第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
被害者との示談で刑事処分を軽くしたい、前科をつけずに事件を解決したいという相談は、アトム法律事務所にお電話ください。
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交通事故の刑事手続きの流れは?検察庁からの呼び出しで罰金いくら?
- 交通事故が刑事事件になるときの流れは?
- 検察庁からの呼び出しで罰金はいくら?
- 交通事故は弁護士に依頼するべき?
交通事故を起こしてしまうと、事故の状況によっては刑事事件化する可能性があります。
はじめて交通事故を起こしてしまった方は、警察や検察から呼び出しを受けると今後どうなってしまうのか非常に心配になりますよね。
捜査や呼び出しされた後、刑事裁判となり懲役刑が科される交通事故事件もあれば、略式起訴になり書面審理を経て100万円以下の罰金刑が科される交通事故もあります。
示談による不起訴や刑罰の軽減を目指すのであれば、交通事故が刑事事件になった場合の流れについて、まずはこの記事で確認してみて下さい。
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目次
交通事故の3つの責任とは?刑事事件化するのはどんなとき?
交通事故の加害者が負う3つの責任は?
交通事故の加害者になった場合、以下の3つの責任を負うことになります。
交通事故の加害者側が負う責任
- 民事責任:被害者に対する損害賠償責任、慰謝料支払い問題
- 刑事責任:国家に対してどのような刑罰を負うかの問題
- 行政上の責任:免許停止や免許取消しに関する問題
民事責任とは、被害者のけがに対する治療費や、車の修理費用などの損害を賠償することです。
加害者の民事責任については、自動車保険(自賠責保険や任意保険)で対応できます。
刑事責任とは、法令上定められた犯罪行為を行ったとして刑罰を受けることを言います。
刑罰は問われる罪によって異なりますが、罰金刑・懲役刑・禁錮刑などです。
自動車保険では刑事責任の弁護の対応まではできないため、刑事責任に関しては刑事弁護に強い弁護士に依頼するなどの対応が必要になります。
行政上の責任とは、免許停止や免許取り消しなどの処分のことです。
事故の程度によって点数が加算され、一定の点数まで加算されると免許停止などの処分が下されます。
交通事故で刑事事件化するのはどんなとき?
交通事故の加害者側が刑事責任を負うのは、基本的に人身事故になった場合です。
被害者がけがを負っていない物損事故の場合は、刑事責任を問われることは基本的にはありません。
もっとも、飲酒運転や無免許運転の場合、人が負傷していなくても、検挙され罪に問われることはあります。
また、スピード違反(車の速度超過)の多くは反則金を払えば刑事事件にはなりませんが、速度超過の内容によっては刑事事件化する可能性もあります。
人身事故として届け出をされたら刑事罰を受ける?
人身事故になったからといって必ず刑事罰を受けるとは限りません。
被害者が軽微なけがの場合は、逮捕されずに書類のみが送検され、不起訴処分になることが多いです。
また、刑事事件化しても不起訴で事件が終了すれば、刑事罰を受けずに済みます。
刑事罰を受ける可能性があるのは、過失によって引き起こされた事件で被害者が死亡・重大なけがを負ったケースなどです。
過失で引き起こされる交通事故でも事故の態様によっては、重い処分になります。
刑事罰を受けると前科がついてしまいます。前科がついてしまうと、海外渡航や就職時などに不利益を被る可能性があります。
交通事故の刑事手続きの流れは?
交通事故の刑事事件は、逮捕されないケース(自宅で過ごしながら捜査を受ける)と、逮捕・勾留されるケースに分かれます。
ただし、共通する部分も多いです。
まずは、交通事故の発生段階から順を追って、流れを確認していきましょう。
1.交通事故の発生
まず、交通事故が発生した場合、負傷者の救護、警察への通報、保険会社への連絡などをおこないます。
負傷者の救護や警察への通報をおこたると、道路交通法違反になります。また、保険会社への連絡をおこたると、その後の被害者対応が遅れるので、これらは非常に重要です。
2.警察官の実況見分・取り調べ
警察に通報した後は、警察官が現場にかけつけ、交通事故の実況見分がおこなわれます。
実況見分で警察がすることの例
- 加害者と被害者の情報、言い分を確認
- 車両の破損状況、位置関係を確認
- 交通事故の現場の写真を撮影する
- 交通事故の現場見取り図を作成する
現場で事故当時の状況の説明を求められ場合や、警察署に移動して取り調べをうける場合には、ご自身で認識した事実にもとづき、冷静に対応することが必要です。
警察は捜査を終えると、実況見分や供述調書を作成します。
交通事故で警察が作成する書面
- 実況見分調書
捜査官が交通事故について認識したことをまとめた書面 - 供述調書
加害者や被害者などの言い分をまとめた書面
3.逮捕・呼び出し・取り調べなど
交通事故の実況見分が終わったら、逮捕されるケースもあります。
逮捕は、「逃亡のおそれ」「証拠隠滅のおそれ」が認められる場合に行われる手続きです。
逮捕されないケース、逮捕されるケース、それぞれについてご紹介します。
(1)逮捕されないケース(検察庁の呼び出し)
逮捕されないケースは、在宅事件として捜査が進められます。
交通事故は、被害者が軽傷の場合など、逮捕されないケースも多いです。
在宅事件は、日常通り生活を送りながら、捜査機関からの呼び出しに応じることになります。
警察署や検察庁から呼び出し・出頭要請を受けたら、出向いて、交通事故について取り調べを受けることになります。
そして、検察官による最終的な処分や裁判を待つことになります。
逮捕されなければ、事件終了になるというわけではありません。在宅事件でも、できるだけ早く適切な対応をとることが重要です。
(2)逮捕されるケース
重大な交通事故を起こしてしまった場合は、逮捕される可能性もあります。
事故後、被害者にけがを負わせたにもかかわらず現場から離れてしまう「ひき逃げ」は、逃走のおそれがあると判断され、後日逮捕の可能性が高くなります。
また事故態様や過失内容に争いがある、同様の前科で執行猶予中である場合などは逮捕される可能性があるでしょう。
交通事故で逮捕されるのは、後日逮捕(通常逮捕)と現行犯逮捕の場合が多いです。
交通事故の逮捕の種類
- 後日逮捕(通常逮捕)
逮捕状を見せられて逮捕される - 現行犯逮捕
交通事故の現場で逮捕される
逮捕された場合は、以下のような流れで刑事手続きが進みます。
逮捕後は48時間以内に、検察官に事件が送致されます。
その後、24時間以内に勾留の必要性があるかどうか判断され、裁判所で勾留質問後、勾留の必要性が正式に認められれば、10日間の勾留が決定します。
その後10日間の勾留後に、依然として勾留の必要性があると判断されれば、さらに10日間の延長が決定します。
つまり、逮捕日から数えると、最長で23日間身柄を拘束される可能性があります。
長期間身体拘束をされてしまうと、会社を解雇されるなど、スムーズな社会復帰が困難になる可能性が高いでしょう。
どちらの場合も、警察署に連行された後、取り調べを受けます。
4.検察庁で起訴・不起訴が決まる
検察官は、起訴、不起訴、処分保留のいずれかの判断をおこないます。
不起訴の場合は刑事裁判が開かれないので、刑罰をうけることも、前科がつく可能性もなくなります。
処分保留の場合、逮捕されていた人は釈放され、その後、在宅事件のように検察庁からの呼び出しに応じるなどして、起訴・不起訴が決まるまで待つことになります。
検察官に起訴された場合は、その後、刑事裁判をうけることになります。
検察官の起訴には、略式起訴と正式起訴の2種類があります。
5.裁判で有罪・無罪(刑罰)が決まる
検察官が略式起訴した場合は、裁判官は略式裁判をします。
略式裁判では、裁判官によって書面審理され、100万円以下の罰金刑が言い渡されます。
略式起訴・略式裁判については、後ほど詳しくご説明するので、このまま読み進めていってください。
一方、検察官が正式起訴した場合、約40日間後に、裁判官が、裁判所の法廷で正式裁判をします。
そして多くの場合、2回目の期日(第2回公判)で、判決が言い渡されます。
無罪判決の場合は、刑罰をうけることはなく、前科もつきません。
有罪判決の場合、罰金や執行猶予のときは家で生活することができますが、懲役の実刑判決のときは刑務所に収容されます。
交通事故の刑事処分の罰則は懲役何年?罰金いくら?
ここでは交通事故にみられる具体的な刑罰をあげて、刑事処分の罰則を解説していきます。
過失運転致死傷罪
過失運転致死傷罪は、自動車運転中の過失において人を死傷させた場合に成立する罪です。
過失運転致死傷罪の刑罰は、「7年以下の懲役もしくは禁錮、または100万円以下の罰金」と定められています。
たとえば運転操作を誤ってしまったり、前方不注意で衝突してしまったりした場合に科される可能性が高いです。
危険運転致死傷罪
危険運転致死傷罪は、危険な行為で人を死傷させたりした場合に成立する罪です。
危険運転致死傷罪の刑罰は、危険な行為の内容によって異なりますが、20年以下の懲役になる可能性があります。
たとえば薬物などで正常な運転ができない状態で運転すると、過失運転致死傷罪ではなく危険運転致死傷罪になります。
救護義務違反(ひき逃げ)の罪
救護義務違反(ひき逃げ)は、死傷者が出た事故にもかかわらず、その場から逃走することによって成立する罪です。
救護義務違反の刑罰は、「5年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
無免許運転
無免許運転は、免許を持っていた人物が何らかの影響により免許を失効・停止中の場合や、そもそも免許を受けていない場合に運転することで成立する罪です。
無免許運転の刑罰は、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」と定められています。
また、無免許と知りながら自動車等を提供した場合も同様の刑罰が科されます。
あおり運転
あおり運転は、ほかの車両通行を妨害する行為です。後方からの著しい接近行為や割り込み後に急ブレーキを踏むなどの行為は妨害運転罪として、刑罰になる可能性があります。
妨害運転罪の刑罰は、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。
また、高速道路上で相手車両を停車させるなどの行為をした場合は、「5年以下の懲役または100万円以下の罰金」になる可能性があります。
検察からの呼び出しを受けたらどうなる?略式罰金?
検察から呼び出しを受けたらどうなる?
検察が呼び出しを行う理由は、主に起訴・不起訴の判断を下すにあたって必要な取調べを行うためです。
また、略式起訴の承諾書にサインさせるために呼び出すこともあります。
そもそも起訴・不起訴とは、裁判を開廷するかどうかの手続きです。
検察官が裁判を開廷し、事件を審理する必要があると判断した場合に限り、起訴処分を行います。
一方で不起訴処分は、検察が事故や取り調べの内容を考慮し、裁判を開廷せずに事件を終了させることです。
交通事故の場合は、検察官から再度、詳しい事故の状況などを聞かれることになるでしょう。
いずれにせよ、検察に事件を送られている段階であるため、処分の判断が近い状態です。
検察官の呼び出しを無視・拒否するとどうなる?
もし検察からの呼び出しを無視・拒否すると、検察官の心証が悪くなるだけでなく、逃亡や証拠隠滅を疑われて最悪の場合逮捕される可能性もあります。
呼び出された日程に行くことが難しくなった場合は、検察官に相談しましょう。
可能な限りスケジュールは調整し、呼び出しに応じるべきです。
検察官の呼び出しで略式起訴になる流れは?罰金はいくら?
検察の呼び出しで「略式起訴」という手続きが取られることがあります。検察官に略式起訴されると、裁判官から100万円以下の罰金または科料が命じられます。
略式起訴は、起訴の一種ではあるものの、裁判を開廷せずに罰金刑で事件を終了する手続きです。
公の場で事件が審理され、有罪・無罪が争われる正式裁判と異なり、略式起訴は公開の法廷は開かれません。
交通事故は加害者が過失を認めているケースも多く、略式起訴の手続きが取られることも多々あります。
略式起訴となる条件をまとめると、以下のとおりです。
略式起訴が適さない場合、適している場合
略式起訴された場合、必ず有罪になります。そのため、罪を争う場合には略式起訴は適していません。
略式起訴は、被疑者が略式裁判に同意しない限り行われません。同意しない場合は、正式裁判へ移行することになります。
ただし、略式起訴には短期間で事件を終結させられることや、公判に立つ必要がないといったメリットもあります。
有罪判決が避けられない重大な過失や事件を起こしてしまった場合には、略式起訴に同意することも一つの選択肢です。
検察官の略式起訴をうける場合の注意点
略式起訴は必ず有罪判決になるので、前科がついてしまいます。
警察庁からの呼び出しをうけて、よく分からないまま略式請書にサインをしてしまう方も多いです。
略式起訴にするべきなのか、正式裁判にするべきかお悩みの方は、略式請書にサインをする前に、一度弁護士に相談したほうがよいでしょう。
検察は不起訴処分を教えてくれない?
交通事故が在宅事件で不起訴処分となった場合、検察官はわざわざ「不起訴になりました」と連絡してくれるとは限りません。
不起訴になった旨を伝える義務が法的に定められていないからです。
しかし、不起訴の通知が来ないと、今後どうなってしまうのか長期間不安な状態になります。
そこで不起訴処分になったかどうか確認する方法として、「不起訴処分告知書」というものがあります。
交通事故で被疑者になった本人には、不起訴処分告知書を検察官に請求する権利があります。
また、不起訴処分告知書の受け取りは、本人のほか、家族などによる代理が認められることもあります。
不起訴になっていれば書面で不起訴が通知されます。
交通事故が刑事事件化した場合は弁護士に相談?
交通事故の刑事手続きの流れで弁護士は必要?
交通事故の刑事手続きの流れにおいて、弁護士は非常に重要な役目を果たします。
人身事故を起こしてしまっても、任意保険に加入していれば民事上のリスクを回避することはできます。
しかし、事故が重大なものになればなるほど、刑事上のリスクについて自力で対応することは難しいのが実情です。
また、示談を保険会社に任せきりにしてしまうと、示談成立までに時間がかかり、刑事責任を軽減することができない可能性もあります。
弁護士であれば依頼直後から被害者との示談交渉を行うことが可能です。
交通事故は被害者の処罰感情が強くなりやすく、示談交渉が難しくなるケースもあります。
刑事事件の経験が豊富な弁護士であれば、被害者の心情を考慮しながら適切なタイミングと金額で示談交渉に臨むことができるでしょう。
仕事や住んでいる地域などで車の運転が必須の方は、免許停止や免許取消などの行政処分は生活の根幹にかかわる問題です。
弁護士による適切な刑事弁護活動を受けられれば、被害者のけがの重さや過失の程度などによっては、免許に対する行政処分が軽減されることもあります。
弁護士であれば早期釈放を実現できる?
先述したように交通事故で被害者が被害者が死亡・重大なけがを負った場合には逮捕される可能性が高いです。
当事者がいくら逮捕や身柄拘束の必要性がないことを主張しても、捜査機関の判断によっては、逮捕・勾留が決まる可能性はあります。
弁護士であれば、捜査機関に逮捕の必要性がないことを意見書として提出し、早期釈放を実現できる可能性があります。
具体的には定職に就いていることや、家族の監督があることなどを主張していきます。
今後逮捕だけは防ぎたい、逮捕後すぐに早期釈放を実現したいとお考えの方は、刑事事件にくわしい弁護士への依頼を検討すべきでしょう。
交通事故の刑事事件の流れを知りたい方は弁護士に相談?
交通事故の刑事手続きの流れや今後どうなってしまうのかご心配されている方は、刑事事件に強い弁護士事務所へ相談しましょう。
アトム法律事務所は、刑事事件専門の弁護士事務所として開業した沿革があります。
交通事故の刑事事件も豊富な解決実績があります。
刑事事件はスピードが命と言われますが、それは交通事故が刑事事件化した場合も同じです。
ご相談のタイミングが早ければ早いほど、弁護士としての活動の幅も広がります。
アトム法律事務所では、警察沙汰になった事件について30分間無料の対面相談を実施しています。
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