第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
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大麻の不起訴は量による?所持・栽培・使用の刑罰は?微量はセーフ?
- 大麻の量が少ないと不起訴になる?
- 大麻の所持、栽培、輸入の刑罰は?「使用」なら大量でも不起訴?
- 大麻で不起訴になる可能性は?実際に刑罰を科される可能性は?
このような疑問をお持ちの方は居ませんか?
この記事では、大麻事件の不起訴にまつわる疑問、大麻の量と不起訴の関係などを解説しています。
大麻事件で不起訴になるかどうかお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
大麻は不起訴になる?量は関係ある?
大麻で不起訴になるケースは?
大麻の量が微量であれば、大麻を所持していたとしても不起訴になる可能性はあるでしょう。
たとえば、大麻が不起訴になるケースについては、個人的な利用を目的とした大麻事件で、初犯、所持量が微量(乾燥大麻なら0.5グラム以下、大麻樹脂なら0.1グラム以下)である場合などがあげられます。
大麻が微量で不起訴になるには?
- 個人的な利用目的
- 初犯
- 所持量が少ない(微量)
大麻の量が少ないなら必ず不起訴?
大麻は量が少なければ不起訴になる可能性はあります。
ですが、量が少ないということだけで、必ず不起訴になるわけではありません。
先ほど見たとおり、「大麻の量が少ない」ということの他に、「個人利用」、「初犯」といった諸事情がそろう必要があるでしょう。
加えて「更生の可能性」が考慮要素となるでしょう。
「更生の可能性」というのは、二度と大麻事件をおこさないで社会生活をおくることができる可能性という意味です。
このような「更生の可能性」があると判断してもらえる事情を補足できれば、不起訴になる可能性は高まるでしょう。
「更生の可能性」があると判断してもらうには、薬物依存症を治すための治療をする、大麻をあつかう仲間との関係を断ち切る、家族に同居してもらうなどの対応が必要になるでしょう。
大麻が大量だったときに不起訴を目指す方法は?
大麻の量が微量とは言えないケースで、大麻事件への関与を否定するには、「大麻だと思っていなかった」「証拠が不十分である」などの主張をしていく必要があるでしょう。
一方、大麻の量が微量とは言えないケースで、大麻事件への関与を「認める」場合は、初犯で常習性がないこと、薬物治療を開始したこと、大麻の仲間との関係を断ち切ること、家族の協力のもと更生に励むこと等を主張していくことになるでしょう。
大麻への関与を認める場合は、大麻の量が大量か、微量かにかかわらず、更生の可能性があることを主張していくことは重要です。
ただし、事件ごとに個別の事情は異なります。
ご自身のケースにあったベストな弁護活動は何なのかについては、弁護士の法律相談を活用して、確認してみましょう。
大麻の量が多くても「使用は不起訴」?
実は大麻取締法では、大麻の単純使用について罰則規定がありません。(大麻取扱者以外の大麻の研究目的での使用については罰則規定があります。)
大麻使用の処罰規定が無い理由は?
大麻の茎の繊維や大麻の種子は合法的にさまざまな製品に使われています。生産の過程で、大麻の葉の粉末や成分等が意図せず摂取されてしまうケースも想定されます。
「単純使用に罰則を科した場合、こういった事例も取締りの対象になりかねない」というのが、大麻使用の罰則規定が設けられなかった理由のひとつだと言われています。
くり返しになりますが、大麻取締法に、大麻の単純使用の処罰規定はありません。
ですが、大麻を使用している方の場合は、ほかの罪に問われることはあります。
その罪とは、大麻所持の罪です。
大麻事件の不起訴率は?(用語解説あり)
「起訴」「不起訴」「不起訴率」とは?
「起訴」とは?
起訴とは、「検察官が裁判を開くよう裁判官に提起すること」です。
原則、裁判が開かれて刑事責任を追及されることになります。
「不起訴」とは?
不起訴とは、「さまざまな事情に鑑み、裁判を開く必要はないとして刑事手続きを終了すること」です。
「不起訴率」とは?
不起訴率とは、不起訴になる割合のことです。
大麻の不起訴率はどのくらい?
大麻の事案は、他の薬物犯罪と比較すると比較的不起訴の割合が多いと言える類型の犯罪です。
2017年の、大麻取締法における起訴・不起訴の統計データを見てみましょう。
大麻の起訴率(H29)
起訴件数 | 2191件 |
不起訴件数 | 2057件 |
起訴率 | 約52% |
起訴された割合は全体の半分強ほどです。
不起訴率は約48%ということになります。
大麻の事案が不起訴処分になるとき、その理由は主に以下の2つです。
大麻の不起訴
- 嫌疑不十分(犯罪を犯したという証拠が不十分なので、不起訴になるとき)
- 起訴猶予(犯罪を犯したという嫌疑は濃厚だが、諸事情が考慮されて不起訴になるとき)
大麻事件の証拠がある場合は、起訴猶予という不起訴処分を目指すことになります。
大麻事件をおこしてしまった方の「性格・年齢・境遇、犯罪の軽重や情状、犯罪後の情況」などが考慮された結果、「刑罰を科す必要性はない」と判断されれば、不起訴になるというのが起訴猶予です。
不起訴について、理由別の割合を見てみましょう。
不起訴の理由別の割合(H29)
不起訴件数 | 2057件 |
嫌疑不十分件数 | 810件 |
起訴猶予件数 | 1162件 |
不起訴になったうち、嫌疑不十分は全体の約39%、起訴猶予は全体の約56%です。
整理すると、大麻取締法違反で送致された事件のうち、全体の約5割が不起訴となり、そのうちの約5~6割が起訴猶予で不起訴になっているということです。
つまり、大麻事件を犯してしまったとしても、見方によれば、起訴猶予(不起訴)になる可能性は相応にあるといえるでしょう。
「犯罪の情状」「犯罪後の情況」に該当する事情として、以下のような事情があると、不起訴の可能性があがるでしょう。
犯罪の軽重
- 大麻の所持量が微量
- 大麻を使用したことがない、恒常的に使用していない
- 初犯である
など
犯罪後の情況
- 薬物の治療を開始した、開始する予定である
- 家族などの監督者がいる、監督者がきちんと被疑者を監督する意思を示している
- 薬物に関連した知り合い、友人などと手を切っている
など
小括
あくまで起訴・不起訴の判断は事件担当の検察官がくだします。「こういった要件を備えていれば確実に不起訴になる」などとは断言できません。
ただ、弁護士に依頼して、不起訴になるための要素を備えているということをアピールしたり、対策によって要素をそろえることができるものは事後的に作出したりといった弁護活動は可能です。
そのような弁護活動によって、不起訴獲得の可能性を高めることはできるでしょう。
大麻で起訴された後は?刑罰は?
大麻で不起訴にならなかった!起訴後の流れは?
大麻で不起訴にならず、起訴された後は、次のような流れで刑事手続きが進んでいきます。
刑事裁判では、弁護士が、大麻事件が無罪になるように弁護をしてくれたり、刑罰が軽くなるように情状弁護をしてくれます。
そして、さいごに裁判官から無罪判決か、有罪判決がだされます。
そもそも違法な「大麻」って?
大麻は「大麻取締法」という法律によって規制されています。
規制の対象となる大麻は、法文上以下のように定められています。
対象となる大麻
大麻草(カンナビス・サティバ・エル)及びその製品、樹脂。
ただし、以下のものを除く。
- 大麻草の成熟した茎
- 成熟した茎を用いた製品(樹脂除く)
- 大麻草の種子
- 大麻草の種子を用いた製品
たとえば七味唐辛子には大麻草の種子(麻の実)がよく使われていますが、これは違法ではないわけです。
また大麻の茎の皮をほぐして得られる繊維は服飾品によく使われますが、これも違法ではありません。
違法薬物としては、以下のようなものが、よく流通しているようです。
- 大麻の花や葉を乾燥させたもの
- 樹脂化、液体化させたもの
大麻の所持・栽培・輸入の刑罰は?懲役何年?
大麻の主な罰則は、以下の通りです。
私的な目的 | 営利目的 | |
---|---|---|
栽培 輸入 輸出 | 7年以下の懲役 | 10年以下の懲役 |
所持 譲受 譲渡 | 5年以下の懲役 | 7年以下の懲役 |
*1情状による例外規定、刑の加重や刑の減軽を除く
*2法的に許可されている場合を除く
これらの罪は未遂も罰する規定となっています。
つまり、以下のような行為もアウトになります。
- 栽培しようとした
- 所持しようとした
- 譲り受けようとした
実際にその犯罪を遂げてしまった場合と比較すれば、量刑は軽くなることでしょう。
ただ、刑事事件としてとりあげられて刑罰を科される可能性があるという点については注意が必要です。
大麻所持で初犯!刑罰の相場は?
量刑を軽減するための弁護活動をしてもらえれば、仮に起訴された場合でも、実刑ではなく、「執行猶予付き判決」になる可能性があがります。
執行猶予がつけば、刑務所に入る必要はなく、家で生活することができます。
大麻事件の場合、初犯であれば、執行猶予がつく傾向があります。
初犯かつ営利目的ではない譲受、譲渡、所持の態様の事件である場合、「懲役6か月~1年で執行猶予3年程度」が相場だと言われています。
とはいえ、相場どおりの判決をうけるには、情状弁護が必要です。
情状弁護の多くは、不起訴になるための弁護活動と共通します。
常習性の有無、初犯かどうか、治療、家族などの監督者がいること、薬物関連の知り合いと関係を断ち切ることなどは、執行猶予を目指すという観点でも重要になります。
犯罪の軽重
- 大麻の所持量が微量
- 大麻を使用したことがない、恒常的に使用していない
- 初犯である
など
犯罪後の情況
- 薬物の治療を開始した、開始する予定である
- 家族などの監督者がいる、監督者がきちんと被疑者を監督する意思を示している
- 薬物に関連した知り合い、友人などと手を切っている
など
大麻の量にかかわらず不起訴・刑の軽減を目指すなら?
大麻の量にかかわらず弁護士に相談できる窓口は?
大麻事件について起訴・不起訴のお悩みを持ちの方へ。
Point
- 大麻の量は少ないし、不起訴になる?
- 大麻を大量に使用した。所持で起訴される?
- 大麻で不起訴になりたい!実刑を回避したい!
このような大麻事件のお悩みについて、弁護士相談によって早期解決を目指しませんか?
大麻事件の弁護では、大麻の所持量だけではなく、不起訴のための証拠の主張や、適切な情状弁護が必要です。
これらの弁護活動は、一朝一夕で準備できるものではなりません。
刑事事件の加害者として捜査、訴追されている方は、なるべく早く弁護士に頼ることが重要です。
早ければ早いほど、逮捕の阻止、不起訴処分の獲得、量刑の軽減の可能性が高まります。
刑事事件は時間との勝負です。
逮捕されれば、勾留期間は最長23日間で、釈放されなければその後は刑事裁判に突入する、これが刑事手続きの基本的な流れです。
なにか少しでもお悩みのことがあるのなら、早急に弁護士事務所に相談するべきと言えるでしょう。
24時間、365日つながる相談予約受付の電話窓口を活用して、ご自身のお悩みを払拭してください。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
大麻を所持せずに使用するということは、物理的に不可能です。
そのため、大麻を使用した場合、その多くは大麻所持として検挙される可能性が高いでしょう。つまり、「大麻は使用したが所持はしていないので無罪!」といった主張が認められる可能性はほぼないということです。
判例上の「所持」の定義は一般用語としての「所持」よりもさらに広い意味が与えられています。
すなわち、「所持」とは、大麻だと認識し、管理しうる状態のことをいいます。
物理的に手に持っている必要はありません。