労災が起きたら労災申請と会社や第三者への損害賠償請求を検討しよう | アトム法律事務所弁護士法人

労災が起きたら労災申請と会社や第三者への損害賠償請求を検討しよう

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労災が起きたら労災申請と会社や第三者への損害賠償請求を検討しよう

労災が起きたら、まずは労災申請を行い労災給付をもらいましょう。また、労災が起きた原因が会社や第三者に認められる場合は、労災申請とあわせて会社や第三者に対する損害賠償請求も検討してください。

労災が起きたら何からはじめればいいのか分からずお困りの方に向けた解説記事をお届けします。

記事の最後には、弁護士に無料で相談できる窓口も紹介していますので、最後までご覧ください。

Q.労災が発生したらどうすればいいですか?

A.適切な治療を受けた後、労災申請を行いましょう

労災で怪我したら、まずは病院で適切な治療を受けましょう。軽症だから大丈夫だと思って病院に行かない方もいるのですが、自己判断で軽症かどうかは決めないでください。

事故直後は痛みを感じづらかったりすることもあるので、本当に軽症かどうかは医師による診察を受けるようにしましょう。

治療がひと段落したら、労災申請を行ってください。請求書類を労働基準監督署に提出すると、労働基準監督署が必要な調査を行い、労災であると認定されると労災給付がもらえるようになります。

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Q.労災申請は何からはじめればいいですか?

A.まずは給付の種類ごとに申請書類を用意しましょう

労災申請は申請書類を用意するところからはじまります。

労災給付の種類ごとに申請書類が必要になる点に注意しましょう。労災給付の種類は以下の通りです。

労災給付の種類

  • 療養補償給付
  • 休業補償給付
  • 障害補償給付
  • 介護補償給付
  • 遺族補償給付
  • 葬祭料給付

さらに、労災が「業務災害」か「通勤災害」かでも用いる書類が変わってくるので注意してください。

具体的な労災申請の方法や書類については、関連記事『労災保険の申請方法とは|手続きの流れと注意点』で解説しています。

Q.医師から「症状固定」と言われた後はどうすればいいですか?

A.後遺障害等級の認定を受けましょう

医師から「症状固定にしましょう」といわれたら、障害補償給付の申請を行ってください。

症状固定とは、これ以上の治療を受けても改善が期待されず何らかの症状が残っている状態をいいます。

障害補償給付は、症状固定になっただけで支給されるものではありません。労働基準監督署によって後遺障害に該当すると判断された場合、等級に応じた障害補償給付が支給されるようになるのです。

また、会社や第三者に労災発生の原因があったようなケースで後遺障害等級に認定されれば、等級に応じた後遺障害慰謝料を会社や第三者に対して請求することもできます。

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Q.労災給付だけだと補償が不十分なのは仕方ないですか?

A.損害賠償請求できるかどうか確認しましょう

労災給付は法律で支給する金額が定められています。

損害賠償請求が可能な事案では、労災給付だけだと補償が十分ではありません。損害賠償請求できる労災の事案かどうか確認しましょう。

以下のような法的根拠に基づいて損害賠償請求できる労災かどうかを確認する必要があります。

  • 安全配慮義務違反が認められる労災
  • 使用者責任が認められる労災
  • 工作物責任が認められる労災
  • 第三者行為災害が認められる労災

ただし、同一の内容を労災給付と損害賠償請求から二重で受け取れる意味ではないので注意してください。

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Q.会社に損害賠償請求できるかはどうやって見分けますか?

A.安全配慮義務違反があったか確認しましょう

会社に損害賠償請求できる労災かどうかは、安全配慮義務違反があったかどうかがポイントになることが多いです。

安全配慮義務違反とは、会社が従業員の健康や安全面を考慮せず、従業員の身を危険に晒すことをいいます。

安全配慮義務違反があると考えられる労災の具体例は以下の通りです。

  • 職場や設備の安全性に問題があった
  • 再発防止が徹底されておらず同じような労災が発生した
  • 長時間労働による過労死があった
    など

安全配慮義務違反があったかどうかは、予見可能性と結果回避可能性から判断されます。

Q.損害賠償請求しない限り慰謝料がもらえないって本当ですか?

A.本当です

労災給付の内容に慰謝料は含まれないので、労災申請だけしていても慰謝料を手にすることはできません

慰謝料に関しては、労災発生の原因となった者に対して損害賠償請求しなければ手にすることはできないのです。

慰謝料は、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類あり、それぞれ一定の相場が決められています。ただし、一定の相場はあくまで目安であり、個々の事情により増額する可能性もあります。

そもそも慰謝料が請求できる事案なのか、請求可能な慰謝料の金額はどのくらいなのか知りたい場合は、弁護士相談がおすすめです。

Q.損害賠償請求はむずかしそうですが簡単な請求方法はありますか?

A.示談による話し合いの方法があります

損害賠償請求する方法は、示談・調停・裁判の3つがあげられます。この3つのなかで、一番はじめに損害賠償請求の方法として選ばれるのが示談です。

示談とは、裁判によらず当事者双方が話し合いによって争いごとを解決しようとする方法です。話し合いで進められるので、むずかしい手続きなどは必要ありません。

示談は当事者双方が納得すれば成立するものなので、お互いの主張に大きな違いがない場合は比較的スムーズに示談成立に至ります。

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Q.示談がこじれたらどうなりますか?

A.裁判に発展する可能性があります

当事者双方の主張に大きな違いがある場合は示談での解決がむずかしくなるので、裁判に発展する可能性があるでしょう。

会社が労災に関する責任を負う気が全くなかったり、被災した労働者だけに責任があったかのような態度をとられると、会社と話し合いを行うのはむずかしいといわざるを得ません。

裁判に発展すると、労災に関する責任の所在を裁判所の判決という形で明確にできます。ただし、裁判をしたからといって被災した労働者の主張がすべて認められるとは限りませんし、裁判が終結するまで長い期間を要する可能性が高いです。

裁判を行うメリットとデメリットをよく理解し、どのような方法で争いごとを終結させるべきなのかじっくり検討する必要があるでしょう。

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Q.労災で損害賠償請求したいなら弁護士に相談すべきですか?

A.今後の対応についてアドバイスがもらえるので弁護士相談がおすすめです

弁護士に労災における損害賠償請求を相談すれば、今後どのような対応をとっていくべきなのかアドバイスがもらえるでしょう。

特に損害賠償請求では、過失割合が争点となる可能性が高いです。労災が発生した責任の度合いを表した過失割合は、被災した労働者が最終的に手にできる補償の金額に影響を与えます。

被災した労働者だけで会社と交渉を進めると、不当な過失割合となって補償が減額されてしまう結果につながりかねません。

弁護士が交渉に入ることで、労災の状況を丁寧に反映した過失割合で決着できる可能性を高められるでしょう。

労働災害は弁護士に法律相談|無料相談窓口と労災に強い弁護士の探し方

Q.無料で損害賠償請求に関する相談を受ける弁護士はいますか?

A.アトムの弁護士にご相談ください

労災で重大な後遺障害が残ったり、ご家族を亡くされたりして、会社や第三者に対する損害賠償請求を検討している場合は、アトム法律事務所の無料相談をご活用ください。

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アトム法律事務所 岡野武志弁護士

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了