第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。
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未成年の子供が窃盗罪を起こしたら|少年事件について弁護士が解説
- 未成年の窃盗罪と成人の窃盗罪の違いは?
- 未成年の窃盗罪の流れとは?
- 自身の子供が窃盗事件を起こしたときの対処法とは?
ある日突然、お店や警察から「息子さん/娘さんが窃盗事件を起こした・振り込め詐欺の出し子をしていた」と電話が来たら、どうしますか?
子供を迎えに行き、謝罪や弁償をしたとしても、それだけで話が終わるわけではありません。
「店が被害届を出すと言っている」「他にも余罪がある」「前科がつくかもしれない」そう言われたとき、どう対処していくべきなのでしょうか。
この記事では、未成年の窃盗罪について、成人の場合との手続きの違いや最終的な処分について解説していきます。
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未成年の窃盗罪は成人の窃盗罪と何が違う?
そもそも少年事件として扱われるのは何歳まで?
日本には少年法があるため、未成年が起こした事件は「少年事件」として、一般的な刑事事件とは異なる手続きが行われます。
ここで言う未成年とは20歳未満の人を指します。
未成年は窃盗罪を犯しても逮捕されにくいって本当?
14歳未満の未成年は逮捕されることはありませんが、14歳以上であれば窃盗罪で逮捕される可能性は十分にあります。
逮捕とは、窃盗罪の取調べのため、警察署内の留置場に勾留(身柄拘束)することです。
逮捕は一般的に「逃亡のおそれ」「証拠隠滅のおそれ」が認められるときに行われます。
実はこの点、14歳以上の未成年と青年との間で基準に違いなどはないのです。
ただ実際のところ、窃盗罪で盗んだ品が見つかっていたり、盗んだものを賠償していたり、または親御さんがしっかりと監督することを約束すれば、未成年が逮捕される可能性は小さいと言えるでしょう。
未成年は親御さんと一緒に暮らしていることが多いため、そういった意味では逮捕されにくいと言えるかもしれません。
未成年は窃盗罪で裁判になることはないって本当?
原則として未成年の窃盗事件は裁判になることはないのですが、一定の要件を満たしていた場合には窃盗罪で裁判になり、前科がつく可能性があります。
通常、未成年の窃盗事件はすべて家庭裁判所に送られるため、成人と同じ裁判にかけられることは無いです。
しかし以下のような場合には、家庭裁判所から検察官に取り扱いが変更され(逆送)、起訴が決定し裁判となる可能性があります。
未成年の窃盗罪で裁判開廷になり得る事例
- 窃盗罪が発覚してから処分が決まるまでに20歳になった場合
- 少年が18歳または19歳で、窃盗をする際に、相手を脅したり傷つけたりしていた場合(強盗罪・強盗致傷罪にあたる場合)
- 窃盗の態様が悪質で、家庭裁判所が刑罰を科すのが相当であると判断した場合
未成年の窃盗罪の刑罰はどのくらい?
窃盗罪の刑罰は10年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。
ただ、上記の罰則は裁判が開廷されて有罪判決が下された場合に科されるものとなります。
それ以外の未成年による窃盗事件の場合は、家庭裁判所により以下の処分が下されます。
処分の名前 | 処分の内容 |
---|---|
不処分 | 処分はせず、訓戒や教育的指導を行う |
保護観察 | 保護観察官や保護司の指導・監督の元、日常生活に復帰させる |
少年院送致 | 少年院に収容し矯正教育を受けさせる |
児童自立支援施設等送致 | 児童自立支援施設等に収容し矯正教育を受けさせる 少年院に比べ開放的、比較的低年齢の少年に科される |
知事又は児童相談所長送致 | 少年を児童福祉機関の指導に委ねる |
検察官送致(逆送) | 成人と同じ刑事事件の手続きを受けさせる |
未成年が窃盗罪を犯したあとの流れとは?
未成年が窃盗罪で逮捕された後の流れとは?
逮捕後は48時間以内に検察官に事件が送られ、以降は警察と検察が共同で捜査を行います。
そして事件を送られた検察官は、事件の内容によってそれから24時間以内に勾留請求、もしくは勾留に代わる観護措置の請求を行います。
名前 | 内容 |
---|---|
勾留 | やむを得ない場合に身体拘束をする手続き。 警察署内の留置場に家庭裁判所への送致が決まるまで最大で20日間拘束される。 |
勾留に代わる観護措置 | 身体拘束の必要がある場合に行われる手続き。 少年鑑別所に家庭裁判所への送致が決まるまで最大で10日間拘束される。 |
少年事件では、全ての事件が家庭裁判所に送られます。
勾留や勾留に代わる観護措置が決定された場合、証拠隠滅を依頼するなどの疑いがあるとして家族との接見(面会)や手紙のやりとりが禁止されることもあります。
弁護士に依頼することで、接見禁止の解除ができる場合もあります。
例えば証拠が既に警察に渡っていることや、被害者と顔見知りでないこと、少年には家族の支えが必要ということを主張して、ご家族と面会してもいいという許可を出してもらうのです。
身体拘束されなかった場合の流れとは?
なお勾留の必要性や勾留に代わる観護措置の必要性がないと判断された場合には、在宅事件として手続きが進むことになります。
これは逮捕されなかった場合も同じです。
在宅事件では、自宅で日常生活を送りながら適宜、捜査機関の呼び出しに応じて取り調べを受けることになります。
その後、必要な捜査が終わった後に家庭裁判所に事件が送られます。
未成年の事件が家庭裁判所に送られたあとの流れとは?
検察官から事件を送られた家庭裁判所は、必要があるときには勾留の代わりではない、正式な観護措置を行うことができます。
実務上、勾留や勾留に代わる観護措置を付されていた少年は引き続き観護措置によって身体拘束が継続されることでしょう。
この正式な観護措置の期間は原則として2週間ですが、実務上はさらに延長されることも多く、おおむね約1~2か月程度となることが多いです。
在宅事件の場合も、身柄が拘束されている場合も、事件を送致された家庭裁判所は事件について調査を開始します。
家庭裁判所調査官の調査では、少年自身やご家族との面会のほか、これまでの学校の成績を見せたり、家庭内での様子を調べたりすることもあります。
少年に弁護士がついている場合は、弁護士と調査官も積極的にやりとりを行います。
事件に関する記録を見て、少年の反省が伝わるよう、弁護士も報告書を作成したりします。
調査の結果、審判をする必要がないと判断されれば審判不開始となります。
訓戒や教育的指導などが行われた後、事件としては終了となり、日常生活に戻ることになります。
未成年の窃盗罪での少年審判の流れとは?
少年事件の審判開始の決定がくだると、少年審判が開かれます。
少年審判は原則非開示の手続きで、裁判官や調査官から少年や親に対して質問が投げかけられます。
多くの場合、審判は一度で終わり、不処分、保護観察処分、少年院送致などの決定がくだされます。
未成年の息子・娘が窃盗罪を犯したとき、親はどうすべき?
未成年の窃盗事件は弁護士に相談して示談すべき?
未成年の窃盗事件は、まず弁護士に相談するべきです。
窃盗事件を起こしてしまった未成年は、混乱や不安から、取調べで本当でないこともその通りだと認めてしまうこともあります。
早期に弁護士に相談することで、警察や検察官の取調べに対する適切なアドバイスを行うことができます。
また弁護士に依頼することで、窃盗事件の被害者と示談(裁判外での和解)できる可能性が上がります。
被害者と示談していると、少年事件の最終的な処分が寛大なものになる傾向があります。
被害者と適切な示談を締結していると、以下のような事実の証明に繋がり、少年の処分を軽くできる可能性が出てきます。
- 少年やその家族が事件について反省している
- 少年が窃盗事件についてきちんと向き合っている
- 被害者の損害が賠償されている
- 被害者が少年の処罰を望んでいない
未成年の窃盗事件は学校に知られてしまう?退学になる?
未成年が窃盗事件を起こしてしまっても、義務教育中であれば退学となることはありません。
つまり、少年が公立小学校・公立中学校にいる場合は退学となることはありません。
ですが私立中学校、高校や大学に在籍している場合、学校内の規則に照らし合わせた処分が行われるため、退学となる可能性はあります。
窃盗事件が学校に知られてしまうケースとしては、以下のようなものがあります。
窃盗が学校に知られてしまうきっかけの一例
- 窃盗の被害者が学校内にいるケース
- 窃盗の被害店舗や警察から、学校に連絡が行くケース
- 逮捕されて欠席が続くケース
もっとも、退学は子供の将来に大きな影響を与えてしまう決定であり、本来であれば慎重に行われるべきです。
弁護士に依頼することで、被害者といち早く示談して学校に事件が伝わらないようにしたり、身柄拘束から早期に釈放させて欠席を防いだり、学校の不適当な処分に対して意見書を出したりもできます。
未成年の窃盗事件で一番大切なこととは?
未成年の窃盗事件で最も大切なことは、少年自身の反省を促し、更生させて二度と再犯を起こさないようにすることです。
これは実際に家庭裁判所で、少年事件においては少年の反省や更生を重視した実務が行われているためです。
そのためには、少年とご家族自身がしっかり話し合ったり、被害者の方への謝罪や賠償を行うことが大切です。
弁護士に依頼していただければ、事件解決に向け、未成年のお子さんの更生をサポートしていきます。
未成年の窃盗事件でのご不安があれば、まずは一度ご相談ください。
アトム法律事務所では警察が介入した事件について初回30分無料の対面相談を実施しています。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
なお犯行時に未成年であっても、逮捕されたときや処分を受けるときに成人してしまっているのであれば、通常の刑事事件と同じ手続きが行われます。
ですので、19歳のお子さんが窃盗事件を起こしたときは、できるだけ早めに対応していかなければなりません。