第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。
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恐喝罪の初犯はどうなる?実刑の可能性は?今後の流れと刑罰、示談の重要性を弁護士が解説
恐喝罪は、分かりやすく言えば「相手を脅して怖がらせ、お金や物などを無理やり奪い取ること」で成立する犯罪です。
恐喝罪の刑罰は、10年以下の拘禁刑です。罰金刑は規定されていないため、執行猶予がつかなければ、初犯でも刑務所に収監される実刑判決となる可能性もあります。
この記事では、恐喝罪の初犯はどうなるのか、今後の刑事処分の見通しや、事件解決のために鍵を握る示談の重要性についてわかりやすく解説します。
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目次
恐喝罪の初犯はどうなる?実刑の可能性は?
恐喝罪は「10年以下の拘禁刑」という重い刑罰が定められています。しかし、これはあくまで法律上の上限です。恐喝罪の初犯で実刑となる可能性は低いと言えます。
実際の処分は、事件の悪質さや、事件後の対応によって大きく変わってきます。恐喝罪の初犯で刑事事件化した場合に考えられる処分を、望ましい結果から順に見ていきましょう。
(1)最も目指すべき結果「不起訴」
恐喝罪に問われた場合、最も目指すべき結果は不起訴です。
不起訴とは、検察官が「今回は裁判にかける必要はない」と判断し、事件をそのまま終了させる処分です。不起訴になれば、裁判も開かれないため、前科がつくこともありません。
不起訴処分を得るために最も重要なのが、被害者との示談です。被害者に謝罪と被害弁償を行い、許してもらうことで、不起訴となる可能性を高めることができます。
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(2)すぐには刑務所に入らない「執行猶予付き判決」
執行猶予は「拘禁刑1年6か月、執行猶予3年」などの形で判決が下されるものです。執行猶予がついた場合は、執行猶予期間中に新しく罪を犯さなければ刑が執行されません。
示談が成立しなかったり、被害額が大きかったりするものの、本人が深く反省している場合などに、この判決が下される可能性があります。
ただし、執行猶予判決でも前科がつきます。前科を防ぐためには事件が起訴されて裁判となる前に不起訴を目指すべきでしょう。
(3)刑務所に入ることになる「実刑判決」
初犯の恐喝事件で、実刑になる可能性は低いです。 ただし、被害額が数百万円と非常に高額だった、手口が極めて悪質で計画的だった、反省の態度が全く見られないなどの特殊な事情があれば、実刑判決も否めません。
このように、恐喝罪の初犯といっても、事件の態様や対応次第で結果は大きく異なります。日常生活を取り戻すために、穏便な解決を目指すのであれば、何よりも不起訴を勝ち取ることが重要です。
恐喝罪の裁判例
恐喝罪の初犯で執行猶予つきの有罪判決
恐喝罪で執行猶予判決がついた事例
福岡地判平30・3・22(平成30年(わ)35号)
会社経営者である被告人Xと被告人Yが、生コンクリート代金の回収を名目に、反社会的勢力の介入や工事妨害を示唆して約300万円を脅し取った恐喝事件です。
裁判所の判断
「本来の契約関係を逸脱して経済的利益を得るために,被害者に対し,反社会的勢力の介入,強硬手段による工事の妨害などを告げて現金を脅し取ったという事案であるところ,その手段は悪質」
福岡地判平30・3・22(平成30年(わ)35号)
- 被告人両名に執行猶予付き判決
- 被告人Xが市議会議員という公的立場であったことを裁判所は非難
- 被害者側には代金未払いの正当な理由があり、落ち度はないと判断
恐喝罪の初犯で無罪
恐喝罪に問われたが無罪となった事例
神戸地判平16・3・17(平成16年(わ)733号)
ガソリンスタンドでタイヤを破損した被告人Xが、従業員に対して怒鳴りつけながらタイヤ交換費用10万円を請求したことが恐喝未遂にあたるか争われた事例です。
裁判所の判断
「相手方を畏怖させるに足りる害悪の告知というには合理的な疑いが残るといわざるを得ない。」
神戸地判平16・3・17(平成16年(わ)733号)
- 被告人Xが怒って大声を出したり顔を近づけたりした行為について、「害悪の告知」とまでは認められないと判断した
- 現場にいた警察官も単なる営業トラブルと判断した
恐喝罪の初犯で起訴されても、必ず有罪判決になるわけではありません。日本の刑事裁判では99%以上の確率で有罪判決となりますが、上記のように無罪判決となるケースもあるでしょう。
前科あり・恐喝罪で実刑判決
恐喝罪で実刑判決となった事例
東京地判平23・4・12(平成22年(わ)2299号)
野球賭博の証拠を口実に被害者Yから8000万円を脅し取ろうとした恐喝未遂事件で、被告人Xに懲役2年の実刑判決が言い渡された事件です。
裁判所の判断
「高位の現役力士である被害者が違法な賭博行為に関わっていたという弱みにつけ込んだ卑劣な犯行」
東京地判平23・4・12(平成22年(わ)2299号)
- 犯行の態様が巧妙かつ計画的だった
- 被告人が犯行を否認し続け、さらに裁判中に共犯者へ手紙を送って虚偽の証言を促すなど反省の態度が全く見られないことなどを総じて実刑判決
恐喝罪の初犯で実刑判決となる可能性は低いです。ただし、上記の例のように、前科が10年以上前で執行猶予相当の前科であっても、犯行を否認したり、反省の態度が見られなかったりする場合は実刑となるケースもあります。
恐喝罪は逮捕される?逮捕後の流れは?
恐喝罪は逮捕される可能性が高い
2023年、恐喝で逮捕された人数は、1,997人中、1,452人(約72.7%)でした(2023年検察統計「罪名別 既済となった事件の被疑者の逮捕及び逮捕後の措置別人員」より)。 「逮捕」には、逮捕後に、警察で身柄釈放された11人も含まれます。
例年、刑事事件で検挙された事件のうち、逮捕に至る割合は概ね3割~4割程度です。恐喝罪は、逮捕される割合がかなり高い犯罪類型であることがわかるでしょう。
恐喝罪が逮捕されやすい理由は、証拠が集まりやすく、被害者の訴えが明確であることなどが挙げられます。恐喝は被害者が明確に「お金を取られた」「脅された」と感じやすいため、被害届が出されるケースが多くなります。また、録音やLINEなどの証拠が残っていれば、逮捕に至るまでの流れも比較的スムーズです。
恐喝罪で逮捕された後の流れ

恐喝罪で逮捕されると、刑事手続きは上記のような流れで進んでいきます。
警察は、恐喝事件の被疑者(容疑者)を逮捕した後、48時間以内に、検察官に事件を送ります(送致)。以降は、警察と検察が共同で捜査を行います。
送致を受けた検察官は、被疑者の身体拘束を続けるべきかどうかを判断し、続けるべきだと判断すれば24時間以内に勾留請求を行います。
勾留請求を受けた裁判官は、勾留の審査をおこないます。勾留が認められた場合、最大20日にわたり警察署内の留置場で身体拘束が継続します。
つまり、逮捕日を含めると最大で23日間身柄が拘束される可能性があるということです。
長期間身柄が拘束されてしまうと、会社や学校の解雇・退学リスクが高まり、スムーズに社会復帰することが困難になります。できる限り、早期の釈放を目指すための活動が求められます。
恐喝罪における「示談」の重要性と示談金の相場
恐喝事件で示談が重要な理由は?

恐喝事件で不起訴処分を獲得し、前科がつくのを避けるために、最も重要な活動が「被害者との示談」です。
示談が成立し、被害者から「加害者を許します」という意思(宥恕:ゆうじょ)を示してもらえれば、検察官は「当事者間で解決した以上、国が罰する必要性は低い」と判断しやすくなります。つまり、不起訴処分となる可能性が格段に高まるのです。
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・刑事事件の示談とはどういうもの?示談の方法や流れ、タイミングを解説
恐喝事件の示談金相場は?
恐喝事件の示談金の相場は、「実際に脅し取られた金額(被害額)」に、「精神的な苦痛に対する慰謝料」を加えた金額が基本となります。
明確な相場があるわけではなく、事件の状況によって金額は大きく変動しますが、一つの目安として被害額に加えて10万円~30万円程度の慰謝料が加算されるケースが多く見られます。
なぜ恐喝事件は弁護士への相談が不可欠なのか
恐喝事件を起こしてしまった場合、一刻も早く弁護士、特に刑事事件に強い弁護士に相談することが重要です。
弁護士に依頼すると、以下のような大きなメリットがあります。
弁護士に相談するメリット
- すぐに面会し、的確なアドバイスをくれる
- 早期の身柄解放を実現してくれる
- 被害者との示談交渉をスムーズに進めてくれる
- 不起訴など、有利な処分を獲得しやすくなる
- 家族への説明や会社対応もサポートしてくれる
弁護士に相談するメリットについて詳しく知りたい方は『刑事事件に強い弁護士に相談するとどんなメリットがある?』の記事をご覧ください。
アトムの恐喝事件(初犯)の解決事例
恐喝罪の初犯・逮捕あり【美人局】
恐喝罪の初犯(示談で不起訴処分)
援助交際の口止め料として男性から現金数万円を脅し取った上、さらに現金を脅し取ろうとした美人局のケース。家宅捜索を受けた後、警察署へ任意で事情聴取された。恐喝、恐喝未遂の事案。
弁護活動の成果
被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。その結果、不起訴処分となった。
恐喝未遂罪の初犯・逮捕あり【借金トラブル】
恐喝罪の初犯(示談で不起訴処分)
ギャンブルで作った借金を回収する際、生命保険からの支払いを要求するなどして恐喝した。被害者が警察に通報し、逮捕された。恐喝未遂の事案。
弁護活動の成果
被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。その結果、不起訴処分となった。
アトムは24時間365日相談予約受付中
恐喝罪の初犯でも、対応を誤れば前科がつくリスクがあります。執行猶予がつかずに実刑判決となる可能性もゼロではありません。前科をつけずに穏便に解決するためには、被害者との示談が重要です。
被害者との示談は、刑事事件の経験が豊富な弁護士への依頼が欠かせません。特に恐喝事件は、加害者本人が示談することでかえって処罰感情を高めてしまうリスクがあります。
恐喝事件で今後どうなってしまうのか不安を抱えたまま一人で悩むよりも、早期に相談し、正確な情報と対策を得ることが、日常生活を取り戻す第一歩となります。
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- 恐喝罪で警察から呼び出しを受けた
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

