第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
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未成年の傷害事件|逮捕の流れは?未成年の傷害事件でも慰謝料や示談金は支払う?
- 未成年の傷害事件でも逮捕される?
- 未成年の傷害事件の流れは?
- 未成年でも慰謝料や示談金は支払う?
「ご自身の未成年の子供が傷害事件の加害者になってしまった」という場合、その後、大切な子供さんがどうなっていくのか心配ですよね。
今回は、「未成年の傷害事件」をテーマに、上記のような皆さんの疑問を解消していきます。
専門的な部分は弁護士の先生が解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
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目次
未成年の傷害事件の流れは?未成年でも逮捕される?
未成年が起こした傷害事件は逮捕される?
未成年が起こした傷害事件でも逮捕される場合があります。
20歳未満の少年が起こした傷害事件は少年事件になります。成人とは刑事手続きが異なりますが、逮捕されないわけではありません。
なお、逮捕時の流れは成人の事件と同様で、現行犯逮捕や後日逮捕によって逮捕されます。
未成年が傷害事件で逮捕された後の流れは?
逮捕後の流れは、成人と未成年とで大きく異なります。
成人の場合は、勾留が決定されれば、そのまま警察署の留置場に身体拘束されます。
成人の傷害事件の流れは、「傷害事件で逮捕された…逮捕後の流れや釈放は?」の関連記事をご覧ください。
これに対して、未成年の場合は、留置場での生活の後、少年鑑別所に移送されるケースが多いです。
少年鑑別所では、未成年に対する各種の調査が行われます。
少年鑑別所にいる間に、少年審判を「開始」するか「不開始」にするか検討されます。
殺人などの重大犯罪では、未成年者でも刑事裁判を受けるケースはあります。
しかし、未成年の場合は、多くの場合は、刑事裁判ではなく少年審判を受けます。
刑事裁判は公開の法廷で行われますが、少年審判は原則的には非公開です。
例外的に、一定の重大事件の被害者等は、一定の要件の下、家族裁判所の許可により、審判を傍聴できることもあります。
少年審判は、最終的に下される処分の内容も、刑事裁判と比べると大きく異なります。
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「少年事件の逮捕の流れ」を整理すると?(図解)
逮捕後の流れは成人の事件とは大きく異なることがわかりました。
詳しくは以下の図をご覧ください。
鑑別所行き?少年院行きのケースは?
初犯の傷害事件でも逮捕される?鑑別所行き?
成人の傷害事件では初犯であっても、起訴される可能性があります。
検察が、事件を起訴できない、あるいは起訴する必要性が低い、と判断しない限りは起訴される危険は残ります。
未成年の傷害事件の初犯でも、逮捕されて、その後に鑑別所にいくケースもあります。
逮捕後は、未成年の場合でも、大人と同じく、10日~20日の勾留が決定されるケースもあります。
この場合は、逮捕から勾留の満期日までは警察署の留置場で生活し、その後に少年鑑別所に移ることになります。
未成年者の傷害事件で、逮捕→勾留→鑑別所というような流れになるのは、強制捜査の必要性が高い、比較的重い事件の場合が多いです。
逮捕された未成年者が少年鑑別所に行くタイミングは、事件によってさまざまです。
未成年者の場合は、逮捕後すぐに、留置場で勾留されることなく少年鑑別所に移るケースがあります。
このような流れになるのは、証拠が明白で捜査の必要性がそれほど高くない、比較的軽微な事件の場合が多いです。
そもそも鑑別所とは?収容期間は?
少年事件は、事件によって、鑑別所へ送られるタイミングが異なるものです。
そもそも、鑑別所はどんな場所かご存知でしょうか。
家庭裁判所の観護措置決定に基づいて送致された少年を審判があるまで収容するとともに、医学、心理学、教育学、社会学その他の専門知識に基づいて、少年の資質の鑑別を行うための施設(少院一六)。法務大臣の所管に属する。
有斐閣 法律用語辞典 第4版
鑑別所というのは、『家庭裁判所の観護措置決定』に基づいて送致された少年について、少年審判があるまで収容し、少年の資質の鑑別をおこなう施設です。
「家庭裁判所の観護措置決定」にもとづく少年の収容期間は、原則として2週間以内です。
特に必要のあるときは、家庭裁判所の決定によって期間が延長されることがあります。
延長は最大8週間まで可能とされています。
未成年の傷害事件は少年院に入る?
最終的な処分が少年院送致になれば少年院に入る可能性があります。
警察から捜査を受けた少年事件は、すべて家庭裁判所に送られます。
さらに、家庭裁判所で少年審判を開くか否かの審査を受けることになります。
未成年の傷害事件の最終的な処分は少年審判によって決められます。
少年事件の処分一覧
- 保護処分:保護観察、児童自立支援施設等送致、少年院送致
- 検察官送致:家庭裁判所から証拠等とともに事件を検察官に送り届け、刑事裁判になる
- 不処分(教育的処置)
- 都道府県知事または児童相談所長送致
そもそも少年院はどんな施設なのでしょうか。
法律用語辞典を見てみると、以下のように書いてあります。
家庭裁判所から送致された非行少年を収容して矯正教育をする施設(少院一)。全て国立で、法務大臣の所管に属する。少年の年齢、非行進度等により、初等、中等、特別、医療の四種がある。
有斐閣 法律用語辞典 第4版
つまり、少年院とは、非行少年を収容し、矯正教育を行う施設です。
成人が刑事事件を起こし、収容される刑務所とは意味合いが異なります。
ご自身の子供を少年院に入れないためには、次の2点が必要になります。
少年院にいれないためには?
- 少年審判が開かれないようにする
- 少年審判が開かれたとしても不処分又は少年院送致以外の保護処分を得る
未成年の傷害事件の示談|未成年でも慰謝料や示談金を支払う?相場は?
被害者との示談で逮捕を回避できる?
成人が起こした刑事事件において示談は、その後の刑事手続きに非常に有効です。
比較的軽微な事件であり、被害者との示談の成立、加えて被害者の方から一定の申し入れがあれば、警察の逮捕を回避できる可能性が高まるでしょう。
逮捕を回避できる可能性が高まるケース
- 比較的軽微な事件であること
- 被害者の方との示談が成立していること
- 被害者の方から次のような申し入れがあること
被害者からの申し入れについては、以下のような内容の申し入れがあれば、警察から逮捕されないなどその後の流れに影響する可能性があるでしょう。
被害者からの申し入れ
- 「加害者と示談が成立したので被害届を取り下げたい。」
- 「加害者に対して寛大な刑事処分を求めたい。」
ただし、未成年の事件においては、大人の刑事事件と違って、少し示談の効果が異なる場合があります。
未成年が起こした傷害事件において示談すること自体は可能です。
また、示談を進めることは、刑事事件の解決の観点から、被害者の方にとっても、加害者側にとっても、重要なことではあります。
もっとも、示談が成立したからといって、処分が軽くなるとは一概には言えません。
というのも、成人の「刑罰」と、未成年の「処分」はその意味合いが違うからです。
成人の「刑罰」は、「犯罪を行った者に制裁を科すこと」等を目的とします。そのため、被害者の許し(示談・宥恕)があれば、その制裁も軽くなりやすい傾向にあります。
一方、未成年の「処分」は、「少年の更生と保護」を目的とします。真に必要な更生のための処分であれば、被害者の許しがあろうと無かろうと、その処分が出されるという流れになりやすいといえます。
殺人などの重大な刑事事件を除いて、少年事件は少年法に基づいて「処分」が決定されます。
「示談が成立すれば必ず処分は軽くなる」とまでは断言できませんが、決して無駄なものではありません。
示談の過程では、被害者の方への謝罪、被害弁償・賠償などが必要です。
示談、謝罪、被害弁償などのアクションは、事件に対して真摯に向き合い反省しているということを示す事情となりますし、「更生」の意欲があることをアピールできる重要な要素となります。
そのため、示談や被害弁償が、処分の内容にまったく影響しないとは言い切れません。また、示談や被害弁償は、逮捕を回避する可能性を上げるための一つの方法とはいえるでしょう。
未成年の傷害事件でも示談金は必要?子供が払う?
未成年であっても、示談金・慰謝料が発生した場合は法律上、支払い義務を負います。
慰謝料を支払う義務がないのは民法上「自分の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていない者」です。
一般論では、12~13歳未満程度の少年に関しては支払義務を負わないと考えられています。
ですが、この場合は、その未成年の代わりに、親御さんなどの親権者が支払義務を負うことになるでしょう。
未成年の傷害事件の示談金は成人よりも少額?
未成年でも、成人と同様、慰謝料などの損害賠償金、示談金の支払いは必要です。
実際に支払う、示談金や慰謝料の具体的な金額が気になりますよね。
成人した大人に比べると少し安いなどの傾向はあるのでしょうか。
未成年の傷害事件の場合も、示談金の相場が成人と変わることはありません。
ただし、未成年の子供の場合、今後のため学校や警察に連絡してほしくないという意向が強い場合があります。
そのような場合には、被害金額を上回る金額で示談する場合もあります。
未成年の傷害事件の示談金の相場は?
傷害事件は、事件ごとに金額が異なります。
具体的な金額をみていきましょう。
傷害事件で示談を行った際に支払う金額の計算式は以下の通りです。
傷害事件の示談金=治療費+慰謝料+(休業損害+後遺症による逸失利益)
けがの治療費のほかにも、生じた損害について、すべて賠償する必要がでてきます。
よく耳にする「慰謝料」も示談金の一部になります。「慰謝料」や「損害賠償」は示談金の一部です。
実際の相場としては、いくらになるのでしょうか。
傷害罪の被害がそれほど重くない場合の示談金は、10万~30万円になることが多いです。
実際に治療に要した金額に加えて、一定の慰謝料を貰えれば、誠意が伝わったとして満足されるケースが多いからです。
傷害罪によって生じた損害が重たい案件に関しては、示談金が100万円を超えることも珍しくありません。
後遺障害が残るようなケースだと、実際に民事裁判になれば数千万円から一億円以上の損害賠償が認められることもあります。
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未成年の傷害事件の示談金の実例は?
傷害事件は、事件の内容や状況によって示談金相場が大きく変動します。
実際にどのくらいの示談金例があるのか気になると思います。
こちらで、過去の傷害事件における示談金の例をご紹介します。
傷害事件の示談金(未成年)
事件内容 | 示談金の金額 | |
---|---|---|
① | 深夜、ナイトクラブで客と揉め、被害者が首に掛けていたネックレスを破壊し、被害者の首に擦り傷を負わせた事件。 | 10万円 |
② | ハローワーク内で、被害者夫婦に対し、顔面をこぶしで数回殴るなどの暴行を加え、全治1週間のけがを負わせた事件。 | 32万円 |
③ | 駅構内で60代男性と体が接触し、立腹のあまりその男性を足で数回蹴り、頭突きするなどの暴行を加え、全治2週間のけがを負わせた事件。 | 50万円 |
④ | 風俗店の事務所内で、従業員女性の顔面を数回殴り、頭髪を切るなどの暴行を加え、全治2週間程度のけがを負わせた事件。 | 130万円 |
⑤ | 新幹線内で前の座席に座っていた被害者に対し、座席を数回蹴るなどの暴行を加え、休業約3週間を要する頚部挫傷、頭部打撲傷などの傷害を負わせた事件。 | 179万円 |
【相談】未成年の傷害事件を弁護士に相談できる窓口は?
未成年の子供が傷害事件の加害者になったら?
ご自身の未成年の子供が傷害事件を起こしたとき、すぐに弁護士に相談することが大切です。
その際に、無料相談できる窓口があれば便利ですよね。
未成年が起こす事件は、多感な時期の少年が加害者なので非常にデリケートです。
また、傷害事件は被害者対応も重要です。
加えて、未成年の事件の場合には、少年の生活環境の調整などもとても大切です。
早めに弁護士に相談すれば、処分を受ける前に少年の健全な育成に向けた具体策を講じることができます。おひとりで悩まずに気軽にご相談ください。
未成年の傷害事件について弁護士相談の連絡先は?
アトム法律事務所では、スマホから手軽に相談予約が可能です。
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お子様の傷害事件については、お子様の将来のこと、お子様の学校の対応などのお不安がたくさんあると思います。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
未成年の男女が起こした事件は「少年事件」として取り扱われます。
20歳未満の未成年者でも、悪質な刑事事件を起こせば警察に逮捕される可能性はあります。
少年事件には少年法が適用されます。少年法は、「少年の健全な育成」という保護主義の理念が貫かれています。
逮捕後の手続きも成人の事件とは取り扱いが異なります。