医療過誤の問題を弁護士が解説|医療訴訟以外に解決方法はある? | アトム法律事務所弁護士法人

医療過誤の問題を弁護士が解説|医療訴訟以外に解決方法はある?

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医療過誤の問題を弁護士が解説|医療訴訟以外に解決方法はある?

医療過誤によって重大な後遺症が残ったり、ご家族を亡くされたりした場合、どのような対応をとっていけばいいのかわからなくなるのは当然です。

本記事では、医療過誤による被害にあった時に生じる問題について弁護士が簡単に解説しています。

これからどうしたらいいのかと不安な方は、ぜひご確認ください。弁護士に無料で法律相談できる窓口も紹介しています。

目次

Q.医療事故と医療過誤の違いは何ですか?

A.人為的なミスによって生じたケースを医療過誤ということが多いです

医療過誤とは、治療行為に関して人的なミスがあったために発生したような事故をいいます。一方、医療事故とは、医療行為とは直接的に関係しないケースや医療従事者本人に被害が生じたケースを含めて表現することが多いです。

もっとも、医療過誤も医療事故も法的に定義づけられたような言葉ではないので、明確な違いがあるとも言い切れません。

Q.医療過誤で問題になる責任が複数あるというのは本当ですか?

A.刑事責任・行政責任・民事責任の3つがあげられます

医療過誤が発生すると生じる法的責任は、刑事責任・行政責任・民事責任の3つです。これらの責任は、それぞれ個別に追及されるものなので注意しましょう。

医療過誤の被害者が主体となって損害賠償金を請求できるのが民事責任です。

刑事責任と行政責任に関しては、被害者が主体的に追及できるものではありません。

医療過誤の法的責任を病院側に追及したい|刑事訴訟と民事訴訟の違い

Q.医療過誤問題の責任は誰に問えますか?

A.医師や病院に損害賠償責任が認められれば可能です

医師や病院に不法行為または債務不履行があったために発生した医療過誤であれば、損害賠償責任が認められることになります。したがって、不法行為または債務不履行を原因とした医療過誤では医師や病院に対して損害賠償金を請求することが可能です。

不法行為とは、故意または過失によって損害を被ることをいいます。債務不履行とは、医師や病院と患者の間に結ばれた診療契約にもとづく義務が果たされなかったことで損害を被ることです。

不法行為や債務不履行が認められなければ、医師や病院に損害賠償責任を負わせることはできません。

Q.看護師に対しても医療過誤の責任は問えますか?

A.看護師に損害賠償責任が認められれば可能です

医療過誤が発生した原因に看護師の過失が認められるのであれば、看護師にも損害賠償請求することは可能です。

ただし、看護師個人の資力には限界があると考えられるので、損害賠償請求したところで回収が見込めない可能性が高くなります。そのため、看護師を雇用する病院に対しても使用者責任に基づく損害賠償請求が可能であることをおさえておきましょう。

医療訴訟で看護師に問う法的責任とは?過失を認めた裁判例も紹介

Q.医療過誤問題の具体的なケースを知りたいです。

A.誤診(見落とし)や手術ミスなどケースはさまざまです

医療過誤は事案ごとに複雑で、一言で言い表すのがむずかしいです。
そこで、事案ごとに判例の内容を解説した「医療訴訟の判例集」を紹介します。

医療訴訟の判例集

どのような場合なら病院側の過失が認められ、損害賠償金を受け取ることができたのかなど、判例の内容を簡単に解説しています。参考にご覧ください。

Q.医療過誤問題の解決に向けた医療訴訟の流れを教えてください。

A.医療訴訟は民事訴訟の流れに則ります

医療訴訟といっても、通常の民事訴訟の流れに則って進められていきます。

原告が裁判所に訴状などを提出すると、裁判所によって審理期日が決められます。

裁判所が訴状と期日呼出状を被告に送付すると、被告は答弁書を裁判所に提出します。答弁書が裁判所から送られてくると口頭弁論がはじまります。

口頭弁論では訴状や答弁書に沿って裁判が進められていくのですが、裁判所から判決を出される前に和解を促されることもあるでしょう。和解に至らなければ、裁判所が判決を下します。

医療訴訟の流れと裁判費用|弁護士が患者の疑問と勝訴への要点を解説

Q.医療訴訟の勝訴率は低いと聞きました。補償の請求は諦めるべきですか?

A.勝訴率は気にし過ぎないようにしてください

令和2年における医療訴訟の勝訴率は22.2%となっています。勝訴率の数字だけ見ると補償を手にできる可能性が低いように感じるかもしれませんが、勝訴率のことは気にしすぎず目安程度にとどめるようにしましょう。

勝訴率が低いからといって、適切な補償が得られないという意味ではありません

補償を請求する方法には、医療訴訟以外にも方法があります。

医療訴訟は勝てない?勝訴率にあらわれない示談や和解にも注目

Q.医療訴訟以外に医療過誤問題を解決する方法はありますか?

A.示談交渉で示談金を受け取る方法があります

医療訴訟以外には、病院側と示談交渉を行って示談金を受け取ることで解決する方法があります。

示談交渉とは、お互いに納得できる内容を話し合いで決めて争いを終結させることです。
医療過誤問題では、病院側にどのような責任があったのか、被害者が納得できる示談金はいくらなのかなどの内容が話し合われるでしょう。

示談は一度でも成立してしまうと、示談後の変更や破棄は原則として認められません。不本意な結果となってしまわないよう、示談は安易に合意しないようにしましょう。

Q.医療過誤問題で慰謝料は請求できますか?

A.病院側の不法行為によって損害が生じていれば慰謝料を請求できます

慰謝料とは、精神的苦痛に対して支払われる損害賠償金の一部です。

病院側の不法行為によって怪我・後遺障害・死亡といった損害を被ると、精神的苦痛を味わうことになるので慰謝料の請求が可能になります。

慰謝料は入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3種類に分けることができ、それぞれ適正な金額と考えられる相場が決まっています。

病院に慰謝料を請求|医療過誤の相場と判例、知っておきたい基礎知識を解説

Q.医療過誤の問題は弁護士に相談すべきですか?

A.弁護士に相談すると具体的な解決策を知れます

医療過誤問題に直面すると、法律の知識がないと適切な解決に導くのはむずかしいでしょう。弁護士に相談すれば、解決につながる方法について具体的なアドバイスがもらえます。

医療過誤問題を解決するにあたっては、医療機関側の過失調査・医療過誤に関する証拠の収集・医療機関との交渉を行う必要があります。このような対応を弁護士に依頼すれば、弁護士が代理人となって対応を進めてくれるのです。

医療事故を弁護士に相談するメリット|医療ミスに強い患者側の弁護士とは?

Q.弁護士に医療過誤問題を依頼すると弁護士費用はどのくらい必要ですか?

A.弁護士費用は弁護士ごとに異なります

弁護士費用は弁護士が個々に設定できるものなので、依頼する弁護士ごとに費用が変わってきます。

依頼する前には、どのくらいの費用が必要なのか見積もりをとるようにしてください。

多くの弁護士は活動ごとに費用を設定しており、法律相談料・着手金・報酬金・日当・諸経費などの合計が弁護士費用となる場合が多いでしょう。

医療過誤の弁護士費用|医療訴訟までいくと高額になる?着手金無料の真実

Q.医療過誤問題を無料で受け付ける相談窓口はありますか?

A.アトム法律事務所の無料相談窓口を紹介します

医療過誤によって重大な後遺障害が残ったりご家族を亡くされたりした場合は、アトム法律事務所の無料相談をご活用ください。

無料相談の予約受付は24時間いつでも対応中です。以下の相談窓口よりお問い合わせください。

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アトム法律事務所 岡野武志弁護士

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了