会社の誹謗中傷口コミ(Googleマップ・オープンワーク)を削除依頼するポイント

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【会社の誹謗中傷】

この記事でわかること

会社名をGoogleで検索してみると、検索結果に会社情報と共にGoogleの口コミが表示されます。口コミはクライアントや退職者など様々な視点での評価が行われていることが分かるでしょう。

会社への就職を検討している人向けには、ライトハウスやOpenWork、転職会議など就職情報専門サイトが存在し、口コミで会社の実情について情報収集が可能です。

会社に対するネガティブな口コミが多ければ、会社への評価や採用活動に大きな影響が出る可能性があるため、会社口コミは削除がおすすめです。ここではサイト別の削除ポイントを紹介しています。

会社Google口コミの削除依頼ポイント

口コミ投稿の報告ボタンで通報する

会社のGoogleビジネスプロフールに存在する悪い口コミを削除するには、口コミ投稿ごとに付いている「報告(通報)ボタン」を操作し、違反報告をしましょう。

報告ボタンは口コミの右上にある[…]をタップすると、[レビューを報告]画面になります。口コミの問題点を選んで送信しましょう。

報告は、Googleビジネスプロフィール(旧称:Googleマイビジネス)のオーナー権限がなくても行えます。

しかし報告ボタンによる通報では、Googleへ問題のある悪い口コミを知らせることにとどまります。投稿された内容のどこにどんな問題があるのか、説明したり、指摘をするには、不向きです。

そのため、報告ボタンによる通報で削除されなかった場合には、規定フォームを使用して削除依頼を行うことを検討しましょう。

Legalヘルプのページから問題点を指摘・報告する

権利侵害の内容についてGoogleへ詳しく伝えるためには、Googleヘルプセンターの「Legalヘルプ」フォームにアクセスをします。

専用フォームには具体的にどんな権利侵害が行われているのか、記載することが可能です。フォームに必ず入力する内容を確認しましょう。

入力時に注意すべきことは、削除リクエストを分析・公開する「Lumen」でフォーム申請した内容が公開される可能性があることです。公開されても困らないように具体的な個人情報は入力しないようにすべきです。

報告フォームに記載すべき内容

  • 居住国
  • 戸籍上の姓名
  • 会社名
  • メールアドレス
  • 権利侵害にあたると考える投稿のURL
  • 権利侵害にあたると考える理由
  • 権利侵害していると思われる表現を抜粋記載
  • 署名

虚偽申告ではなく情報が正確であることに同意のチェックをして送信。

Google口コミの内容がどのような権利侵害にあたるのか説明するためには、法律の専門的知識を要します。そのため、Googleの仕組みや法律に詳しい弁護士などの専門家に相談することも手です。

OpenWork(旧Vorkers)の口コミ削除依頼ポイント

削除は「送信防止措置依頼書」を郵送して行う

オープンワークでは電話やメールによる削除依頼を受け付けていません。プロバイダ責任制限法に基づく「送信防止措置依頼」という削除依頼手続きを行います。

手続きは送信防止措置依頼書という定型の書面に、削除して欲しい投稿の情報やなぜ削除して欲しいのか理由を記載して用います。記載後は各プロバイダ(ここではOpenWork運営会社)の指定する本人確認書類を添えて送りましょう。

送信防止措置依頼書をダウンロードしたら必要事項を記載します。社印の押印も必要となるので、必ず漏れがないか郵送前に確認しておくことがおすすめです。

あわせて、以下の書類も揃えて提出することが必要となるため、オープンワークへ削除依頼することを考えている時は準備をしておきましょう。

  • 社印の印鑑証明(発行後3ヶ月以内)
  • 登記簿謄本(発行後3ヶ月以内)
  • 虚偽の投稿を削除したい場合には虚偽であると証明できる資料

OpenWorkの口コミ投稿の削除依頼は運営会社が判断する

オープンワークの運営会社に削除依頼することを検討するならば、口コミの削除基準を必ず確認しておくべきです。

削除基準ポイント

  • 投稿時と事実が異なる
  • 誹謗中傷に該当する

問い合わせページに削除基準が詳しく掲載されていますが、程度が「明らかな」場合のみと限定されています。

たとえば「ここの〇〇課に勤めている社員の〇〇は××区で愛人とよく会っている」など、一社員のプライベートに関する情報が書き込まれている場合、会社に関する評価ではなく一個人に対する誹謗中傷として削除依頼を出すことが可能です。

ただし「この会社はタイムカードを切らせてから残業をさせる」「課長が八つ当たりをする」など事実確認が難しいものは削除依頼をしても難しいでしょう。

もし削除不可の連絡が来たとしても、運営会社にしつこく食い下がる行為や脅迫は控えなければいけません。営業妨害と見なされますので所定の手続きのみを行いましょう。

場合によっては企業名と削除依頼文面そのものがサイトに掲載されてしまうことも考えられます。

就活会議の口コミ削除依頼ポイント

就活会議の口コミ削除はお問い合せフォームを利用する

就活会議に掲載されている口コミは、転職会議から引込み自動反映されるシステムです。とはいえ、就活会議のガイドラインに違反する内容が口コミに反映されているならば、お問い合わせフォームから違反投稿である旨を伝え、削除を申請しましょう。

違反に該当する可能性がある投稿

  • 断定表現の投稿
    「経理の人間が風俗で稼いでいる。最悪な会社」
  • 一般社員の個人特定につながる投稿
    「〇〇で活躍していた元モデルの●●が性格悪い」
  • 不正・犯罪の告発投稿
    「叱責されて朝まで会社の倉庫に軟禁された」

ガイドラインに違反すると見なされた口コミ投稿は非表示となります。

しかし、就活会議上の口コミを消しても元の口コミ投稿が存在する転職会議では口コミ投稿内容が閲覧できてしまうため、転職会議も削除を行うべきです。

掲載元の口コミ削除は送信防止措置依頼を行う

転職会議には「送信防止措置依頼書」を郵送して削除依頼を行います。社印を押印することを忘れないようにしましょう。あわせて社印の印鑑登録証明書(3ヶ月以内発行)も添えて郵送します。

転職会議の場合、送信防止措置依頼書の内容によって一部削除や口コミ投稿全文削除のいずれかの対応がなされる可能性が大きいです。

転職会議の口コミは、削除部分の具体的内容が見れなくなっても、削除依頼があったということは表示されます。

権利侵害の被害者がサイト管理者に申し立てコメントが削除されたという履歴は公開される仕組みになっていますので、削除された件数自体も表示が行われる点に注意が必要です。

転職会議の口コミ削除については下記で別途特集していますので、ご興味のある方は参考にしてみてください。

キャリコネの口コミ削除依頼ポイント

削除依頼専用フォームを利用する

キャリコネに口コミ投稿の削除依頼を求める場合、問い合わせフォームとは別に削除依頼フォームが設けられています。

会社の場合は法人を選択のうえ、入力を進めましょう。

記載する内容

  • 会社名、担当部署
  • 担当者氏名
  • 電話番号
  • メールアドレス(会社ドメインのアドレス)
  • 削除依頼記事番号
  • 削除依頼理由

問い合わせ内容によっては添付資料も用意できる時は添付する方が望ましいといえます。

たとえば「この会社は営業に残業をさせまくるブラック企業」などと書かれた場合には実際の社員の残業時間が記載されたタイムカードなどの情報を提示するなど行いましょう。

利用規約に違反しているものは削除可否の判断をしてくれる

利用規約の禁止事項には、「第三者の名誉、プライバシー、知的所有権、その他の権利を侵害すること」と書かれている部分があります。

削除依頼をしたい口コミ投稿に権利侵害が認められるかどうかあらかじめ調べておかなければなりません。

削除依頼したい口コミの内容によって、主張に用いる権利は異なります。下記で一例を示していますので、特集もあわせてご覧ください。

主張に用いられる権利一例

口コミ削除の依頼フォームでも削除されないときの対応方法についても解説しているので、関連記事もあわせてお読みください。

はたらくホンネの口コミ削除依頼ポイント

口コミ投稿の報告機能を使う

はたらくホンネの口コミ投稿は、お問い合わせフォームから削除依頼を行いましょう。お問い合わせフォームでは削除依頼を行う経緯も含めて、どの投稿が口コミガイドラインに違反しているのか説明する必要があります。

お問い合わせフォームの分類は[問題のある口コミのご報告]を選択して進めてください。

記載する内容

  • 担当者指名
  • 会社名
  • メールアドレス
  • 問い合わせ内容
    問題があると考える投稿の評価年、投稿内容、内容にどんな権利侵害が認められると考えるか

はたらくホンネは、口コミ内容がガイドラインに違反しない範囲であればネガティブな内容でも削除をしないという方針を採っています。

自分自身で削除をしたものの、指摘する部分が的外れだと削除ができないケースはよくあります。自身で削除できなくとも専門家が適切な指摘をして削除依頼を試みたところ、削除に成功することがあるため、口コミ削除に詳しい専門家に任せることも検討しましょう。

ガイドラインを読んでおくことが大切

はたらくホンネの口コミ投稿は、実際に該当の会社で働いている人の職場環境に対する感想・体験談を尊重し、情報収集を行っています。

しかし虚偽の内容や、不確かな決めつけなどの内容は、サイトの目的とはかけ離れているため削除可能性の余地があるといえるでしょう。

削除の可能性がある口コミ例

  • 大げさな否定の決めつけの口コミ
    「この会社はパワハラが横行している最悪な会社です。すぐに倒産します」
  • 経営者・役員以外の個人を特定できる口コミ
    「〇〇課の〇〇さんは〇〇課の〇〇と不倫するクズ」
  • 噂話の口コミ
    「飲み会など勤務時間外の行事に参加しないと窓際に追いやられるらしいです」
  • 社員のプライバシーに踏み込んだ、会社に対する評価と無関係の口コミ
    「●●支社社員の●●は●●と不倫をしている」

逆に「社長のやり方がまずい」など抽象的な表現内容や、会社の経営方針に関する批判投稿は、削除される可能性がきわめて低いです。

会社の口コミを削除すべき3つの理由

(1)会社の評判に大きな影響を及ぼす

口コミは会社が第三者にどのような評価をされているのかうかがい知れる、重要な指標のひとつです。そのため、会社役員や広報・人事部署は常に口コミの投稿に注意をしておかなければなりません。

会社の口コミには、会社内の事情に詳しくなければ書けないような口コミ投稿が存在することがあります。

たとえその口コミの内容に嘘や誤りが含まる悪質性があるとしても、口コミを見た第三者は信じる恐れがあるでしょう。

会社に対するポジティブな評価が多ければ、ネガティブな口コミは埋もれて目立ちません。しかし口コミ数がそもそも少ない場合、1件の悪い口コミ投稿は注目を集めます。

口コミを見たクライアント、株主のなかには不安感を抱く人もいるでしょう。投稿が目立つ、もしくは気になる場合はなるべく早く対策を講じることがおすすめです。

(2)採用活動で人材が集まらない懸念

採用の応募を検討している求職者が会社名を検索したところ、会社のネガティブな口コミ投稿を目にすることは大いに想定されます。

悪質な口コミ内容を信じてしまった求職者が、応募を取りやめてしまうケースが多々発生する恐れがあるでしょう。優秀な人材を求めても避けられることが想定されます。

書き込まれた投稿に誤解が含まれる場合、「書き込みを削除しなければ訴える」など口コミ投稿者に対する威圧的な削除依頼は控えることがベターでしょう。

求職者が口コミサイトを閲覧する目的は、会社がリリースする広報だけでなく実際に仕事を続けられる職場環境かどうか、会社に対するナマの情報を探りたいからです。そのことを念頭に置き、口コミ投稿者だけでなく閲覧している第三者を意識しながら削除対応などを検討すべきといえるでしょう。

(3)取引先との関係にも影響する

クライアントによっては会社の信頼性を測るうえで口コミを参考にしていることがあります。

特にGoogle口コミは、口コミサイトにわざわざ登録しなくても会社名をGoogle検索すると検索画面上に会社情報と共に星評価や口コミ投稿が表示されてしまうので、口コミの管理・把握は会社がしっかり行いましょう。

SNSで炎上した結果会社の口コミに批判意見が殺到するケースや、反対に口コミ投稿がSNSで紹介拡散されて炎上につながるケースのどちらも想定しておく必要があります。

取引先によっては炎上に巻き込まれることを避けるために、ネガティブな口コミが多ければ取引打ち切りの判断参考にする場合があるため、普段からこまめに会社の口コミはチェックしておきましょう。もし悪質な口コミを発見したら速やかに対処すべきです。

なお関連記事『SNS炎上事例からみる企業がすべき対応とは?炎上防止策や炎上への対処法』では、企業とSNS炎上の事例、炎上したときの対処法について説明していますので、参考にしてください。

会社の悪質な口コミ投稿は弁護士に任せよう

口コミ削除に詳しい弁護士に任せるメリット

会社の口コミに書き込まれた内容を把握しても、削除依頼はどう書くべきか分からない、削除依頼を自分で行う時間がないなどの理由でお困りの方もいるでしょう。

せっかく時間をかけて削除依頼の手続きをしたものの、依頼文が適切でなかったため運営会社に却下されたり、そもそも削除に応じてくれない内容のため削除不可の回答をもらうことがあります。

あらかじめ会社の口コミ削除に詳しく手続きに慣れている専門家に相談しておけば、自分の業務時間を削らず、専門家が削除可能性の判断をスムーズに行ってくれます。

とくに削除依頼を検討する口コミが複数件あるならば、口コミ全ての削除依頼を業務の一環として対応するには時間も手間もかかるので負担が大きいと想定されます。

第三者に削除依頼を任せる場合には、必ず弁護士に依頼をしてください。削除依頼は弁護士が行える法律事務の扱いとなります。

弁護士資格を持たない者が報酬を得る目的で行うことは禁止されていますので、(弁護士法 第七十二条 非弁護士の法律事務の取扱い等の禁止)弁護士がいない民間の業者の利用には注意すべきです。

相談先を探すうえでのポイントは、下記バナーよりご覧頂ける解説記事にて分かりやすくまとめていますので、あわせてお読みください。

ネットに強い弁護士を探す

削除依頼を弁護士に任せる場合の費用

一般的に弁護士費用は、「着手金」と「報酬金」という項目で構成されています。

  • 着手金
    削除依頼の代行契約を交わす時に発生する費用で、結果にかかわらず返還されない
  • 報酬金
    削除が成功した場合に発生するもので、削除に至らなかった場合には発生しない

着手金は書き込みが消えなかった場合でも戻らない費用となるため、弁護士と契約を結ぶときは値段だけに注目するのではなく、費用の内訳項目にも注目して行いましょう。

法律事務所によって着手金だけ支払うケースや、成功時に報酬金だけ支払うケース、着手金も報酬金も両方支払うケースなどまちまちです。

また場合によっては、相談時の内容によって法律相談料が必要なことがあります。弁護士や法律事務所のホームページを確認しておけば費用をめぐって「聞いていない」などのトラブルは減るでしょう。

各法律事務所の費用体系が分かりづらい時にはあらかじめ訊いておくことがおすすめです。

弁護士に削除依頼を任せる場合の費用について詳しくは『ネット誹謗中傷の削除依頼にかかる値段|弁護士費用の相場は?』にて解説していますので、ご一読ください。

コラム|会社の口コミについて相談する際のポイント

口コミサイトの投稿は画像保存しておくことがおすすめ

会社の口コミで誹謗中傷されたならば、口コミ削除に詳しい弁護士など専門家に相談して対処の仕方について見通しを立てることが大切です。

相談時には投稿内容のスクリーンショットなどを相談時に提出できるようにしておきましょう。口コミサイトはサイトの閲覧・利用にあたってサイト登録が必要などの閲覧制限が設けられていることが多いです。

自身で閲覧しているURLのコピー&ペーストを行い弁護士へ送信したものの、弁護士側では閲覧できないことがあります。

ネットトラブルの解決実績がある法律事務所ならば、お悩みの口コミについてどんな対応を採るのが望ましいかアドバイスをもらえるでしょう。

医療業界における口コミに対する対処法については、下記の関連記事もご一読ください。

あるいはお店を経営していて悪口を書き込まれ方は、関連記事『店への悪口は名誉毀損や営業妨害になる?誹謗中傷への対処法がわかる』を参考にしてみてください。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了