労災で怪我をした場合の対処法|労災保険給付を受ける方法を紹介
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労災によって怪我を負った場合には、怪我の程度に応じて労災保険から様々な給付を受けることが可能となります。
しかし、実際に受けることのできる給付の内容や、必要な手続きについて知っておかなければ適切な給付を受けることはできません。
本記事では、労災により怪我を負った場合に知っておくべきことについて怪我の程度や内容ごとに解説を行っています。
目次
労災により怪我を負った場合の手続き
労災保険給付を受けよう
労災によって怪我を負ったのであれば、労災保険による給付を受けることで、怪我により生じた損害を補てんすることができます。
怪我を治療したことで生じた費用については、労災指定病院で治療を受けたのであれば治療を受けた病院に、労災指定がなされていない病院で治療を受けた場合には、労働基準監督署に必要な書類を提出することで給付を受けることが可能です。
また、怪我が原因で休業することになった損害などについても、労働基準監督署へ必要な書類を提出することで労災保険による給付を受けることができます。
加えて、労災による怪我の原因が事業主や第三者にある場合には、損害賠償請求を行える可能性があります。労災保険による給付では損害の補てんが不十分な場合には、請求の検討を行うべきでしょう。
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労災の怪我により後遺障害が残った場合の手続き
労災によって怪我を負った場合に、治療を行っても完治せず、後遺症が残ってしまうことがあります。
後遺症の症状が後遺障害に該当するという認定を受けることができれば、後遺障害が生じたとして、障害補償給付または障害給付を受けることが可能となるのです。
障害補償給付または障害給付の給付内容は、症状の程度によって認定される後遺障害等級に応じて異なります。
後遺症の症状が後遺障害に該当すると証明するためには、専門的な知識が欠かせないため、専門家である弁護士に相談しつつ、治療を受けた医師に必要な書類の作成をお願いしましょう。
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労災の怪我が原因で死亡した場合の手続き
労災によって生じた怪我が原因で、労働者が死亡してしまうことがあります。このような場合には、労働者の遺族に対して遺族補償給付または遺族給付が行われることになるのです。
遺族補償給付または遺族給付の対象となる遺族とは、以下のような人をいいます。
- 被災労働者が死亡した当時「その収入によって生計を維持していた」こと
- 被災労働者の配偶者、子、父母、孫、祖父母または兄妹姉妹であること
- (妻以外は)年齢要件を満たしていること
また、事業主や第三者に損害賠償請求を行うことが可能な場合があり、その場合には、労災保険給付では不十分な部分について請求を行いましょう。
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労災により腰痛となった場合
仕事中に重量物を運んだり、長時間同じ姿勢でいることが多いと、労災によって腰痛となる場合があります。
しかし、腰痛は日常生活の行為が原因で生じる可能性も高いため、労災であると認定を受けるためには、厚生労働省で定めた認定基準を満たす必要があるのです。
認定基準を満たし、労災であることが認定されたのであれば、治療費用や、休業によって生じる損害について労災保険給付を受けることが可能となります。
そのため、労災申請を行う際に、認定基準を満たしていることを証明する必要があることに気を付けてください。
労災により骨折した場合
労災が原因で骨折した場合には、労災保険給付により、治療費用や休業による損害について補償を受けることが可能となります。
また、骨折が完治せず、治療前よりも可動域が制限されるといった後遺症が残った場合には、後遺障害等級認定を行うことで障害補償給付または障害給付を受けることができる場合もあるでしょう。
可動域が以前よりも制限されているといった証明は、専門家によるサポートがなければ困難であるため、後遺障害等級認定を行うのであれば弁護士に相談することをおすすめします。
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労災により指を怪我して完治しなかった場合
機械により作業を行っていると、機械に指を挟んでしまって怪我を負い、指の一部を欠損してしまうといった後遺症が残ることがあります。
労災によって指を怪我したうえで、完治せずに後遺症が残った場合には、治療費や休業による損害だけではなく、後遺障害等級認定を受けたうえで適切な給付を受ける必要があるのです。
指の怪我による後遺障害としては、指が欠損したり、関節の可動域が以前よりも狭くなったというものが考えられるでしょう。
後遺障害に該当する症状が実際に発生してることを労働基準監督署に適切に伝えなければ、適切な給付を受けることができないため、手続きに不安のある方は弁護士に相談することも検討してください。
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労災により体にしびれが残った場合
労災による怪我が原因で体にしびれが残ることがあります。
神経症状によるしびれであることを証明すれば、後遺障害に該当するとして、障害補償給付また障害給付を受けることが可能となるケースがあるのです。
しかし、体にしびれが残っているのかどうかは、体の一部が欠損した場合などと異なり客観的に判断が難しく、労災以外に原因があると判断される恐れもあります。
そのため、体にしびれが残った場合に適切な労災保険の給付を受けるためには、後遺障害認定に関して専門家である弁護士からのアドバイスを受けるべきでしょう。
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労災により火傷した場合
飲食店や工場では、高温になる機械を使用して作業を行うことがあるため、労災により火傷を負ってしまうことがあります。
労災を原因とする火傷であれば、治療費や休業による損害について労災保険給付を受けることが可能です。
また、火傷によって体の一部に火傷の跡が残った場合には、火傷の跡が残った場所や、火傷の程度によって後遺障害に該当することがあります。
労災による火傷が事業主の安全配慮義務違反や、第三者の故意または過失による場合には、事業主や第三者に対する損害賠償請求が可能です。
労災保険による給付では不十分な部分については、事業主や第三者に対する損害賠償請求を行うことを検討してください。
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労災により失明した場合
労災によって失明などの眼に対する障害が生じる場合があります。
労災を原因としているため、治療費用や休業の損害について給付を受けるだけでなく、後遺症が残った場合には、後遺障害が生じたとして障害補償給付を受ける手続きも行うべきでしょう。
眼に対して生じる障害については、視力障害・調整機能障害・運動障害などが考えられます。
医師による適切な検査を受け、後遺障害が生じたという認定を受けることが重要です。
また、眼に対して生じる損害により請求できる金額は大金になることもあるので、労災保険による給付では不十分なことも珍しくありません。。
そのため、会社に対する損害賠償請求についても可能かどうかの検討を行うべきです。
労災により難聴になった場合
業務中に長時間にわたり大きな音にさらされたり、爆発音がする作業を長年行っていると、労災による難聴が発生する場合があります。
労災によって難聴になったといえるためには、業務行為が難聴の原因であることを明らかにしなくてはなりません。
その際には、厚生労働省が公表している騒音障害防止のガイドラインに記載されている騒音対策が必要な業務であったのか、ガイドラインに沿った適切な騒音対策がなされているのかという点が参考となるでしょう。
また、労災による難聴であるといえる場合は、難聴によって生じた後遺症の症状が後遺障害に該当するかどうかについても確認を行うべきです。後遺障害に該当するかどうかで、労災保険による給付内容や損害賠償が可能な金額が大きく変わります。
まとめ
労災によって怪我を負った場合には、怪我の治療費や、休業による損害などに対して労災保険給付による補償を受けることが可能です。
また、怪我が完治せずに残った後遺症の症状が後遺障害に該当する場合や、怪我が原因で死亡した場合には、さらなる給付を受けることもできます。
労災による怪我によりどのような請求が可能であり、請求のためにはどのような手続きが必要となるのかは事案によって異なってくるため、手続きの方法について詳しく知りたいのであれば、専門家である弁護士に相談しましょう。

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了