離婚のつらさはいつまで続く?苦しみからの立ち直り方

離婚を強く望んでいた人も、大好きだった相手との別れを選んだ人も、離婚後に喪失感や自責の念に苦しむことは珍しくありません。つらさはいつまで続くのか、このまま一生立ち直れないのではないかという不安を抱えている方もいるでしょう。
離婚後のつらさは、一般的には数ヶ月から数年で徐々に和らいでいきます。 ただし、回復までの期間には個人差が大きく、焦らず自分のペースで向き合うことが大切です。
法務省の調査によると、別居直後に「いつも気分が沈み込む」と感じた人は21.6%いましたが、半年後には14.9%に減少しており、時間の経過とともに心は少しずつ回復していくことがわかります。
この記事では、離婚がつらい理由、つらさが続く期間の目安、そして苦しみから立ち直るための具体的な方法を解説します。
目次
離婚がつらい理由
離婚をきっかけに気持ちが不安定になったり、精神的な負担を抱えたりすることは、決して珍しいことではありません。
法務省の「協議離婚に関する実態調査」では、「相手と別居した直後、神経過敏に感じましたか」という質問に対し、「いつも」と回答した人が24.7%、「たいてい」が16.5%、「ときどき」が20.0%という結果が示されています。
特に、大好きだった相手との離婚は複雑な感情を伴います。共に過ごした時間が長いほど思い出がよみがえり、日常のふとした瞬間に相手を思い出してしまうこともあるでしょう。
では、なぜ離婚はこれほどつらく感じられるのでしょうか。具体的な理由を見ていきます。
喪失感を感じる
離婚を望むほど関係が悪化していたとしても、楽しく過ごしていた時期はあったはずです。幸せだった頃を思い出して、それを失ってしまったことを実感するでしょう。
クリスマスや年末年始などイベントのある時期には、他の家庭の家族団らんを目にして強く虚しさを感じる方が多いようです。
自分を責めてしまう
離婚後、自分が悪かったから離婚になったのではないかと自分を責めてしまう方は少なくありません。過去の出来事を何度も振り返り、自分の至らなかった点ばかりに目が向くことで、自己肯定感が低下してしまうことがあります。
特に子どもがいる家庭では、「自分のせいで子どもから父親や母親を失わせてしまった」と強い罪悪感を抱きやすい傾向があります。法務省の調査でも、別居時に「子どもへの申し訳なさ」を強く感じた人は55.8%にのぼり、「少し感じた」と回答した人を含めると、8割以上が子どもに対する負い目を感じていることが示されています。
たとえ相手の不貞行為などが離婚の原因であっても、「自分がもっと違う対応をしていれば」と考え、ひとり気持ちを抱え込んでしまうケースは珍しくありません。
周りの目が気になる
離婚後は、周囲からの冷ややかな目線を感じることもあるでしょう。
実際には周囲の人はあまり気にしていないということもありますが、離婚後は敏感に反応してしまいがちです。
また、周りに幸せそうな夫婦がいると、劣等感や後ろめたさを感じてしまうかもしれません。
生活が苦しい
離婚後に経済的な苦境に立たされてしまう方は少なくありません。
夫婦で暮らしていた家よりも、狭くて不便な家に引っ越すという方は多いでしょうし、自由に使えるお金も少なくなってしまいます。衣食住のレベルが下がるというのは相当な精神的苦痛であり、将来への不安も高まります。
また、シングルマザーにとって、ひとりで家事や子育てをするのも大変な負担です。「離婚しなければこんなことにはならなかったかも」と後悔してしまうこともあるでしょう。
離婚のつらさはいつまで続く?
離婚のつらさはいつ終わる?
離婚後のつらさの大きさや続く期間には、個人差がありますが、一般的には、数ヶ月から数年で徐々に楽になるといわれています。
実際に、法務省の調査でも、時間の経過とともに精神的な負担が軽減していく傾向が確認されています。
たとえば、別居直後に「いつも気分が沈み込む」と答えた人は21.6%でしたが、半年後には14.9%まで減少しました。一方で、「まったく気分が沈まない」と回答した人は26.7%から34.7%へ増えています。また、「いつも神経過敏」と感じていた人は24.7%から14.9%に、「いつも絶望的」と感じていた人も21.2%から13.7%へと減少しています。
このように、半年ほどの期間でも心の状態が改善する人が一定数いることがわかります。
ただし、回復のスピードは人それぞれです。無理に気持ちを切り替えようとせず、自分のペースで向き合うことが重要です。
つらい状態が長く続く場合もありますが、多くは時間とともに和らいでいきます。現在の苦しさが一生続くのではないかと過度に不安を抱く必要はありません。
離婚を受け入れるまでのステップ
「死の受容のプロセス」「悲しみの5段階」などと呼ばれる概念をご存じでしょうか。これは、エリザベス・キューブラー・ロス博士が提唱した理論で、死に向き合う人間の心理状態を5つの段階に分類しています。
もとは死に近い人の心の動きについての研究でしたが、現在では死別や離婚を経験した人にもあてはまるのではないかと言われています。
必ずしもすべての人がこの順番を辿るわけではありませんが、このプロセスを知っておけば、自分のつらさを客観視するのに役立つのではないでしょうか。
第1段階「否認」
離婚直後は、現実を受け入れることができません。「私が離婚するはずがない」と、現実を疑ってしまうこともあります。
第2段階「怒り」
離婚原因や相手への怒り、自分自身への怒りなど、様々な怒りの感情が湧き出る段階です。「なぜ自分だけがこんな目に遭うのか」などと、怒りを周囲に向けることがあります。
第3段階「取引」
離婚を回避するための取引を試みます。「もう二度と怒らないから復縁しよう」「何でも言うことを聞くから出ていかないで」など、現実離れした条件を持ち出す場合もあります。
第4段階「抑うつ」
離婚後の生活への不安や孤独感、喪失感などから、抑うつ状態になることがあります。何もやる気が起きない、食欲がない、眠れないなどの症状が現れる場合もあります。
第5段階「受容」
離婚という現実を受け入れ、未来に向けて歩き始める段階です。離婚は人生の終わりではなく、新たな始まりであることを理解します。
離婚のつらさから立ち直るには?
仕事や趣味で忙しく過ごす
離婚のことを考える暇がなくなるくらい、仕事や趣味に没頭するのもよいでしょう。
仕事を頑張ればその分金銭的な余裕ができますし、趣味に力を注げば、生きがいや新しい仲間を見つけられるというメリットもあります。
ただし、忙しすぎるあまり身体を壊してしまったら、余計につらい思いをしてしまいますので、体調管理は必須です。
徹底的に自分と向き合う
予定をたくさん入れて忙しく過ごすのとは真逆ですが、人によっては自分の気持ちに向き合うことで考えが整理でき、前向きな気持ちに切り替えられることもあります。
例えば、瞑想をしたり、日記を書いたりすることは、自分の気持ちに気づくために有効です。
ただし、つらさを直視する行為でもありますので、かえって落ち込んでしまう方もいるかもしれません。
周囲の人に話を聞いてもらう
家族や友人、同僚など、周りの人に話を聞いてもらうことは非常に有効です。
親しい人からの共感や励ましは、離婚後の苦痛を和らげてくれるでしょう。
また、自分の気持ちを他人に話すことで、気持ちが整理されて現状を受け入れやすくなるという効果があります。
専門家のカウンセリングを受ける
カウンセラーやセラピストなどの専門家に相談して、専門的なアドバイスを受けるのもよいでしょう。
自分自身では気づかなかった問題点や解決策を提示してもらえることで、苦痛を和らげ、前に進むための道筋を見つけやすくなります。
また、身近な人には話しづらいプライベートな話も、安心して打ち明けることができるでしょう。
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新しい恋愛をする
新しい恋愛は、離婚のつらさを忘れさせてくれるでしょう。また、愛される経験をすることで、自信を取り戻し、自己肯定感を高めることができます。
一度離婚を経験したからこそ、充実した恋愛ができるのではないでしょうか。
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経済的な援助を受ける
経済面の不安を感じている方は、経済状況を改善することでつらさを軽減し、安心して生活できるようになるかもしれません。
公的な援助を受けられないか検討してみましょう。ひとり親家庭は、児童扶養手当や医療費助成を受けられる可能性があります。また、生活保護という選択肢もあります。
さらに、元配偶者に対しても金銭を請求できるかもしれません。離婚時に養育費や慰謝料、財産分与の取り決めをしていなくても、法定の期限内であれば離婚後に請求できる場合があります。
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離婚のつらさや苦しみに関するよくある質問
Q. 離婚がつらくて眠れない…いつまで続く?
離婚後のつらさは数ヶ月から数年で徐々に和らぎます。法務省の調査によると、別居直後に「いつも気分が沈み込む」と感じた人は21.6%いましたが、半年後には14.9%に減少しています。時間の経過とともに、心は少しずつ回復していきます。
ただし、つらさが長引く場合や、日常生活に支障が出る場合は、専門家のカウンセリングや心療内科の受診を検討してください。無理に我慢せず、周囲に頼ることが回復への近道です。
Q. 離婚でつらい時期に避けるべき行動は?
寂しさや苦しさから、元配偶者に衝動的に連絡をしてしまうことは避けましょう。一時的に気が紛れても、後からより強い虚無感に襲われたり、トラブルに発展したりする恐れがあります。
また、精神的に不安定な時期に、仕事の退職や見知らぬ土地への引越しなど、人生を左右する大きな決断を急ぐのも危険です。まずは心身の回復を最優先にしてください。
Q. 離婚後に相手のSNSを見て苦しいときは?
相手の現状を知ることは、立ち直りを遅らせる原因になります。つらい時期は相手のSNSをブロックしたり、一時的にデジタルデトックスを行ったりして、意図的に情報が入らない環境を作ることが重要です。

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了
