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労災でも損害賠償請求できる?労災保険との調整方法や賠償金の算定方法

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労災でも損害賠償請求|賠償金の算定方法

労災保険から支払われる給付は、労災で被った損害すべてを補てんするには不十分であることも多いです。

特に、会社に安全配慮義務違反や使用者責任が問われる場合、業務中や通勤中に第三者からケガを負わされたような場合では、労災保険による給付とは別に、会社や第三者に対して損害賠償請求ができる可能性が高いです。

本記事では、どのような労災で損害賠償請求できるのかや、労災保険と損害賠償の関係性について解説していきます。

労災で損害賠償請求できるケースとは?

損害賠償請求とは、なんらかの損害を与えてきた相手に対して、その損害への補償を求めることをいいます。

労災で損害賠償請求する場合、以下のようなケースを請求の根拠として主張します。

  • 安全配慮義務違反
  • 使用者責任
  • 工作物責任
  • 第三者行為災害

このような根拠が労災に認められるのであれば、労災保険の給付とは別に、会社や第三者に対して損害賠償請求することが可能になります。

それぞれどのようなものなのか簡単にみていきましょう。

安全配慮義務違反による損害賠償請求

会社の安全配慮義務違反によって労災が起こった場合、会社に対して民法上の損害賠償請求が可能です。

安全配慮義務違反とは、労働者を雇う会社に課せられる「労働者の生命や身体等が危険にさらされないように保護する義務」が果たされなかった場合をいいます。

安全配慮義務違反による労災は以下のようなケースが例としてあげられます。

  • 施設や設備の整備不良による事故
    高所での作業にもかかわらず安全柵を設置しておらず落下した
    社用車の点検が不十分で事故を起こした
  • 劣悪な環境での作業
    高温になる室内で作業をつづけ熱中症になった
    有毒なガスを吸って病気になった
  • 長時間労働による健康被害
    残業時間が月平均で80~100時間以上あり、うつ病などの病気を発症した

この他にも、近年ではパワハラなどのハラスメント問題も安全配慮義務違反にあたると考えられるケースが出てきています。(ハラスメント問題は、安全配慮義務違反のほかに使用者責任も該当する場合もあります。使用者責任については後ほど解説しますので、引き続きご覧ください。)

このように、労働者を保護する義務を会社が怠ったことで労災が起これば、会社に安全配慮義務違反があるとみなされ、労働者は会社に対して損害賠償請求することができるのです。

安全配慮義務違反による損害賠償請求は「民法709条の不法行為」と「民法415条の債務不履行」に基づきます。条文を確認しておきましょう。

(不法行為による損害賠償)
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

民法第七百九条

(債務不履行による損害賠償)
債務者がその債務の本旨に従った履行をしないとき又は債務の履行が不能であるときは、債権者は、これによって生じた損害の賠償を請求することができる。ただし、その債務の不履行が契約その他の債務の発生原因及び取引上の社会通念に照らして債務者の責めに帰することができない事由によるものであるときは、この限りでない。

民法第四百十五条

使用者責任による損害賠償請求

使用者責任とは、業務中に従業員が起こした不法行為で生じた第三者の損害に対する損害賠償責任を会社も負うというものです。そのため、使用者責任のある会社に対して損害賠償請求が可能な場合があります。

使用者責任による労災は以下のようなケースが例としてあげられます。

  • セクハラやパワハラなどのハラスメント問題
    同僚から性的な嫌がらせを受けた
    上司から人格を否定されたり、叱責を長時間受けた
  • 不注意による事故
    同僚がクレーン操作を誤り、怪我を負わされた
  • 故意による事故
    同僚と喧嘩して殴られた

このように、使用する従業員が不法行為を行ったことで労災が起これば、会社に使用者責任があるとみなされ、被害を受けた労働者は会社に対して損害賠償請求することができるのです。

従業員の行為を会社が責任を負うことになる法的な根拠としてはさまざまなものが考えられるのですが、根本となる規定は「民法715条の使用者責任」に基づきます。条文を確認しておきましょう。

(使用者等の責任)
ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。

民法第七百十五条

工作物責任による損害賠償請求

工作物責任とは、工作物の設置や保存において安全性の欠陥がないよう、損害発生防止に注意しなければならないことです。そのため、工作物責任のある会社に対して損害賠償請求が可能な場合があります。

工作物責任による労災は以下のようなケースが例としてあげられます。

  • 工事現場の足場が倒壊した
  • 工事作業中に土砂崩れに巻き込まれた
  • 作業中のビル内で漏電が発生し、感電したり火災に見舞われた

工作物責任による損害賠償請求は「民法717条」に基づきます。条文を確認しておきましょう。

(土地の工作物等の占有者及び所有者の責任)
土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない

民法第七百十七条

第三者行為災害による損害賠償請求

第三者行為災害とは、労災が生じた原因が第三者の行為によって生じたものです。第三者とは、労災保険の当事者となる労働者・会社・政府以外のものをさします。

第三者行為災害が労災に該当し、労災保険の給付が受けられるとしても、第三者自身は損害賠償の義務を有しています。したがって、被災した労働者は第三者についても損害賠償請求することが可能です。

第三者行為災害による損害賠償請求は、安全配慮義務違反の場合と同様に「民法709条の不法行為」に基づきます。

【疑問】下請業者でも元請業者に損害賠償請求できる?

労災における損害賠償請求は、正規雇用や非正規雇用・有期雇用や無期雇用といった雇用関係のみならず、請負契約であっても行うことができる場合があります。

元請業者と下請業者のあいだに指揮監督関係があれば、元請業者は安全配慮義務や使用者責任を負うことになるのです。

労災保険と損害賠償の関係は?

会社は労災保険に加入しているのだから、労災にあっても補償としては労災保険があれば十分なので損害賠償請求の必要があるのか?
このような疑問をお持ちの方も多いと思います。

労災保険が損害賠償とどのように関係してくるのか解説します。

労災保険の補償で足りない損害は損害賠償で取りに行く

労災なら労災保険が利用できるので、一見、十分な補償を受けられるように感じますが、労災保険による補償は労災で被った損害全てが補償されるとは限りません。たとえば、労災保険で補償されない代表的なものとしては「慰謝料」があげられます。慰謝料など労災保険で補償されないものについては、のちほど詳しく解説します。

会社に安全配慮義務違反があって労災が起きたような場合、労災保険だけでは足りない補償については、会社など労災が起きたことの原因に対して損害賠償請求できます。

言い換えると、損害賠償請求しない限り労災保険だけでは足りない補償はもらえないともいえます。

損害賠償請求の方法

損害賠償を請求する方法としては、示談交渉・民事調停・民事裁判の3つの方法があげられます。

損害賠償請求の方法

  • 示談交渉
  • 民事調停
  • 民事裁判

示談交渉・民事調停・民事裁判について、ぞれぞれ簡単にまとめていきます。

示談交渉

示談交渉は、被災した労働者と損害賠償責任を問いたい相手とが解決に向けて話し合いを行うことをいいます。労災によってどのような損害を受けたのか、その損害を回復するためにはどのくらいの損害賠償金が必要なのか、といった内容を話し合いで決め、双方が合意すれば示談成立となります。

損害賠償請求というと裁判所で民事裁判を行うようなイメージが強いかもしれませんが、示談によってお互いの意見や状況を話し合い、合意に向けて話を詰めていきます。最終的に話し合いの内容で合意ができたら、示談書などを作成し、その示談書の内容に従って損害賠償金が支払われます。

労災事故における示談交渉についてさらに詳しくは、関連記事『労災事故の示談交渉|示談の方法と解決までの流れ』もご確認ください。

民事調停

民事調停は、裁判所で被災した労働者と損害賠償責任を問いたい相手とが解決に向けて話し合いを行うことをいいます。話し合いというと示談交渉と共通していますが、民事調停では裁判所が中立の立場として間に入るという点が示談交渉とは異なります。

民事調停は裁判所を利用しますが、民事裁判よりもかかる費用が安く、手続きも簡易です。さらに、調停で決まった内容は裁判の判決と同等の効力を持つため、示談交渉で決裂した場合に次に進む手として選ばれることがあります。

民事裁判

民事裁判とは、裁判所がどのように解決を図るのか検討し、判決を出すことで問題の解決を図る手続きのことをいいます。

示談交渉や民事調停でも決着がつかなかった場合に民事裁判に進むケースが多いでしょう。関連記事『労災で裁判を起こすことはできる?会社の法的責任と労災裁判の流れ』では、労災をめぐって裁判を起こすべきケースを解説しています。

弁護士などの専門家を付けずに、自分だけで裁判を起こすこともできます。しかし、法廷では法的に根拠のある主張を展開が必要になりますし、そもそも手続き自体が煩雑で訴訟の知識がないと進められないのが現実と言わざるを得ません。

裁判を起こす際に検討したい弁護士相談については、関連記事『労働災害は弁護士に法律相談|無料相談窓口と労災に強い弁護士の探し方』も併せてお読みください。

いずれかの方法で損害賠償請求するにしても、まずは損害額が確定しないとはじめられません。
つづいては、どのようにして労災における損害額を確定するのか確認していきましょう。

労災の損害賠償項目と計算方法

労災保険の補償で足りない損害は損害賠償で取りに行く必要があることは説明しましたが、どのような補償がどのくらい足りないのかイメージがつかないと思います。

そこで、労災で被った損害に対して補償されるべき主な項目をまずは整理しておきましょう。労災で被る損害はケースによってさまざまなので、ここではどのような方にも共通しやすい主な損害に対する補償項目について解説します。

  • 治療に関する費用
  • 仕事を休んで減収した部分
  • 減収が予想される将来の収入の部分
  • 介護に関する費用
  • 精神的な苦痛に対する慰謝料

各補償の計算方法もあわせてみていきましょう。

治療に関する費用

労災でケガを負ったり、病気になったら、治療が必要です。治療にかかる関連費用としては、治療費・薬代・手術費用・入院費・通院交通費などがあげられます。

労災が認定されると、治療費や入院費などの費用は「療養(補償)給付」として労災保険からもらえます。交通費に関しては片道2Km以上の通院など一定の条件を満たす必要がありますが、こちらも労災保険から支払われます。

たとえ、交通費が労災保険で認められなくても、必要で相当な範囲の交通費は「治療関係費」として損害賠償請求していくことになるでしょう。

労災保険療養(補償)給付
損害賠償治療関係費

仕事を休んで減収した部分

労災によるケガや病気の治療で仕事を休むことになったら、収入が減少してしまうことが予想されます。収入の減少分は損害として認められるので補償の請求が可能です。

労災が認定されると「休業(補償)給付」が労災保険からもらえます。ただし、休業通算4日目からの給付であること、事故前3ヶ月の平均賃金の8割程度にとどまることに注意しましょう。

労災保険の休業(補償)給付は仕事を休んだ日ごとで計算されるので、1日あたりの金額をまずは計算する必要があります。1日あたりの金額を労災保険では給付基礎日額といいます。
給付基礎日額と休業(補償)給付の計算方法は、次の通りです。

  1. 労災発生日の前3ヶ月間の給与を合算
  2. 暦の日数で割り、1日あたりの日額を算定
    ※3ヶ月間の給与はボーナスや臨時手当は含まない
    ※暦の日数はカレンダーの日数のこと(勤務日数ではない)
  3. 休業(補償)給付は給付基礎日額の60%、休業特別支給金は給付基礎日額の20%とし、休業した日数をかけて計算

また、治療を1年6ヶ月以上つづけても完治せず、傷病の内容が傷病等級に該当する場合、労災保険からは「傷病(補償)年金」がもらえます。(傷病(補償)年金が支払われることになったら、休業(補償)給付の給付はなくなります。)

労災保険の休業(補償)給付は、休業1~3日の損害と事故前3ヶ月の平均賃金の4割はもらえないので、「休業損害」として損害賠償請求していくことになります。

労災保険休業(補償)給付
傷病(補償)年金
損害賠償休業損害

労災保険の休業補償については、『労災で休業損害が請求できる場面とは?休業補償との違い』や『通勤災害の休業補償|申請と金額計算の方法』でも詳しく解説しています。

減収が予想される将来の収入の部分

労災によるケガや病気が完治せず、なんらかの障害が残った場合、将来的な収入が減少してしまうことが予想されます。将来的な収入の減少分は損害として認められるので補償の請求が可能です。

労災によって障害が残ったと認定されると「障害(補償)給付」が労災保険からもらえます。障害は、症状の重さに応じて1級~14級までの障害等級で区別されています。最も重い障害が1級、最も軽い障害が14級です。

労災保険の障害(補償)給付は1日あたりの金額である給付基礎日額を割り出し、障害等級に応じて決められた日数分が給付されます。
給付基礎日額と障害(補償)給付の計算方法は、次の通りです。

  1. 労災発生日の前3ヶ月間の給与を合算
  2. 暦の日数で割り、1日あたりの日額を算定
    ※3ヶ月間の給与はボーナスや臨時手当は含まない
    ※暦の日数はカレンダーの日数のこと(勤務日数ではない)
  3. 給付基礎日額と等級に応じて決められた日数をかけて計算

労災保険からは障害等級に応じた日数分しかもらえないので、足りない部分は「逸失利益」として損害賠償請求していくことになります。

労災保険障害(補償)給付
損害賠償逸失利益

労災の後遺障害認定を受けるために必要なポイントなどについては、こちらの関連記事『労災による後遺症が後遺障害として認定される方法と給付内容を解説』で詳しく解説しています。

介護に関する費用

労災の障害によって常時または随時の介護が必要になった場合、介護にかかる費用が発生してしまうことが予想されます。介護に関する費用は損害として認められるので補償の請求が可能です。

労災によって介護が必要であると認定されると「介護(補償)給付」が労災保険からもらえます。介護(補償)給付は、常時介護を要する場合と随時介護を要する場合に区分して、支給額が異なります。

  • 常時介護を要する場合(1ヶ月あたり)
    現実に介護費用を支出:上限17万1650円
    親族などによる介護 :一律7万3090円
  • 随時介護を要する場合(1ヶ月あたり)
    現実に介護費用を支出:上限8万5780円
    親族などによる介護 :一律3万6500円

※ 参照:厚生労働省関係の主な制度変更(令和3年4月)について「労災保険の介護(補償)等給付額の改定」

親族などによる介護に関しては、常時・随時の介護にかかわらず現実に介護費用を支出していなくても支給されます。

労災保険からは上限や一律でしか給付がもらえないので、足りない部分は「介護費用」として損害賠償請求していくことになります。

労災保険介護(補償)給付
損害賠償介護費用

精神的な苦痛に対する慰謝料

労災が起きるとさまざまな精神的苦痛を味わいます。

  • ケガそのものの痛み
  • ケガが治るのかという不安
  • 治療を受けることの辛さ
  • 仕事を休むことで仕事を失ってしまうのではないかという不安
  • 障害が残ることによる一生涯の不安
  • 家族が死亡してしまったという辛さ

被災した労働者が受けるこのような精神的苦痛という損害に対しては、「慰謝料」という補償が受けられます。慰謝料の種類は、入通院慰謝料・後遺障害慰謝料・死亡慰謝料の3つです。

労災保険は被災した労働者の迅速かつ公正な保護と、社会復帰の促進、遺族の援護などが目的です。したがって、慰謝料に関しては労災保険の補償対象外となっているので、労災保険から支払われることはありません。

労災で慰謝料を得るには、安全配慮義務違反や使用者責任のある会社や、労災の第三者に対して損害賠償請求しなければ獲得することができません。

労災保険なし
損害賠償慰謝料
 入通院慰謝料
 後遺障害慰謝料
 死亡慰謝料

労災の慰謝料についてはこちらの関連記事『労災事故で慰謝料を請求できる?相場額は?仕事中の怪我による精神的苦痛』で詳しく解説しています。

損害賠償は過失相殺と素因減額に注意しよう

損害賠償請求をおこなう場合、過失相殺と素因減額について注意しておかねばなりません。

過失相殺による賠償金の減額

過失相殺とは、労災が起きた原因に被災した労働者にも不注意が認められると、その不注意の程度に応じて損害賠償金が減額されることをいいます。

労災保険の給付に対しては過失相殺は行われませんが、損害賠償請求では問題になってくるので認識しておきましょう。

素因減額による賠償金の減額

素因減額とは、労災で被った病気などの原因として、業務のみならず、もともと従業員がもっていた既往症・通院歴・生活習慣なども考慮され、その程度に応じて損害賠償金が減額されることをいいます。

素因減額がどのくらいの割合で認められるかで、最終的に手にできる賠償金の額が大きく変わってくるでしょう。

労災保険給付と損害賠償金の支給調整とは?

労災が第三者行為災害の場合、労災保険による給付と損害賠償請求による損害賠償金の間では支給調整というものがおこなわれます。

支給調整とは、同一の内容を労災保険からも損害賠償からも受け取って二重に補償されないように調整されることです。
同一の内容とは、具体的には以下のとおりです。

労災保険給付損害賠償金
療養(補償)給付治療関係費
休業(補償)給付
傷病(補償)年金
休業損害
障害(補償)給付逸失利益

支給調整方法には「控除」と「求償」の2種類があげられます。それぞれどのように違うのか簡単にみていきましょう。

調整方法(1)控除

控除とは、労災保険の給付より前に第三者からの損害賠償がおこなわれていた場合、補償の目的が同じ項目については労災保険からの給付が受けられないことをいいます。

第三者から損害賠償を受けたのに労災保険からも給付を受けると、損害が二重に補償されることになります。二重に補償されることは利益が生まれることになるので、損害賠償のうち労災保険の給付と補償の目的が同じ項目であれば、その分は控除して労災保険が給付されることになります。

損害賠償後に労災保険からはこのくらいもらえるはずなのにもらえなかった、などと思わないように控除のことを知っておきましょう。

調整方法(2)求償

求償とは、第三者行為災害によって被災した労働者が労災保険から給付を受けた時、労災保険を給付した政府が第三者に対して労災保険の給付額に相当する金額を求めることです。

本来、被災した労働者が第三者に対して損害賠償請求権を持ちますが、第三者が損害賠償を支払うべきところ政府によって損害の補てんが行われれば、政府に損害賠償請求権が移ります。もう少し簡単にいうと、第三者が支払うべき損害賠償を政府が一時的に肩代わりし、あとからその肩代わりした分を政府が第三者に請求することを求償といいます。

求償は被災した労働者の視点からみるとあまり関係のない話ではありますが、仕組みを知っておくことは大切です。

労災で損害賠償請求はいつできる?

労災の損害賠償請求が可能になるタイミングは、大まかに「被災した労働者の損害賠償額が確定した時」といえるでしょう。

さらに具体的に言うと、損害賠償請求額は「被災した労働者の損害賠償額から労災保険からの給付額を差し引いた金額」となります。(ただし、ここで示したケースは労災保険の給付を先に受けている場合で説明しています。)

傷病のケース

ケガや病気になった労災では、治療を受けて、何らかの症状が残るようであれば労災で障害等級の認定を受け、障害(補償)年金や障害(補償)一時金の給付を受けてから損害賠償金を算定できるようになります。

損害賠償金が算定できたら、会社や第三者などに対して損害賠償請求を行います。

死亡のケース

死亡した労災では、労災が認定されて遺族(補償)年金、葬祭料などの労災保険の給付を受けてから損害賠償金を算定できるようになります。損害賠償金が算定できたら、会社や第三者などに対して損害賠償請求を行います。

関連記事では、労災による死亡事故が起こったときに遺族が行う手続きや労災の補償内容を詳しく解説しています。

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まとめ

  • 労災が起きた原因として会社に安全配慮義務違反や使用者責任が認められる場合は、会社に対して損害賠償請求ができる
  • 労災が起きた原因として第三者に不法行為が認められる場合は、第三者に対して損害賠償請求ができる
  • 労災保険は法律で決まった範囲でしか補償が受けられないので、足りない部分の損害に対する補償は損害賠償で求めていくことになる
  • 労災保険から先に給付をもらった場合は、その給付分は損害賠償から控除される

岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」「ネット削除依頼」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点