ネット記事の削除依頼は弁護士に任せるべき?メリットや弁護士費用が知りたい

記事の削除依頼は

自分の名前をネット上で検索した際に、誹謗中傷や個人情報を無断で掲載したページを見つけてしまうことがあります。そのまま放置しておくと、家族や友人、会社に知られたくない情報が知られるかもしれないという不安を抱える人も多いです。そんなときは記事の削除依頼を検討してみましょう。

ここでは、ネット記事の削除依頼を弁護士に相談をしてみようとお考えの方に向けてメリットや、相談・契約の流れを解説します。

ネット記事削除を弁護士に任せるメリット

自分で行うよりも解決に向けて安心かつスピーディー

弁護士にネット記事の削除依頼を任せるメリットとして、適切な対応方法を取れることが挙げられます。個人で削除依頼をする場合、まず何から始めればいいのか分からない方も多いでしょう。各サイトにより削除依頼の方法は異なるので、削除依頼方法を調べる必要があります。

人によっては、依頼時の文面はどう書けば良いのか悩んでしまったり、削除依頼手続きを間違えてしまい、解決までに時間がかかるケースもあります。ネット記事の削除依頼に関して、実践経験が豊富な弁護士に任せれば、個人で削除依頼するよりもスピーディーな解決が見込めます。

時には、該当の記事が削除されるまでにサイトの管理人や運営会社とのやり取りが必要だったり、追加で手続き書類を送らなければならない等のイレギュラーなことが発生します。
しかし、弁護士に依頼すれば、煩雑な手続きを一任できるので、忙しいなか自分の時間を割くことなく削除依頼を進めることができます。

専門知識に基づく削除の主張が可能

法律の専門家である弁護士に任せることで、サイト管理者や運営会社に対して法的根拠に基づいた削除依頼をすることができます。

個人で削除請求する場合、しっかりと法的な根拠に基づいて適切に行うことは、なかなか難しいものです。サイトによっては、記事の管理者や管理人から、削除依頼の内容に応じた法律・条文の指摘を求められます。

代表的なものとして、プライバシーの侵害や、名誉棄損などといったものがあります。それぞれ該当するケースや対処方法について解説をしています。プライバシーの侵害について詳しく知りたい場合は『プライバシー侵害とは|プライバシー侵害の基準・事例・対処法』、名誉棄損について詳しく知りたい場合は『ネットで名誉毀損された方へ|慰謝料請求や刑事告訴の方法は?』をご覧ください。

弁護士専用の別途窓口を設けるサイトにもアプローチ可能

爆サイ掲示板や、したらば掲示板には、権利侵害に基づく削除依頼をする場合、弁護士・法務関係者専用窓口を設けています。特に爆サイ掲示板は、違法性のある削除代行業者からの削除依頼には一切応じない姿勢を明らかにしています。

削除代行業者に着手金を払ったけれども、思ったように削除してもらえなかったというケースは少なくありません。初めから弁護士に削除依頼を任せれば、業者にはない権限とノウハウで解決できることがあります。

記事の削除依頼を弁護士に任せる場合のポイント

迷っている時もネット削除「無料相談」を活用しよう

ネット記事で誹謗中傷をされているので消したいけど、どの法律事務所に相談したら良いのか分からない。そんな風に迷うときは、無料相談を実施しているところが特におすすめです削除の見込みや、削除に関するアドバイス等を弁護士が行います。

複数の法律事務所に相談することは可能ですが、法律事務所によっては時間制限や相談回数制限が設けられていることがあります。しっかり確認したうえで問い合わせをしましょう。

  • 削除依頼を考えている記事のURLやスクリーンショットを用意して、実際に弁護士に確認してもらう
  • 誹謗中傷の記事が書かれてしまった背景事情(トラブルの発生原因等)になにか思い当たる事柄などあれば整理しておく

できれば相談受付時に伝えておくと、実際の相談時にしっかり掘り下げて話せます。

ネット記事のトラブル・削除依頼はどんな弁護士に相談すべきか

誹謗中傷記事の相談は、ネット削除の分野に詳しい弁護士がお勧めです。記事が存在するサイト運営会社によって、削除依頼方法は異なります。また、誹謗中傷記事を管理する人の特性なども考慮して、削除依頼のアプローチ方法を検討する必要があります。

ネット削除の分野に詳しくない弁護士に依頼すると、適切なアプローチができず削除が難航する可能性があります。ネット削除の分野に詳しい弁護士であれば、法的根拠に加え、ノウハウを生かして適切な対応をすることができますので、より正確な見通しを立てることができます

法律事務所のサイトには弁護士が得意とする分野や、過去の実績を載せていることが多いので、弁護士を選ぶ際の参考にしてください。ネット削除の際の弁護士の選び方については、記事『ネットに強い弁護士の選び方とメリット!ネットやサイバー犯罪にくわしい弁護士とは?』でも解説しています。

記事削除にかかる弁護士費用の内訳をチェックする

ネット記事削除に関する弁護士費用は、法律事務所により料金形態が異なります。着手金が必要なところもあれば、報酬金のみのところもあります。各事務所の見積もりを取り、比較検討したうえでご自身の納得感が高い事務所に依頼することをお勧めします。

一般的な弁護士費用の項目は、「着手金」と「報酬金」で構成されています。

弁護士費用における着手金と報酬金

着手金契約時に発生する料金であり、結果にかかわらず返金されない
報酬金成功の場合に発生する料金 削除に至らずに終わった場合は発生しない

弁護士はネット記事の削除依頼をどんな流れで行う?

弁護士に委任する場合は契約締結が必要

弁護士に削除依頼を委任する場合、まず契約内容の確認と契約書等の書類のやり取りを行います。事前に預り金の入金が必要な場合もあります。

削除依頼の難易度、削除してほしい記事の件数についての確認が契約時に行われます。弁護士費用も含め、契約内容に納得したら、手続きへ移行するケースが多いでしょう。

ネット記事の削除依頼に対し、サイト管理者や運営会社が規約等に照らして削除すべきと判断した場合は、無事削除となります。削除したい記事に対して、どのような法的主張ができるのか具体的に示すことがポイントです。

記事削除にかかる期間はサイトや内容による

ネット上の誹謗中傷記事について、適切な方法で削除依頼をした場合、1週間~2週間ほどで削除されることが多いです。しかし、サイトによっては手続きが煩雑で時間がかかる場合や、追加書類を求められることもあるので、より長い時間がかかるケースもあります。

弁護士に任せず自分でネット記事の削除依頼は可能?

サイトの特性を見極めることが大事

自分でサイト管理者に対して削除依頼を行う場合には、次のステップを踏むことで可能です。単に削除を求めるだけではなく、削除を求める理由を説明しましょう。ただし、場合によっては削除依頼をしたこと自体が晒されたり、新たな記事にされたり等の炎上リスクが起きる懸念があります。

  1. 記載内容の事実と異なる部分、問題があると考える部分を整理する
  2. サイトの利用規約やガイドラインをチェックする
  3. サイトに設置された問合せ窓口から削除依頼を送信する

自分で削除依頼をすることに抵抗感がある、自分で削除依頼を試したけどできなかった、という方は弁護士に対応してもらうことを検討しましょう。

煩雑な手続きに自力で対応する覚悟が必要

サイトによっては、プロバイダ責任制限法に基づく手続きを踏んで送信防止措置(削除依頼)をすることが求められます。ブログならば、ライブドアブログ、noteブログ、gooブログなどがこの削除方法を行います。

特定個人に対する権利侵害が認められる場合に、送信防止措置依頼書をサイト運営会社へ提出し、削除を求めます。送信防止措置依頼書には、(1)削除を要請したい記事には誰に対して(2)どんな権利侵害があるのか記載します。送信防止措置の手続き順序は次のとおりです。

  1. 侵害情報の通知書兼送信防止措置依頼書を作成する(権利侵害内容を記載)
  2. 添付資料を準備する(身分証の写し等)
  3. 運営会社が指定した場所へ書類を送付する

送信防止措置依頼は所定の書式が必要です。書式については、プロバイダ責任制限法関連情報Webサイトより入手できます。必要事項を記しましょう。

なお、削除依頼を行うサイトによって、求められる添付資料は異なります。必ずサイトの指定する書類を確認するようにしましょう。印鑑登録証明書や住民票の写しが必要なサイトもあります。手続上、個人情報に関するやり取りを行うことに不安がある場合は、弁護士に任せる方がおすすめです。

被害にあった場合はひとりで悩まずに、無料相談を活用して、まずは情報収集から始めてみましょう。取るべき対応や今後のアドバイスを弁護士から聞くことで、自信を持って対応方針を決めることができます。

ブログ記事の削除については『ブログを削除依頼する方法|誹謗中傷された時のブログ別対処法』もご覧ください。

また、逮捕報道によって、大量に記事が出回ってしまっていて、自分で削除依頼が追い付かず困っている方は、下記もあわせてご覧ください。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

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