夫婦の離婚に親が介入してきたら?弁護士が対処法を解説

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離婚に親が介入

「離婚に両親が介入して困っている」
「義両親が離婚するなと迫ってくる」
「親同士の話し合いで揉めてしまった」

夫婦の問題である離婚の話し合いに親が介入・干渉してしまい、どうすればよいか困っているという方はいませんか。

どちらかの親が離婚問題に口出しすると、親同士で揉めたり、余計に話がこじれてしまったり、問題解決までに時間がかかってしまったりといった事態に発展するおそれがあります。

今回は、離婚問題に親が介入してくるケースや、介入してきたときの対処法、弁護士に相談するメリットについて解説します。

離婚における親の介入はどれくらい多い?

離婚問題に親が介入することは、決して珍しいことではありません。法務省の「協議離婚に関する実態調査」によると、別居前に自分の親族に相談した人は約60%、離婚相手との争いの対処方法として親族に間に入ってもらった人は約29%にのぼります。

このデータからわかるように、多くの方が離婚問題において親を頼りにしており、親が協議のサポートや子育ての支援を行う場合もあります。

一方で、親の介入がかえって対立を深めたり、話し合いを複雑化させたりするケースも報告されています。親の介入にはポジティブな面とネガティブな面があるため、状況に応じて適切に対処することが重要です。

離婚に親が介入してくるケース

離婚は本来、夫婦間で話し合って決めるべき問題ですが、親が介入してくることで、話がこじれてしまい離婚成立までに時間がかかったり、協議や調停を行っても離婚が成立しなかったりするケースがあります。

愚痴を話しただけで離婚を迫る

自分の親に配偶者の愚痴を話しただけで、「そんな人とは離婚しなさい」「離婚して実家に帰ってきなさい」などと、離婚を迫られるケースがあります。

自分としては単に愚痴を聞いてほしく、離婚する気などなかったとしても、親は我が子可愛さに感情的になって、ヒートアップするおそれがあるので注意が必要です。

離婚したいのに離婚するなといわれる

配偶者側に非があって「離婚したい」と考えていても、義両親が介入して「うちの子と離婚するな」と迫ってくるケースがあります。

離婚の手続きを進めていたとしても、義両親が介入してしまうと、離婚の成立に時間がかかってしまうことがあるので注意が必要です。

親同士が揉める

自分の子どもに非があって夫婦間に問題が生じてしまったという場合でも、自分の息子や娘の味方についてしまい、そこから親同士の口論に発展してしまうというのもよくあるケースです。

たとえば、夫が不貞行為をしたとしても、夫の親は「嫁が夫を寂しくさせたから悪い」と主張する場合があります。

これに対し、妻の親は「悪いのはそちらのほうでは?」と反論し、夫婦間の問題が一気に両家の争いに発展してしまいます。

親の協力が必要な場合も

両親や義両親が離婚問題に介入すると、話が複雑になるおそれがありますが、状況によっては親の協力が役立つ場合もあります。

たとえば法務省の「協議離婚に関する実態調査」では、面会交流の際に約2割のケースで親族が子どもの受け渡しを支援しているとされています。また、祖父母が家事や遊びを通じて子どもの支えになったという報告もあります。

こうした点を踏まえると、親の関与を一律に避けるのではなく、必要に応じて協力を求めることも選択肢の一つです。

離婚届の証人になる場合

協議離婚で離婚届を提出するときは、2人の証人による署名と捺印が必要です。

妻・夫それぞれ1人ずつ証人が必要というわけではなく、どちらかが2人証人を出すということもできます。

両親に依頼することが多いですが、必ずしも両親が離婚届の証人になる必要はないので覚えておきましょう。

離婚の話し合い中に子どもを見てもらう場合

夫婦間の話し合いに子どもが同席するのは、子どもにとって精神的に悪影響を及ぼしかねません。

離婚の話し合い中に子どもを見てもらう場合は、親の協力が必要になる場合もあります。

離婚後に祖父母が子どもの養育を担う場合

親権者である父母が、再婚や仕事、心身の不調などの事情により子どもを十分に養育できない場合、祖父母と同居したり養育を補助してもらったりするなど、祖父母が事実上の監護を担うケースがあります。

このような場合には、子どもの生活を支えるうえで祖父母の協力が重要になります。

親が介入してきたときの対処法

夫婦で話し合いをしたいと告げる

離婚問題は夫婦間の問題です。両親や義両親が離婚問題に介入してきたときは、「夫婦で話し合いをしたい」とはっきり伝えることが重要です。

場合によっては、「親に愚痴をいうことで少しでも楽になりたい」という方もいるかもしれませんが、親が客観的で中立的な視点を忘れ、過剰に手助けをしてくるおそれがあります。

親が干渉してこないよう、離婚を考えている際は相談程度にとどめておくほうがよいでしょう。

離婚の話が終わるまで連絡しない

親に「夫婦で話し合いをしたい」と宣言したのにそれでも干渉してくる場合は、離婚関連の問題がきちんと解決するまで、連絡をとらないようにするといった対処法も有効です。

連絡を絶つことができれば、離婚問題に夫婦だけで集中して向き合えるでしょう。

弁護士に相談する

両親と同居しており連絡を絶つことができない場合や、親の介入を防げず問題がこじれてしまっているという場合は、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談すれば、親の干渉や不利な条件での離婚を回避できる可能性があります。

親の介入に関するよくある質問

Q. 離婚に親が介入してくるのはよくあること?

はい、珍しいことではありません。法務省の「協議離婚に関する実態調査」では、別居前に自分の親族へ相談した人が約6割、離婚相手とのトラブル対応で親族に間に入ってもらった人も約3割いるとされています。

親の支援が助けになる場合もありますが、対立を深めてしまうこともあるため、状況に応じた対応が大切です。

Q. 離婚で親同士の話し合いは必要?

原則として不要です。離婚は夫婦の問題であり、決められる内容は当事者同士で話し合うのが基本です。

ただし、子どもの養育や生活面で親の協力が欠かせない場合や、夫婦だけでは協議が進まない場合には、親の関与を検討する余地もあります。その際は議題や時間を限定し、可能であれば弁護士など第三者を交えると対立を防ぎやすくなります。

Q. 親の介入を止めるには弁護士に相談すべき?

親の介入によって夫婦間の話し合いが進まなくなった場合は、弁護士への相談を検討するとよいでしょう。弁護士が交渉窓口になることで、親族同士の直接的な衝突を避けやすくなります。

特に親同士の対立が激しい場合や、不利な条件を求められている場合、調停や裁判に進む可能性がある場合は、早期に相談することで適切な対応につながります。

弁護士に相談するメリット

「離婚について話し合いをしているが、親が介入して困っている」といったことでお悩みの方は、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談すれば、以下のようなメリットがあります。

干渉を避けられる可能性が高い

法律のプロである弁護士に相談すれば、親が介入をやめる可能性があります。

離婚問題に法律の専門家である弁護士が介入することで、夫婦の意思で問題を解決できる可能性が高まります。

不利な条件で離婚するのを避けられる

離婚をするときには、「財産はどう分けるのか」「養育費や親権はどうなるのか」といった、金銭面や権利の面でさまざまな問題が発生します。

たとえば、条件面を決める際に義両親が干渉してきて、何も言い返せず相手に言いくるめられてしまうと、不利な条件で離婚を認めさせられるおそれがあります。

弁護士に相談することで、法的な観点から離婚条件はどう設定すればよいか、スムーズに見通しを立てることができます。

困ったら弁護士に相談を!

離婚問題は夫婦の問題であるため、夫婦だけで話し合って結論を出すことが重要です。

親が積極的に介入してきて、意見を押し付けられると、余計に話がこじれてしまい、離婚を成立させることが難しくなってしまうおそれがあります。

「親が介入してきて話が進まず困っている」という方は、弁護士への相談をおすすめします。

弁護士に相談すれば、法的な観点から適切なアドバイスを受けられるほか、調停や裁判に発展した際もスムーズに対応することができます。

無料相談を受け付けている弁護士事務所もありますので、まずは弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了