第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
アトムは夜間土日も受け付けの相談窓口で刑事事件のお悩みにスピーディーに対応いたします。
性的暴行とは?意味や具体例、罪に問われる内容を解説

性的暴行とは、「相手の同意がない、あらゆる性的な行為」のことです。
性的暴行は法律として存在するわけではありませんが、2023年には性犯罪に関する刑法が大きく改正され、性的暴行の被害に遭われた方がより守られるようになりました。
この記事では、性的暴行の意味やどこまでが性的暴行にあたるのか、性的暴行の罪などを解説します。
目次
性的暴行とは?
性的暴行とは、ひと言でいえば相手の同意がない、あらゆる性的な行為全般のことです。
殴られたり、脅されたりしていなくても、相手が「嫌だ」と思っているのに行われた性的な行為は、すべて性的暴行にあたる可能性があります。
性的暴行に関連する法改正の重要点
2023年7月13日から、性犯罪に関する刑法が大きく変わりました。内容としては「同意のない性的な行為は犯罪である」ということが、法律でよりハッキリと示された点です。
これまでの法律では、罪を問うために「暴行や脅迫があって、抵抗するのが著しく難しかったこと」を被害者側が証明する必要があり、大きなハードルとなっていました。
しかし、新しい法律では、被害者が「同意しない」という意思を伝えたり、抵抗したりするのが難しい状況を具体的に8つ挙げて、これらに乗じて性的な行為をすれば犯罪になると定めたのです。
同意が難しい状況の具体例
- 暴行・脅迫
- 心や身体の障害
- アルコール・薬物の影響
- 睡眠や意識がはっきりしない状態
- 恐怖や驚きで、どうしていいか分からなくなっている状態(恐怖・驚愕)
- 虐待を受けているなどの上下関係の利用
- 先生や上司といった地位の利用
- 場所や時間のせいで断るのが難しい状況
この改正によって、「怖くて声が出せなかった」「パニックで体が動かなかった」といった状況でも、加害者の罪が問われやすくなりました。
性的虐待や性加害とは若干意味が異なる
性的暴行と似た言葉に、性的虐待や性加害などがありますこれらは重なる部分もありますが、使われる文脈やニュアンスが少し異なります。
性的暴行の類義語
- 性的暴行
同意のない性的な行為全般を指す広い言葉。
特に、刑法上の犯罪行為を指す文脈で使われることが多い。 - 性的虐待
親子など、継続的な関係性の中で行われる性的行為を指す。 - 性加害
加害者の行為そのものに焦点を当てた言葉。
被害者の性的な自己決定権を侵害する行為全般を指す。
性加害も、法令上の明確な定義はありませんが、近年のガイドライン等では「本人の意に反した性的な言動」を広く含む概念として用いられています。
犯罪に該当するものだけでなく、犯罪に該当しない場合でも、被害者が「嫌だ」と伝えた場合や、断れない・逃げられない・応じざるを得ない状況で行われる性的な言動も性加害に含まれます。
身体的接触を伴わないわいせつな言動、性器の露出、ポルノや性行為を見せる、のぞき・盗撮なども含まれ、性暴力の未然防止の観点からも広く捉えられています。
どこまでが性的暴行になる?
冒頭で述べた通り、性的暴行には法的な定義が存在しない一般表現です。そのため、人によって解釈が異なることもありますが、共通点となるのは「相手が心から同意していたかどうか」です。
具体的な行為
性的暴行の具体例には以下のようなものが挙げられます。
性的暴行の具体例
- 相手が望まないのに、体を触られる、キスをする
- 同意なく性交やそれに類する行為
- 無理やり服を脱がす、わいせつな写真を撮る
- 地位や関係性を利用して、性的な行為を断れない状況に追い込む
- 酔っぱらっている、眠っているなど、抵抗できない状態で性的な行為をする
法律で言えば、不同意性交等罪や不同意わいせつ罪は性的暴行の一種です。ただし、前述した2つの罪でなくとも、性的暴行とされる行為はあります。
未成年に対しては、刑法の不同意性交等罪・不同意わいせつ罪に該当しない場合でも、心身に有害な影響を与える性的行為そのものが児童生徒性暴力等として別途規制されており、性的暴行の一種となります。
性的暴行になりにくい行為
性的暴行に当てはまらないケースとして、以下のものが挙げられます。
性的暴行に当てはまらない例
- 言葉によるセクハラ
- 陰部の露出(公然わいせつ)
- ストーカーなどのつきまとい
- 盗撮やのぞき
程度によっては相手を精神的に傷つけたりする「精神に対する暴行」と言える可能性もありますが、物理的な攻撃を伴わない行為は暴行とされないことが多いです。
ただし、例で挙げたものそれぞれが別の犯罪として罰せられます。ここでの区別は、あくまで性的暴行における分類の違いです。
性的暴行の罪は?
性的暴行は主に「不同意性交等罪」「不同意わいせつ罪」の2つの犯罪に問われます。
| 不同意性交等罪 | 不同意わいせつ罪 | |
|---|---|---|
| 行為 | 同意がない状況で、性交、肛門性交、口腔性交などを行うこと。 | 同意がない状況で、性交等以外のわいせつな行為(体を触るなど)をすること。 |
| 刑罰 | 5年以上の有期拘禁刑 | 6月以上10年以下の拘禁刑 |
性的暴行で逮捕されたら?

性的暴行によって逮捕された場合、まず警察署内の留置場に身柄を拘束されます。
その後、警察・検察による捜査を受けるケースが一般的で、逮捕から事件が起訴されるかどうか決まるまで最大で23日間にもわたり身体拘束されるおそれがあります。
逮捕後被疑者が留置される場所は、基本的には警察署の留置場です。逮捕直後は、被疑者とご家族などの一般面会は認められておらず、弁護士に限って面会(接見)することができます。
面会は、弁護士に任せるのもポイントです。弁護士と面会すると、取り調べへの対応などについて、専門的なアドバイスをもらえるメリットもあります。
性的暴行で起訴された後の流れ
検察官に起訴されてしまった場合、刑事被告人となり引き続き身体拘束されたまま刑事裁判の期日を待つことになります。

一般的には留置場から拘置所に移送されます。場合によっては、裁判手続きが終わるまで数か月ものあいだ身体を拘束されることになるでしょう。
もっとも、刑事被告人になれば保釈という制度があります。弁護士に依頼するなどして、保釈請求の手続きをおこない、裁判官が保釈を許可したら、保釈金の納付と引き換えに、身柄が解放されます。

日本の刑事裁判において有罪となる割合は99%を超えており、検察官に起訴されればほぼ確実に有罪となってしまうのが現状です。
不同意性交等罪・不同意わいせつ罪には罰金刑がないため、執行猶予がつかなければ拘禁刑の実刑となります。
性犯罪は、近年厳罰化の傾向にあります。
起訴されず不起訴処分になるためには、被害者からの許しを得ることが非常に重要です。また、許しを得るまでには、まず当事者間での示談を成立させる必要があります。
性的暴行で示談するには?
性的暴行で示談するには実務上、弁護士への依頼が必要です。
捜査機関は原則として、被害者への配慮として、加害者に直接連絡先を教える事はありません。ただし、弁護士になら連絡先を教えるケースが多いため、交渉の余地が生まれます。
一方で、すでに連絡先を持っている場合でも、被害者が連絡を拒否したり、連絡がとれても、示談の条件(示談金、宥恕など)の交渉は、非常に難航することが予想されます。
示談交渉は相手方の心情への特別な配慮が必要になりますから、実務上は弁護士への依頼が必須といっても過言ではありません。
性的暴行の示談金の相場
性的暴行そのものが法律で定められているわけではないので、ここでは性的暴行の一種である「不同意性交等罪」と「不同意わいせつ罪」の相場を紹介します。
| 不同意性交等罪 | 不同意わいせつ罪 |
|---|---|
| 100万円 | 50万円 |
上記は「不同意性交等罪の示談金の相場」と「不同意わいせつの示談金の相場 」から引用しています。その他の統計データも載せているので、興味のある方はご覧ください。
相場はあくまで参考であり、行為の悪質性等によって示談金が大きく変わることもあります。
弁護士に示談を依頼することで、適切な金額で示談を行う期待ができるだけでなく、示談交渉を一任できるといったメリットがあります。
示談を目指す際は決して一人で抱え込まず、弁護士に相談してください。
アトムの弁護士が対応した性的暴行の解決事例
以下はアトムの弁護士が対応した性的暴行の解決事例です。示談が締結することも多いので、性的暴行でお悩みの方は一度ご相談ください。
不同意性交等罪(不起訴処分)
インターネットを通じて知り合った被害者女性に対し、共犯の男性と女性の同意なく性行為をしたとされたケース。不同意性交等罪の事案。
弁護活動の成果
依頼者の早期解決の希望により、被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。その結果、刑事事件化せず事件終了となった。
示談の有無
あり (100万円)
最終処分
不送致
不同意性交等罪・不同意わいせつ罪(不起訴処分)
自身が経営する会社の女性従業員数人に、飲み会の席で身体を触るなどし、さらに意識が混濁しているのに乗じて性交、または性交をしようとしたケース。不同意性交等罪と不同意わいせつ罪の事案。
弁護活動の成果
被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。刑事事件化することなく事件終了となった。
示談の有無
あり (60万円)
最終処分
不送致
性的暴行の悩みはアトム法律事務所にご相談ください。
近年、性犯罪の取締は厳しくなっており、性的暴行が警察に発覚すれば逮捕される可能性があります。
性的暴行事件を解決するには、被害者との早急な示談が重要です。
性犯罪の被害者は加害者との連絡を避ける傾向にあるでしょう。早急な示談を目指すなら、刑事事件解決のプロである弁護士に任せることをおすすめします。
被害者も弁護士を通しての連絡なら問題ないという方が多いため、まずは弁護士に相談してみてください。

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

