岡野武志弁護士

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

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クレプトマニア(窃盗症)は無罪になる?弁護士の選び方や弁護活動は?

クレプトマニア窃盗症は無罪?
  • クレプトマニア(窃盗症)は無罪になる?
  • クレプトマニアの弁護活動は診断?治療?
  • クレプトマニアに強い弁護士の選び方は?

クレプトマニアに強い弁護士をお探しの方へ。

この記事では、クレプトマニア(窃盗症・窃盗癖)の無罪・刑罰の減軽のための弁護士の弁護活動について解説しています。

万引きの衝動が抑えられず、万引きをくり返してしまう方も多いものです。

万引きがやめられない原因としては、クレプトマニア(窃盗症・窃盗癖)という病気が考えられます。

クレプトマニアではない人が、万引きを何度も繰り返してしまうと、その後の判決で不利になり刑罰が重くなる可能性が高まります。
一方で万引きの原因が、クレプトマニアという精神疾患だった人の場合はどうなるのでしょうか。

クレプトマニアであるからといって、必ず、無罪になるか、刑罰が軽くなるかといえば、そうとも限りません。

精神疾患が原因となっている「万引き再犯」について、無罪や刑罰の減軽を目指すには、クレプトマニア特有の弁護活動に加え、示談などの一般的な弁護活動もおこなってもらう必要があります。

クレプトマニアの方、その疑いのある方、クレプトマニアで逮捕された方のご家族など、クレプトマニアが原因の窃盗についてご不安のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

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クレプトマニアに強い弁護士を選ぶためには?

クレプトマニアに強い弁護士を選ぶための基準は?

クレプトマニアの弁護では、クレプトマニアの方の実態に即した弁護が必要になります。

どのような症状なのか、どのような態様で万引きしてしまったのか等について、弁護士はその詳細を把握し、警察、検察、裁判官などに対して訴えかけていきます。

クレプトマニアに強い弁護士に依頼することで、より適切な弁護活動が行われ、実刑を回避したり、刑罰を減軽されたりする可能性が高まります。

クレプトマニアに強い弁護士を選ぶための基準は、大きく2つあります。

クレプトマニアに強い弁護士を選ぶための基準

  • クレプトマニアの専門知識と経験がある
  • 専門医療機関と連携ができる

クレプトマニアの専門知識と経験がある

クレプトマニアの弁護活動は、被害者との示談だけではありません。クレプトマニアの原因を解明し、適切な治療や再犯防止の対策を行うことが重要になります。

クレプトマニアの専門知識と経験がある弁護士であれば、クレプトマニアの症状や治療法について理解しています。

また、検察官や裁判官に治療の必要性や有効性を納得してもらうための働きかけや、刑罰の軽減に向けた弁護活動が可能です。

無罪は難しいと考えられる状況でも、実刑と執行猶予を獲得できるかは大きな違いです。執行猶予中の再犯であっても、再度の執行猶予獲得で実刑を回避できる可能性もあります。

医療機関と連携ができる

クレプトマニアは、適切な弁護活動を行うためにも、医療機関との連携が不可欠です。

そのため、医療機関との連携がある弁護士に依頼することで、治療に向けた早期の対応や、治療計画の作成などのサポートを受けることができます。

また、クレプトマニアに強い弁護士であれば、治療のための医療機関を紹介できるでしょう。

医療機関のほかにも、クレプトマニアの自助グループや、支援団体を紹介することも可能です。

クレプトマニアに強い弁護士による無罪・執行猶予のための弁護活動は?

クレプトマニアに強い弁護士による弁護活動とサポートを整理します。

1.クレプトマニアの苦しみを理解し、一緒に事件と向き合う

万引きをくり返してしまう方の根本的な原因をさぐって、刑事弁護活動に生かします。

万引きをした方のご家族の方からのご相談もお受けします。

2.逮捕後の身柄解放活動で、釈放を目指す

受任後は、早期釈放のための弁護活動をおこないます。

検察官や裁判官に意見をして、早期釈放をめざします。

3.被害者との示談や弁償をおこない、刑の軽減を図る

刑事事件の解決のためには、被害弁償や示談も重要です。

万引きをした店舗の方との示談交渉や、被害弁償を試みます。被害店舗との示談では、第三者である弁護士の仲介が欠かせません。

被害弁償が済んでいることや、示談が成立していることは、刑事処分の内容にも影響があります。

4.クレプトマニアの治療機関や自助グループの紹介・治療の相談

万引きをくり返してしまう場合、クレプトマニア(窃盗症)の治療についてのご提案をします。

治療に取り組んでいる姿勢を、検察官や裁判官に訴えることで、再犯防止のために努力していることを示すことができます。

5.被疑者・被告人の更生を図る

刑事事件の最善の解決を目指すのはもちろんですが、弁護活動全体を通じて、今後万引きをくり返さないような土台作りをすることが期待できます。

クレプトマニアの弁護士費用は?

クレプトマニアの弁護士費用とは?

クレプトマニアに強い弁護士に、万引き・窃盗事件の弁護活動を依頼する場合、弁護士費用はどのくらいかかるのでしょうか。

一般的に弁護士費用については、着手金・報酬金制度を採用している弁護士事務所では、法律相談料、着手金、成功報酬、出張日当、実費などがかかります。

法律相談料とは、弁護士に正式に依頼する前の相談をする際にかかる弁護士費用です。

着手金とは、弁護士に刑事事件の弁護活動を依頼する際にかかる弁護士費用です。事件の難易度に応じて、金額が上下することが多いでしょう。

成功報酬とは、弁護活動の成果に応じて発生する弁護士費用です。
無罪判決を獲得した、早期釈放を実現した、被害者・被害店舗と和解・示談したなど、それぞれの成果に対応して発生する弁護士費用です。
どのような成果が出た場合に、どのくらいの弁護士費用が発生するのか、事前に確認しておく必要があるでしょう。

出張日当とは、弁護士が接見や示談交渉を目的とする出張する際の日当になります。

実費とは、郵送費など弁護活動をおこなっていく過程で必要になる実費のことです。

岡野タケシ弁護士
岡野タケシ
弁護士

弁護士費用は、弁護士事務所ごとに異なります。

「どのような費用が、どれだけかかるのか」については、実際に依頼したいと思う弁護士事務所に、事前に確認しておくようにしましょう。

法律相談だけなら無料?

弁護士の法律相談料については初回30分無料や、30分~1時間程度で5,000円~10,000円ほどの料金設定になっていることが多いでしょう。

弁護活動全般を依頼した場合、数十万円から百万円単位で弁護士費用がかかるところ、法律相談だけであれば比較的リーズナブルに利用できます。

そのため複数の弁護士の法律相談を受けてみて、一番信頼ができる・安心して事件を任せたいと思える弁護士を選ぶということもできそうです。

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アトム法律事務所の弁護士の法律相談は、初回30分無料で実施しています。

お悩み解決のために、是非ご活用ください。

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クレプトマニア(窃盗癖・窃盗症)とは?

クレプトマニアは無罪になる?どんな精神疾患?

クレプトマニアは、精神疾患(精神障害)の一種です。

「万引きをやめたいのに、やめられない。」

一種の依存症のようになっている方は、クレプトマニアという病気かもしれません。

窃盗罪で逮捕される人のなかには、盗品を得ることを目的としている人もいれば、クレプトマニアのように盗品を得ること自体が目的でない犯行もあります。

クレプトマニアと診断された人の特徴としては、万引きをしてしまうときに、自分をコントロールできない、制御能力が欠如しているという点が挙げられるでしょう。

それでは、なぜ、クレプトマニアという精神疾患を引き起こしてしまうのでしょうか。

以下のようなことが、クレプトマニアを引き起こしてしまうきっかけとなる可能性があります。

クレプトマニアのきっかけ

  • ストレスや不安が続いた
  • 他の精神疾患を発症した影響からクレプトマニアにも罹患した
  • 金銭的に余裕がなく盗みをおこなうことに罪悪感がなくなった

たとえば、幼少期の家族にまつわるストレスなどから、精神疾患を引き起こすことはよくあることです。

また、日々のストレスによりつい魔が差してしまい、万引き行為に及んだ人が、その後精神的な解放感からクセになるケースもあるでしょう。

クレプトマニアと診断されたらどうすればいい?

クレプトマニアと診断されたら、刑事事件の解決という観点からも、治療を優先すべきです。

再犯を防ぐためには、クレプトマニアの治療が必要です。

自分がクレプトマニアにあてはまるのではないかと思われる方は、まずは、お医者さんから、クレプトマニアの診断を受ける必要があります。

その後、症状に応じて、入院治療や通院治療をうけることになります。

ご参考までに、クレプトマニアの診断基準(診断目安)についてもご紹介しておきましょう。

クレプトマニアの診断基準は、精神障害の診断と統計の手引き(DSM-5)に記載されています。

クレプトマニアの診断基準は?

  • 個人的に用いるものでも金銭的価値のためでもなく、物を盗もうとする衝動に抵抗できなくなることが繰り返される
  • 窃盗におよぶ直前の緊張の高まり
  • 窃盗におよぶときの快感・満足・解放感
  • 当該盗みは、怒りまたは報復を表現するためのものではなく、妄想や幻覚への反応でもない
  • 当該盗みは、素行症・躁病エピソード(躁病エピソード診断基準による)・反社会性パーソナリティ障害ではうまく説明されない

クレプトマニアの治療は、刑事事件の現場においても、被疑者・被告人の同意のもとおこなわれています。

その結果、社会復帰などの更生の手段として効果を上げているのです。

治療内容は、おもに医師による治療やカウンセリングですが、原因追及も重要だとされています。

岡野タケシ弁護士
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クレプトマニアの治療というのは、単に医療機関で治療を受けるということに限りません。

生活訓練などを指導してもらえる支援団体への入所や、自助グループへの参加をする方も多いです。

たとえば、貧困から万引きを繰り返している人のケースでは、福祉につないで解決を図ることもあります。

被疑者・被告人がホームレスであれば、ホームレス支援団体と連絡を取ることもあるでしょう。

クレプトマニアの治療で弁護士のサポートは受けられる?

さきほど述べたような自助グループや、支援団体について、刑事事件をよくあつかう弁護士であれば、紹介することも可能です。

窃盗事件のご相談をうけた時点で、その後の刑事事件の弁護活動を平行して、クレプトマニアの治療を受けていただくこともあります。

逮捕されて身柄を拘束されているときでも、治療ができるケースもあります。

「窃盗をくり返してしまう。もしかしたらクレプトマニアかも。」というご不安についても、弁護士までお聞かせください。

クレプトマニアでは無罪にならない?

クレプトマニアは無罪になる?むしろ実刑?

クレプトマニアというだけで、無罪になる可能性は低いです。

一般的にいえば、初犯よりも2回目、2回目よりも3回目と、罪を繰り返すことによって刑が重くなっていくのが通常です。

クレプトマニアの方についても、具体的な事情にもよりますが、窃盗をくり返していることに変わりありません。

初犯は不起訴処分を獲得できても、繰り返すうちに、罰金、執行猶予付きの懲役というように、だんだんと刑罰は重くなっていき、しまいには実刑になる可能性もあるでしょう。

万引きの被害にあった被害店舗との示談、被害弁償、クレプトマニアの治療や自助グループへの参加などの対策を早期におこなう必要があります。

あらゆる方面からの対策をとることで、できる限り、刑事処分を減軽する可能性を高めることが重要になります。

クレプトマニアは無罪にならず、累犯で重くなる?

犯罪を繰り返している場合は、「累犯」(条文では、「再犯」と表現されています。)に該当することがあります。

岡野タケシ弁護士
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累犯については、刑法56条、57条、59条に定められています。

累犯になると、懲役刑の上限が2倍になります

もともと、窃盗罪の刑罰は「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」です。

ですが、累犯になると懲役が「20年以下」の範囲で言い渡されることになります。

(再犯)第五十六条 

1 懲役に処せられた者がその執行を終わった日又はその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときは、再犯とする。

2 懲役に当たる罪と同質の罪により死刑に処せられた者がその執行の免除を得た日又は減刑により懲役に減軽されてその執行を終わった日若しくはその執行の免除を得た日から五年以内に更に罪を犯した場合において、その者を有期懲役に処するときも、前項と同様とする。

3 併合罪について処断された者が、その併合罪のうちに懲役に処すべき罪があったのに、その罪が最も重い罪でなかったため懲役に処せられなかったものであるときは、再犯に関する規定の適用については、懲役に処せられたものとみなす。

(再犯加重)第五十七条 

再犯の刑は、その罪について定めた懲役の長期の二倍以下とする

(三犯以上の累犯)第五十九条 
三犯以上の者についても、再犯の例による。

刑法56条、57条、59条

クレプトマニアは無罪にならず、常習犯で重くなる?

クレプトマニアの方が窃盗を繰り返すと、「常習累犯窃盗」に該当する可能性もあります。

常習累犯窃盗の刑罰は、3年以上の有期懲役(3年~20年以内)です。

クレプトマニアの無罪に関係する「責任能力」とは?(応用編)

精神疾患がある方の場合は無罪になるケースもあり得ますが、クレプトマニアの場合は無罪になるのは難しい傾向があります。

なぜ、無罪になる可能性が低いのでしょうか。

窃盗罪が成立するには、以下のような成立要件が満たされる必要があります。

窃盗罪の成立要件

  1. 窃盗行為が実質的にも違法であること(違法性)
  2. 窃盗の犯人に刑法上の責任が認められること(責任能力)

クレプトマニアの方については、2番目の「責任能力がないので無罪になる」という主張も考えられます。

クレプトマニアであることを理由に、裁判官に責任能力が欠如していると判断すれば無罪になりうるということです。

ですが、実際のところは、クレプトマニアの症状としては重度の精神疾患に至らない場合が多く、責任能力がないと判断してもらえる例はまれです。

つまり、クレプトマニアは無罪になる可能性が低い傾向があるのです。

クレプトマニアと心神喪失

「責任能力が無い。だから無罪である。」と判断してもらうためには、「心神喪失」であったと判断してもらうことが必要になります。

(心神喪失及び心神耗弱)第三十九条 

1 心神喪失者の行為は、罰しない。

刑法39条1項

こちらの刑法の条文では、「心神喪失者の行為は、罰しない。」と書かれています。

つまり、心神喪失者であれば無罪になるということです。

心神喪失者に該当する方は、①弁識能力が無い方(是非善悪を全く判断できない人)、または②制限能力が無い方(弁識能力はあっても、判断したとおりに行動できない人)です。

心神喪失者に該当する方の具体例としては、麻薬中毒、認知症、重度の精神障害、アルコールによる酩酊などの場合があげられます。

クレプトマニアの方の場合、「窃盗は悪いことである」「窃盗は犯罪である」というような認識をされている方が大半です。そのため、①弁識能力が無いとは言えません。

また、②制限能力についても、「万引きをする際、店員さんに見つからないようにコソコソしながら盗っている」という状態であれば、制限能力がまったく無いという状態ともいえず、「心神喪失」には該当しないでしょう。

クレプトマニアと心神耗弱

責任能力が問題になるケースとして、心神喪失のほかに「心神耗弱」というのもあります。

(心神喪失及び心神耗弱)第三十九条 

2 心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する。

刑法39条2項

心神耗弱に該当すると、刑罰を軽くしてもらえます。

心神耗弱に該当するには、①弁識能力が「著しく低い」、または②制限能力が「著しく低い」と判断してもらう必要があります。

クレプトマニア(窃盗症)に罹患していた場合でも、クレプトマニアであるということだけで、ただちに心神耗弱であると判断される可能性は低いでしょう。

窃盗をしてしまった当時の状況、実際のクレプトマニアの症状など、具体的な事情をみて、弁識能力や制御能力が「著しく減退」しているかどうかが判断されるものでしょう。

小括

クレプトマニアに罹患していても無罪になるのが難しいという理由は、以下のとおりに集約できます。

クレプトマニアだけでは無罪になりにくい理由

  • 心神喪失者(刑法39条1項)と認定されるには、弁識能力・行動制御能力の「欠如」が認められる必要がある。クレプトマニアには、それらの能力が欠如しているとは考えられないことが多い。したがって心神喪失には該当せず、「罰しない」という規定の適用されないことも多い。
  • 心神耗弱者(刑法39条2項)と認定されるには、弁識能力と行動制御能力の「著しい減退」が認められる必要がある。だが、クレプトマニアには、それらの能力の「著しい減退」が認められないことも多い。したがって心神耗弱に該当せず、刑罰が減軽されないことも多い。
  • 責任能力の有無は、窃盗をした当時の状況、実際の症状など具体的な事情から判断される傾向がある。

クレプトマニアの裁判例

クレプトマニアが考慮された裁判例

最後に、クレプトマニアの裁判事例をいくつかご紹介します。

クレプトマニアが考慮されるかどうかは、個別の事案によります。事案によっては、クレプトマニアであることも考慮されて、刑罰が軽くなる、(実刑にならずに)執行猶予がつくということもあります。

たとえば、クレプトマニアであることが有利に考慮された事案としては、以下のような裁判例があります。

  • 東京高等裁判所令和2年2月26日判決(実刑回避・執行猶予)

もともと、重度の摂食障害、およびそれに密接に関連した窃盗症があった。

この事案では、①被告人が万引きをした商品が異常に大量な食料であったこと、②レジの真横や正面の売り場でも万引きをしており、その際、周囲の様子をさほど警戒していなかったことが着目された。これらのことから、被告人は、窃盗症の衝動を制御することが困難であったと認定された。

改善更生を図るために、親の協力のもとで治療を継続する機会を確保する必要もあるので、刑務所に収容されると、治療の機会が確保できないという不都合があった。そうしたところ、実刑判決でははなく執行猶予付き判決が言い渡された。

クレプトマニア、とくに複数回くりかえしている場合、無罪になることは難しい傾向があります。

ですが、クレプトマニアの実際の症状によっては、刑罰が軽くなることもあるようです。

  • 青森簡易裁判所平成30年6月1日判決(実刑回避・執行猶予)

保釈後、被告人はクレプトマニアの診断をうけた。

判決では、弁識能力や制限能力が著しく減退しているとはいえないが、①クレプトマニアの診断をうけた後は、入院治療に取り組んだこと、②その結果、一定の治療効果があったこと、③今後も治療を継続できる環境が整備されていること等から更生の可能性があること、④治療や再犯防止のために今後は家族が同居すること、⑤被害弁償が済んでおり、示談が成立していること等の事情について、総合的に考慮された。その結果、執行猶予つき判決が言い渡された。

クレプトマニアで無罪にはなりませんでしたが、執行猶予がつきました。

クレプトマニアの治療に真摯に取り組んでいたこと、家族の協力が得られること、被害弁償、示談などの事情が考慮される傾向があります。

クレプトマニアが考慮されなかった裁判例

クレプトマニアが考慮されなかった事案もあります。

  • 東京高等裁判所平成30年11月2日判決(実刑)

被告人は、クレプトマニアの診断を受けていた。

再度の執行猶予をつける事情として、クレプトマニア(窃盗症)等の診断を考慮してもらえるのか問題になった事案。

この事案では、「仮に、万引きの時点では、クレプトマニア(窃盗症)などの症状が原因で、自ら思い留まることが容易でない精神状態にあったとしても、万引きの犯行に至るまでの行動は主体的な意思にもとづくものであるため、クレプトマニア等の事情は考慮できない」というように判断された。結果として、実刑判決がだされた。

クレプトマニアで無罪になりませんでした。犯行中の様子なども考慮されて、刑罰の内容が判断されているようです。

  • 大阪高等裁判所平成26年7月8日判決(実刑)

クレプトマニアの治療継続中。

スーパーマーケットで食料品を万引きした事案。被害品は合計93点、販売価格は3万円以上(多数多額で犯情悪質)。

約9年間にわたり前歴は3回。ほかに、過去2回、執行猶予付きの有罪判決がだされている。

清算済みであるかのようにふるまう、警備員から声をかけられれば代金を支払うと申し出るなどの様子から、クレプトマニアの影響はごく軽微であると判断され、クレプトマニアは犯情にさほど影響しないと結論づけられた。結果として実刑判決となった。

万引きをしてしまった方は、クレプトマニアの診断基準に該当し、医師から診断をうけ、犯行後には自助グループに参加したり、治療を継続する意思もありました。

そのため、裁判所は、病気と真摯に向き合っている事実については一般情状として肯定はしています。

しかし、無罪判決や執行猶予付き判決は出されませんでした。

この事案では、過去の複数の前科前歴、万引きのやり方、万引きが見つかった時の様子等が考慮された結果、実刑判決になりました。

岡野タケシ弁護士
岡野タケシ
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クレプトマニアの治療を視野にいれた刑事弁護の方針について、早期に対策をたてていきましょう。

ご自身やご家族の今後の刑事処分がご不安な方は、アトム法律事務所へ相談して下さい。

クレプトマニアに強い弁護士に相談

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クレプトマニアで何度も窃盗をくり返している方、クレプトマニアに特化した弁護活動を受けたい方。
まずは力になってくれる弁護士を探す必要があります。

クレプトマニアであることの診断をうけ、治療に取り組む一方で、被害者・被害店舗の方への弁償や示談を進めることも重要です。

数多くの万引き事件を担当したことがある弁護士事務所であれば、手順を踏んできちんと弁護活動をおこなってくれそうですよね。

アトム法律事務所は、刑事事件に注力する弁護士事務所として発足しました。

解決実績の数に裏打ちされた実力で、実直な弁護活動をおこなっています。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了