ライブドアブログの削除依頼|誹謗中傷を書き込まれた時の対処法
ライブドアブログでは、自分で削除依頼をすることができます。しかし、手続き時に「権利侵害の理由」を記述する必要が出てきます。削除依頼を自分でやることに不安がある方は、弁護士に代理人として削除依頼をお願いすることも検討してみましょう。
ここではライブドアブログの削除依頼方法と、弁護士に頼む場合に知っておくべきことを解説しています。
目次
ライブドアブログの削除依頼前に確認しておくべきこと
まずはライブドアブログの禁止行為を確認
ライブドアブログはサイトの利用規約において「禁止行為」を定めています。
- 他者の個人情報を収集し、または、他者の個人情報の掲載等を行う行為
- 他者を差別もしくは誹謗中傷し、他者の名誉もしくは信用を毀損、侮辱し、もしくは業務を妨害する行為、または、そのおそれのある行為
など
以上のような利用規約違反にあたる禁止行為に削除依頼したい投稿があてはまるか確認しましょう。
ライブドアブログの利用規約違反や法律で認められている権利侵害の恐れがある場合、削除依頼が可能です。
削除依頼の申請先は「ブログ管理者」か「運営会社」
ライブドアブログを削除依頼したい場合、削除依頼の申請先は大きく分けて2つあります。
- ブログ管理者
- ライブドアブログの運営会社(LINE株式会社)
しかし、「ブログ管理者が元々削除するつもりがない」「連絡しても反応がない」「ブログ管理者の連絡先が不明」という場合もあるでしょう。ブログ管理者へ直接問い合わせて削除依頼をすることにより、削除依頼したこと自体が晒されるケースも見受けられます。
ライブドアブログの運営会社に削除依頼をすれば、ブログサイトの利用規約・法律に基づいて客観的に削除可否を判断されます。また、削除依頼の事実を晒されるなどのリスクを最小限に抑えることができるでしょう。
ライブドアブログの運営会社に削除依頼する方法
削除対象となる内容
誹謗中傷や個人情報の掲載といった悪質な投稿に対しては、権利侵害された本人またはその代理人(弁護士)によって記事の削除依頼が可能です。削除依頼時に法的根拠を記述しなければいけません。どんな内容にはどんな権利を主張できるのか、一例を挙げてみました。関連記事で詳しく解説していますので、参考になさってください。
削除対象の具体例
- 個人情報の無断掲載(プライバシー権の侵害)
関連記事:プライバシー侵害とは|プライバシー侵害の基準・事例・対処法 - 特定の人物を誹謗中傷する内容の記事(名誉毀損)
関連記事:ネットで名誉毀損された方へ|慰謝料請求や刑事告訴の方法は? - 写真やイラストの無断使用(著作権、肖像権侵害)
関連記事:著作権侵害されたらどう対応すべきか|無断転載の削除や損害賠償の訴えを起こす
また、ライブドアブログの運営会社はブログ記事そのものだけでなく、コメント欄やブログサイト内の掲示板に対しても、要請があれば削除判断に応じています。
ポイント
ライブドアではブログ管理者本人と連絡が取れなくても、「プロバイダ責任制限法」に基づいた削除依頼方法を用いることができます。この方法を「送信防止措置依頼」といいます。
ライブドアブログ削除依頼の流れ
ライブドアブログの削除依頼問い合わせ窓口は、「LINE株式会社 livedoorお客様サポートセンター」です。問い合わせ窓口に削除依頼をする方法は2通りです。書面を郵送するか、ライブドアブログのサイトヘルプページ内にある「お問い合わせフォーム」を使って送信します。
削除依頼の流れ
- 削除依頼(必要書類の郵送、または問い合わせフォームから申請)
- 意見照会(ライブドアブログの運営会社がブログ管理者に依頼内容を通知する)
- 意見照会の結果が申請人に通知される
意見照会は、ライブドアブログの運営会社がブログ管理者に「送信防止措置の実施に対し意見を求める」照会手続きです。回答には最大7日間の期限が設けられており、それまでにブログ管理者から返答がない場合は、ライブドアブログの運営会社が送信防止措置(削除)の判断を行います。
ライブドアブログの運営会社に削除を求める際のポイント
送信防止措置依頼書は本人確認書類とセットで送ること
運営会社に削除を求める場合、送信防止措置依頼書という書式を用いることが決められています。削除依頼を自分で行う場合、ライブドアブログのヘルプページから書式のダウンロードが可能です。
必要事項を記入した送信防止措置依頼書は本人確認書類と共に、郵送もしくは問い合わせフォームにデータを添付して送ります。
ライブドアブログの運営会社へ送るもの
- 本人確認書類2点(運転免許証の写し・保険証の写しなど)
- 送信防止措置依頼書(正式名称「侵害情報通知書 兼 送信防止措置依頼書」)
なお、本人確認書類として、マイナンバーカードなどの個人番号カードの写しは提出が認められていません。また、住民票などは発行日の期限が設けられており、取得発行から3ヶ月以上経っている場合には提出できません。
本人確認書類のポイントは以下のことに気をつけましょう。
・「氏名」「住所」「書類の発行日(有効期限)」が鮮明に確認できるもの
・送信防止措置依頼書に記載の氏名、住所と一緒のもの
個人、団体・法人によって用意する書類は異なりますので、ライブドアブログのヘルプページを参考に必要書類を準備しましょう。
送信防止措置依頼書を使わなくても削除を求められる
ブログサイトの運営会社に削除依頼を求めるときは、送信防止措置依頼書を用いる手続きを採用しているところが多いです。
しかし、ライブドアブログでは、送信防止措置依頼書の郵送やフォーム添付が難しいならば、問い合わせフォームに直接必要な項目を記載することによっても削除依頼を申請できます。 記載に必要な情報は次の6つです。
- 「氏名」「住所」「電話番号」「メールアドレス」
- 該当ページのURL
- 掲載されている情報
- 侵害されている権利(プライバシー権等)
- 権利侵害の理由(送信防止措置を希望する理由)
- 発信者に対する依頼人の名前の開示の有無
「権利侵害の理由」は法的知識が要求される部分もあるため、簡単に記載できる内容ばかりではありません。せっかく送信防止措置依頼書をライブドアブログの運営会社に送っても、書き方に不備があれば削除されないこともあります。削除依頼に不安があるという方は、弁護士に代理人として削除依頼をお願いすることも検討してみましょう。
ライブドアブログの削除依頼を任せる際のポイント
「弁護士」or「削除代行業者」どちらに依頼すべき?
「削除代行業者」は安価な値段で削除依頼を引き受けてくれることもあります。しかし、弁護士が実際に対応していない削除代行業者は「非弁行為」をしていることになり、弁護士法違反となります。
新たなトラブルの火種となる恐れがあるため、違法な代行業者に任せることはおすすめしません。弁護士ならば、法的な視点で権利侵害を主張することができます。任意の削除依頼が難しくても、裁判手続きを通した仮処分命令による削除依頼も可能です。
削除依頼はネットに強い弁護士を選ぼう
ライブドアブログも含め、ネットにおける誹謗中傷や個人情報の流出における削除依頼は、ネットのノウハウやIT関連に詳しい弁護士に依頼するのがおすすめです。
削除依頼には「送信防止措置」「プロバイダ責任制限法」など、専門的な言葉が登場します。「言葉の意味がよくわからない」「削除に応じてもらえない」「削除依頼に労力や時間を使いたくない」といった場合は、一度専門知識の豊富な弁護士に相談してみましょう。
削除申請に必要な手続き・書類を漏れのないように用意するには手間や労力がかかります。ネットトラブルに強い弁護士に削除依頼を任せれば、これらの手間を省くことができ、より早い問題解決が期待できます。
ネット削除を弁護士に依頼するメリットについては、記事『ネット記事の削除依頼は弁護士に任せるべき?メリットや弁護士費用が知りたい』でも解説していますので参考にしていただければと思います。
弁護士ならまとめサイト「転載元」も対応してくれる
ライブドアブログの中には、2ちゃんねるや5ちゃんねるといった大手掲示板の投稿を転載した「まとめサイト」形式の記事があります。
このような場合、ライブドアブログだけを削除の対象とするのではなく、転載元となっている掲示板の投稿も確認しておきましょう。まず転載元である掲示板の書き込みを削除してから、まとめサイト記事を対応します。
なぜなら、まとめサイト記事には、掲示板から自動的に取得・転載される仕組みが設定されていることがあるからです。先にまとめサイトを消すことができても、元となる掲示板に投稿が残ることで、再度まとめサイトに転載される可能性があります。
インターネットに詳しい法律事務所への相談を検討してみてください。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了