第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
アトムは夜間土日も受け付けの相談窓口で刑事事件のお悩みにスピーディーに対応いたします。
被害届を出されたら刑事事件になる?示談で取り下げは可能?
- 被害届とはどういうもの?
- 被害届を出されたら示談で取り下げてもらえる?
- 相手との示談で刑事事件化を防げる?
被害届が出されたら、警察による刑事事件の捜査が始まり、逮捕や起訴の可能性が生じます。
しかし、被害者との示談で、被害届の取り下げや不提出を約束してもらえる場合もあります。
トラブルなどが高じて、相手方から警察に被害届を出すことを伝えられてしまいお困りになっている方はいませんか?
この記事では被害届の意味や効果、刑事事件の流れ、警察沙汰になるのを防ぐ方法を解説します。
トラブルの相手から「警察に被害届を出す」と伝えられた方、被害届が出される不安がある方は、お早目に弁護士にご相談ください。
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目次
被害届とは?告訴や告発との違いは?
被害届とは?
被害届とは、犯罪の被害者が警察などの捜査機関に犯罪事実を申告するための届出です。
被害届は、警察が刑事事件の捜査を開始するきっかけとなる書面です。
出された被害届が受理される条件
被害届は、虚偽または著しく合理性を欠くものでなければ、原則即時受理されるべきだとする決まりがあります。
被害届を提出する警察署は、基本的には事件のあった地域ですが、それ以外であっても受理はされます。
警察官は、犯罪による被害の届出をする者があつたときは、その届出に係る事件が管轄区域の事件であるかどうかを問わず、これを受理しなければならない。
犯罪捜査規範61条1項
また、被害届は、原則として被害者本人の届出しか受理されません。被害届の書式に被害者本人が記入して提出することもあれば、警察官が代書することもあります(犯罪捜査規範61条2項)。
被害届が出されたら刑事事件は必ず立件される?
なお被害届はあくまでも捜査のきっかけにすぎず、被害届が受理されたからといって、必ず刑事事件として立件されるというわけではありません。
また実務上、たとえ刑事事件であったとしても民事事件としての側面が大きいような内容の事件については、被害届を受理しない警察署も多いです。
被害届と告訴の違いは?
告訴は、被害者やその法定代理人などが捜査機関に対し、犯罪事実を申告して処罰を求めることをいいます。告訴は被害の申告に加えて、被害者から加害者に対する処罰を望む意思表示にもなるものです。
告訴を書面化したものを告訴状といい、告訴状は単に被害「届」と違い、厳格に法律に規定されています。
被害届との最大の違いは、告訴状を受理した捜査機関には捜査義務が生じるという点です。
また、被害届には届出期限がありませんが、告訴は親告罪の場合に犯人を知った日から6か月という期限が設けられています。
告訴は被害者本人やその代理人が申告できます。
被害届と告発の違いは?
告発は告訴同様に被害者から加害者に対する処罰を望む意思表示を含むものです。
告発も告訴同様に被害者から加害者に対する処罰の意思が含まれ、受理すると捜査義務が生じます。
告訴は被害者本人やその代理人が申告しますが、告発の場合は「第三者」が申告します。
提出する人 | 捜査義務 | |
---|---|---|
被害届 | 原則本人 | 生じない |
告訴 | 被害者本人や代理人 | 生じる |
告発 | 第三者 | 生じる |
被害届を出されたら逮捕される?逮捕までの流れは?
被害届を出された場合に逮捕される可能性
被害届を出され、犯人として特定されれば逮捕にいたる可能性はあります。
捜査機関が被疑者を逮捕するためには逮捕要件を備えることが必要です。
逮捕の要件は以下になります。
実際に犯罪にあたる行為をしてしまっている場合、「逃亡のおそれ」「証拠隠滅のおそれ」が認められるかどうかというのが逮捕の要件となります。
犯罪の被疑者として警察沙汰になってしまっている方は、逮捕前に弁護士に相談することで今後の取り調べのアドバイスなどを受けることが可能です。
被害届が提出されたからといって、それのみを理由にただちに逮捕されることはありません。
被害届をきっかけとした刑事事件の場合、捜査機関としても裁判所に令状(逮捕状)発付請求するための証拠集めなど、一定の時間が必要になります。
被害届が出されてから逮捕までの流れ
被害届をきっかけとした刑事事件の場合、捜査機関はまず被害者の方から聞き取りするなどして加害者特定のための証拠集めを行います。
場合によっては加害者に任意出頭を求めて取調べを行う場合もあります。
そして逮捕が必要な事件だと捜査機関が判断した場合、裁判所に逮捕状の請求を行い、裁判官が逮捕の必要性を認めた場合には逮捕状が発布されます。
なお、逮捕の前段階としての任意出頭は任意のため、拒むこともできます。しかし、任意出頭を拒否し続けていると逃亡や証拠隠滅の可能性があると判断され、逮捕される可能性が高まります。
多くの場合、後日逮捕は早朝に警察官が自宅を訪れ、逮捕状を見せられてそのまま警察署まで連行されるという流れになります。
またこのとき、場合によっては家宅捜索が行われることもあります。
家宅捜索も令状をもとに行われ、自宅から証拠物が押収されます。
なお、逮捕後の流れについては『逮捕後の流れはどうなる?逮捕後の拘束期間は?早期釈放を実現するには?』で詳しく解説しているので、あわせてお読みください。
被害届が出されたが逮捕されない刑事事件
被害届が出された場合でも、逮捕されない刑事事件もあります。
逮捕はあくまで「逃亡のおそれ」「証拠隠滅のおそれ」が認められるときに行われる手続きです。
逃亡のおそれ、証拠隠滅のおそれがなければ、捜査機関は「在宅事件」として手続きを行っていきます。
仮に逮捕されなかったとしても、被害届が出されて犯人として特定された場合、在宅事件として捜査を受けて罪に問われる可能性は残っているのです。
在宅事件では、日常生活を送りながら適宜、警察署からの呼び出しに応じるなどして、取り調べを受けます。
その後、在宅起訴されて、刑事裁判で有罪判決を受ける可能性もあります。
被害届が出されずとも逮捕される刑事事件
被害届が出されなくても、逮捕される刑事事件はあります。
盗撮などでは、被害者が犯罪に巻き込まれていることに気づいていないこともあり、その場合、被害届は出されません。ですが、刑事事件の捜査が進み、逮捕されるケースはあります。
また、薬物事犯、公然わいせつ罪などは被害者がいない刑事事件といわれており、被害届の提出がなくても警察に逮捕されることがあります。
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被害届の取り下げは可能?取り下げの効果は?
被害届を取り下げる方法は?
刑事事件の被害届を取り下げるためには、被害者の方に、被害届の取り下げ書を作成してもらい、捜査機関に提出する必要があります。
加害者に弁護士がいる場合は、その弁護士が書式を用意し、示談書を締結する際、あわせて被害届の取り下げ書にもサインを求める流れになるでしょう。
被害届の取り下げには示談が有効?
被害届を取り下げてもらうには、被害者と「示談」を結ぶのが有効です。実務では、被害者に「被害届の取り下げ」のみを依頼するのではなく、示談の中で交渉します。
示談というのは、加害者から被害者に謝罪をして、当事者同士が話し合い、刑事事件について和解をする手続きです。
刑事事件の加害者側の弁護士は、加害者の代理として、被害者と話し合いをして、示談の条件を決めます。
示談の条件は、示談書に記載します。
示談の際、加害者から被害者に示談金を支払うことは多いですが、これも示談の条件の一種です。
また、被害者が刑事事件の被害届を取り下げる、被害届を出さないことを約束する条項を締結できることもあります。
示談の条件の例
- 示談金の支払い
※示談金の金額はケースによる。高額の場合もあれば0円の場合もある - 被害届の取り下げ、不提出
- 宥恕(ゆうじょ)
被害届の取り下げ条項とは別に、「加害者をゆるす」「加害者の厳罰を求めない」といった条項をもうけることがある。 - 清算条項(せいさんじょうこう)
当事者間には示談書に記載のあるほか、清算すべき問題がないことを確認する条項。
どのような条件で示談するのかは、ケースバイケースです。
示談すれば必ず被害届を取り下げてもらえるとは限りませんが、示談が成立している案件であれば処分が軽くなる可能性が高いです。
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・刑事事件の示談とはどういうもの?示談の方法や流れ、タイミングを解説
被害届の取り下げの効果は?
被害届の取り下げ自体に法的効力はありません。ですが、当事者間で示談が成立し被害届が取り下げられたとなれば、警察や検察の判断に非常に大きな影響を与えます。
捜査の初期段階であれば警察が事件を立件しない可能性もありますし、仮に検挙された後でも不起訴処分により前科を付けずに済む可能性が高まります。
示談により被害届が取り下げられれば、当事者間で被害の回復がなされ、被害者の処罰感情も解消されたと判断されます。
そのような場合、検察があえて加害者に刑事罰を科すまでもないだろうと考え、不起訴の判断をする可能性は十分にあります。
刑事事件の示談・被害届の取り下げでよくある質問
Q.刑事事件化前に示談はできる?
刑事事件として捜査される前に、被害者の方と示談することは可能です。
被害者が被害届を出す前に示談できれば、警察に刑事事件を知られずに、前科もつけずに早期解決できる可能性があります。
トラブルの相手方から「被害届を出す」と伝えられたのであれば、できるだけ早期に、刑事事件に強い弁護士にご相談ください。
刑事事件の解決実績が豊富な弁護士であれば、今後の見通し、適切な示談条件、示談金の相場などを、今までの経験から検討することができます。
被害者の連絡先を知っている場合であれば、ご依頼いただいてからすぐさま、被害者の方との示談交渉などの弁護活動に取り組むこともできます。
示談交渉の中では、被害届の不提出の条件についても、交渉をこころみることが可能です。
Q.刑事事件の示談は弁護士に任せるべき?
刑事事件の示談は弁護士に任せることをお勧めします。
理由としては、心情面、法律面の双方があげられます。
心情面
被害者としては、刑事事件の被害をうけた加害者本人からよりも、第三者であり社会的信用のある弁護士から連絡がきたほうが、示談交渉に応じやすい側面もあるでしょう。
また、被害者としては、加害者本人からの「被害届を出されたくない」「被害届を取り下げてほしい」という要望を呑みづらい心情があるでしょう。
法律面
加害者としても、被害者から「被害届を取り下げる代わりに、〇〇万円の示談金を支払ってほしい」と言われて、示談金の相場が適切なのか判断しかねる事態もあり得ます。
さらに、後で法的問題が生じないような「示談書」をご自身で作成するのは、難しいものです。
加害者本人から謝罪の気持ちを伝えることは非常に重要ですが、具体的に示談条件の交渉では、冷静かつ法律知識がある弁護士を立てた方がよいです。
示談を弁護士にまかせるメリットの例
- 示談交渉が進めやすくなる
- 被害届の取り下げを交渉できる
- 示談金の金額を交渉できる
- 後日、問題が生じない示談書を作成することができる
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・刑事事件で示談をした場合・しない場合のメリットとデメリットは?
・示談金の相場は?刑事事件の示談交渉とはどんなもの?示談金相場まとめ
Q.被害届を取り下げる期限はいつまで?
被害届を取り下げる時期について、決まりはありません。
ただし、刑事事件の処分を軽減を目指す場合、裁判で有罪判決がだされた後に被害届が取り下げられても意味がありません。
なるべく早く、被害届を取り下げてもらうに越したことはありません。遅くとも、裁判の証拠調べまでには、被害届を取り下げてもらう必要があるでしょう。
- 起訴前に被害届を取り下げてもらった場合
→不起訴の可能性が高まる
起訴の場合、刑罰が軽くなる可能性 - 起訴後に被害届を取り下げてもらった場合
→刑罰が軽くなる可能性を高める
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Q.被害届が出されたかは分かりますか?
被害届が出されたのかどうかは、通常、直接知ることはできません。
被害届が出されたかどうかは、警察内部の捜査情報になるので、警察に問い合わせをしても、通常、教えてくれないでしょう。
警察から電話呼び出しがあった、被害者から被害届を出したと告げられたといった場合では、被害届が出された可能性が高いといえます。
被害届のお悩みはアトムの刑事事件相談窓口まで
相手と示談したい、今後の刑事事件の見通しを立てたいという方に向けて弁護士無料相談窓口をご紹介します。
- 被害届を出されたらどうしよう
- 被害届の取り下げも含め、刑事事件の示談交渉を依頼したい
- 刑事事件の見通しが知りたいetc.
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刑事事件はスピードが命です。
早急な対応で、被害届を出された後であっても被害届を取り下げてもらうことができる可能性があります。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了