第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
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窃盗(万引き)で逮捕されても刑務所に入ることはない?
- 窃盗罪は刑務所行きになる?
- 窃盗の刑罰とは?
- 弁護士に依頼すれば窃盗したとしても不起訴になる?
窃盗罪(万引き・置き引きなど)の刑事罰は10年以下の懲役刑、または50万円以下の罰金です。
もしも窃盗罪で捕まってしまった場合、懲役刑になって刑務所に行くことが不安になるかもしれません。
この記事では、窃盗罪で刑務所に行くのはどのような場合なのか、そして刑務所に行くのを防ぐ方法はあるのかについて解説していきます。
ご本人だけでなく、ご家族が窃盗で逮捕されてしまい不安という方もこの記事をご確認ください。
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窃盗罪で刑務所に入る基準とは?窃盗罪の刑罰
万引きや置き引きも窃盗罪?窃盗罪の刑罰はどう決まる?
窃盗罪とは、他人のお金や物を持ち去る行為です。具体的には、以下のような行為が窃盗罪になります。
- 店の商品を、お金を支払わずに店外に持ちだす行為(万引き)
- 店内に落ちていた財布からお金を抜き取る行為(置き引き)
- 電車で隣に座った人のポケットから財布を抜き取る行為
- 振り込め詐欺に協力し、ATMからお金を引き出す行為
これらは全て窃盗罪にあたる行為ですが、刑罰も同一というわけではありません。
窃盗罪の刑事罰は『10年以下の懲役または50万円以下の罰金』です。
同じ窃盗罪でも事件の内容などによって科される刑の種類や重さが変わるのです。
初犯の窃盗罪は不起訴で刑が科されないこともある?
実務上、窃盗罪の初犯(初めて警察に捕まったということ)の場合、そもそも裁判をしない『不起訴処分』になることもあります。
不起訴処分となれば裁判が開廷されず、前科がつくことはありません。当然、刑務所にも行かなくて済みます。
不起訴になった後は、警察や検察の取調べも終わり日常生活に戻れます。
不起訴となった場合に前科はつきませんが、警察や検察に取り調べられたという『前歴』は残ります。
前歴があると、次回以降窃盗罪を犯した場合、厳しく処罰される傾向があります。
なお、初犯であっても被害額が大きかったり組織的な犯罪に関わっていたような場合、反省の態度が見られないような場合は、刑務所に行く可能性もあるので注意が必要です。
再犯の窃盗罪でも罰金・執行猶予となる?刑務所に行くことになる?
窃盗した金額が大きかったり、窃盗罪での再犯を繰り返すと、『起訴』されて裁判になることがあります。
ただ、たとえ起訴されたとしてもいきなり刑務所に行くことになるケースは稀です。窃盗罪の場合、多くは略式起訴で罰金刑となります。
略式起訴は簡易裁判所の管轄する事件において、被疑者の同意の元、100万円以下の罰金刑を科すときに採用される手続きです。
通常の裁判のイメージとは異なり、裁判官が書面を見るだけですぐに罪状を決定します。検察官と弁護士が法廷で意見を戦わせるといったことはありません。
通常の裁判に比べて非常に短期間で終わるのが特徴です。特に逮捕・勾留されている事件については、起訴されたその日のうちに判決まで言い渡され、即日釈放されます。
より悪質な窃盗を行った場合、略式ではない通常の起訴をされるケースもあります。
通常の起訴では、公開の法廷において実際に裁判官・検察官・被告人(犯人)やその代理人弁護士による裁判が行われます。
ただその場合であっても、いきなり実刑とはならず、罰金刑や執行猶予付き判決が下されるケースが多いです。
執行猶予判決とは、懲役刑が科されるものの、一定期間(1年から5年)の間、刑事事件を起こさずに過ごせば、その刑が免除されるというものです。
執行猶予判決を受けることができれば、刑務所に収監されず、日常生活に復帰することができます。
刑務所に行く可能性のある窃盗事件とは?
窃盗罪で刑務所にいく(懲役刑が科される)ような刑事事件の例としては、以下のようなものがあります。
- 万引きを何度も繰り返し、前科が複数ある場合
- 窃盗等の執行猶予中に再び窃盗をした場合
- 奪った金額が数百万円など高額で、賠償や示談をしていない場合
- 振り込め詐欺の出し子を何件もしている場合
このように犯人が反省していないと考えられる事件や、盗んだ金額が高額で被害の補償もできていないような場合は、刑務所に入る可能性が十分にあります。
特に執行猶予中に窃盗をしてしまうと、特殊な事情の無い限り、再び執行猶予がつくことはありません。
その場合、再犯防止のための環境を十分に整えたことを主張して執行猶予を狙ったり、いかに刑務所に行く期間を短くするかに重点を置いた弁護活動を行います。
窃盗罪で刑務所に入るまでの流れとは?逮捕された場合・逮捕されなかった場合
逮捕されてから起訴されるまでの期間は?
窃盗罪で逮捕されると、その後起訴されるまで最大で23日にわたり身体拘束が継続されます。
逮捕後、48時間以内に警察は検察官に事件を送致します。送致というのは事件を送り共有する手続きのことで、以降は警察官と検察官が共同で事件を捜査します。
検察官は身体拘束の必要があるかどうかを調べ、必要があると判断した場合には送致から24時間以内に勾留請求を行います。
その後は、裁判官が改めて勾留の必要性を審理して、必要がある場合には勾留が行われます。
勾留が決定されると、起訴されるまで最大で20日間、警察署内の留置場に拘束され、外に出ることができなくなるのです。
逮捕・勾留が行われるのは実務上、「逃亡のおそれ」「証拠隠滅のおそれ」のいずれかが認められる場合です。
これらのおそれが認められないと判断された場合には、在宅事件として身体拘束されずに刑事事件の手続きが進みます。
具体的には、犯罪が軽微であったり、家族と同居しているなど身元がしっかりしていたりした場合には、逮捕・勾留されるおそれは少なくなります。
窃盗罪で逮捕・勾留されないときの流れは?
窃盗が見つかって警察に連れていかれても、少し取調べをしたり調書を書かされたりしてからそのまま家に帰されることもあります。
また一度逮捕されても、その後勾留されずに釈放されたりするケースもあります。
いずれにせよ逮捕・勾留が行われなかった場合には、在宅事件として日常生活を送りながら刑事手続きが進むことになります。
在宅事件では、時折警察や検察に呼び出され、捜査に協力することになります。
逮捕・勾留された事件では起訴されるまで逮捕後23日以内という時間制限が設けられていますが、在宅事件の場合、そのような制限はありません。
検察官による起訴・不起訴の判断まで窃盗事件の発覚から数か月ほどかかるのが通常で、場合によっては年単位で待たされることになる場合もあります。
窃盗罪で起訴されたあとの流れとは?
逮捕・勾留された事件の場合
まず逮捕・勾留された事件の場合、略式起訴では先述の通り起訴日に裁判所にまで連れていかれ、判決を受け、罰金の金額と納付の期限を伝えられた後、釈放されます。
罰金を納付すればそこで手続き終了となります。
正式に起訴された場合、身柄を拘置所に移送されます。拘置所というのは起訴後、正式に刑が科されるまで被告人の身柄を拘束するための施設です。
その後は身体拘束が継続されたまま、裁判が開廷される日に裁判所に赴いて裁判を受けることになります。
そして判決言い渡しの日に執行猶予無しの懲役刑を言い渡された場合、そのまま刑務所に移送されることになります。
起訴後の身体拘束に対しては、申請をし、保釈金を裁判所に納めることで保釈許可が出ることもあります。
保釈許可が出た場合は家に戻ることができ、その後は日常生活を送りながら裁判開廷の日にそれぞれ出頭し裁判を受けることになります。
なお裁判までの期間中に証拠を隠滅しようとしたり、無断で3日以上外泊したり、裁判に出なかったり、保釈の条件に違反するようなことをすると保釈金を没取(没収)されてしまいます。
在宅事件の場合
在宅事件では、まず略式起訴の場合、検察官から略式起訴に同意するかどうかを問い合わせる書面が家に届きます。
これに同意した後、今度は裁判所から罰金の納付に関する書面が届き、これに従って罰金を納めればそこで手続き終了となります。
正式起訴の場合、日常生活を送りながら裁判が行われる日には裁判所に出頭し、裁判を受けることになります。
仮に実刑判決が言い渡され、刑が確定すれば、そのまま刑務所に収監されます。
窃盗罪で刑務所に入るのを防ぐには弁護士に相談すべき?
窃盗罪で前科を付けずに済む方法はある?
窃盗罪で刑務所に行く可能性を下げるための一番の方法は、被害者と示談をすることです。
示談とは、当事者同士の話し合いによって和解する手続きのことです。
一般的には、加害者は被害者の方に示談金を支払い、被害者は「刑事処罰を望まない」ということを明示して、双方が示談書に署名押印します。
特に「刑事処分を望まない」という文言を示談書に盛り込むことは重要です。
この文言があることで、起訴・不起訴を決定する検察官も「被害者が望まないのなら」と考え、不起訴の決定がされやすくなります。
不起訴になれば裁判は開廷されず、前科もつきません。
示談をしても窃盗事件の重大さを鑑みて、起訴されてしまうこともあります。
ですがその場合でも、被害者に謝罪の意を示し、ある程度の賠償をしたということが、刑罰の点で有利にはたらきやすいです。
窃盗の示談交渉を弁護士に任せた方がいい理由とは?
窃盗の示談やその交渉は、弁護士に依頼するべきです。
弁護士を通さずに示談をするのは、相手方の連絡先の入手の面、また適切に示談を締結するという面から非常に難しいです。
まず、窃盗事件の加害者の方が被害者の方と連絡を取るのは難しいです。
窃盗の被害者の方は謝罪したい・示談したいと犯人から申し込まれたとしても、お金や財物を盗まれたという怒りや、個人情報を知られたくないという不安から連絡先を教えない傾向にあります。
弁護士を通じ、謝罪や賠償をしたい旨、被害者の個人情報は加害者に伝えないという旨を伝えれば、捜査機関を通じ連絡先を教えてもらえる可能性が高まります。
万引きなど被害者が店舗や会社の場合、そもそも最初から謝罪も賠償も一切受け付けていない、と言われることも多いです。
その場合でも弁護士が間に入ることで、店舗代表者への謝罪を行ったりすることができる可能性が高まります。
また示談はただ交わすだけでは意味がなく、適切な文言や条項を入れなければ、かえって不利に働いてしまうこともあります。
具体的には宥恕や、清算条項、秘密保持条項などですが、弁護士に依頼すれば蓄積されたノウハウから、適切な示談書をすぐに用意することができます。
特に逮捕されているような場合、検察官は通常、逮捕から23日以内に起訴・不起訴の判断を下します。
検察官が起訴の判断をした後で不起訴に変更してもらうことはできないので、手遅れになる前に迅速に示談を結ぶ必要があります。
迅速に書面や振込の用意ができるという意味でも、弁護士を通すメリットは大きいです。
クレプトマニアの再犯でも刑務所に行かなくて済む?
万引きを何度も繰り返してしまう人には、クレプトマニア(窃盗症)などの精神的な疾患を持っている人も少なくありません。
残念ながら、クレプトマニアの方は窃盗の再犯を繰り返し、反省が認められないとして刑務所に行ってしまうこともあります。
もしも窃盗で刑務所に行くのが不安ならば、弁護士に相談し、クレプトマニアを治療する施設などの紹介を受けて、通院するといいでしょう。通院の記録は更生可能性を示す証拠として有効です。
これら証拠を弁護士が提示すれば、窃盗事件を反省し更生する努力をしているとして、刑務所に行く可能性が低くなります。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
窃盗罪の刑罰は、以下のような要素で決まります。
犯行が悪質であればあるほど懲役刑が選択される可能性が高まり、また量刑が重くなります。