第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
アトムは夜間土日も受け付けの相談窓口で刑事事件のお悩みにスピーディーに対応いたします。
万引きで逮捕|会社は解雇される?免許・資格は失う?
- 万引きで逮捕されると会社は解雇される?
- 免許・資格を失うのはどんなとき?
- 会社の解雇や免許・資格を失うことを防ぐためには?
万引き事件で逮捕されると、場合によって会社から解雇されたり、免許・資格を失ったりする可能性があります。
とくに免許・資格が必要な職業に就いている方は、万引きが仕事へ与える影響が不安になるでしょう。
今回の記事では、万引き事件で会社から解雇されるのかについて解説します。
また、逮捕後の流れや免許・資格を失わないための方法も紹介しますので、最後までご覧ください。
刑事事件でお困りの方へ
ご希望される方はこちら
目次
万引きで逮捕されると会社から解雇される?会社への連絡は?
万引きで逮捕されると会社から解雇される?
万引きで逮捕されても、直ちに会社から解雇されるとは限りません。
解雇されるか否かは、就業規則の解雇事由によります。
解雇事由を「有罪判決を受けたとき」と定めている会社に勤めていた場合は、逮捕されただけでは解雇される理由にはならないでしょう。
勘違いしがちですが、「逮捕=有罪」ではありません。有罪は、主に事件が起訴されたあとに判決によって決定するものです。
なお、免許・資格を必要とする職業についている場合は、免許・資格を失ってしまうと、その職業に就くことができなくなるため解雇される可能性は高まるでしょう。
免許・資格を失うケースについては、「万引きで逮捕されてしまったら免許・資格は失う?」で解説しています。
万引きで逮捕されたことは会社に連絡される?
私生活上の万引きで逮捕された場合は、警察から会社に連絡がいくことは基本的にありません。
しかし、逮捕後の連絡に明確なルールはないため、万引き行為が勤務中だった場合や、万引きしたものが会社内にある場合などは、連絡される可能性はあるでしょう。
また、公務員が万引きをした場合は、警察から逮捕の事実について職場に連絡されることがあります。
公務員以外にも医師や大企業の役員などの役職を持った人物など、周囲に大きな混乱が生じることが予想される人が逮捕された場合には警察から職場に連絡される可能性があります。
警察からの連絡以外に、会社の人が逮捕された事実を知るケースとして報道機関による実名報道があげられます。
公務員や医師などの資格を持った人物は、社会的な関心が強く、実名報道される可能性が高いと言えます。
関連項目
・逮捕されたら職場に連絡はいく?職場復帰できる?職場の人にバレる?
万引きで逮捕されると免許・資格はどうなる?
万引きで逮捕されると免許・資格はどうなる?
万引きで逮捕されると免許・資格を失ったり資格制限を受けたりする可能性があります。
ただし、会社の解雇同様、万引きで逮捕されただけでは、免許・資格に直接的な影響はありません。
万引きで免許・資格を失ったり資格の制限を受けたりする可能性があるのは、有罪判決を受けた場合です。
資格には、その業務における「欠格条項」がそれぞれの法律で定められています。
その中の欠格事由に該当した場合は、資格の制限もしくは最悪の場合免許・資格の取り消しを受ける可能性があるのです。
たとえば国家公務員の場合は国家公務員法第38条、医師の場合は医師法第4条などで欠格事由が規定されています。
それぞれの資格における欠格事由は、禁錮以上と定められているものが多いです。ただし医師など罰金刑以上でも欠格事由に該当する資格もあります。
資格制限を受ける職業の例は以下の通りです。
資格制限を受ける職業の例
- 公務員(教員・警察官)
- 医療(医師・薬剤師・看護師)
- 建築(建築士・土地家屋調査士)
- 法律家(裁判官・検察官・弁護士)
- 会計士・司法書士・行政書士 など
刑罰は重い順から死刑・懲役・禁錮・罰金・拘留・科料です。
禁錮以上が欠格事由と規定されている場合は、有罪で罰金刑が科されても欠格事由には該当しないことになります。
執行猶予付きの懲役刑は免許・資格を失う?
執行猶予付きの懲役刑は、欠格事由に該当すれば免許・資格を失う可能性があります。
執行猶予が付いても懲役刑であることには変わりないため、欠格事由に該当する可能性があるからです。
執行猶予が付いた場合は、身柄拘束される実刑と異なり、社会復帰が可能です。
しかし、執行猶予中は判決で指定された期間の満了まで資格が制限されることがあるでしょう。
実刑とは、執行猶予が付かず懲役刑・禁錮刑になることを言います。
実刑になると、判決を受けた期間、刑務所で過ごすことになります。
資格制限がなくなるのは?
下記に定められている条件を満たせば、資格制限がなくなる場合もあります。
資格制限がなくなるケースの例
- 刑罰の執行が終了(+一定期間の経過)
- 執行猶予期間の満了
- 「『刑の言渡し』の効力」が消えたとき
刑罰の執行が終了するとは、罰金刑を納付し、刑罰を受けた場合などです。
執行猶予期間の満了は、執行猶予付きの懲役刑を受けたあと、執行猶予の期間が終了すれば、資格を再取得できる可能性があるということです。
刑の言い渡しの効力が消えるのは、執行猶予付きの判決を受けた後、執行猶予が取り消されずに期間満了した時などがあげられます。
職業ごとの資格制限は?
職業によってどういった資格制限を受ける?
具体的な欠格事由は職業ごとに異なります。
ここでは主な職業をピックアップして欠格事由に該当する刑罰などを解説します。
公務員(警察官・教員など)
国家公務員・地方公務員は万引きで懲役刑に科された場合、公務員の資格を失い、失職する可能性があります。
公務員資格の欠格期間は、実刑の場合はその刑期満了まで、執行猶予の場合は執行猶予期間の満了までとなります。
関連項目
・公務員に前科がついたら免職される?略式起訴・罰金刑などパターン別に解説
医療職(医師・看護師・薬剤師など)
医療職に従事する人は、万引きで罰金刑以上に科された場合に免許・資格を失う可能性があります。
罰金刑も欠格事由に規定されているため、懲役刑であれば、より免許を失う可能性が高くなるでしょう。
欠格期間は刑の言い渡しの効力が消えるまでです。
また医師や薬剤師などは、万引き行為を行ったことが資格の品位を損すると判断される場合があります。
この場合、管轄する省庁大臣より戒告や業務の停止・禁止などといった行政処分が下ることがあります。
関連項目
・看護師に前科がついたら免許取消?前科がついたとき失職するのか解説
建築(建築士・土地家屋調査士など)
建築関係の職種は、禁錮以上の刑罰を受けると資格を失う可能性があります。
また建築士の場合、執行猶予の期間満了から5年間、または、実刑の刑期満了から5年間は、建築士免許を受けることができません(絶対的欠格事由)。
さらに、5年間経過後であっても、過去に懲役刑(禁錮以上の刑)の判決を受けたことを理由に、建築士免許を受けられない可能性があります(相対的欠格事由)。
関連項目
・建築士に前科がついたら免許は剥奪される?前科と免許の関係を解説
免許・資格を失っても再び職業に就くことができる?
免許・資格を失っても再び職業に就くことができる可能性もあります。
一度免許・資格を失っても、試験を受けることが可能な職業もあるからです。
しかし、刑期満了後、一定期間経過しないと免許を受けることができない職業もあるので、試験を受ける際には注意が必要です。
もっとも、資格の免許を与えるかどうかは管轄する省庁大臣などが判断することになるため、試験に合格したからといって免許が与えられない可能性もあります。
万引きで逮捕された後の流れは?万引きの刑罰は?
万引きで逮捕された後の流れは?
逮捕後、48時間以内に警察は事件を検察官に送り、以降は警察と検察が共同で捜査を行います。
事件を送られた検察官は身体拘束を続けるべきかどうかを判断し、続けるべきだと判断すれば24時間以内に勾留請求を行います。
そして、勾留請求を受けた裁判官が勾留を認めれば、最大20日にわたり警察署内の留置場で身体拘束が継続します。
逮捕から、勾留、勾留延長まで決まってしまうと最長で23日間身柄を拘束される可能性があります。
留置場では外部との連絡手段に著しい制限が課されます。
携帯電話などは使用することができないため、逮捕されたご本人が直接会社に連絡することは不可能です。
逮捕は「証拠隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」が認められるときに行われる手続きです。
逮捕されてしまうと、ご本人から会社に連絡することはできないため、ご家族が代わりに会社に連絡する必要性が生じます。
逮捕されたご本人の立場などを鑑み、欠勤事項を伝えるようにしましょう。一般的には「体調不良」などが多いようです。
万引きの刑罰は?
万引き罪という罪名はないため、万引きは窃盗罪に該当します。
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
金額や量は関係なく、たとえ数百円~数千円の商品を1点だけ万引きした場合でも、窃盗罪として扱われます。
万引きは身近な犯罪であることから、刑罰も軽いものだと考えがちです。
しかし事件の態様によっては、初犯であっても重たい刑罰が科され得る犯罪です。
万引き行為は事件が悪質な場合や、同様の事件を重ねている場合に、起訴される可能性が高まります。
起訴されると99.9%の確率で有罪になります。
関連項目
会社に解雇されることや免許・資格を失うことを防ぐためには?
被害者との示談が重要?
「会社から解雇されることを防ぎたい」「免許・資格を失うことを防ぎたい」とお考えの方は、被害者との示談が重要です。
示談とは、事件を当事者間で解決する民事上の手続きです。
起訴・不起訴を判断する検察官は、被害者の処罰感情を考慮して処分を決定します。
示談が成立していれば、当事者間の問題は解決していると判断され、不起訴の可能性が高まるのです。
不起訴で事件が終了すれば、有罪判決を受けることもありません。
すなわち、解雇事由や欠格事由に該当せずに事件を終了できる可能性が高まります。
なお、就業規則によっては、逮捕が解雇事由になる可能性もあります。
ただし就業規則で逮捕を解雇事由に定めていないにもかかわらず、逮捕されただけで解雇された場合は不当解雇である場合もあります。
弁護士であれば不当解雇を主張し、解雇を回避するための活動を行うことができます。
被害者との示談は弁護士への依頼が必須?
被害者との示談は、弁護士への依頼が事実上必須になります。
万引きの場合は、ご自身で示談交渉もできると考えるかもしれません。
しかし、被害者は加害者との直接のやり取りを嫌がるケースが多いです。
また、慣れていない示談交渉の結果、かえって被害者の被害感情を逆なでしてしまうおそれもあります。
一方で示談交渉の経験が豊富な弁護士であれば、被害者の心情を考慮しながら、適切なタイミングと金額で示談交渉を行うことができるでしょう。
さらに刑事事件の経験が豊富な弁護士であれば、「加害者を許す」旨が記載された宥恕条項や、「加害者の処罰を望まない」ことが記載された嘆願書、被害届の取下げなどを不足なく示談書に盛り込むことができる場合があります。
万引きで逮捕された場合は、本人による示談交渉は不可能です。
弁護士であれば、逮捕された本人に代わって被害者との示談交渉を行うことができます。
万引き事件に強い弁護士の相談窓口は?
万引きをしてしまい、会社から解雇されることや免許・資格を失うことを心配されている方は弁護士に相談しましょう。
アトム法律事務所は刑事事件専門の弁護士事務所として設立された沿革があり、万引き事件についても豊富な解決実績があります。
万引きをしたことによる職業への影響についても、これまでの実務的な経験と法的な知識から的確なアドバイスが可能です。
アトム法律事務所では、警察沙汰になった事件について初回30分無料の対面相談を実施しています。
24時間365日繋がる相談予約窓口にいますぐお電話ください。
刑事事件でお困りの方へ
ご希望される方はこちら
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
逮捕後、長期間欠勤が続いた場合なども解雇のリスクが高まります。
万引きによる逮捕が会社に発覚しなくても、長期欠勤が解雇事由になる可能性があるからです。
長期欠勤による解雇を避けるためには、早期釈放を目指すことが重要です。