2ちゃんねる(2ch.sc)の削除依頼方法|書き込みを削除したい
かつて「2ch.net」のドメインが使われていた2ちゃんねるは、運営トラブルが起きたことにより、現在は「2ch.sc」のドメインが使われています。
ここでは、ドメインが2ch.scの2ちゃんねる掲示板の書き込みを削除依頼する方法を解説します。
2ch.netのドメインを継いだのちに5ch.netに変更した「5ちゃんねる」の削除依頼については、関連記事『5ch(5ちゃんねる)の削除依頼|書き込みの削除方法を弁護士が伝授』をご覧ください。
目次
2ちゃんねる(2ch.sc)の書き込みを削除依頼する方法
削除依頼は「削除ガイドライン」の確認からはじめる
2ちゃんねるに書き込みの削除依頼を行う場合、2ちゃんねる独自の削除依頼ルール沿った手続きが必要となります。「削除ガイドライン」、「削除依頼の入り口」の注意書きをよく読んでから削除依頼を実施しましょう。
2ちゃんねるの削除依頼先は主に「削除要請板」と「削除整理板」のどちらかです。書き込み内容の対象者の属性や書き込み内容で使用するスレッドが異なります。
削除依頼先
- 削除要請板・・・削除ガイドラインが定める重要削除対象の投稿が扱われる
- 削除整理板・・・削除要請板で扱われない分野が対象
削除依頼は公開されるのがルール
2ちゃんねるの削除依頼はサイト上で公開されるのが原則です。そのため、各削除依頼フォームに記入した名前や削除理由などの情報がそのままスレッド上に載ることを考慮しておきましょう。公開された削除依頼情報を元に、削除人(削除屋)と呼ばれるボランティアのユーザーが、削除の可否を判断します。
2ちゃんねる(2ch.sc)はいかなる場合も、メールや郵送、電話などによる非公開の削除依頼ができません。2ちゃんねるに対する削除依頼は、2週間を目安に問題の書き込みが削除済みか確認しましょう。2週間以上経過しても反応がいっさい無い時にのみ、催促の知らせとしてメールを用います。
削除される投稿と削除されない投稿
削除依頼手続きのルールに則っていない場合には、そもそも削除できるかどうか加味される前に却下されます。手続きに則っている場合には「(1)問題の書き込みは誰を指す内容か」、「(2)どんな内容が書かれているか」、ガイドラインの基準に沿って削除人が削除可否の判断を行います。
(1)削除したい書き込みは誰を指す内容か
書き込まれた人(団体)に公益性があると認められる立場ほど、情報の削除は難しい傾向にあります。2ちゃんねるでは4パターンの分類があり、それぞれの社会的立場によって削除対応をする範囲・基準を設けています。
書き込まれた人の立場
- 法人・団体・公的機関
- 政治家、芸能人、なにかしらプロとして活動をしている人、有罪判決の出た人
- 創作活動で対価を得ている人、板の趣旨に関係する職業で責任問題が発生する人
- 上記にあてはまらない人
それぞれの立場について詳しくみていきましょう。
法人・団体・公的機関については、どんな誹謗中傷の書き込みであっても2ちゃんねるは原則放置です。裁判所の仮処分命令の方法ならば削除することが可能です。
政治家、芸能人、なにかしらプロとして活動をしている人、有罪判決の出た人について、情報価値がある情報や、既に公開済みの情報に関することは、削除されません。たとえば、ニュースサイト記事を2ちゃんねるで転載されたケースは削除が難しいといえます。
創作活動で対価を得ている人、板の趣旨に関係する職業で責任問題が発生する人について、たとえば公開アカウントに投稿した内容の転載は削除されづらいです。しかし話題と無関係な情報は削除される可能性があるといえます。
今紹介したパターンにあてはまらない、いわゆる「一般人」ならば、明らかに個人が特定できる誹謗中傷全てが削除対象となります。
ただし、伏字などで「見る人が見れば分かる」程度の名指しならば削除されません。誰が見ても一個人を指していると明らかな書かれ方をしていれば、削除される可能性は高いといえるでしょう。
(2)どんな内容が書かれているか
個人については、どの分類にあてはまっても、伏字であっても電話番号が晒されたならば削除されます。メールアドレスに関しても趣旨説明がされずに晒されている場合、削除できる可能性があります。
私生活情報に関しては、スレッドの趣旨にそぐわない、情報価値がない場合には削除されるとガイドラインでは示されています。ただし「情報価値がある」と判断されるならば、プライベートの交友関係に関する情報なども削除されない場合があります。ガイドラインを確認しても、削除依頼が可能かどうか不安な時は弁護士に内容を見てもらうことがおすすめです。
2ちゃんねる(2ch.sc)の削除は弁護士に任せよう
弁護士に削除依頼を任せるメリット
2ちゃんねるの削除依頼は、自分で行うことも可能ですが、弁護士に任せることで削除依頼相談者のプライバシーに配慮して行えることがメリットです。
2ちゃんねるの削除依頼は公開されるため、削除依頼理由で個人を特定できる詳細な説明を行うと、かえって削除依頼そのものが個人情報を晒す結果になってしまうことがあります。
また、削除依頼が公開されていることにより、誹謗中傷の書き込みを行った相手方が情報を把握し、炎上させられる懸念もあります。掲示板の特徴やルールを理解している弁護士に任せることで適切な削除依頼を目指しましょう。
ネット削除を弁護士に依頼するメリットについては、記事『ネット記事の削除依頼は弁護士に任せるべき?メリットや弁護士費用が知りたい』でも解説していますので参考にしていただければと思います。
弁護士による削除依頼ならより削除されやすくなる
自分で削除依頼を行う場合には、ガイドラインに沿った適切な手続きを取ったり、削除理由を述べるのが難しいこともあります。理由不備の削除依頼を繰り返せば、削除人に荒らし行為と誤解される危険性が高くなるので気をつけましょう。荒らし行為と判断されると、削除依頼を取り扱ってもらえません。
2ちゃんねるに個人情報や誹謗中傷の内容が残り続けることで転載の可能性がある場合には、弁護士に削除依頼を行うことを検討しましょう。自分で削除依頼を行うよりも迅速に解決に繋がる可能性が高くなります。場合によっては、裁判所による削除命令(仮処分)が必要になるかもしれません。
弁護士なら裁判所の削除命令(仮処分)での対応も任せられる
裁判所に仮処分を申し立てるには、以下の2項目に当てはまっている必要があります。
- 申立人の権利が違法に侵害されていること
- 早急に解消することが必要であること
申立人は裁判官と面談を行い、裁判官によって申し立て内容が要件を満たすか判断されます。裁判所の削除命令(仮処分)を得た場合は、その書き込みを重要削除対象として2ちゃんねるに対して削除依頼することができます。2ちゃんねるの削除要請板のフォームより[判決/命令]区分を選択し、次の内容を記載します。
記載項目
- 地裁名
- 事件番号
- 依頼理由
- PDF形式の判決文・決定(削除命令)が閲覧できるページへのリンク
裁判所の仮処分手続きには法律の専門知識が必要です。その後の2ちゃんねるに対する削除依頼に関しても、記載内容や提示方法に不備があると削除処理が保留となることがあるため、弁護士への依頼がおすすめです。
削除以外の対処方法は行うことができる?
発信者情報開示請求で投稿者を特定する
投稿者が特定できない匿名掲示板であっても、「発信者情報開示請求」という法的な手続きが可能です。ただし、一般的に、投稿者(発信者)が掲示板に接続したログ情報は、3か月程度しか保存されていません。書き込みから3か月以上が経過している場合は投稿者の情報を辿ることができないため、投稿者情報の開示請求を望むならば、早期に踏みきりましょう。
投稿者を突き止めるためには、裁判手続きを踏む必要があります。2022年10月改正施行のプロバイダ責任制限法によって、(1)掲示板やSNSなどの管理者(コンテンツプロバイダ)に対して投稿者のIPアドレスなど接続情報と、(2)その情報に基づき通信事業者に投稿者の住所や名前を同時に開示請求する手続きが一続きで可能となります。
2ちゃんねるへの開示請求や特定のやり方を知りたい方は、関連記事『2ちゃんねるの書き込みを特定する方法!誹謗中傷への開示請求の流れ』の詳しい解説をお役立てください。
投稿者に対する責任追及(損害賠償請求・刑事告訴)
投稿者の特定ができたら、その投稿者に対して民事と刑事の両面で、責任追及できる可能性が高くなります。民事事件としては、不法行為に基づく損害賠償請求が考えられるでしょう。損害賠償請求といっても、必ずしも裁判で争う必要はなく、裁判外の和解により解決を図ることもあります。
損害賠償請求は、裁判費用も含めて相手方に対して費用請求をすることもできますが、相手方に資力が無い場合は、空振りに終わるというリスクもあります。また、損害賠償請求が認められるにしても、最終的な解決に至るまで1年~長期に及ぶケースがあります。自分自身の時間や金銭面の負担を考慮して慎重に検討しましょう。
民事事件の可能性がある投稿例
- 個人情報を晒す投稿(電話番号、住所など)
- 無許可で顔写真を投稿
- 名誉権を害する投稿 など
刑事事件として責任追及をする場合は、警察に被害届(告訴状)を提出することになります。実際に被害届が受理されれば、警察の捜査が開始されることになるでしょう。名誉毀損事件など、警察に動いてもらった方が根本的な解決につながる場合もあります。
刑事事件の可能性がある投稿例
- 名指しで「前科がある」「犯罪者」などと投稿
- 「殺すぞ」「家を燃やすぞ」など脅迫的な投稿
- 「バカ」「ブス」などの侮辱的な投稿 など
2ちゃんねる(2ch.sc)の削除依頼を法律事務所に相談する理由
2ちゃんねる(2ch.sc)の削除依頼はノウハウがあるとスムーズ
匿名投稿者により誹謗中傷をされた、プライバシー情報の暴露被害を受けたケースならば、早急な対処が必要です。法的な判断が必要な場合もありますので、法律事務所への相談が適切と言えるでしょう。
2ちゃんねるの削除依頼を自分で行う場合、2ちゃんねるのガイドラインや手続きルールを理解したうえで適切な削除理由を述べなければいけません。削除の最終判断は削除人が行いますが、削除依頼は説得力を持たせることがカギです。2ちゃんねるの削除依頼はノウハウが要求されるため、ハードルが高いというのが実情です。
インターネットトラブルのなかでも、とりわけ2ちゃんねるトラブルに詳しい専門家へ相談することが解決への近道と言えるでしょう。
弁護士を探す際のヒントを知りたい方は以下のバナーより解説記事をお読みください。
コピーサイトの削除依頼対応についてもアドバイスが聞ける
2ちゃんねるのリンクを貼っておけばコピーサイト・まとめサイト等に転載しても構わないという趣旨の文言が2ちゃんねるにあるため、内容が拡散してしまうケースがあります。
そのため、2ちゃんねるに書きこまれた該当部分だけを消しても意味がありません。コピーサイト・まとめサイトの削除も行いましょう。コピーサイト・まとめサイトは管理者が別で運営されているので、各サイト毎に合わせた削除依頼方法を調べて行う必要があります。
関連記事『まとめサイトの削除依頼方法|コピー元の削除依頼も重要』もご一読ください。
他の大手掲示板サイトに転載されるケースもあります。掲示板サイトごとによっても規約や削除ルールが異なります。対応実績にある法律事務所ならば2ちゃんねる以外も任せられます。
自分で各サイト毎に一つずつ対応していると時間がかかってしまいます。時間が経つに従って、転載される範囲が広がる可能性があるため、早期に動くことが大切です。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了