離婚相談は誰にすればいいの?親、友人?選び方とメリット・デメリットを解説

離婚の相談相手は、悩みの内容に応じて「親・友人」「離婚カウンセラー」「弁護士・公的窓口」から選ぶのが基本です。
法務省の調査研究(令和2年度)によると、協議離婚を経験した人のうち別居前に親族へ相談した人が最も多く59.8%を占めています。一方で、誰にも相談しなかった人は26.3%、弁護士に相談した人は7.2%にとどまっています。
この記事では、相談相手の選び方とそれぞれのメリット・デメリット、相談前に準備しておきたいポイントを解説します。
目次
離婚の相談相手を選ぶポイント
誠実に対応してくれるかどうか
離婚の相談相手を選ぶポイントとして、誠実に親身になって対応してくれるかどうかということが挙げられます。
たとえば、離婚を経験したことのない人に離婚相談をしたとしても、「考えたことがないからわからない」といった理由で、満足のいく回答が得られないおそれがあります。
離婚を経験したり、離婚の危機に陥ったりしたことがある人に相談した場合でも、「離婚について思い出したくもない」といった理由で、相談を受け付けてもらえないということもあるでしょう。
離婚の相談相手を選ぶときは、こちら側の気持ちに寄り添って真剣に話を聞いてくれるかどうかを考えることがポイントです。
感情的にならずに対応してくれるかどうか
離婚の相談相手を選ぶポイントとして、感情的にならず、冷静に対応してくれるかどうかということが挙げられます。
たとえば、自分の両親や友人に相談するのは比較的手軽にできます。しかし、感情的になって「早く離婚しろ」などと言われるおそれは否定できません。
また、義両親や配偶者の同僚・友人に話を聞いてもらおうと考えたとしても、「うちの子は悪くない」「悪いのはそちらのほうでは?」と、まともに取り合ってもらえないかもしれません。
離婚の相談相手を選ぶときは、こちら側の意見を聞いて感情的になることなく、冷静に話を聞いてくれるかどうかを考えることがポイントです。
弁護士に相談するときは実績があるかどうか
離婚問題で弁護士に相談したいという場合は、離婚問題を解決した実績があるかどうかが選ぶポイントになります。
その弁護士や法律事務所が離婚を取り扱っているかは、ホームページの「取扱分野」の欄などで知ることができるほか、とくに力を入れている分野については特設ページを設けている法律事務所もあります。
離婚問題で弁護士を選ぶときは、離婚に強い弁護士を選ぶことが重要です。離婚に強い弁護士を選ぶポイントについて、より詳しく知りたいという方は、『離婚弁護士の選び方【失敗しないための8つのポイント】』をご覧ください。
親?友人?離婚の相談相手とメリット・デメリット
「離婚の相談相手として、どんな種類があるかわからない」と考える方もいらっしゃると思います。
以下は、相談相手の種類と、相談するときの手軽さやタイミング、注意点について簡単にまとめた表になります。
| 手軽さ | 主にどんなとき | 注意点 | |
|---|---|---|---|
| 家族や友人 | ◎ | ただ話を聞いてほしい | 過干渉で話がこじれる場合も |
| SNS | ◎ | ただ話を聞いてほしい | 情報の信頼性が低い |
| カウンセラー | 〇 | 離婚を迷っている | とくになし |
| 弁護士 | △ | 離婚を考えている | 依頼となると費用がかかる |
両親などの家族・親類は手軽だがデメリットも
離婚の相談先としてまず考えられるのが、両親をはじめとする家族や親族です。
法務省の調査研究(令和2年度)でも、別居をする前に自分の親族へ相談した人は59.8%と最も多くなっています。身近な存在だからこそ、具体的な助言を得られたり、親身に話を聞いてもらえたりする点が特徴です。
自分の両親に相談するというのは手軽な反面、さまざまなデメリットがあります。
たとえば、自分の親に配偶者の愚痴を話しただけで、「そんな人とは離婚しなさい」「離婚して実家に帰ってきなさい」などと、離婚を迫られるケースがあります。
場合によっては夫婦の問題ではなく、夫婦両家の争いに発展してしまうこともあるので、注意が必要です。
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また、義両親に相談するというのも案としてはあります。ただし、必ずしもこちらの味方になってくれるとは限らないばかりか、配偶者に離婚を考えていることが伝わってしまうおそれもありますので、避けたほうがよいでしょう。
話を聞いてほしいレベルであれば友人や同僚に
「親に心配をかけたくない」「相談すると離婚を急かされそう」「義両親に知られるのが不安」といった理由で、家族や親族への相談をためらう方も少なくありません。
その場合は、自分をよく知る友人や同僚に話してみるのも一つの方法です。とくに同じような経験がある人であれば、実体験に基づいた助言が得られる可能性があります。
ただし、友人や同僚に離婚を相談するという場合は、あくまでも離婚の相談までにとどめておき、離婚の話し合いは夫婦で進めるようにしましょう。離婚の話し合いに第三者が同席すると、余計に話がこじれてしまうおそれがあります。
友人などの第三者に離婚の話し合いに同席してもらうことには、メリットとデメリットの両方があるということを覚えておきましょう。詳しくは『離婚の話し合いに第三者・弁護士を同席させるメリットは?離婚調停への同席は?』をご覧ください。
誰にも相談できないときはSNSやインターネットの掲示板も
「離婚について誰にも相談できない」ということであれば、SNSを活用してみたり、インターネットの掲示板に悩みを書き込んでみたりすることも対処法に挙げられます。
自分とは関係のない他人からの率直な意見を得られる可能性があるほか、まわりに離婚を考えていることが伝わってしまうリスクも小さいです。
ただし、SNSやインターネットの掲示板の利用者は、匿名であることがほとんどです。信頼性のない意見が飛んできたり、辛らつな言葉をかけられたりすることもあると思います。
SNSなどを利用するならば、「どうしても愚痴を吐き出したい」「誰でもいいから話を聞いてほしい」といった、限定的な状況であれば有効かもしれません。
離婚を迷っているレベルであれば離婚カウンセラー
離婚をすると決めたわけではなく、「離婚をするかどうか迷っている」という場合は、離婚カウンセラーに話を聞いてもらうというのも有効でしょう。
離婚カウンセラーは、法的な判断は行えませんが、心理面のサポートを受けられます。離婚を避けたい方や、決断に迷っている方に適しています。
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DVや生活の不安があるときは公的相談窓口へ
配偶者からDVやモラハラを受けている場合や、離婚後の生活に不安があるときは、一人で抱え込まず、まずは公的な相談窓口などを活用してください。
内閣府によると、令和2(2020)年度のDV相談件数は18万2,188件にのぼり、相談の6〜7割が精神的DVに関するものです。身体的な暴力がなくても相談できます。
内閣府が運営するDV相談ナビ(#8008)に電話すると、最寄りの配偶者暴力相談支援センターにつながります。DV相談プラスでは、電話・メール・SNSで24時間相談を受け付けています。
また、法テラス(日本司法支援センター)では、収入や資産の条件を満たせば、1回30分・同じ内容で最大3回まで無料の弁護士相談を受けられます。DV被害者向けの法律相談援助制度もあり、一定の条件下で無料相談が可能です。
市区町村の相談窓口では、弁護士による無料法律相談のほか、男女共同参画推進センターや女性相談支援センターで離婚やDVに関する専門相談に対応しています。
離婚を真剣に考えているなら弁護士へ
「離婚する気持ちが固まっている」という場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談すれば、現在の状況から離婚について的確なアドバイスをしてくれます。また、財産分与や慰謝料、親権・養育費といった離婚条件についても、自分の代理として相手と交渉してくれるというメリットがあります。
ただし、実際に弁護士へ依頼する場合、費用は一般的に数十万円ほどかかります。負担を抑えたいときは、収入や資産の条件を満たせば法テラスの利用も可能です。
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誰かに離婚を相談する前に整理しておくべきこと
離婚理由をある程度明確にしておく
誰かに離婚を相談する前に、離婚理由をある程度明確にしておくとよいでしょう。
もちろん、「相手にDVを受けている」「モラハラがひどい」といったような、配偶者に原因がある場合は、離婚理由としては明確なものになります。
たとえば、「性格の不一致」など、離婚原因がどちらか一方にあるわけではない状況があるでしょう。そういった場合で誰かに相談しても、具体的なアドバイスをしてもらえないおそれがあります。
紙に理由を書き出してみるなどして、離婚理由をある程度明確にしておくことをおすすめします。
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配偶者に原因がある場合は証拠を集めておく
もし配偶者のDVやモラハラ、不貞行為が原因で離婚を考えているという場合は、原因となっている行為を示す証拠を集めておくことが重要です。
相手が離婚に同意しない場合は、調停離婚や裁判離婚を考えなければなりません。
裁判離婚が認められるには、民法が定める離婚原因が必要です。そのため、裁判の中で証拠を提出して、離婚原因の存在を主張立証していくことになります。
また、慰謝料を請求するうえでも、証拠は慰謝料の金額にかかわってくる重要なものになります。
離婚を相談する前に証拠を集めておくことで、実際に離婚するということになったときにスムーズに手続きを進められるでしょう。
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大まかな離婚の流れや手続きを理解しておく
離婚を相談する前に、大まかでよいので、離婚の流れや手続きについて理解しておくことをおすすめします。
離婚したいからといってすぐに裁判所に行けば離婚できるというわけではなく、離婚の手続きは協議離婚、調停離婚、裁判離婚と段階を踏んでいくことになります。
離婚の手続きを一度確認しておけば、いざ実際に離婚するということになったときに、スムーズに対応できるでしょう。
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離婚後の生活を見据えて準備をしておく
離婚を相談する前に、離婚後の生活を見据えて準備をしておきましょう。
離婚した後、「仕事・働き口はあるか」「家に住み続けるのか、新しく賃貸を借りるのか」といったさまざまな懸念が生じます。今まで専業主婦(夫)の状態だったという場合は、なおさらでしょう。
離婚を相談する前に、いま一度離婚後の生活がどのようなものになるか、きちんと準備をしておくようにしましょう。
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離婚の相談先として弁護士がおすすめなケース
離婚の相談先として弁護士がおすすめなのは、以下のようなケースです。
離婚を弁護士に相談したほうがよいケース
- 相手が離婚に反対している
- 財産分与・養育費・慰謝料を請求したい
- DVやストーキングの被害を受けている
- 子どもを連れ去られた
- 相手が弁護士を立てた など
離婚の手続きや調停、裁判は、弁護士をつけずに進めることも可能です。ただ、弁護士に相談すれば、権利を適切に主張しやすくなります。
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離婚相談に関するよくある質問
Q. 離婚の相談を親にするのはやめたほうがいい?
親への相談は精神的な支えになる反面、感情的な対立を深めたり問題を複雑化させたりするリスクがあります。親族への相談と並行して、客観的な視点を持つ弁護士やカウンセラーなど専門家の助言を併用することを推奨します。
Q. 離婚の悩みを誰にも相談できないときは?
市区町村の相談窓口や配偶者暴力相談支援センター、法テラスのサポートダイヤルなど、無料で利用できる公的窓口があります。DVや生活の不安がある場合は、これらを最初の相談先として活用してください。
Q. 離婚相談を弁護士にするタイミングは?
相手が離婚に反対している、財産分与や慰謝料を請求したい、DVやモラハラの被害を受けているといった場合は、早期に弁護士に相談することを推奨します。離婚を真剣に考えた段階が、弁護士相談の目安です。
Q. 無料で離婚相談できる窓口はある?
法テラス(日本司法支援センター)では、収入などの条件を満たせば、同じ内容について3回まで無料で弁護士に相談できます。また、市区町村の法律相談でも、弁護士による無料相談が行われている場合があります。
離婚の相談先で迷ったら弁護士に相談!
離婚の相談先としては、手軽に相談できる両親や友人、離婚に迷っているときに利用したい離婚カウンセラーなどさまざまな種類が挙げられます。
もし真剣に離婚を考えているという場合は、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談することで、法的なプロの目線からアドバイスをもらうことができます。
弁護士に依頼すれば、財産分与や養育費、慰謝料といった離婚条件について、自分の代理として相手と交渉してくれるなど、離婚問題で心強い味方になってくれるはずです。
無料相談を受け付けている弁護士事務所もありますので、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
