好きな人ができた。子ありでも離婚できる?不貞行為なしでも慰謝料?

結婚生活を続けている中で、配偶者以外に心を惹かれる人ができてしまった——そんなとき、「好きな人ができただけで離婚できるのか」「不貞行為はしていないけど、慰謝料を請求されてしまうのでは」と悩む方は少なくありません。
日本の離婚制度では、好きな人ができたという理由であっても、配偶者の同意があれば離婚することができます。一方、同意が得られず裁判で離婚するためには法律で定められた理由が必要で、単に「好きな人ができた」というだけでは裁判離婚の理由として認められません。
この記事では、好きな人ができた場合に離婚できるケースとできないケース、不貞行為がなくても慰謝料が発生するケース、子どもがいる場合の影響と注意点、そして円満に離婚する方法について詳しく解説します。
法的には離婚が可能なケースでも、あとから後悔することのないようしっかりと検討してから離婚することをおすすめします。離婚条件や離婚の話し合いに関するお悩みはぜひ弁護士にご相談ください。
目次
「好きな人ができた」という理由で離婚できる?
離婚できるケース
配偶者がいるのに好きな人ができてしまったら、配偶者の不倫やDVなどの理由がなくても離婚できるのか疑問に感じるでしょう。
配偶者が離婚に同意するのであれば、好きな人ができたという理由で離婚することができます。
日本では、離婚の方法は大きく分けて以下の3種類があります。
- 協議離婚:夫婦が話し合いで合意して離婚する方法
- 調停離婚:話し合いで折り合いがつかない場合、裁判所の介入のもと話し合う方法
- 裁判離婚:調停でも折り合いがつかない場合、裁判官に判断してもらう方法
これらのうち、協議離婚と調停離婚は、理由は何であれ、夫婦双方が離婚に同意すれば離婚することができます。

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離婚できないケース
一方、協議でも調停でも配偶者が離婚に応じなかった場合は、離婚裁判を起こして裁判官の判断を仰ぐことになります。裁判離婚では、民法に定める4つの離婚理由のいずれかがなければ離婚が認められません。
法定離婚事由
- 配偶者の不貞行為があったとき
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき
- 配偶者が3年以上、生死不明であるとき
- その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
このように、自分に好きな人ができたというだけでは法定離婚事由を満たさないため、裁判での離婚は認められません。
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好きな人ができた=不貞行為?慰謝料請求される?
自分の不貞行為が原因で離婚することになった場合は、配偶者から離婚慰謝料を請求される可能性があります。では、好きな人ができたという理由で離婚するときも、慰謝料を支払わなければいけないのでしょうか。
まず最初に知っておきたいのは、「好きな人ができた」という気持ちと、離婚や慰謝料に関係する「不貞行為」とは、法的に異なるということです。
民法上の不貞行為と「好きな人」の違いは?
民法上の「不貞行為」とは、一般的に配偶者以外の者と性的関係を持つことを指します。裁判例では、性交渉だけでなく性交類似行為が不貞行為に当たると判断される場合もあります。
一方で、単に好意を抱いたり、頻繁に連絡を取ったり、食事に行ったりするだけでは、通常は不貞行為には当たりません。
単なる好意や交流のみで直ちに慰謝料請求が認められるわけではありませんが、交際の実態や夫婦関係への影響によっては、不法行為として慰謝料請求が認められるケースがあります。
たとえ性交渉が認められない場合でも、頻繁な連絡のやり取りや親密なデート、宿泊を伴う交流などがあれば、夫婦関係の平穏を害する行為と評価され、慰謝料請求の対象となる可能性があります。
好きな人ができて慰謝料が発生する可能性のあるケース
好きな人との間に肉体関係はなかったとしても、相手との関係性や自身の言動によって配偶者が精神的苦痛を受けた場合や、それによって夫婦関係が破綻した場合は、慰謝料を請求される可能性があります。
肉体関係がなくても慰謝料請求が認められたケースについては、『不貞行為がなくても慰謝料請求できる?精神的苦痛の慰謝料相場』で詳しく解説しています。
子どもがいても離婚していい?話し合うべき内容は?
子どもがいても「好きな人ができた」という理由で離婚してよいのか?
子どもがいる方は、子どもの気持ちや今後の生活のことを考えて、本当に離婚してよいのか判断した方がよいでしょう。
将来のことについて深く考えずその時の感情だけで離婚を決めてしまった場合、後悔につながるケースも多いです。
親の離婚が子どもに与える影響
- 離婚後の経済状況・生活環境の悪化
- 両親の揃った環境で過ごせないことの情緒面への影響
- 「浮気で離婚した親」というレッテル
- 再婚した時の子どもへの影響・再婚相手との関係
離婚を決める前に、これら子どもに対する影響と、好きな人と一緒になることのメリットをよく比べてみることをおすすめします。
子あり夫婦が離婚時に話し合うべき内容
子どもがいる夫婦が離婚を決めた場合、話し合わなければならない事項は多岐にわたります。
(1)親権者・監護者
2026年4月施行の民法改正により、協議離婚では父母どちらか一方(単独親権)とするか、父母双方(共同親権)とするかを選べるようになりました。
協議がまとまらない場合は家庭裁判所が判断しますが、DVや虐待のおそれがある場合は必ず単独親権となります。
いずれの場合も、子どもの年齢や生活環境、各親の育児状況などを総合的に考慮して決めることになります。
(2)養育費の取り決め
子どもの生活費や教育費を、どちらがどの程度負担するかを決めます。
取り決めた内容は強制執行認諾約款付きの公正証書にしておくと、支払いが滞った場合に裁判を経ずに差し押さえが可能になります。
法改正により父母間の合意文書があれば子1人あたり月額8万円を上限として給与などを差し押さえられる制度(先取特権)も新設されました。離婚時に養育費の取り決めをしていない場合でも、暫定的に月額2万円を請求できる「法定養育費」の制度を利用できます。
(3)面会交流のルール
子どもと離れて暮らす親が会う頻度・方法・場所などを、できるだけ具体的に決めておきましょう。子どもの心情や負担にも十分配慮した取り決めが求められます。
子どもを巻き込む離婚は、精神的な負担が大きくなりがちです。できるだけ両親が協力して、子どもの今後の生活を一緒に考えていきましょう。
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好きな人ができたときにスムーズに離婚するには?
好きな人ができたと伝えるべき?離婚の話し合いのポイント
「好きな人ができたから離婚してください」と配偶者に伝えても、納得してくれるケースは少ないでしょう。むしろ相手の怒りや混乱を招き、離婚しづらくなるかもしれません。
好きな人ができたときにスムーズに離婚に応じてもらうためには、以下の点に気を付けてみてください。
- 話し合いのタイミングを慎重に選ぶ
- 離婚の理由を「好きな人ができた」と正直に伝えるのではなく、「気持ちがすれ違っている」「関係を見直したい」など、配慮ある言葉で伝える
- 好きな人の具体的な情報はできるだけ控える(逆効果になる可能性あり)
- 離婚後の生活設計や子どもへの配慮を丁寧に伝える
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・離婚の話し合いで気をつける6つのポイントと進まないときの対処法
相手が離婚に応じてくれない場合はどうする?
当事者同士で話し合っても相手が離婚に応じてくれない場合は、以下の対処法を検討してください。
- 弁護士などの第三者を挟んで話し合う
- 離婚調停を申し立てる
- 離婚裁判を申し立てる
このときに避けた方がよいのは、離婚の成立を待たずに好きな人と性行為に及んだり、黙って家を出て好きな人と同棲したりすることです。これをすると、自分が有責配偶者の立場になってしまいます。
有責配偶者からの離婚請求は裁判では非常に認められづらいため、ますます離婚できなくなってしまいます。
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まとめ|好きな人ができて離婚したいなら
- 好きな人ができたという理由でも配偶者の同意があれば離婚は可能だが、法定離婚事由に該当しないため裁判離婚は難しい
- 「好きな人ができた」だけでは法的な不貞行為にあたらないため、一般的には慰謝料請求の対象とならないが、関係性や言動によっては請求される可能性もある
- 子どもがいる場合は慎重な検討が必要
- 円満な離婚のためには、伝え方やタイミングに配慮し、第三者を交えた話し合いも検討する
「好きな人ができた」という理由での離婚は、相手に納得してもらうのが難しく泥沼化してしまうケースも多いです。離婚交渉や離婚条件に関するご不安は弁護士にご相談ください。

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律税務グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
