本当にこの控除が受けられるのかよくわからないという方は、ぜひ一度相続税に強い税理士にお問い合わせください。

高部孝之税理士

監修者


高部孝之税理士事務所

税理士高部孝之

2019年税理士試験合格 2020年税理士登録
都内大手税理士法人にて約13年間勤務。資産税部門の責任者などを経て、2024年に独立し浅草にて資産税を強みとする税理士事務所を開業。
専門用語を用いず、平易な言葉で説明することを大切にしており、お客様が親しみやすく相談しやすい税理士を理想としています。

保有資格

税理士・FP技能士1級・相続診断士

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