労災事故の相談窓口はどこ?お悩み別に無料相談や電話相談先を探そう | アトム法律事務所弁護士法人

労災事故の相談窓口はどこ?お悩み別に無料相談や電話相談先を探そう

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労災事故の相談窓口

労災事故に遭遇したとき、適切な相談窓口を知ることは、迅速かつ適切な対応のために極めて重要です。

労災の相談先は、相談先の特徴や相談内容などにあわせて被災者側がしっかりと選ぶことが大切です。

この記事では無料相談を受け付ける主要な相談窓口を紹介するほか、さまざまな労災ケースに応じた最適な相談先の選び方をわかりやすく解説します。

さらに、労災保険制度の基本から給付の種類、請求手続きまで、労働者の皆さまが知っておくべき重要な情報を詳しく説明します。適切な相談先を見つけ、必要な支援を受けるための指針として、ぜひご活用ください。

労働災害の相談先|無料相談や電話相談窓口もあり

労災事故に遭遇したとき、適切な対応や支援を受けるために、信頼できる相談窓口を知っておくことは非常に重要です。

労災事故に関する無料相談を受け付けている3つの主要な公的機関と、弁護士を探すという選択肢について説明します。

労働基準監督署

労働基準監督署は、労働基準法や労働安全衛生法などの労働関係法令に基づいて、労働条件の確保・改善や労働者の安全と健康を守るための監督指導を行う機関です。

実際に労災保険の申請を受け付けており、労災かどうかを判断するための調査や審査をおこなったうえで、労働災害を認定する機関でもあります。

労働基準監督署

概要
受付時間(月~金)
窓口:8時30分~17時15分
電話:9時~17時
電話番号労働基準監督署ごとに異なる
補足受付時間は地域により異なる

最寄りの労働基準監督署を調べたい方は、厚生労働省内のホームページ「全国労働基準監督署の所在案内」をご覧ください。

概要

  • 相談内容:労災保険の適用、給付の種類と内容、請求手続きなど
  • 特徴:労災事故かどうかの最終判断をおこなう
  • 利用方法:全国の労働基準監督署で面談による相談が可能

労災保険相談ダイヤル

厚生労働省労働基準局労災補償部がおこなっており、労災保険の使い方や補償範囲、労災保険の手続きに関する相談を電話で受け付ける相談窓口です。

労災保険相談ダイヤル

概要
受付時間(月~金)9:00~17:00
電話番号0570-006031
補足電話相談のみ(通話料がかかる)

労災保険相談ダイヤルの資料を参照

労災に該当するかどうかを調査して最終的に判断する窓口は労働基準監督署ですが、まず電話で聞いてみたいという方には便利な電話相談窓口といえます。

概要

  • 相談内容:労災保険の請求手続き、労災保険の制度、書類の書き方
  • 特徴:労災保険制度に関する最も詳細な情報が得られる
  • 利用方法:電話相談(通話料がかかる)

法テラス

法テラスは総合法律支援法に基づいて設立された公的な法人で、法的トラブルを抱えた方々に対して、解決に役立つ情報やサービスを提供しています。

労災事故に関する法的側面からのアドバイスや、必要に応じて弁護士の紹介を受けられる場合もあります。無料の法律相談を利用するには、まずは近くの法テラスでの予約を申し込みましょう。

なお法テラス・サポートダイヤルでは、問い合わせ内容に応じて法制度や相談先を紹介してもらえます。

法テラス・サポートダイヤル

概要
受付時間(月~金)9時~21時
(土)9時~17時
電話番号0570-078374
利用方法通話料がかかる

概要

  • 相談内容:労災事故に関する法的問題、労働関係法令の解釈など
  • 特徴:法律の専門家によるアドバイスが受けられる、弁護士の紹介も可能
  • 利用方法:電話による情報提供、法律相談(収入等の条件あり)

法律事務所|無料・電話相談もあり

法テラスには一定の資力制限があるため、すべての人が同じように利用できるとは限りません。法律事務所をインターネットで検索して、自分で探すという方法もあります。

このときは、法律事務所ならどこでもいいというわけではなく、労災事故に力を入れている弁護士を探すようにしましょう。

ここに注目

  • 労災問題に力を入れているか
    弁護士のプロフィール・労災事故のコラム・サイトの立ち上げ
  • 労災問題解決のノウハウを持っているか
    ホームページの解決実績

労災事故をあつかう法律事務所のなかには、無料相談や電話相談をおこなう事務所もあります。法律相談予約時に必ず費用を確かめるようにしてください。

アトム法律事務所の無料相談

アトム法律事務所では、重大な障害が残ったり、死亡してしまったりといった労災事故の相談を無料で受け付けております。

まずは下記バナーより相談のご予約をお取りください。相談予約窓口は24時間体制でつながりますので、スタッフに相談内容をお知らせください。

無料法律相談ご希望される方はこちら

労災手続のみのご相談など、お取り扱いできない事案もありますので
詳しくは受付にご確認ください。

アトム法律事務所 岡野武志弁護士

労災のお悩み別|最適な相談先の選び方

労災事故の内容や状況によって、最適な相談先は異なります。

労災をめぐる代表的なお悩みごとに、どの相談先が適しているかを解説します。適切な相談先を選ぶことで、より迅速かつ効果的な支援を受けることができます。

労災保険を申請したい・労災認定を受けたい

労災保険の適用や給付に向けて申請手続きをしたい場合は、労働基準監督署へ相談することが最適です。

労災の申請には所定の用紙が必要になるほか、治療費の請求であれば診断書や領収書、休業補償であれば給与額の証明資料など、申請内容に合わせた添付資料も必要になります。

労働災害かどうかを最終的に判断するのは労働基準監督署になるので、まずは書類上で不備のないよう、不明点があれば問い合わせておくことは大切です。

ワンポイント

あるいは申請を出すのではなく、まず労災保険の仕組みや制度についての理解を深めたいという相談であれば、労災保険相談ダイヤルの電話相談も便利に利用できます。

会社が労災だと認めてくれない

労災であるのに会社の協力を得られないという場合には、労働基準監督署へ相談してみましょう。労災保険の申請書式には社印欄がありますが、社印がなくても申請自体は可能です。

なお大前提として、労災かどうかを決めるのは会社ではなく労働基準監督署になります。

被災者は会社に労災の発生は報告すべきです。そして会社は労災手続きのサポートや労災発生の報告をしますが、労災を認定する立場ではありません。

労災認定を受けられない

労働基準監督署へ申請しても労災認定を受けられないときには、労働保険審査官労働保険審査会に不服を申し立てることが可能です。

ただし不服申し立てをする際には、その理由を分析して、追加資料を提出するなどの工夫が必要になります。

あるいは訴訟を提起したりといった方法も選択可能です。訴訟提起は準備もかかりますし、裁判日程へプライベートの予定を合わせることも一苦労でしょう。

不服申し立てや訴訟を提起しようという方は労災認定のサポートを取り扱う弁護士への相談・依頼がおすすめです。

不服申し立ての詳細は関連記事『労災の不支給決定や支給内容に納得できない場合は不服申立てができる』も参考にしてみてください。

会社へ慰謝料を含む損害賠償請求をしたい

労災事故のなかには、会社に安全配慮義務違反があり、損害賠償請求できる事故があります。こうした法的対処は弁護士に相談すべきです。

労災保険からの給付を受けていても、労災保険の給付と重複しない範囲で会社に損害賠償請求できる場合があるのです。

たとえば、労災保険からはもらえない慰謝料や、労災保険の給付だけでは不足しがちな休業損害などは損害賠償請求でしっかりと補償を受けられます。

労災事故の解決に力を入れている弁護士へ相談してみて、損害賠償請求の見通しや賠償請求額の見積もりを依頼してみましょう。

労災保険の基本情報|労災事故とはどんなものか

労災保険の目的と対象者

労災保険は、労働者災害補償保険法に基づいて運営されている制度で、主に業務上の事由または通勤による労働者の傷病等に対して迅速かつ公正な保護を行うこと、被災者の社会復帰の促進などを目的としています。

労働者を一人でも雇用するすべての事業に原則適用され、対象となる労働者は正社員だけでなく、パートタイマー、アルバイト、派遣労働者、契約社員、外国人労働者なども含まれます。

個人事業主や自営業者は原則として対象外ですが、特別加入制度を利用することで任意加入が可能です。

労災保険の対象となる事故

労災保険は、労働者が仕事中や通勤途中に負ったケガや病気に対して、治療費や休業補償などの給付を行う制度です。

対象となる事故としては、大きく分けて以下の2つが挙げられます。

  1. 業務災害:仕事中のケガや病気
  2. 通勤災害:通勤途中のケガや病気

業務災害と通勤災害について簡単に説明します。

業務災害

業務災害とは、仕事をしている最中に起こったケガや病気のことです。具体的には、以下の様な場合が挙げられます。

  • 業務中の事故:機械に挟まれた、物を落として足に当たったなど、仕事をしている最中に起こる一般的な事故
  • 業務中の病気:粉塵を吸い込んで肺の病気を患った、長時間の強いストレスで心疾患を患ったなど
  • 業務命令による行為:会社の命令で出張中に事故に遭った、社用車で運転中に事故を起こしたなど

業務災害の認定では業務起因性と業務遂行性の2つがポイントとなります。

業務災害とはどんなものかを詳しく知りたい方は、関連記事『業務災害にあってしまったら|複雑な労災保険制度を弁護士が解説』を参照してください。

通勤災害

通勤災害とは、自宅から職場へ向かう途中、または職場から自宅へ帰る途中に起こったケガや病気のことです。

ただし通勤経路から大きく外れた寄り道などで起こった場合には通勤災害とは認められず、労災認定が難しくなる可能性があります。

通勤災害のくわしい要件や寄り道で経路を外れた場合の対応については、関連記事を読むと理解が深まります。

労災保険の給付の種類と内容

労災保険では、労働者が業務上の事由または通勤によって負傷したり病気になったりした場合に、様々な保険給付を行います。主な給付の種類と内容は以下の通りです。

労災保険の給付内容

給付の種類給付の内容
療養補償給付治療に必要な費用を給付
休業補償給付休業中の生活保障として給付
障害補償給付障害が残った場合に給付
遺族補償給付死亡した場合に遺族へ給付
介護補償給付常時または随時介護を必要とする場合に給付

関連記事『労災でもらえるお金|労災給付の一覧とその他にもらえる補償の可能性』では労災事故でもらえるお金について総合的に解説しています。

労災の給付はいつ受けられる?

労災保険は被災者の迅速かつ公正な保護を目的とするため、負傷なら1ヶ月~3ヶ月・死亡なら4ヶ月程度で給付を受けられる可能性があります。

ただし精神疾患や重い後遺障害など、一部のケースでは労災認定に時間がかかることも十分あり得るので、適切なサポートを受けて早めに申請しましょう。

まとめ

労災の相談先は様々にありますが、最適な相談窓口へ早めに相談することが大切です。電話相談や面談相談など、窓口によって対応している相談方法も違うので、希望の相談ができるのかも調べておきましょう。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了