第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
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刑事事件を起こすと逮捕される?逮捕回避の方法や逃走の罪について解説
- 刑事事件をしたら必ず逮捕されるの?
- 逮捕されるのはどんなとき?逮捕回避の方法は?
- 逮捕されたくなくて逃走したら罪になる?
刑事事件を起こしてしまうと、今後逮捕されてしまうのかどうか心配になりますよね。
この記事では、逮捕されてしまうのかどうか不安を抱えている方やご家族に向けて、逮捕される要件や逮捕を回避する方法などを解説しています。
今後の見通しや必要な知識を身に着け、弁護士に相談しましょう。
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目次
逮捕されるのはどんなとき?逮捕は3種類ある?
逮捕されるのはどんなとき?
捜査機関が逮捕を行うのは、逮捕の要件である「嫌疑の相当性」と「逮捕の必要性」が満たされている場合です。
嫌疑の相当性には、犯罪を行ったとされる防犯カメラの映像や指紋、DNA鑑定などの客観的な証拠が必要になります。
逮捕の必要性は「逃亡のおそれ」「証拠隠滅のおそれ」のどちらかが認められる場合です。
警察から呼び出しの電話がきたら逮捕されるの?
刑事事件を起こし、警察から連絡がきたとしてもすぐに逮捕されるわけではありません。実務上は逮捕されずに在宅事件として手続きが進むケースが多いでしょう。
しかし取り調べ後に逮捕されたり、後日、警察官が自宅にやってきて逮捕される可能性は否定しきれません。
通常、呼び出しの電話は警察官が事件の取り調べをする準備のために行われ、いつ警察署に来られるか等の確認が行われます。
任意に捜査に協力するよう求めているわけですから、逮捕が行われる可能性は低いわけです。
ただ実務上は、近所の目に配慮して任意に呼び出したあと逮捕するケースや取り調べ中に容疑が固まって逮捕が行われるケースもあります。
警察からの呼び出しはあくまで任意であるため、拒否することも可能です。
しかし、刑事事件の被疑者で理由もなく取り調べを拒否し続けていると、逮捕される可能性が高まります。できる限り呼び出しには応じるようにしましょう。
仕事などで取り調べに行けない場合は理由を伝えることで、スケジュールを柔軟に変更してくれる警察署もあります。
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逮捕は3種類ある?
逮捕には通常逮捕・緊急逮捕・現行犯逮捕の3種類があります。
原則として、逮捕状を発付した通常逮捕が行われます。しかし、逮捕状の発付を待つことができない特別な場合に限り、現行犯逮捕や緊急逮捕が例外的に認められています。
なお、どの逮捕であっても「嫌疑の相当性」「逮捕の必要性」が認められる場合にのみ行われ、これらが認められない場合にはただちに釈放されて在宅事件として手続きが進みます。
通常逮捕
通常逮捕は、後日逮捕とも呼ばれ、裁判官が発付した逮捕状に基づいて逮捕されるものです。
通常逮捕の流れは、警察官が犯罪の証拠を集め、裁判官に逮捕状を請求します。
裁判官は、逮捕状の発付を行うべきか嫌疑の相当性や逮捕の必要性を審査し、逮捕の要件を満たした場合には発付します。
そして逮捕状をもった警察官が、自宅にやってきて逮捕します。
通常は在宅の可能性が高い朝早くに警察官がやってきて、そのまま連行される流れになります。
現行犯逮捕
現行犯逮捕は、犯行現場において今まさに犯行を行っている犯人や犯行直後の犯人を逮捕するものです。逮捕状は必要ありません。
現行犯逮捕は警察官でなくても、誰でもすることができます。
痴漢等の犯罪において目撃者や被害者が犯人を取り押えるケースや、万引き直後の犯人を店員が捕まえて控室に拘束するケースなどが現行犯逮捕の典型例です。
現行犯逮捕が行われたあとはすぐに警察への連絡が行われ、やってきた警察官によって警察署にまで連行されます。
緊急逮捕
緊急逮捕は、犯罪について急速を要する場合に、逮捕状の発付より先に逮捕を行い、事後的に裁判官に逮捕状を求めるという形式の逮捕です。
逮捕が先行して行われるだけであるため、逮捕後はすぐに逮捕状の発付が必要になります。また緊急逮捕は捜査機関の人間のみに許されており、現行犯逮捕と違って一般人が行うことはできません。
緊急逮捕の典型例は、たとえば指名手配されている人物をパトロール中の警察官がたまたま目撃し、このままでは逃走されてしまう場合にやむを得ず逮捕するケースなどです。
緊急逮捕の要件は、死刑または無期もしくは長期3年以上の懲役・禁錮に当たる罪を犯したことです。
緊急逮捕は、名前から重い罪を犯した場合に使用されるものと想像してしまいますが、長期3年以上の懲役・禁錮に当たる罪は重い罪に限りません。
窃盗罪や傷害罪などであっても緊急逮捕される可能性はあります。
逮捕を回避する方法はある?逮捕の流れは?
逮捕を回避する方法はある?
刑事事件を起こしたからと言って必ず逮捕されるわけではありません。事件によっては逮捕を回避することができます。
事件を実際に起こしてしまった場合、逮捕の必要性がないことを示せば逮捕を回避できる可能性が高まります。
具体的には以下のような対策が有効です。
逮捕回避のために有効な対策
- 自首する
- ひとり暮らしの場合は実家に引っ越す
- 被害者と示談を締結する
自首する
まだ警察が関知していない事件の場合、自首をすることで逮捕回避の可能性を高めることができます。
逮捕は「逃亡のおそれ」「証拠隠滅のおそれ」が認められるときに行われます。
自首をしたという事実は、捜査に協力する意思があるということを示すことに繋がるため、これらのおそれがなくなり逮捕される可能性が低くなるのです。
客観的な証拠があるにもかかわらず否認を続けていると、逮捕される可能性が高まります。
警察に捜査されるのが目前であるような場合には、自首することも検討してください。
ひとり暮らしの場合は実家に引っ越す
実家に引っ越すということは、常に両親など家族の監督下に置かれるということを意味します。
逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれが低減するので、逮捕の可能性が低くなるのです。
特に両親に今後きちんと監督するという旨の宣誓書などを書いてもらい、これを捜査機関に提出などすれば、逮捕の回避に一層期待が持てるようになります。
被害者と示談を締結する
被害者と示談を締結するのは、逮捕の回避という点でかなり有効な対策です。
示談というのは当事者同士の話し合いによって民事上の賠償責任を解消する手続きです。
示談を締結したという事実は、起こしてしまった事件について真摯に反省し、誠実に手続きに応じる用意があるという事実を示します。
示談締結の有無は捜査機関による逮捕の判断にかなり大きな影響を与えるのです。
逮捕されなかった場合はどのように捜査が進められる?
刑事事件を起こし、要件を満たさずに逮捕されない場合は、在宅事件として捜査が進められることになります。
身体の拘束は避けられるため、通常の生活を送りながら捜査に協力していくことになるでしょう。
必要に応じて警察から取り調べのための呼び出しを受けることになります。
在宅事件は、捜査期間について特に決まりがありません。そのため、軽微な事件の場合、捜査が後回しにされてしまうことがあります。
場合によっては事件の最終的な処分が決定されるまで年単位で待たされることもあります。
刑事事件後、捜査機関から連絡が来ないと不安になると思います。
弁護士に相談することで捜査状況を確認してもらったり、事件の見通しを把握したりすることができるでしょう。
逮捕されてしまった場合の流れは?
逮捕後、48時間以内に警察は事件を検察官に送り、以降は警察と検察が共同で捜査を行います。
警察は限られた時間の中で証拠を集めることになります。
事件を送られた検察官は、身体拘束を続けるべきかどうかを判断し、続けるべきだと判断すれば24時間以内に勾留請求を行います。
そして、勾留請求を受けた裁判官が勾留を認めれば、起訴されるまで最大20日にわたり警察署内の留置場で身体拘束が継続されてしまうのです。
つまり、逮捕後は起訴・不起訴の判断が下されるまで最大で23日にわたり身体拘束される可能性があります。
逮捕・勾留されてしまうと、職場に出勤することができません。
無断欠勤扱いになってしまい、職を失ってしまう可能性もあります。
弁護士に依頼すれば、早期釈放のための活動を行うことができます。
逃走は何罪になる?保釈中や逮捕前の場合は?
刑務所からの逃走は何罪になる?
逮捕され刑務所など刑事収容施設に身柄が拘束されている場合、逃走すると「加重逃走罪」もしくは「単純逃走罪」になる可能性があります。
「単純逃走罪」とは、逮捕後、勾留が決定されて身体拘束されている者が逃走する罪です。
裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者が逃走したときは、一年以下の懲役に処する。
刑法97条
既決の者は、懲役刑や禁錮刑といった実刑判決を受けて刑務所などにいる受刑者をいいます。
未決の者は、勾留中の被疑者、勾留中の被告人、判決の言い渡しが確定するまでの被告人のことです。
加重逃走罪は、拘束の器具を損壊し、暴行や脅迫を行い、2人以上と通謀して逃走することで成立します。
また勾留が決まる前、逮捕の段階で逃走した人は、加重逃走罪の対象者になります。
前条に規定する者又は勾引状の執行を受けた者が拘禁場若しくは拘束のための器具を損壊し、暴行若しくは脅迫をし、又は二人以上通謀して、逃走したときは、三月以上五年以下の懲役に処する。
刑法98条
対象 | 懲役刑 | |
---|---|---|
単純逃走罪 | ・拘禁された既決の者 ・拘禁された未決の者 | 1か月以上1年以下の懲役 |
加重逃走罪 | ・拘禁された既決の者 ・拘禁された未決の者 ・勾引状の執行を受けた者 | 3か月以上5年以下の懲役 |
なお、ほとんどない事例ではありますが、拘束されている人に協力して逃走させることも犯罪となります。
刑法で定められている被拘束者奪取罪や逃走援助罪、看守者等逃走援助罪になります。
保釈中の逃走は逮捕される?
保釈中に逃走した場合は、逮捕ではなく保釈取り消しによって身柄を拘束される可能性があります。
保釈は起訴された後、拘置所に身体拘束されている被告人に対して行われる手続きです。
保釈が認められると保釈金を担保として支払うことで釈放され、日常生活に復帰できます。
保釈中の被告人は被拘禁者にはならないため、逃走罪には当たりません。
保釈中に逃走すると保釈が取り消されて、再度、勾留される可能性があります。
また保釈が取り消されると、あわせて保釈金が没取される可能性もあります。
逮捕前に逃走するどうなる?
逮捕前に逃走することは、逃走罪にはなりません。
逮捕前の逃走は、逃走前に犯した罪によって刑事処分が決まります。
しかしもともと在宅事件として手続きが進む予定だったのが、逃走したことによって逃亡のおそれが認められ、逮捕・勾留されてしまうという可能性もあります。
職務質問中に警察を無理やり押しのけて逃走した場合、逃走罪ではなく、公務執行妨害にあたる行為になります。
公務執行妨害で起訴されると、3年以下の懲役もしくは禁錮または50万円以下の罰金刑が科されます。
弁護士に連絡するタイミングは?示談が重要?
弁護士に相談するタイミングは?
弁護士に相談するタイミングは、早ければ早いほどいいです。弁護士としても早めに相談していただくことでできることの幅が広がります。
先述したように、逮捕・勾留は「逃亡のおそれ」「証拠隠滅のおそれ」が認められるときに行われます。
逮捕・勾留を避けたり、あるいは身体拘束されてから早期に釈放されるためには「逃亡のおそれ」や「証拠隠滅のおそれ」がないことを主張するのが効果的です。
弁護士はこれらのおそれがないことを法的な根拠に基づいて主張することができます。
刑事事件は、スピードが重要です。
もしご自身が逮捕されそうな場合、ご家族が逮捕されてしまった場合は、できる限り早急に弁護士に相談しましょう。
早期に釈放されれば日常生活への影響を最小限に留めることができます。
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刑事事件で示談を締結するには?示談のメリットとは?
先述の通り、逮捕を回避するためには被害者の方と示談を締結するのが有効です。
実務上、示談の締結をするためには弁護士への依頼が必須になります。
原則として捜査機関は加害者本人には被害者の連絡先を教えてくれません。
弁護士が第三者として介入してはじめて相手方との交渉が可能になり得るのです。
また、刑事事件に強い弁護士であれば被害者の方の心情に配慮した示談交渉を行うことができます。
作成される示談書についても法的な不備が生じないようにすることができます。
相手方と示談を締結し逮捕を回避したいという方は、まずは一度弁護士に相談するべきです。
示談締結は、不起訴処分の獲得の面からも非常に有効です。
被害者と示談を締結して不起訴処分になれば、裁判は開かれず前科もつきません。
検察官は最終的な処分を検討するとき、被害者の被害感情や被害回復の有無を重視します。
被害者が被疑者を許し民事上の賠償問題が解決している場合、その被害者の意思を尊重した処分が出されやすくなるのです。
取り調べの悩みについて弁護士相談できる窓口は?
アトム法律事務所では、警察の介入があった事件について初回30分無料の対面相談を実施しています。
24時間365日繋がる電話予約窓口にお気軽にお問い合わせください。
弁護士に相談するタイミングは早ければ早いほどいいです。
相談が早ければ早いほど逮捕の回避、身体拘束からの早期の解放、不起訴処分獲得の可能性が高まります。
日常生活への早期の復帰を効果的にお手伝いできるのは弁護士だけです。
まずは下記の窓口からお気軽にご相談ください。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
逮捕の必要性は、被疑者の年齢や犯罪の態様などを総合的に判断されます。
被疑者が家族と同居している、定職に就いている場合は、逃走の可能性が低いため逮捕されないこともあります。
一方で重大事件を引き起こしている場合や現場から一度逃亡した場合などでは逮捕される可能性が高まります。