岡野武志弁護士

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

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盗撮動画の購入で逮捕される?盗撮・児童ポルノで不安な方は弁護士に相談!

盗撮動画の購入

2023年7月13日以降の事件は「撮影罪」に問われます。

  • 盗撮動画を購入してしまった……これって犯罪になる?
  • 写っているのが児童だったら犯罪?
  • 盗撮動画を販売した場合は?

盗撮動画の購入によって逮捕されるかどうかが心配になっている方はいませんか?

結論、盗撮動画を購入・ダウンロードしたのみで、ただちに逮捕される可能性はあまり高くありません。

しかし、盗撮動画を違法ダウンロードした場合は著作権侵害になることがありますし、その他盗撮動画の扱いを誤った場合は罪になることがあります。

この記事では、盗撮動画の購入・販売にまつわる疑問を徹底解説しています。

盗撮動画を一度でも扱ってしまった方は、ぜひ参考にしてください。

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盗撮動画の購入で問われる可能性のある犯罪は?

購入した盗撮動画で児童ポルノ禁止法違反になる可能性は?

購入した盗撮動画が児童ポルノに該当する場合、所持していたことで犯罪になるケースがあります。

たとえば、18歳未満の児童が対象のアダルトビデオなどを所持していた場合です。

児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(以下、児童ポルノ禁止法)では児童ポルノについて以下のように規定されています。

次のいずれかに掲げる、児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したもの

  1. 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態
  2. 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの
  3. 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの
児童ポルノ法2条

児童ポルノ禁止法は、児童の性的搾取や性的虐待から児童を守ることを目的としているため、児童ポルノの動画などを単純に所持していた場合も違法とされています。

その他児童の盗撮動画を購入し、第三者に販売した場合であっても、児童ポルノの「提供」にあたり違法です。

例えば女子高生を対象とした盗撮動画は、写っている人物が18歳未満である可能性が想定されるため、児童ポルノ禁止法に違反している可能性があります。

岡野タケシ弁護士
岡野タケシ
弁護士

児童ポルノを単純所持した場合の罰則は、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」、提供の場合は「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」です。

補足

児童ポルノ禁止法で規制している行為には、上記のほか「製造」や「公然陳列」などもある。

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盗撮動画の販売等でわいせつ物頒布罪になる可能性は?

つぎに、購入・ダウンロードした動画などを、第三者に販売等したケースについて解説します。

盗撮動画などわいせつ物とされるものを販売等した場合、刑法175条の「わいせつ物頒布等罪」に該当する可能性があります。

有償か無償かに関わらず、わいせつ物を不特定多数の人間に交付したり、ネット上に上げるなどして不特定多数の人が認識できる状態におくとわいせつ物頒布等罪に問われ得ます。

刑罰は「2年以下の懲役または250万円以下の罰金もしくは科料またはその両方」です。

科料というのは1000円以上1万円以下の金額を納める刑罰です。その両方というのは、懲役と罰金の両方が科せられる可能性があるということです。

盗撮行為で撮影罪になる可能性は?

盗撮動画の購入のみならず、自分でわいせつ目的の盗撮行為をはたらいていた場合には撮影罪、迷惑防止条例違反、軽犯罪法違反、住居・建造物侵入罪に問われる可能性があります。

撮影罪

令和5年7月13日から、性的姿態等撮影罪(以下「撮影罪」といいます。)が施行されました。盗撮行為は、今後、性的姿態撮影罪に問われることが多くなるでしょう。

撮影罪とは、「性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律」に規定されている罪です。

正当な理由がないのに、ひそかに、人の性的な部位や下着を撮影したり、わいせつな行為・性交等を撮影したりした場合、撮影罪に問われ、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金になります。

従来、迷惑防止条例違反として処罰対象となっていた態様について、令和5年7月13日以降におこなった場合、この撮影罪で罰せられる可能性が高いです。

具体例をあげるとすれば、駅での女性のスカート内の盗撮などは、撮影罪に問われることになるでしょう。

岡野タケシ弁護士
岡野タケシ
弁護士

なお、撮影罪にあたる行為による性的姿態等の画像提供については、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金刑になります。

また、性的撮影記録を不特定・多数の者に提供又は公然と陳列したり、性的姿態等の影像を送信した場合は、5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金になります。

さらに、撮影罪にかかる性的姿態等の影像であると分かっていながら記録した場合、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金になります。

迷惑防止条例違反

令和5年7月12日までの盗撮行為については、迷惑防止条例違反に問われるケースが最も多いでしょう。

迷惑防止条例は各都道府県が独自に定めている条例です。

東京都の場合、電車内や駅などの公共の場所・乗り物はもちろんのこと、住居、トイレ、浴場や更衣室など公共の場所以外の盗撮行為も禁じられており、違反すると「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」を科されます。

迷惑防止条例性的姿態等撮影罪
時期令和5年7月12日まで令和5年7月13日から
規制都道府県ごと全国一律
対象(東京都の場合))
・便所や更衣室等の人が衣服を着用しないような場所
・電車や駅等の不特定多数の者が出入りする場所・乗り物
・場所の限定なし
行為(東京都の場合)
人の通常衣服で隠されている下着又は身体
性的姿態等 (性的な部位、身に着けている下着、わいせつな 行為・性交等がされている間における人の姿態)
行為(東京都の場合)
・撮影
・写真機等の差し向け
・写真機の設置。
・正当な理由がないのに、ひそかに、撮影すること。
・未遂も罰せられる。
刑罰(東京都の場合)
1年以下の懲役または100万円以下の罰金
3年以下の拘禁または300万円以下の罰金

軽犯罪法違反

条例で処罰できないようなケースでは軽犯罪法違反や住居・建造物侵入罪として処罰されるケースもあります。

軽犯罪法では「のぞき行為」を禁じており、盗撮もレンズを介したのぞきとして処罰される可能性があります。

軽犯罪法違反の刑罰は「拘留または科料」です。

住居・建造物侵入罪

住居・建造物侵入罪では、正当な目的以外で人の敷地に入ることを禁じています。

盗撮というのは当然、正当な目的には当たらないので住居・建造物侵入罪に該当し得るわけです。

住居・建造物侵入罪の刑罰は「3年以下の懲役または10万円以下の罰金」です。

関連項目

盗撮は何罪?刑罰、再犯の場合の量刑や時効について解説!

盗撮動画の購入などで実際に逮捕されてしまったら?

盗撮動画で逮捕されるまでの流れとは?

盗撮動画の購入によって何らかの違法行為をしてしまった場合、逮捕されてしまう可能性もあります。

一般的に逮捕は現行犯逮捕と後日逮捕(通常逮捕)に分けられます。

現行犯逮捕と後日逮捕の違い

現行犯逮捕では、例えば盗撮している現場で被害者や目撃者に身柄を取り押さえられるケースがよくあります。
その後、警察官に引き渡されて警察署に連行される流れとなります。

後日逮捕では、警察官が早朝、自宅を訪問し、身柄を取り押さえて警察署に連行するケースが一般的です。
その際に、家宅捜索が行われ、パソコンやスマホなど事件の証拠品となり得るものについて押収されるケースもあります。

盗撮動画で逮捕されたあとの流れとは?

逮捕・勾留請求されてしまうと、その後釈放されないかぎり、起訴・不起訴の判断が下るまで最大23日間の身柄拘束が続きます。

逮捕の流れ

逮捕・勾留は「逃亡のおそれ」「証拠隠滅のおそれ」があるときに行われます。これらのおそれがないと判断された場合には釈放され、在宅事件として手続きが進みます。

盗撮動画の購入について警察に逮捕されたくないという方は弁護士に相談してみましょう。

逮捕前であっても弁護士に相談することで、事件になる可能性、後日逮捕される可能性などを下げることができます。

盗撮動画の購入で逮捕されたくない方は弁護士に相談?

盗撮動画について弁護士に相談できる内容は?

ご心配の行為が犯罪になるのかどうか気になる方は、今一度、振り返ってみましょう。

以下に該当する方は、まずは弁護士に相談だけでもしておくと安心です。

弁護士に相談できる内容(一例)

以下のような行動をしてしまった方、その行為が犯罪になってしまうのか心配な方は、弁護士に相談するのがおすすめです。

  • 盗撮動画を購入してしまった。
  • 盗撮動画とわかっていて購入した・所持した。
  • 盗撮動画を販売するためにビデオカメラや小型カメラを設置した。
  • 児童ポルノと思われる動画を購入した。
  • 児童ポルノとわかっていながら動画を購入し、販売した。

ご自分の行為が、犯罪に該当するかどうかわからない、もしくは逮捕される可能性だけでも知っておきたいというような相談も可能です。早期に相談して、できる対策をとっていくことが必要でしょう。

刑事事件にならないケースもあれば、早急に弁護が必要なケースもあります。

逮捕される前なら、逮捕回避をめざす弁護活動に、早急にとりかかることができます。

逮捕された後でも、身体拘束の解放や刑罰の軽減に向けて、早急に弁護活動にとりかかる必要があります。

いずれにせよ、刑事事件、盗撮事件に強い弁護士に相談してみることが、次のステップに進むための第一歩になります。

盗撮動画について弁護士相談・依頼するメリットは?

盗撮動画について弁護士相談するメリットには、以下のようなものがありあす。

弁護士相談の5大メリット

  1. 早期に刑事事件の対策ができる
  2. そもそも犯罪に該当するのかが分かる
  3. 今後の逮捕の可能性が分かる
  4. 実際に逮捕された後の対策がわかる
  5. 自首について相談できる

逮捕回避のためには、警察に逮捕の必要性がないことを訴える必要があります。

弁護士であれば捜査機関に対して効果的に逮捕の必要性がないことを伝えることができます。

また場合によっては自首することも検討すべきでしょう。

自首とは犯罪が捜査機関に発覚する前に、捜査機関に対し、犯罪事実の申告をおこなうことです。

弁護士同行による自首は、被疑者単独で行うよりも有利になる可能性が高く、逮捕の回避にも有効です。

岡野タケシ弁護士
岡野タケシ
弁護士

盗撮行為の被害者が特定できている事件においては、被害者との示談を優先します。

示談により、逮捕を回避できたり、起訴処分になったりする可能性が非常に高くなるためです。

初犯であればなおさら、刑事処分が軽くなる可能性があります。

Point

  • 逮捕回避のための対策として自首がある。自首には、弁護士が同行可能
  • 被害者が特定できる盗撮であれば、被害者への謝罪・示談を優先する
  • 早期の相談で、早期に対策をたてることができる。

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盗撮動画の不安、逮捕の不安を抱えている方は、早期に相談予約をお取りください。

また、実際にご家族が逮捕されてしまった方もご相談可能です。今後の釈放、不起訴を目指すための弁護活動等についてもご相談いただけます。

早期の相談が、お悩み解決の第一歩につながります。

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