離婚届の書き方13項目を記入例で解説|訂正方法と必要書類も詳しく紹介

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離婚届の書き方

離婚届は全13項目を記入して提出しますが、なかでも注意したいのが親権者の記載と離婚後の氏(苗字)の選択です。これらを誤ると、後から修正する際に家庭裁判所での手続きが必要になる場合があります。そのため、記入前に正しい内容を確認しておくことが重要です。

また、書き間違えた場合の訂正方法や必要書類についても、事前に把握しておくとスムーズです。

この記事では、離婚届の13項目すべてについて、記入例を交えながら詳しく解説します。

あわせて、訂正印が不要となった訂正方法のルールや民法改正による変更点、離婚方法ごとの必要書類、提出先の選び方、提出後に行う手続きまでを、弁護士監修のもと実務に即して説明しています。

目次

【記入例】離婚届の書き方を全13項目で解説

こちらは、記入後の離婚届の見本です。

以下では、ひとつひとつの記入欄について、さらに詳しく書き方を説明していきます。

離婚届の記入例

離婚届を書く前にチェックすること

離婚届を書く前に、以下の3点をチェックしましょう。

離婚届を書く前のチェックリスト

  • 親権者を決めましたか?
  • 証人を決めましたか?
  • 必要書類は揃っていますか?

子どもの親権者を決めておく

離婚届には、未成年の子どもがいる場合、必ず親権者を記入する必要があります。

親権者がまだ決まっていないからといって、その欄を空欄のまま離婚届を作成するのは危険です。もし相手が無断で自分を親権者として記入し、そのまま提出してしまうと、後から変更するのが難しくなる可能性があります。

そのため、親権者を含めた離婚条件をしっかり話し合い、合意したうえで離婚届を記入することが大切です。

なお、民法改正により、2026年4月1日以降は、離婚の際に父母双方が親権者となる「共同親権」を選択できるようになります。

証人となってくれる人を見つけておく

協議離婚の場合、2名の証人に、自筆で署名してもらう必要があります。事前に証人となってくれる人を見つけておきましょう。

必要書類を揃えておく

離婚の方法ごとに、離婚届の提出時に必要な書類が異なります。

取得するための手続きが必要な書類もあるので、事前に準備しておきましょう。

必要書類については、この記事の中で詳しく説明します。

離婚届の記入に使用する筆記用具と訂正方法

筆記用具は、黒のインクペンまたはボールペンを使用します。鉛筆や、熱で消えるペンなどは使用できません。

記入に誤りがあっても、修正ペンや修正テープによる訂正はできません。

訂正が必要になった箇所は、二重線で消し、余白部分に書き直します。そして欄外に捨て署名欄があれば2人の直筆でフルネームを記入します。

これが訂正印の代わりになるため訂正印は不要です。

離婚届の捨て署名

離婚届に捨て署名欄がない場合は、枠外に2人で署名をしておきましょう。

なお、記入の時点で訂正がなかったとしても、捨て署名を記入しておくと、軽微なミスであれば役所で訂正してもらえることがあります。

①届出日・提出先

離婚届の届出日と提出先の記入例

ここには、離婚届の記入日ではなく、役所の窓口へ提出しに行く日を記入します。郵送で提出する場合は、投函する日を記入します。

提出先は、届出をする市区町村の長です。

岡野タケシ弁護士
岡野タケシ
弁護士

離婚届をいつ提出するか決まっていない場合は、届出日の欄は一旦空欄にしておくとよいでしょう。

②氏名・住所・本籍

離婚届の氏名と住所と本籍の記入例

氏名は、旧姓に戻る場合でも、婚姻中の苗字を記入してください。

住所は、現在の住民票上の住所を記入しますが、離婚届の提出と同時に転居の手続きを行う場合は、転居先の住所を記入する必要があります。配偶者に新しい住所を知られたくない場合は、離婚届の提出より後に転居の手続きを行いましょう。

本籍の「筆頭者」とは、戸籍の一番上に書いてある人のことを言います。本籍の表記が「〇番×号」である場合は、「×号」の部分は記入しません。本籍が「〇番地×」の場合は、番地に続けて×まで記入してください。

具体例

「東京都新宿区〇〇1-2-3 アトムマンション 901号」の場合

住居表示未実施の地域(番地を使用している地域)

  • 住所の書き方:東京都新宿区〇〇一丁目2番地3 アトムマンション901号
  • 本籍の書き方:東京都新宿区〇〇一丁目2番地3

住居表示実施済の地域

  • 住所の書き方:東京都新宿区〇〇一丁目2番3-901号
  • 本籍の書き方:東京都新宿区〇〇一丁目2番
岡野タケシ弁護士
岡野タケシ
弁護士

氏名・住所・本籍は省略せずに正確に書く必要があります。本籍地と筆頭者が記載された住民票の写しなどを用意して、記載通りに書き写しましょう。

③父母及び養父母の氏名

離婚届の父母及び養父母の氏名の記入例

父母が離婚している場合や、死亡している場合でも、実の父母の名前を記入してください。父母が現在も婚姻中の場合は母の姓は空欄にし、名前だけを記入します。

続き柄の欄には、父母から見た自分の続き柄を記入します。たとえば、長男や二男、長女、二女などです。なお、「次男」「次女」ではなく、「二男」「二女」と漢数字で書く点に注意しましょう。

普通養子縁組をしている場合は、血縁上の父母の名前と併せて養父母の名前も記入します。続き柄は養子・養女となります。血縁上の父母の名前が分からない場合は、戸籍謄本を取り寄せる必要があります。

特別養子縁組をしている場合は、養父母の実の子という扱いですので、養父母の欄ではなく父母の欄に記入します。

④離婚の種別

協議離婚の場合は、離婚の種別の「協議離婚」にチェックを入れます。

協議離婚以外の方法で離婚が成立した場合は、それぞれの区分に応じた項目にチェックを入れ、成立日または確定日を記入します。

  • 調停
    「調停」にチェックを入れ、調停成立調書が作成された日を記入します。調停成立日は調停調書の謄本で確認できます。
  • 審判
    「審判」にチェックを入れ、審判が確定した日を記入します。審判確定日は確定証明書で確認できます。
  • 和解
    「和解」にチェックを入れ、和解が成立した日を記入します。和解成立日は和解調書の謄本で確認できます。
  • 請求の認諾
    「請求の認諾」にチェックを入れ、認諾調書が作成された日を記入します。認諾日は認諾調書の謄本で確認できます。
  • 判決
    「判決」にチェックを入れ、判決が確定した日を記入します。判決確定日は確定証明書で確認できます。

⑤婚姻前の氏にもどる者の本籍

「婚姻前の氏にもどる者の本籍」は、結婚の際に氏(苗字)を変更した人が、離婚後にどの戸籍に入るかを選んで記入する欄です。

記入方法は、離婚後に婚姻前の氏に戻る場合と、婚姻中の氏をそのまま使い続ける場合とで異なります。

婚姻前の氏に戻る(旧姓に戻る)場合

もとの戸籍にもどる」か「新しい戸籍をつくる」を選択する必要があります。

婚姻前の氏にもどる者の本籍の記入例(もとの戸籍にもどる)

「もとの戸籍にもどる」を選ぶと、実家の両親の戸籍など、婚姻前にいた戸籍に戻ることになります。この場合、筆頭者の氏名欄には、戻る戸籍の一番上にいる人の名前を記入します。

婚姻前の氏にもどる者の本籍の記入例(新しい戸籍をつくる)

「新しい戸籍をつくる」を選ぶと、自分が筆頭者である新しい戸籍を作ることになります。この場合は、本籍欄に新しい本籍を記入します。新しい本籍は自由に決めることができ、離婚届に書いたものがそのまま新しい本籍地となります。

「新しい戸籍をつくる」を選ぶのは、婚姻前の戸籍がすでに除籍されている場合や、離婚後に子どもを自分の戸籍に入れたい場合です。

婚姻中に両親が亡くなっていた場合や、もともと自分一人の戸籍を持っていて、結婚によってその戸籍がなくなっていた場合は、戻る戸籍がないため、新しく戸籍を作ることになります。

また、日本の戸籍制度では三世代が同じ戸籍に入ることはできません。そのため、自分と子どもを実家の両親の戸籍に入れることはできず、離婚後に親が旧姓に戻っても、子どもの戸籍が自動的に移ることはありません

姓を戻した人(多くの場合は母親)の戸籍に子どもを移したい場合は、あらかじめ自分が筆頭者となる新しい戸籍を作っておく必要があります

子どもの戸籍や苗字の変更については、後ほど解説します。

 婚姻中の氏を使い続ける(婚氏続称する)場合

所定の手続きを行えば、離婚時に旧姓に戻らず、婚姻中の苗字を使い続けることができます。これを婚氏続称といいます。

離婚届と同時に「離婚の際に称していた氏を称する届(婚氏続称の届)」を提出する場合は、離婚届の「婚姻前の氏にもどる者の本籍」欄は記入せず、空欄のままで提出します。

婚氏続称の手続きを離婚後に行う場合は、離婚届では「新しい戸籍をつくる」を選ぶのが一般的です。この場合、「離婚の際に称していた氏を称する届」は離婚が成立した日から3か月以内に提出します。

なお、離婚届と同時に提出しない場合は、戸籍上はいったん婚姻前の姓に戻る期間が生じる点に注意が必要です。

⑥未成年の子の氏名

離婚届の未成年の子の氏名の記入例

この欄は、未成年(18歳未満)の子どもの親権をどちらが持つかを記入するため、非常に重要です。記入欄がひとつずつしかありませんが、全員分のフルネームを記入してください。

離婚後に子どもの苗字を変更したいと考えている方も、この段階では婚姻中の苗字を記入します。

なお、未成年の子の氏名の欄に訂正がある場合は、訂正箇所に夫婦両方の署名または訂正印が必要です。

この欄に限っては、枠外に捨て印や捨て署名があっても訂正ができません。これは、夫婦のどちらかが親権者を書き換えてしまわないようにするためです。

民法改正により、2026年4月以降に離婚する場合は、父母双方を親権者とする共同親権の選択が可能となります。これに伴い、離婚届も、父母の双方または一方を親権者として定めることを記載する形式に変更される予定です。

⑦同居の期間

離婚届の同居の期間の記入例

同居を始めたとき」の欄には、結婚式をあげた年月または同居を始めた年月のうち早い方を記入します。婚姻前から同居をしていたときは、婚姻前に同居を始めた年月を記入します。一度も同居をしなかった場合は、空欄になります。

別居したとき」の欄には、別居を開始した年月を記入しますが、離婚の届出をしても別居しない場合や、元々同居していなかった場合は空欄になります。

同居・別居の年月については、はっきり覚えていない場合でも大体の年月を記入して構いません。

⑧別居する前の住所

離婚届の「別居する前の住所」の記入例

夫婦が既に別居している場合は、別居前の夫婦の住民票上の住所を記入してください。

まだ別居をしていない・一度も同居をしていない場合は、何も記入しないでください。

⑨別居する前の世帯のおもな仕事と夫妻の職業

離婚届の「別居する前の世帯のおもな仕事と夫妻の職業」の記入例

別居する前の世帯のおもな仕事」は、1つしか記入できませんので、1人が複数の仕事をしていたり共働きだった場合でも、世帯の主な収入源となっていた仕事にチェックを入れます。

それぞれの選択肢の詳しい説明は以下の通りです。

1.農業だけまたは農業とその他の仕事を持っている世帯

専業農家である場合や、兼業農家であっても農業の収入が主である場合がこれにあたります。

2.自由業・商工業・サービス業等を個人で経営している世帯

個人で事業を営んでいる場合はこれにあたります。フリーランスのデザイナーや開業医、林業・漁業関係者なども含まれます。

3.企業・個人商店等(官公庁は除く)の常用勤労者世帯で勤め先の従業者数が1人から99人までの世帯(日々または1年未満の契約の雇用者は5)

従業員が1〜99人の企業に勤めている一般的なサラリーマンはこれにあたります。契約期間が1年未満の契約社員や日雇い労働者は、これではなく5になります。

また、公務員もここではなく、4にあたります。

4.3にあてはまらない常用勤労者世帯及び会社団体の役員の世帯(日々または1年未満の契約の雇用者は5)

従業員が100人以上いる企業に勤めているサラリーマンや、企業の役員、公務員はこれにあたります。

5.1から4にあてはまらないその他の仕事をしている者のいる世帯

会社に勤めている人で、1年未満の契約で雇用されているアルバイト、パート、契約社員、派遣社員などがこれにあたります。

6.仕事をしている者のいない世帯

仕事をしている人がいない世帯がこれにあたります。

「夫婦の職業」の欄は、国勢調査がある年以外は未記入で構いません。ここでいう職業とは、会社員・公務員などの一般的な分類ではなく、「厚生労働省編職業分類」から記入します。

⑩届出人署名(自筆)

離婚届の「届出人署名(自筆)」の記入例

協議離婚の場合は、夫婦それぞれが自筆で署名します。押印欄がありますが、現在は押印が義務ではないため、押印はしてもしなくても構いません

調停や裁判で離婚が成立した場合は、すでに法的な効力が生じているため、離婚届は事実を届け出るためのものとなり、原則として離婚届を提出する側の署名のみで提出できます。

⑪証人(自筆)

離婚届の「証人(自筆)」の記入例

協議離婚の場合は2名の証人が必要です。成人であれば、誰でも証人になることができます。

証人の欄には、証人の署名、生年月日、住所、本籍を記入します。証人の署名は、自筆でなければいけません

岡野タケシ弁護士
岡野タケシ
弁護士

調停離婚や裁判離婚をする場合は、証人は不要です。

⑫面会交流、養育費の分担について

離婚届における面会交流、養育費の分担の記入例

離婚届の右側には、子どもの監護に関する事項を記入する欄があります。面会交流養育費の分担について、子どもの利益を最優先に夫婦で話し合って決めた内容を記入します。

それぞれの項目について、該当するものにチェックを入れてください。

養育費について公正証書を作成している場合は「公正証書」にチェックを入れます。公正証書とは、取り決めの内容を法的に証明する公的な書類で、強制執行認諾文言付きで作成しておくと、養育費などが支払われなかった場合に強制執行が可能になります。

公正証書は作成していないものの取り決めがある場合は「それ以外」に、まだ何も決めていない場合は「まだ決めていない」にチェックを入れてください。

⑬連絡先

連絡先の欄には、日中連絡がつく電話番号を記入します。提出後に不備が見つかった場合などは、ここに連絡が来る可能性があります。

離婚届の用紙の入手方法と提出先

離婚届は印刷も可能

離婚届の用紙は、全国すべての市区町村役場で無料でもらえるほか、自治体のホームページからダウンロードして自分で印刷したものを使うこともできます。

配布元によって様式が多少異なる場合がありますが、記載内容は全国共通のため、基本的にはどれを使っても構いません。

なお、役所で配布されている離婚届は白地に緑で印刷されていますが、自分で印刷する際には白黒で印刷しても問題ありません。

離婚届を印刷する際の注意点

  • A3の用紙で印刷する
  • 感熱紙を使用しない

書き損じても訂正はできますが、念のため数枚用意しておくことをおすすめします。

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離婚届のもらい方|夜間や休日はどこでもらう?入手方法を解説

離婚届はどこに出す?提出先と提出方法

離婚届の提出先は、婚姻中の本籍地または住所地の役所です。離婚届の提出方法は、役所の窓口への持参郵送の2通りがあります。

郵送で離婚届を提出する場合は、周りの目を気にせずに手続きができるというメリットがありますが、不備が見つかったら再提出が必要になるなど、手間が増える可能性があります。

役所の開庁時間に提出しに行くのが難しいという方は郵送を選んでもよいですが、役所によっては休日・時間外でも離婚届の提出を受け付けている場合もあるため確認してみましょう。

2024年3月の戸籍法改正により、本籍地以外の役所に離婚届を提出する場合でも、戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)の提出は原則不要になりました。ただし、役所によっては戸籍謄本の提出を求められる場合もあるため、心配な方は提出先の役所に事前確認してください。

提出した離婚届に不備があったら離婚できない?

役所の窓口で離婚届を提出した際に不備が見つかった場合は、その場で補正(訂正)を行うことで受理されます

現在は離婚届への押印が不要なため、訂正印を持参する必要はなく、署名によって本人による訂正であることを示します。

役所によっては休日や夜間などの時間外窓口でも離婚届を提出できますが、その場で内容の確認は行われず、次の開庁日以降に審査されます。その結果、不備が見つかると、後日連絡が入り、役所の窓口へ出向いての訂正や再提出を求められることがあります。

郵送による提出の場合も、不備があれば役所から連絡が入り、再提出を行うことになります。

離婚届を提出した後はどんな手続きが必要?

離婚届提出後の公的手続き

  • 身分証明書の変更手続き
  • 子どもの苗字や転校に関する手続き
  • 保険や年金の手続き

離婚に伴い苗字や住所が変わる方は、運転免許証やマイナンバーカードなどの身分証明書の変更手続きが必要です。

その後の手続きで、正しい氏名・住所が記載された身分証が必要になることが予想されるため、身分証の更新は最優先で行いましょう。

また、転出・転居・転入届の提出や健康保険、年金の手続きには期限がありますので、こちらも優先的に行います。

旧姓に戻さずに婚姻中の苗字を使い続けたい方は、「離婚の際に称していた氏を称する届」を離婚から3か月以内に提出するのを忘れないでください。

離婚から3か月以上経ってしまうとこの届出では手続きができず、裁判所で苗字変更の許可を得なければいけなくなってしまいます。

離婚届を提出するときの必要書類

離婚の必要書類は離婚方法ごとに違う

離婚届を提出する際に必要な書類は、離婚の方法によって異なります。

いずれの場合でも、離婚届と、提出する人の本人確認書類は共通して必要です。これに加えて、離婚の方法に応じた書類を用意する必要があります。

離婚の方法提出書類
協議離婚離婚届
調停離婚離婚届、調停調書の謄本
審判離婚離婚届、審判書の謄本、確定証明書
和解・認諾離婚離婚届、和解・認諾調書の謄本
裁判離婚(判決離婚)離婚届、判決書の謄本、確定証明書
※婚姻時の氏を使用し続けたい場合離婚の際に称していた氏を称する届(離婚届と同時または3か月以内に提出可能)

審判離婚と判決離婚の際に必要な確定証明書とは、裁判所による審判・判決が確定して覆せない状態であることを証明する書類です。

審判や判決は、一定期間内に異議を申し立てることで覆すことができるため、これが確定していることを証明する必要があるのです。

また、調書、審判書判決書とは、調停や審判、裁判の判決などが成立すると裁判所によって作成される書類です。離婚届の提出時には、調書、審判書または判決書の謄本を併せて提出します。

岡野タケシ弁護士
岡野タケシ
弁護士

確定証明書や調書の謄本は、調停・裁判の終了時に自動的に受け取れるわけではありません。裁判所に申請して交付してもらう必要があります。

離婚届の提出費用は?

離婚届の提出自体に費用はかかりません

ただし、協議離婚以外の方法で離婚が成立した場合は、離婚届とあわせて提出する調停調書や審判書などの謄本、審判や裁判の確定証明書の取得に、所定の手数料がかかります。

離婚届には証人が必要!条件は?

協議離婚の場合は、2人以上の証人の署名が必要です。一方、調停や裁判による離婚など、協議離婚以外の場合は証人は不要です

証人は成人なら誰でもOK

離婚届の証人欄の記入例

協議離婚の証人には、成人(18歳以上)であれば誰でもなることができます

証人になったとしても、なにか法的責任を問われるということは基本的にはありませんので、証人になるデメリットは特にはありません。

証人の署名は代筆不可

証人の署名は、自筆である必要があります。署名以外の、生年月日、住所、本籍は代筆でも構いません。

なお、証人に関しても押印をするかしないかは本人の意思に任されています。夫婦や親子で証人をつとめる場合で、押印をしようとする際は、同じ印鑑を使うことができない点に注意が必要です。

証人がいない場合は誰に頼めばいい?

証人を頼める人がいない場合や、知人には証人を頼みづらい場合はどうすればよいのでしょうか。

離婚に関して依頼をしている弁護士がいれば証人を頼むことができるほか、行政書士などが有償で証人代行サービスを行っていることもあります。

弁護士や行政書士などの資格を持たない業者が証人代行サービスを行っていることもありますが、信頼してよいか慎重に検討する必要があります。

離婚届に関する注意点

離婚届を書く前に離婚条件を話し合おう

離婚をする際には、夫婦が話し合って決めなければならないことがたくさんあります。代表的なのは、以下のような事項です。

離婚全般に関すること

  • 離婚の意思
  • 離婚届の提出日・提出者
  • 離婚後の苗字

お金に関すること

  • 慰謝料
  • 財産分与
  • 婚姻費用
  • 年金分割

子どもに関すること

  • 親権者・監護者
  • 養育費
  • 面会交流
  • 子どもの苗字・戸籍

これらのうち、離婚届への記入が必須となるのは、未成年の子どもの親権者を誰にするかという点です。

民法改正により、2026年4月以降に離婚する場合は、父母双方を親権者とする共同親権も選べるようになります。

面会交流や養育費については離婚届に記入欄があるものの、「まだ決めていない」を選ぶこともできます。

ただし、離婚後に改めて話し合おうとしても、相手が応じてくれるとは限りません。そのため、可能であれば、これらすべての事項について、離婚届を記入する前に話し合って決めておくことをおすすめします。

あわせて、取り決めた内容を公正証書として残しておくと、後々のトラブルにも対応しやすくなります。

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離婚届は先に書いた方が不利になる!?離婚届を書く前にすべきこと

離婚届は勝手に出しても無効。相手にバレる!

離婚届には、夫婦の両方と証人の自筆の署名が必要ですので、相手の許可を得ずに離婚届を提出することはできません。仮に署名を偽って作成した離婚届を提出しても、その離婚届に効力はありませんし、「有印私文書偽造罪」が成立して罪に問われる可能性があります。

離婚届を提出した時点で偽造が発覚しなければ、離婚届は一旦受理されますが、提出に行かなかった方の当事者には後日「離婚届受理通知」が郵送されますので、相手に離婚届の提出がバレるのは時間の問題です。

相手が離婚届を勝手に出してしまったらどうなる?

「離婚届を書いて相手に渡してしまったが気が変わった」「相手が離婚届を偽造する可能性がある」という方は、配偶者が勝手に離婚届を出してしまわないか注意が必要です。

配偶者や第三者が勝手に離婚届を提出してしまわないように、事前に「離婚届不受理申出」をすることができます。

役所に「離婚届不受理申出書」などを提出することで手続きができ、本人が不受理申出を取り下げない限りは、離婚届を提出しても受理されなくなります。

一度離婚が成立してしまうと、それを覆すには相当な手間と時間がかかります。勝手に離婚届を出されてしまうおそれが少しでもあるならば、離婚届不受理申出をしておいた方が良いでしょう。

もし「離婚届受理通知」が届くなどして、離婚届が勝手に提出されてしまったことが分かったら、家庭裁判所に「離婚の無効確認」を請求し、審判・裁判を経ることで、離婚をなかったことにできます。

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離婚届を出しても子どもの苗字や戸籍は変わらない

離婚届で「母が親権を行う子」の欄に子どもの名前を記入すると、親権者は母親になりますが、子どもの戸籍や苗字は自動的には変わりません。子どもは苗字を変更しない方の親の戸籍に残り、苗字もそのままとなります

離婚後に、親権者である母親と子どもを同じ苗字・同じ戸籍にするには、次の手順を踏む必要があります。

  1. 家庭裁判所への「子の氏の変更」の許可申請
  2. 市区町村役場への「入籍届」の提出

なお、親権者が離婚後に旧姓に戻る場合で子どもを自分の戸籍に入れるには、離婚届で「新しい戸籍をつくる」を選択しておく必要があります。

離婚後に婚姻中の苗字を使い続ける場合でも、子どもを自分と同じ戸籍に入れるには同様の手続きが必要です。「離婚の際に称していた氏を称する届(婚氏続称届)」を提出して新しい戸籍を作成し、家庭裁判所に子どもの氏の変更を申し立て、役所へ入籍届を提出します。

離婚届のよくある質問

Q.離婚届にハンコは必要?書き間違えた場合の訂正印は?

2021年9月1日から、離婚届への本人や証人の押印が不要になりました
とはいえ、任意で押印をすることは可能ですし、慣習として押印欄が残されている離婚届もあります。離婚届に書いたことを訂正する場合も、二重線と署名で足りるため、訂正印を持って役所に行く必要はありません。

Q.離婚届を提出した日が離婚日になりますか?

協議離婚の場合は、離婚届が受理された日に離婚が成立します。休日や夜間に離婚届を提出しに行った場合は、翌開庁日以降に離婚届が受理されます。また、提出した離婚届に不備が見つかった場合は、不備の訂正が終わったあとで受理されることになります。

調停離婚の場合は、離婚調停が成立した日が離婚の日となり、事後的に離婚届を提出して戸籍に離婚したことを反映してもらいます。審判離婚・裁判離婚(判決離婚)の場合は、審判や判決が下された日ではなく確定した日が離婚の成立日になります。

確定日とは

審判や判決は、それが下された日に成立する訳ではなく、一定期間内に異議を申し立てれば覆すことができます。そのため、その期間が経過して結果が確定するまでの間は、離婚届を出すことができません。

審判・判決の確定日は、当事者が審判や判決の告知を受けた日の翌日から数えて2週間が経過した日です。告知は、審判書・判決書を送付することによって行われます。審判や判決が下された日ではなく、審判書・判決書を受け取った日の翌日からカウントが始まる点に注意してください。

なお、裁判が和解・認諾で解決した場合は、和解離婚・認諾離婚が成立した日が離婚の成立日になります。

Q.自分の本籍はどうやって確認する?

本籍地は、いくつかの方法で確認できます。すでに戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)や戸籍抄本を持っている場合は、その書類に記載されている本籍欄を見ることで確認できます。

また、マイナンバーカードを持っていれば、マイナポータルにログインし、戸籍関係情報に表示される本籍コードから本籍地の市区町村を確認することも可能です。

そのほか、本籍地と筆頭者が記載された住民票の写しを取得することで、本籍地を確認する方法もあります。

Q.離婚届の証人は誰に頼める?

協議離婚の場合、成人(18歳以上)であれば誰でも証人になれます。証人の署名は原則として自筆です。証人がいない場合は弁護士や行政書士の代行サービスを利用できます。

協議離婚以外の方法で離婚が成立した場合、証人は不要です。

Q.離婚届に提出期限はありますか?

協議離婚の届出に期限はありません。調停・審判・裁判離婚の場合は、離婚が成立した日を1日目として10日以内という期限があります。10日間の届け出期間が満了するのが役所の休日だった場合は、次の開庁日が期間満了日となります。

離婚成立日離婚届の提出期限
協議離婚離婚届の受理された日なし
調停離婚調停成立日調停の成立から10日以内
審判離婚審判確定日審判の確定から10日以内
和解離婚・認諾離婚和解・認諾成立日和解・認諾の成立から10日以内
裁判離婚(判決離婚)判決確定日判決の確定から10日以内

Q.苗字をそのままにしたい場合は離婚届にどう書く?

離婚後も婚姻中の苗字を使い続けるには、「離婚の際に称していた氏を称する届」を、離婚した日から3か月以内に市区町村役場へ提出する必要があります。この届出を離婚届と同時に提出する場合は、離婚届の「婚姻前の氏にもどる者の本籍」欄は空欄のままにします。

一方、「離婚の際に称していた氏を称する届」を後日提出する場合は、離婚届では「新しい戸籍をつくる」を選択し、戸籍筆頭者の氏名には婚姻中の氏名を記入します。

苗字を使い続けるための手続きについては、『婚氏続称の手続き・必要書類|子どもの苗字の変更手続きも解説!』で詳しく解説しています。

まとめ

離婚届を書くときに気を付けたい事項をまとめました。

離婚届を書く際の注意事項

  • 黒のペンで書く
  • 修正ペンや修正テープは使用できない
  • 間違えた時は二重線で訂正
  • 協議離婚は成人の証人2名が必要
  • 届出人と証人の署名は自筆で

相手が離婚届を書いてくれない、離婚条件の話し合いがまとまらずに困っているという方は、弁護士への相談もご検討ください。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了