第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
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保釈金が返還される時期と条件は?没収されることはある?
- 保釈金はいつ返還されるの?
- 保釈金が返還される条件は?
- 保役金が返還されずに没収(没取)されるケースはある?
起訴後の身柄拘束を解除するために裁判所に預けていた保釈金は、刑事裁判が終了すると返還されます。
多額の保証金を預けている方にとっては、返還されるまで条件や期間など気になる点が多いと思います。
この記事では、保釈金の返還について解説していきます。
刑事事件でお困りの方へ
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目次
保釈金の返還時期と条件は?
保釈金とは?
保釈金は、刑事事件で起訴された被告人が保釈を受けるために必要な金銭です。
保釈後に被告人が逃亡や証拠隠滅などをせず、刑事裁判に参加すると保証するため、判決が確定するまで裁判所に預ける必要があります。
裁判が終了すると、預けていた保釈金は返還されます。保釈金の金額は、150万円から300万円が相場です。
保釈金はいつ返還されるのか?
保釈金は、刑事裁判が終了したタイミングで返還されます。判決確定後、数日から一週間以内で返還されるのが一般的です。
無罪判決や執行猶予判決の場合には、判決後すみやかに返還されます。
禁錮以上の実刑判決の場合には、被告人が刑務所に収容された後に返還される流れとなります。
保釈金の返還条件
保釈金が返還されるためには、「保釈中に逃亡や証拠隠滅をしない」「裁判に出席する」「裁判所の命令を守る」などの条件を満たす必要があります。
保釈金の返還条件を満たした場合、保釈金は全額返還されます。
ただし、保釈中に逃亡や証拠隠滅などをした場合、保釈金は没収(没取)されます。
保釈中に逃亡や証拠隠滅をしない
被告人が保釈中に逃亡したり、証拠隠滅を行ったりしないことが保釈金の返還条件の一つです。
保釈中に居住地を長期間離れたり、共犯者と連絡を取り合ったりすると、逃亡や証拠隠滅の恐れありとみなされる可能性があるので、注意が必要です。
裁判に出席する
保釈された被告人は、定められた裁判日に出廷しなければなりません。裁判所の指示に従い、法廷に出頭し、裁判手続きに協力することが求められます。
出席義務を怠った場合、保釈を取り消される可能性があります。
裁判所の命令を守る
保釈中の被告人は、裁判所からの命令を遵守しなければなりません。裁判所は、被告人に対して特定の制約や条件を課す場合があります。
例えば、被害者や証人への接触禁止命令や、行動制限などがあげられます。保釈金の返還を受けるためには、これらの命令を守ることが求められます。
保釈金は一度没収(没取)されてしまうと、被告人が後から取り戻すことはできません。
保釈金の返還条件を満たすためには、裁判所の命令を守り、保釈中に逃亡や証拠隠滅をしないことが重要です。
保釈金の返還手続きと流れ
保釈金が返還される場合には、通常、指定の銀行口座に振り込まれます。
保釈金を納付する際、返還時の振込先を指定しておけば、返還手続きは特に必要ありません。
判決が言い渡されてから数日後、保釈金は自動的に指定口座に返還されます。
保釈金の納付時に提出する「保管金提出書」に、還付時の保釈金のあつかいについて記載する欄があります。
保釈金が没収されるケース
保釈が取り消されると、保釈金は没収(没取)される可能性があります。
保釈を取り消す場合には、裁判所は、決定で保証金の全部又は一部を没取することができる。
刑事訴訟法96条2項
保釈が取り消され、保釈金が没収(没取)される主なケースは以下の通りです。
保釈中に逃亡や証拠隠滅をした場合
保釈中に被告人が逃亡や証拠隠滅をした場合、保釈が取り消され、保釈金が没収(没取)される可能性があります。
判決確定後の逃亡や、刑の執行で呼び出しを受けて正当な理由なく出頭しない場合も、保釈金が没収(没取)される恐れがあります。
裁判に出席しなかった場合
保釈された被告人は、裁判の日程に正確に出席する義務があります。
もし被告人が正当な理由なく裁判に出席しなかった場合、保釈金が没収(没取)される可能性があります。
裁判所は被告人の出席を重視し、公正な判決を下すために必要な手続きを行います。被告人が出席義務を怠った場合、保釈金が没収(没取)されることがあります。
裁判所の命令を守らなかった場合
保釈中の被告人は、裁判所からの命令を遵守しなければなりません。裁判所の命令に従わなかった場合、保釈金が没収(没取)される可能性があります。
裁判所からの命令は、例えば接触禁止命令や行動制限などの制約を含む場合があります。
保釈金返還に関するよくある疑問と回答
Q1.保釈金は全額返還されるのか?
保釈金の返還はケースバイケースです。無罪判決や執行猶予付判決が下された場合、保釈金は一般的に全額返還される傾向があります。
保釈中に逃亡や証拠隠滅があった場合、保釈金の一部または全額が没収(没取)される可能性もあります。具体的な返還額は裁判所の判断によるため、個別のケースによって異なります。
Q2.保釈中に旅行や海外へ出国できるのか?
保釈中の被告人が旅行や海外への出国をすることは制限される場合があります。保釈の条件によっては、裁判所の許可を得ることが必要です。また、国外脱出のリスクや逃亡の可能性なども考慮されます。
保釈条件に違反する行為は保釈金の没収(没取)原因となるため、旅行や海外への出国を検討する場合は弁護士と相談することをおすすめします。
Q3.保釈金の返還はどれくらいの期間がかかるのか?
保釈金は、裁判が終了してから1週間以内に原則返還されます。指定した口座に振り込みがない場合には、弁護士や関係機関に問い合わせてください。
私選弁護士に依頼している場合には、弁護費用と相殺した残額が返還されるのが一般的な対応です。
高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
保釈金の実際の金額は、被告人の年齢、職業、住所、前科、事件の性質、犯行の態様、逃亡や証拠隠滅の可能性など、様々な要素を考慮して裁判所が決定します。