離婚の種類は?6種類の離婚と手続きの違い

離婚には、協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚、和解離婚、認諾離婚の6種類があります。離婚全体の約9割は協議離婚ですが、話し合いで合意できない場合は調停へ進み、調停でもまとまらない場合は裁判で離婚を目指すことになります。
どの方法になるかは、離婚について夫婦双方が合意しているか、また親権・養育費・財産分与などの条件に争いがあるかによって異なります。
協議離婚は、夫婦の合意と離婚届の提出だけで成立するため、手続きが簡単で費用もほとんどかかりません。
一方、裁判によって離婚が成立するケースは全体の1%程度にとどまり、判決までに相応の期間を要するなど、手続きの負担も大きくなります。そのため、自分の状況に合った離婚方法を選ぶことが重要です。
この記事では、6種類の離婚それぞれについて、特徴や手続きの流れ、メリット・デメリット、どのような場合に選ばれるのかをわかりやすく解説します。
目次
離婚は6種類ある
離婚の種類と特徴
離婚には、6つの種類があります。
- ①協議離婚
- ②調停離婚
- ③審判離婚
- ④裁判離婚
- ⑤和解離婚
- ⑥認諾離婚
それぞれの離婚方法によって、特徴や手続き、メリット・デメリットが大きく異なります。

原則として、夫婦として離婚の合意ができれば「協議離婚」を、合意できない場合には「調停離婚」、その調停も成立しない場合には「裁判離婚」にて離婚をしていくことになります。
この際、調停内で裁判官から命じられる「審判離婚」、裁判中に和解を行う「和解離婚」、さらに裁判中に被告が言い分を全面的に受け入れる「認諾離婚」という形で離婚をする方法もあります。
この中で、本人同士で決める「協議離婚」以外の5つの離婚方法である「調停離婚」、「審判離婚」、「裁判離婚」、「和解離婚」、「認諾離婚」については裁判所が関与することになります。
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離婚の種類別の件数と割合
厚生労働省の統計によれば、令和6年(2024年)の離婚件数は18万5,904組で、その内訳は次のとおりです。
| 離婚の種類 | 件数 | 割合 |
|---|---|---|
| 協議離婚 | 162,682 | 87.5% |
| 調停離婚 | 14,260 | 7.7% |
| 審判離婚 | 4,626 | 2.5% |
| 裁判離婚 | 1,948 | 1.0% |
| 和解離婚 | 2,378 | 1.3% |
| 認諾離婚 | 10 | 0% |
| 合計 | 185,904 | 100% |
6種類の離婚のうち、協議離婚が全体の87.5%を占め、圧倒的に多くなっています。次いで調停離婚が7.7%、審判離婚が2.5%と続きます。和解離婚と裁判離婚はいずれも1%程度にとどまり、認諾離婚はごくわずかです。
離婚方法の選び方と判断基準
離婚方法は、主に次の3つの状況によって決まります。
まず、夫婦間で離婚に合意しているかどうかです。双方が離婚とその条件に同意していれば協議離婚が可能です。一方が離婚を拒否している場合や、条件で折り合いがつかない場合は調停を利用し、調停でもまとまらなければ裁判での解決を目指すことになります。
次に、争点の内容や複雑さです。親権、養育費、財産分与、慰謝料などの条件について対立があり、夫婦間の話し合いで解決するのが難しい場合は、調停や裁判で第三者を交えて進める方法が適しています。
さらに、時間や費用の負担も重要な判断材料です。協議離婚は比較的短期間かつ低コストで成立しますが、裁判離婚になると解決までに1〜2年以上かかることもあり、弁護士費用を含めた費用負担も大きくなります。
一般的には、まず協議による解決を試み、合意できない場合に調停、さらに必要に応じて裁判へと進む流れとなります。
協議離婚
離婚の種類①協議離婚とは
協議離婚とは、夫婦間の話し合いによって行う離婚方法です。
夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。
民法第七百六十三条
夫婦間で離婚の合意が成立すれば、離婚をすることができます。
離婚をするための要件は、離婚の合意と離婚届を作成して役所に提出することのみです。
未成年の子がいる場合には親権者をどちらにするか離婚届に記入する必要がありますが、離婚理由について記入する必要はありません。
日本で成立する離婚の約9割が協議離婚であるため、最も一般的な離婚方法であるといえます。
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協議離婚のメリット・デメリット
協議離婚の最大のメリットは、手続きが最も簡単な点です。夫婦双方が合意していれば、離婚届を提出するだけで離婚が成立します。他の離婚方法と比べても、短期間かつ比較的容易に離婚できるのが特徴です。
一方で、養育費や財産分与、慰謝料などのお金に関する取り決めが、口約束のまま行われたり、十分に取り決めをしないまま離婚してしまうケースも少なくありません。その結果、離婚後に相手が支払いに応じず、トラブルになるおそれがあります。
協議離婚は合意が前提となるため、条件面で折り合いがつかないと、協議が長引いて離婚が成立しないことがあることもデメリットとしてあげられます。
協議離婚の注意点
協議離婚を選ぶ場合は、口約束だけで離婚を成立させないことが重要です。特に、養育費や財産分与など金銭に関する取り決めは、必ず書面に残しておきましょう。
実際によくあるのが、離婚後に相手が養育費を支払わなくなるトラブルです。こうした事態を防ぐためにも、取り決めた内容は公正証書にしておくことが有効です。
公正証書(強制執行認諾文言付き)を作成しておけば、相手が支払いを怠った場合でも、給与の差し押さえなどの法的手段を取ることが可能になります。公正証書の作成手順は関連記事『離婚の公正証書の作り方・費用・必要書類』をご覧ください。
協議離婚は手続きが簡単な反面、法律的な知識がないまま不利な条件で合意してしまうリスクもあります。不安がある場合は、離婚届を提出する前に弁護士に相談することをおすすめします。
調停離婚・審判離婚
離婚の種類②調停離婚とは
調停離婚とは、離婚の協議が成立しない場合に、家庭裁判所で行われる調停を経て離婚をする方法です。
協議離婚と違って、当事者だけでなく、男女各1名ずつの調停委員が間に入って、話し合いを進める「調停」を行うことが特徴です。
協議離婚ができない場合、いきなり離婚裁判を起こせるわけではなく、必ず、訴訟提起前に「調停」を経る必要があります。
離婚調停の流れ
調停では、夫婦が直接話し合うわけではなく、調停委員会を通じてやりとりを行います。
調停の申立てがされた際には、申立人、その相手方それぞれに対して、調停に至った経緯や夫婦関係、子どもの養育状況などについて調停委員から質問がされます。
夫婦のうちどちらかが調停室で話をしているときは、もう一方は待合室で待機する方法で行うことも多いため、相手と顔を合わせることなく、自分の意見を調停委員に聞いてもらうことができます。
調停委員会は双方の言い分を聞き、解決策を提示します。双方が離婚とその条件について合意をすれば、調停が成立します。
また、調停中、離婚をする必要がないと感じた場合は取り下げることもできます。
調停で離婚が成立したあとは、10日以内に調停調書の謄本とともに離婚届を提出する必要があります。
数回の話し合いを経たにもかかわらず合意に至らなかったような場合には、調停が不成立となり、終了します。
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調停離婚のメリット・デメリット
調停離婚は、家庭裁判所の調停委員という第三者が間に入り話し合いを進めるため、感情的な衝突を避けながら冷静な解決を目指せます。費用は約3,000円と比較的低額で、利用しやすい制度です。
調停が成立すると、その内容は調停調書として作成されます。この調書には強制執行力があるため、相手が養育費などの支払いを怠った場合でも、給与の差し押さえなどの法的手段を取ることができます。
一方で、調停は申立てから終了まで、一般的に半年から1年程度かかります。離婚の成立に向けた話し合いだけでなく関係修復の提案がなされる場合もあるため、離婚の意思が固い場合には、この過程を負担に感じることもあるでしょう。
また、調停は双方の合意が前提となるため、相手が非協力的であったり合意に至らなかったりすると、不成立に終わることもあります。
調停離婚の注意点
調停離婚における実務上の重要なポイントとして、調停委員への伝え方が結果を左右することがあります。
感情的になって相手を一方的に非難するのではなく、客観的な事実とそれによって受けた影響を冷静に説明することが効果的です。調停でよく聞かれる質問や対策は、関連記事『離婚調停で聞かれる事は?答えを考えておこう!』で詳しく解説しています。
調停を有利に進めるためには事前準備が欠かせません。相手の不貞行為を主張する場合はメッセージや写真などの証拠を整理し、財産分与を求める場合は共有財産の内容をまとめておくなど、主張を裏付ける資料を準備しましょう。
なお、調停は平日の日中に開かれるため、時間の確保が必要です。ウェブ会議システムを利用して裁判所に出向かずに参加することもできますが、平日に時間を割く必要がある点は変わりません。
離婚の種類③審判離婚とは
審判離婚とは、調停でわずかな離婚条件の違いで、合意が成立しない場合であっても、離婚を認めるのが適当だと判断された場合に、家庭裁判所が、離婚を認める審判をする方法です。
夫婦間で離婚について異存はないものの、財産分与や子どもの親権などをめぐってわずかに対立があるような場合や、単なるいやがらせで調停期日に出頭しないような場合に、審判がされることがあります。
審判後、異議申立てがなければ離婚が成立します。その後、10日以内に離婚届とともに審判書と確定証明書を役所に提出する必要があります。
しかし、審判に対して当事者から異議が出た場合には、理由を問わず審判の効力が失われるなど、効力自体は極めて弱いです。
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裁判上の離婚
離婚の種類④裁判離婚とは
裁判離婚とは、夫婦の一方が家庭裁判所に離婚訴訟を起こし、判決によって成立する離婚方法です。
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。2 裁判所は、前項第一号から第四号までに掲げる事由がある場合であっても、一切の事情を考慮して婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができる。
民法第七百七十条
調停が不成立で終了した場合、または審判離婚の異議が認められた場合に裁判を検討することになります。
裁判離婚するためには法定離婚原因が必要
いちばんの特徴は、離婚が認められるためには法定離婚原因が必要となることにあります。
法定離婚原因とは、以下の各事実があった際に認められます。
- (ⅰ)配偶者に不貞な行為があったとき
- (ⅱ)配偶者から悪意で遺棄されたとき
- (ⅲ)配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
- (ⅳ)配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- (ⅴ)その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
※(ⅳ)「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」は、民法改正により削除されます。この改正は、2026年4月1日に施行されます。
(ⅴ)「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」は、婚姻共同生活が破綻し、その修復が著しく困難な状態を指します。
具体的な事情にもよりますが、性格の不一致、浪費やギャンブル等の経済的問題、暴力や侮辱等のDV、配偶者の親族との不和といったケースでこの状態にあたると判断される場合があります。
また、(ⅰ)〜(ⅳ)の事由があるときでも、婚姻の継続を相当と認めるときは、離婚の請求を棄却することができます。
裁判離婚の特徴
一方で、裁判離婚は、協議離婚や調停離婚とは違って、夫婦間の合意は必要ありません。
裁判離婚では、裁判をする関係上、相手のどのような点が離婚原因にあたるのか証明する必要があるため、証拠の提出をする必要があります。
この点も協議離婚や調停離婚とは異なる特徴となります。
判決が確定すれば離婚が成立します。その後、離婚届に判決書の謄本と確定証明書を添えて役所に届ける必要があります。
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裁判離婚のメリット・デメリット
裁判離婚の最大のメリットは、離婚を認める判決が確定すれば、相手の同意がなくても離婚を成立させることができる点です。また、裁判では離婚の可否だけでなく、子どもの親権や養育費、財産分与、慰謝料についても裁判所の判断を求めることができます。
一方で、判決が出るまでには1〜2年以上かかることもあり、精神的負担は大きくなります。訴訟費用のほか、証拠収集のために調査会社へ依頼する場合は調査費用が発生し、弁護士に依頼する場合は弁護士費用も必要になります。
さらに、裁判は原則として公開されるため、夫婦間のプライベートな事情が公になる可能性がある点にも注意が必要です。
裁判離婚の注意点
裁判離婚では、民法で定められた法定離婚事由のいずれかが存在することを、証拠に基づいて具体的に主張・立証する必要があります。不貞行為であれば調査報告書や写真、メッセージの記録など、DVであれば医師の診断書や日記、相談機関への相談記録などが有力な証拠となります。
また、裁判では本人尋問が行われることが一般的で、法廷で裁判官や相手方の弁護士から質問を受けることになります。
証拠が不十分で離婚が認められなかった場合でも、訴訟に費やした時間や費用、精神的な負担は残ります。そのため、裁判を検討する際は、事前に弁護士へ相談し、見通しや必要な証拠を確認しておくことが重要です。
離婚の種類⑤和解離婚とは
和解離婚とは、離婚裁判中に当事者の話し合い(和解)によって離婚をする方法です。
裁判所から和解勧告が勧められた際に、夫婦が離婚について合意すれば和解は成立し、判決を待たずに和解調書が作成され、和解離婚が成立します。
和解後には、離婚届に和解調書の謄本を添えて役所に届ける必要があります。
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離婚の種類⑥認諾離婚とは
認諾離婚とは、訴えを起こされた被告が原告の請求をすべて認めて、離婚をする方法です。
認諾離婚ができるのは、親権問題や財産分与、慰謝料の訴えがない場合に限られるため、成立するケースはまれです。
離婚の種類に関するよくある質問
Q. 離婚の種類はどう選ぶ?
離婚の方法は、夫婦双方が離婚に合意しているかどうかによって決まります。離婚とその条件(親権・養育費・財産分与など)について合意できていれば、「協議離婚」が可能です。
一方、どちらかが離婚を拒否している場合や条件で折り合いがつかない場合は、まず「調停離婚」を行い、それでも解決しないときは「裁判離婚」へ進みます。
実務上は、調停が成立しない場合に裁判所が職権で行う「審判離婚」や、訴訟の途中で合意に至る「和解離婚」、相手の主張を受け入れる「認諾離婚」といった方法も存在します。
Q. どの種類の離婚がいちばん多い?
厚生労働省の統計によると、日本の離婚の大半は夫婦の話し合いによる「協議離婚」であり、2024年は全体の87.5%を占めています。次いで調停離婚が7.7%、審判離婚が2.5%となっています。
長期的に見ると、協議離婚の割合はおおむね90%前後で推移しており、調停離婚は減少傾向にある一方、審判離婚は近年やや増加傾向にあります。
Q. 相手が離婚の話し合いに応じない場合は?
相手が話し合いに応じない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。調停委員会は、裁判官1名と民間から選ばれた2名以上の調停委員で構成され、当事者だけで話すよりも冷静に解決を目指せます。

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

弁護士
裁判の前に、必ず調停を行わなければならないルールを「調停前置主義」といいます。