岡野武志弁護士

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。

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勾留延長とは?不起訴の可能性はある?勾留期間の仕組みと今できる対策を解説

「逮捕された家族が、10日経っても帰ってこない…」

「勾留延長が決まったら有罪になってしまうのか」

ご家族が逮捕され、さらに勾留期間の延長が決まると、「いつ釈放されるのか」「このまま刑務所に行ってしまうのか」と、不安で押しつぶされそうになることと思います。

しかし、勾留延長は日本の刑事手続きにおいて決して珍しいことではありません。

実際、2024年の検察統計調査によれば、勾留された91,388人のうち、64,099人が勾留延長の決定をうけています。つまり、勾留された人の約70%にあたる人が、期間を延長されているのが現実です。

延長されたからといって、「起訴(裁判にかけられること)」が確定したわけではありません。 むしろ、この延長期間は、弁護士を通じて「不起訴(前科がつかず、釈放されること)」を獲得するための極めて重要な期間でもあります。

この記事では、なぜ勾留が延長されるのか、延長された場合に不起訴を獲得するためにはどうすればよいのかを、法律の知識がない方にもわかりやすく解説します。

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そもそも「勾留延長」とは? いつまで帰れない?

通常、警察に逮捕された後、事件は検察官に送致され、検察官が裁判所に勾留を請求します。

裁判官がこれを認めた場合、被疑者は原則として10日間、身体を拘束された状態で捜査を受けることになります。

しかし、この10日間で捜査が終わらず、起訴・不起訴の判断ができないと検察官が判断した場合には、裁判所に対して勾留期間の延長を請求することができます。

裁判官が相当と認めた場合、勾留期間は最大でさらに10日間延長されます。これが「勾留延長」です。

勾留の期間は最大で20日間

最初の勾留期間と合わせると、被疑者は最大で20日間、社会から隔離された状態で身体拘束を受けることになります。

勾留期間は最大20日間

勾留期間の解説

項目日数解説
最初の勾留原則10日間逮捕手続き後の最初の拘束期間
勾留延長最大10日間捜査が長引く場合に延長される期間
合計最大20日間起訴・不起訴が決まるまでのリミット

勾留延長の連絡は家族にはこない

警察や検察からご家族に対して、勾留延長が決定したと連絡がくることは原則としてありません。延長の決定は、勾留されている本人と、弁護士にのみ伝えられます。

そのため、ご家族の勾留が延長されたかどうかを知るには、自ら確認する必要があります。

担当の弁護士に確認するか、勾留先の警察署に電話や面会を申し込んで、まだ勾留されているかどうか確認しましょう。

勾留が延長される理由

「なぜ10日間で終わらないの?」と疑問に思う方も多いでしょう。

検察官が勾留延長を請求し、裁判所がそれを認めるには、法律上「やむを得ない事由」(刑事訴訟法208条2項)が必要です。

簡単にいうと、「事件が複雑だったりして、もう少し時間をかけないと起訴・不起訴を決められない」という状況です。特によくある具体的なケースは以下です。

本人が容疑を「否認」または「黙秘」している

容疑を否認している場合や、取り調べで黙秘をしている場合、勾留は延長されやすくなります。

本人の自白が得られない分、防犯カメラや目撃証言などの証拠を固める必要があるからです。

共犯者がいるなど、事件が複雑

詐欺グループの組織的な犯罪など、共犯者が複数いる場合も勾留延長の対象になるケースが多いです。

口裏合わせのリスクなどを含めて、それぞれの供述に矛盾がないかを丁寧に確認する必要があるため、時間がかかるケースが多くあります。

余罪(別の犯罪)の疑いがある

他にも関わっている事件がある場合、それらも含めて捜査するために期間が延長されるケースもあります。

この捜査のみを目的とした勾留延長は慎重に判断されるべきとされていますが、実務上は事件と関連性があれば認められるケースも少なくありません。

上記以外にも、勾留が延長されるケースはいくつかあります。

勾留が延長されるケース

  • 重要な参考人が見つからない
    例)被害者や目撃者から話が聞けていない
  • 鑑定結果待ち
    例)精神鑑定、DNA鑑定などの結果待ち
  • 証拠が膨大にある
    例)押収した資料やデータ解析に時間がかかる

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「勾留延長」=「起訴確定」ではない!不起訴獲得も可能

「勾留が延長されたということは、起訴されて有罪になってしまう、もう諦めるしかない…」と、考えてしまうご家族も多いですが、それは誤解です。

勾留延長は「不起訴」になる可能性を残している状況

検察官は、絶対的な証拠があると確信していれば、最初の勾留期間で起訴することも可能です。

しかし、それをせずに期間を延長するということは、「現時点で起訴するかどうかの最終判断に必要な情報を整理している段階」ということです。

不起訴とは、「今回は裁判にかけない」と決めることです。不起訴になれば、前科はつかず、その時点ですぐに釈放されます。

勾留延長期間は、不起訴を獲得するための重要な局面ともいえます。

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勾留延長期間に「示談」が成立すれば不起訴に繋がる可能性がある

被害者がいる事件において、不起訴の可能性を高める要素の1つとして、示談があります。

延長された最大10日間以内に、弁護士を通じて被害者と示談を成立させるのが理想的です。

当事者間の紛争が示談により解決済みと判断されれば、検察官が不起訴処分とする可能性が高まります。

また、ケースとしては稀ですが、最初の10日間で示談交渉が完了せず、「もう少しで成立しそう」な場合、検察官が「やむを得ない事由」を主張して勾留延長を請求し、裁判官が認めることがあります。

この延長期間を交渉継続にあてることで、不起訴の可能性を高められるため、被疑者側に利益となる場合があります。

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起訴前の勾留で保釈はできない

「お金を払えば出してもらえる?」と考える人も多いですが、起訴前の勾留では保釈はできません。

保釈は、起訴された後の「被告人」にのみ認められる制度です。起訴前は身分が「被疑者」であり、制度上、保釈の対象外となります。

この段階で目指すべきは、事件そのものを終わらせる「不起訴による釈放」です。まずは不起訴獲得に向けて、弁護士への相談・依頼を優先しましょう。

勾留延長期間に不起訴獲得に向けて弁護士ができること

勾留延長が決まった直後から、弁護士はご家族とご本人のために、以下のような活動を行います。これらはすべて、不起訴処分を目指すための活動です。

被害者との示談交渉

逮捕されている本人は、外部と連絡を取ることができないため、示談交渉はできません。

また、被害者の連絡先は加害者家族には教えられず、弁護士に限って開示するというケースがほとんどです。

そのため、弁護士が代理人として交渉を行い示談を成立させることが、不起訴に向けて最も効果的な活動です。

検察官への意見書提出

検察官に対して、「これだけ有利な事情があるのだから、起訴すべきではない」という法的な意見書を提出します。

主に以下のような事情を主張することが多いです。

  • 証拠が不十分である
    捜査は尽くされているが、決定的な証拠がない
  • 再犯防止の環境
    家族が徹底したサポートを宣誓しており、再犯の可能性が低い
  • 更生の意欲
    深く反省しているため、社会内で更生させるべき
  • 前科・前歴がなく初犯である
    常習性はなく、今回に限った過ちである
  • 社会的制裁をすでに受けている
    会社や学校を解雇・退学されており、これ以上の制裁は必要ない

検察官が起訴するかどうかを決めかねている場合、意見書が最後の一押しとなって不起訴が決まることも少なくありません。

裁判所に対する不服申し立て(準抗告)

そもそも、裁判官の勾留延長の決定自体に疑問があるとして、裁判所に異議を申し立てる手続きのことを準抗告といいます。

弁護士は、裁判所に対して「これ以上拘束を続ける『やむを得ない事由』はない」と主張します。これが認められれば、延長期間の途中であっても決定が取り消され、釈放されます。

勾留延長の期間中、家族ができるサポート

ご家族によるサポートは、勾留されている本人の心の支えになるだけではなく、不起訴を獲得するための重要なアクションにもなります。

面会に行き、精神的に支える

警察署で面会をして、家族は味方であることを伝えるだけでも、本人の励みになります。

ただし、「接見禁止」で家族も会えないケースも多くあります。その場合は、唯一面会が認められている弁護士を通じて伝言を託しましょう。

現金や衣類などの差し入れ

仮に面会ができなかったとしても、物品の差し入れは可能です。

  • 現金
    生活用品やお菓子を買うことができます
  • 衣類
    スウェットやTシャツなどが喜ばれます
  • 本・雑誌
    退屈な時間を紛らわせることで、心の安定に役立ちます

身元引受人として監督を誓う

不起訴を獲得するためには、検察官に対して再犯の心配がないことを認めてもらう必要があります。

そのためにご家族ができる最大のサポートは、「身元引受人」になることです。家族全体で更生を支えるという姿勢を示すことで、検察官に再犯防止をアピールでき、不起訴獲得に向けた強力な後押しとなります。

勾留延長に関するよくある質問

Q.勾留延長の満期が過ぎるとどうなりますか?

勾留期間の満期がくると、検察官は以下のいずれかの処分を下します。

  • 起訴
    裁判にかけること。ここから「被告人」となり、刑事裁判が始まる。
  • 不起訴
    裁判にかけないこと。すぐに釈放される。
  • 略式起訴
    裁判を開かずに、罰金刑として終わらせること。納付すればすぐに釈放されるが、前科はつく。

Q.勾留延長されると「前科」はつきますか?

勾留延長されただけでは前科はつきません。前科がつくのは、起訴された後に有罪判決が確定した場合、もしくは略式起訴で罰金刑を受けた場合のみです。

延長期間中に不起訴を獲得できれば、前科はつかないため、早めに弁護士に相談・依頼をして、早期解決を目指しましょう。

Q.勾留延長は必ず10日間ですか?

最大で10日間ですが、必ずしも10日間延長されるわけではありません。裁判官の裁量で3日や5日など、短い期間が認められることもあります。

実際、2024年のデータによると、勾留期間が延長された64,099人のうち4,262人(約7%)が5日以内で期間を終えています。

もっとも、2024年の検察統計の内訳を見ると、勾留延長された場合、11日目〜15日目で釈放や起訴が決まるケースは少数です。

  • 15日以内(延長が短期間で済んだ): 4,262人(全体の4.7%)
  • 20日以内(延長期間をほとんど使い切った): 59,615人(全体の65.2%)

一度延長が決まると、法律上の上限である20日間まで身柄拘束が続くケースが圧倒的に多いことがわかります。

勾留期間別の割合(2024年・検察統計調査)

区分人数 (人)割合
5日以内1,4671.6%
10日以内25,87028.3%
15日以内4,2624.7%
20日以内59,61565.2%
25日以内210.02%
25日を超える1530.2%
総数91,388100%

まとめ:不起訴に向けて今すぐ弁護士に相談しよう

勾留が延長されたとしても、悲観して諦める必要はまったくありません。むしろ、延長されてからの最大10日間が「前科をつけずに社会復帰できるか」の大きな分かれ道になります。

・勾留延長により、勾留期間は最大で20日間

・勾留延長=起訴確定(有罪)ではない

・示談や準抗告を行うことで、不起訴・早期釈放の可能性もある

刑事事件はスピードが命です。もっと早く相談・依頼しておけばよかったと後悔しないためにも、まずは刑事事件に強い弁護士に一度ご相談ください。

あなたとご家族の味方となって、最善の解決策を一緒に考えます。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了