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「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
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危険運転致死傷罪は初犯でも実刑になる?執行猶予を獲得するためには?
- 危険運転致死傷罪の刑罰は?
- 危険運転致死傷罪で初犯の場合はどうなる?
- 不起訴や執行猶予で実刑を回避するには?
酩酊状態での運転や制御困難な高速度での走行など、悪質な運転で交通事故を起こすと、危険運転致死傷罪に問われることがあります。
危険運転致死傷罪に問われると、今後どうなってしまうのか不安になりますよね。
この記事では危険運転致死傷罪が初犯でも実刑になるのか、どのような運転が危険運転致死傷罪に問われるのか詳しく解説します。
不起訴や執行猶予で実刑を回避するためには、早期に弁護士に相談することが重要です。
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目次
危険運転致死傷罪の初犯は実刑になる?
危険運転致死傷罪は初犯でも実刑になる?
危険運転致死傷罪は、初犯の場合でも、実刑になる可能性はあります。
しかし、被害者側との示談の成立や、弁護士による適切な弁護活動が行われれば、不起訴判決の獲得や執行猶予がつき、実刑を回避できる可能性もあります。
初犯再犯を区別しないデータですが、危険運転致傷罪で実刑になった割合は8.6%、危険運転致死罪は100%でした(令和4年犯罪白書より)。
つまり、危険運転で相手を死亡させてしまうと、初犯でも実刑になる可能性が非常に高いといえます。一方で相手が死亡しなかった場合は、実刑を回避できる場合も十分にあるでしょう。
危険運転致死傷罪の初犯で執行猶予を獲得するためには?
執行猶予とは、有罪判決に基づく刑の執行を一定期間猶予する制度です。
執行猶予期間中、新たな罪を犯さずに過ごすことができれば、刑務所に行く必要がなくなります。
そのため、起訴された場合は、執行猶予の獲得を目指すことになるでしょう。
危険運転致死傷罪で執行猶予判決が認められるためには、以下のポイントを押さえておく必要があります。
執行猶予のポイント
- 被害者側と示談を成立させる
- 弁護士に依頼し、適切な弁護活動を受ける
- 反省の気持ちを示す
事故の態様によっては被害者側と示談を成立することが難しい場合もありますが、示談を成立することができれば、執行猶予を獲得できる可能性は高まります。
任意保険に加入していれば、被害者側に対して治療費や慰謝料などは支払ってくれます。
ただし、被害者側との示談を保険会社に任せきりにしてしまうと、示談成立までに時間がかかり、刑事責任を軽減することができない可能性もあります。
また、保険会社が成立させる示談は、民事上の責任を解決するための示談です。刑事責任を軽減したいとお考えの場合は、刑事事件に強い弁護士を依頼し、適切な弁護活動を受ける必要があるでしょう。
刑事事件に強い弁護士であれば、できるだけ刑事処分にも有利に働くように事故直後から被害者側と示談交渉を行うなどの弁護活動が可能です。
当然ですが、反省の気持ちを示すことも大切です。具体的には、裁判所に反省文を提出したり、示談が成立しなかった場合は贖罪寄付をしたりすることがあげられます。
ほかにも家族の監視など再犯防止への対策を取ることも必要になるでしょう。
事故が重大なものになればなるほど、刑事責任について自力で対応することは難しいのが実情です。
刑事責任の部分は刑事事件に強い弁護士に相談しましょう。
危険運転致死傷罪で不起訴になる可能性はある?
危険運転致死傷罪の起訴率は、77.8%です(令和4年犯罪白書)。
一般的な過失による交通事故で問われる過失運転致傷罪の起訴率が13.7%、全事件の起訴率は33.2%であることから、非常に起訴される可能性が高いことがわかるでしょう。
一般的に不起訴になることは難しいと考えられますが、起訴される前に早急に被害者側と示談を成立することができれば不起訴になる可能性も残されています。
できる限り早急に弁護士に依頼し、被害者側との示談など解決に向けての取り組みを行うことが鍵になります。
危険運転致死傷罪に該当する行為は?刑罰は?
危険運転致死傷罪とは?
危険運転致死傷罪は、悪質な運転によって人を死傷させた場合に成立する罪です。
危険運転致死傷罪は、「自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律」(以下:自動車運転処罰法)の第2条と第3条で規定されています。
危険運転致死傷罪に該当する行為は?
自動車運転処罰法第2条で規定されているのは、以下の8つの行為です。
酩酊状態での運転や制御困難な高速度での走行、あおり運転などが第2条で規定されています。
信号を無視して著しく速度を超過して運転し、死傷事故を起こした場合でも、危険運転致死傷罪が適用されます。
危険運転致死傷罪(第2条)
- アルコールや薬物の影響で正常な運転ができない状態で自動車を運転する行為
- 進行を制御できない高速度で自動車を運転する行為
- 運転技能が不足している状態で自動車を運転する行為
- 他の車両や人の通行を妨害するために、走行中の自動車の前方に進入し、危険な速度で運転する行為
- 他の車両の前方で停止し、通行を妨害する行為
- 高速自動車国道や自動車専用道路で、他の自動車の通行を妨害する目的で、自動車の前方で停止し、通行を妨害する行為
- 赤色信号や同等の信号を無視し、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
- 通行が禁止された道路で運転し、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為
第3条には、以下の行為が規定されています。
危険運転致死傷罪(第3条)
- アルコールや薬物の影響で、運転中に正常な運転が支障をきたすおそれがある状態で自動車を運転し、その影響により正常な運転が困難な状態に陥る行為
- 自動車の運転に支障を及ぼすおそれのある病気が政令で定められている場合、その病気の影響で正常な運転が支障をきたすおそれがある状態で自動車を運転し、その影響により正常な運転が困難な状態に陥る行為
該当する病気は、てんかん・統合失調症・躁うつ病・重度の睡眠障害などです。
第3条は第2条と比較すると悪質性が低いものの、十分に危険な行為であることから、重たい刑が定められています。
危険運転致死傷罪の刑罰は?
第2条の行為で人を負傷させた場合は「15年以下の懲役」、人を死亡させた場合は「1年以上の有期懲役」が科されます。
懲役刑は、1か月以上20年以内の範囲で科されます(刑法第12条)。つまり、負傷させた場合は「1か月以上15年以下の懲役」、人を死亡させた場合は、「1年以上20年以下の懲役」になるということです。
危険運転致死傷罪(第2条)の刑罰
- 人を負傷させた場合:1か月以上15年以下の懲役
- 人を死亡させた場合:1年以上20年以下の懲役
例)酩酊状態での運転や制御困難な高速度での走行、あおり運転など
第3条の行為で人を負傷させた場合は「1か月以上12年以下の懲役」、人を死亡させた場合は「1か月以上15年以下の懲役」が科されます。
危険運転致死傷罪(第3条)の刑罰
- 人を負傷させた場合:1か月以上12年以下の懲役
- 人を死亡させた場合:1か月以上15年以下の懲役
例)てんかんなどの症状が出るおそれがある状態で運転し、発作が起きて事故を起こすなど
危険運転致死傷罪で執行猶予が付かない有罪判決を受けた場合は、刑務所に服役しなければなりません。
危険運転致死傷罪は逮捕される?逮捕後の流れは?
危険運転致死傷罪は逮捕される?
危険運転致死傷罪は逮捕される可能性が高いです。
逮捕は、「証拠隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」がある場合に行われる手続きです。
被害が重大な事故を起こした場合、逮捕しなければ刑事処分を恐れて加害者が逃亡してしまう可能性があるため、逮捕の必要性を満たす場合が多いです。
危険運転致死傷罪は、制御困難な高速度での走行など、重大な事故になる場合が多く、逮捕の可能性も高くなるといえるでしょう。
逮捕の要件を満たさない場合は、在宅捜査として進められる可能性もあります。
また、逮捕後に釈放が認められて在宅捜査になる場合もあるでしょう。
逮捕後の流れは?
危険運転致死傷罪で警察に逮捕されると、48時間以内に警察から検察官に引継ぎが行われます(送致)。
送致を受けた検察官は、24時間以内に被疑者を勾留すべきかどうかを検討し、勾留が必要だと考えれば裁判官に勾留請求をします。
勾留請求が行われると、裁判官が被疑者本人と面談をして勾留するかどうかの判断を行います。
裁判官が勾留の必要性があると判断した場合は、10日間の勾留が決定します。
勾留期間は、警察署の留置施設にて生活をしながら警察の取調べを受けなければなりません。10日間で捜査が終わらなかった場合には、10日を限度として、その範囲内で勾留が継続されます。
つまり、逮捕されると、起訴・不起訴の判断が下るまで最長で23日間の身体拘束を受ける可能性があるのです。
長期間身体拘束されると、職場を解雇されたり、学校を退学になったりする可能性があります。
弁護士に依頼し、早期釈放の実現を目指すことが大切です。
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危険運転致死傷罪でお悩みの方は弁護士に相談?
危険運転致死傷罪に問われたら弁護士に相談すべき?
危険運転致死傷罪に問われた場合は、すぐに弁護士に相談しましょう。
危険運転致死傷罪は、重大犯罪であるため、初犯であっても実刑になる可能性があります。
執行猶予を獲得したり、刑罰を軽減したりするためには、刑事事件の経験が豊富な弁護士に相談することが重要です。
刑事事件の経験が豊富な弁護士であれば、危険運転致死傷罪が成立しないことや、執行猶予が認められるような情状を適切に主張することができるでしょう。
弁護士が危険運転致死傷罪が成立しないと判断した場合は、過失運転致傷罪を主張することになります。
危険運転致死傷罪で逮捕されても、弁護士の主張の結果、起訴されるときには過失運転死傷になることもあります。
過失運転致死傷罪の法定刑は、「7年以下の懲役もしくは100万円以下の罰金」です。
危険運転致死傷罪と比較すると、刑罰が軽くなっています。
弁護士に依頼することで早期釈放を実現できる?
危険運転致死傷罪で逮捕されてしまった場合は、弁護士に依頼することで早期釈放を実現できる可能性があります。
逮捕後、勾留されると起訴・不起訴の判断まで最長で23日間身体拘束されるおそれがあります。
弁護士であれば、捜査機関に身体拘束の必要性がないことを意見書として提出し、早期釈放を実現できる可能性があります。
具体的には定職に就いていることや、家族の監督があることなどを主張していきます。
罪を認めており、事故の悪質性が低いと判断された場合は、勾留が決まる前に釈放を実現できる可能性もあります。
勾留が決定すると、原則10日間は身体拘束されることになります。一方勾留が決定する前に早期釈放を実現できれば、3日以内で釈放されるため、スムーズに日常生活に復帰することができるでしょう。
危険運転致死傷罪で家族が逮捕された場合は、事故の詳細を把握し、今後の刑事処分の方針を知るためにも弁護士を派遣することが重要です。
逮捕直後は家族であっても面会できませんが、弁護士であれば逮捕直後でも時間の制限なしに面会することができます。
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刑事事件に強い弁護士の相談窓口は?
危険運転致死傷罪に問われた場合は、すぐに刑事事件に強い弁護士に相談することが重要です。
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相手が死亡しなかった場合でも、何もしなければ、実刑になる可能性はあります。弁護士に相談し、執行猶予の獲得や刑罰を軽減するための活動が重要です。