ネット上の逮捕歴を削除依頼したい方へ|逮捕報道の対応方法 | アトム法律事務所弁護士法人

ネット上の逮捕歴を削除依頼したい方へ|逮捕報道の対応方法

更新日:

岡野武志

監修者:アトム法律事務所 代表弁護士
岡野武志

逮捕歴削除したい|逮捕報道の対応方法

方法①ネットの逮捕歴を自分で削除依頼する方法

逮捕報道は「問い合わせ」フォームで削除できる?

自分で「問い合わせ」フォームからサイト管理者に連絡し、逮捕報道記事の削除依頼を行うことができます。自分で削除依頼を行う場合、費用が掛からない点がメリットです。ただ、適切な文面で依頼をしなければ、削除に応じてもらえなかったり余計なトラブルを招くこともありますので注意が必要です。

ネット記事の削除依頼は、当事者である本人か、本人から依頼を受けた弁護士しか行うことができません。弁護士以外の者(業者など)が報酬を得て削除請求する行為は、弁護士法に違反する行為で禁止されています。

自分で削除依頼する場合のリスクとは

自分で削除依頼をしたのに、ただのクレームとして処理され、サイト管理者が逮捕報道記事の削除に応じてくれない場合があります。その結果、逮捕報道記事がサイトで公開されたままになり、Google検索結果の上位に表示された状態では人目につきやすいというリスクが残ります。

削除依頼を行うにあたって、書き込みの掲載場所、書き込みの内容、侵害された権利、権利侵害の理由などをサイト管理者に示すことで削除の成功率を高めることができます。何を書くべきかがわからない場合は、まず弁護士に相談してから行うほうが無難といえます。

逮捕報道を削除依頼するときの注意点

逮捕報道を引用して作成されたブログ記事が多数存在します。そうしたブログの中には個人的社会正義の実現を目指して運営されているものがあります。削除依頼をする場合、権利侵害を主張しても効果がないこともあります。反対に炎上を招くなどのリスクも考えられますので、そのようなブログ対応には特に慎重を要します。

正規の報道機関が逮捕報道をネットで行う場合は、報道機関は公益的な観点から実名を公表して報道を行うことがあります。削除依頼を実施するタイミングや方法によっては、削除依頼を支える法的根拠が弱くなる可能性がありますので、弁護士に相談のうえで削除依頼することをおすすめします。

方法②ネットの逮捕歴を弁護士に削除依頼してもらう方法

ネットに詳しい弁護士に相談するメリット

スピーディーなトラブル解決が実現できる点がメリットです。ネットでの誹謗中傷は、対応が遅いと被害が拡大したり、最終的に解決できなくなることもあります。インターネットや通信に関する知識に詳しい弁護士に相談することで、トラブルの早期解決が望めます。

ネットに詳しい弁護士に相談することで、各種手続きがスムーズに進められるという実務面でのメリットはとても大きいです。削除依頼に必要な情報収集の方法や、削除依頼の具体的な方法は、経験値があれば時間をロスせず行うことができます。少しでも迅速な対応で被害を最小限におさえるには、弁護士に協力を求めることをおすすめします。

弁護士が削除依頼する場合のリスクとは

弁護士が「問い合わせ」フォームを利用して削除依頼をするにあたっては、大きなリスクはないといえます。弁護士が削除依頼をする場合には、最適なタイミングと方法を選び、法的根拠を示しながら削除を要請します。法的主張を前面に出すべきでない場合には、事実上の交渉という形をとることもあります。

弁護士が削除依頼をする場合には、弁護士の名義で行います。弁護士からの依頼に対して、サイト管理者が運営を放棄している場合を除いては、ほぼ何らかの反応が返ってきます。サイト管理者が削除に応じるか、応じない場合にはなぜ応じないかが明らかになります。

弁護士による逮捕報道の解決事例3つ

弁護士がネット削除依頼を実施して成功した事例を3つご紹介します。

解決事例①

大手報道機関による逮捕報道の事例。当事者が事実上被っている風評被害を具体的に説明することで報道機関側に削除に応じてもらうことができた。

解決事例②

地域情報サイトに対する削除依頼事例。逮捕事件に関する詳細情報は掲載されていなかったものの、実名と罪名が記載されていた。個人の名誉権などに基づき削除依頼をし、サイト管理者に対応をしてもらうことができた。

解決事例③

逮捕報道を引用して作成されたブログ記事の削除依頼。プライバシー権侵害も疑われる記事であったため、急ぎ削除を求めたところ、ブログ運営者に削除してもらうことができた。

方法③ネットの逮捕歴を削除する法的手段(プロバイダ責任制限法)

プロバイダ責任制限法を使った削除の方法とは

誹謗中傷の内容がプライバシー侵害など他者の権利を侵害している場合、プロバイダに削除を求めることができます。プロバイダ責任制限法に基づく削除依頼を「送信防止措置依頼」と言います。送信防止措置を実施するかの判断は、サイト管理者に委ねられます。必ず削除されるというわけではありませんが、削除依頼を法律上の根拠とともに主張することができます。

プロバイダ責任制限法による送信防止措置依頼には、所定の書式を使います。これはネットからダウンロードが可能ですので、誰でも手に入れることができます。

法的手段による削除依頼のポイントまとめ

大手ブログサイトでは、問い合わせフォームによる削除依頼を受け付けていない場合があります。アメーバブログやSeesaaブログでは、プロバイダ責任制限法に基づく送信防止措置依頼の方法を指定しています。決められた書式にしたがって必要事項を入力し、書類を指定された場所まで郵送して送信防止措置を求めます。

このガイドラインに基づく削除依頼の方法では、郵送でのやりとりが生じたり、サイト運営者から記事作成者への意見照会が行われるため、結果が出るまでに数日要することになります。書類に不備がないよう、権利侵害などの主張内容は正確に記入することが大切です。

法的手段による削除依頼の注意点

権利侵害情報が記載された場所を示す際には、正確に詳細を書く必要があります。たとえば、掲示板サイトでの該当箇所は、スレッドナンバー、レスナンバー、投稿時間などを正確に記しておくことで間違いなく掲載個所を示すことができます。

権利が侵害されたとする理由につていは、具体的にどのような実害が生じているか、被害状況を簡潔に示すこともポイントです。

  • 迷惑電話が3日に1回かかってきている
  • 毎日「引っ越せ」とDMが送られてくる
  • TwitterなどのSNSで拡散され収集がつかない など

方法④匿名ネット投稿者の特定(発信者情報開示請求)

逮捕報道を引用したネット投稿、投稿者の特定は可能?

条件がそろえば匿名のネット投稿者であっても特定は可能です。「発信者情報開示請求」という手続きで、サイト管理者とインターネット回線業者に、それぞれ接続情報と個人情報の開示請求を行います。特に、掲示板は匿名で書き込まれることが通常であるため、内容によっては開示請求をして発信者を特定することで根本解決を図ることがあります。

発信者情報開示請求は、2つの段階を踏んで行います。

  1. サイト管理者に投稿者のアクセス情報を開示してもらう
  2. インターネット回線業者に契約者の個人情報を開示してもらう

発信者情報開示請求のポイントとは

発信者情報開示請求のポイントは、「誰のどのような権利が侵害されているか」が明らかかどうかです。投稿者を特定することは、削除を求めることよりハードルが高いとされています。情報開示の必要性とそれに必要な条件が整っていることが重要なポイントになるため、実施の際には弁護士に相談をしたほうがよいでしょう。

発信者情報開示は、認められた場合、最終的に個人名や連絡先が明らかになる手続きです。コンテンツプロバイダやインターネットプロバイダが責任をもって管理している個人情報を第三者に提供する手続きですので、厳格なルールにそって進められます。

投稿者の特定ができたら、その後はどうする?

匿名投稿者の特定ができたら、民事と刑事の両面で、投稿者への責任追及を検討します。民事事件としては、不法行為に基づく損害賠償請求が考えられます。必ずしも裁判に持ち込まなくても、裁判外の和解により解決を図る道もあります。

刑事事件として責任追及をする場合、警察に被害届を提出することが考えられます。実際に被害届が受理されれば、警察の捜査が開始されることになります。刑事事件として立件可能なケースかは、直接警察に確認する方法があります。

方法⑤刑事事件として警察に申告する

逮捕報道で警察に相談できるケースとは

正規の報道機関が逮捕報道をしたり、それを正しく引用して作成されたネット記事は、警察に相談して削除の解決方法を得るのは難しいです。逮捕報道をテーマに、個人を攻撃する内容があった場合に、刑事事件として成立する余地が生じます。

たとえば、事実無根の不名誉な書き込みが加えられ、名誉棄損の疑いがもたれる場合や、生命身体に危害を加えるかのような攻撃的な書き込みがあった場合には、すぐに警察に相談するべきといえます。

警察に相談する最大のメリットとは

警察に相談する最大のメリットは、投稿内容が悪質で犯罪性がある場合、刑事事件として取り扱ってくれる点です。警察に相談することで、その投稿が捜査の対象となりうるかが明らかになります。警察に被害申告をする場合は、証拠となる投稿画面を印刷し持参することをおすすめします。

刑事責任を追及して根本解決を図る

刑事責任を追求する場合、警察に事件を委ねます。場合によっては、警察が書き込んだ者を特定し、取り調べを行う展開も考えられます。名誉棄損罪は人の生命・身体の危険に関する犯罪ではないものの、逮捕されることもある犯罪です。刑事手続きのレールにのれば、何らかの刑事処分がおこなわれることになります。

まとめ

ネットに出てしまった逮捕歴は、一刻も早く削除したいものです。ただ、すべての逮捕関係記事がすぐに削除できるケースとは限りません。どこに投稿されたものか、どのように書き込まれているのかなど、状況を総合的にみながら最適な削除依頼のアプローチを考えなければいけません。再炎上を回避するためにも、一度専門家に意見を求め、できる限り余計なリスクがともなわないような選択をしましょう。

岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。現在は「刑事事件」「交通事故」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点