離婚のつらさはいつまで続く?苦しみからの立ち直り方
どんなに強く離婚を望んでいた人でも、まったく悲しむことなく離婚ができるわけではありません。多くの方は、喪失感や自責の念を抱き、多少なりともつらい思いを経験します。
自分が望んでいなかった離婚であればなおさらです。このつらさがずっと続いたらどうしようと、さらに不安に感じるかもしれません。
この記事では、離婚後のつらさがどのくらい続くのか、離婚の苦しみから立ち直るためにどのような方法が考えられるのかについて解説します。
目次
離婚がつらい理由
喪失感を感じる
離婚を望むほど関係が悪化していたとしても、楽しく過ごしていた時期はあったはずです。幸せだった頃を思い出して、それを失ってしまったことを実感するでしょう。
クリスマスや年末年始などイベントのある時期には、他の家庭の家族団らんを目にして強く虚しさを感じる方が多いようです。
自分を責めてしまう
離婚後に「自分が悪いから離婚することになった」「自分のせいで子どもにつらい思いをさせている」と、自分を責めてしまう方は少なくありません。
自分の悪かったところを次々と考えるため、自己肯定感が下がってしまいます。
周りの目が気になる
離婚後は、周囲からの冷ややかな目線を感じることもあるでしょう。
実際には周囲の人はあまり気にしていないということもありますが、離婚後は敏感に反応してしまいがちです。
また、周りに幸せそうな夫婦がいると、劣等感や後ろめたさを感じてしまうかもしれません。
生活が苦しい
離婚後に経済的な苦境に立たされてしまう方は少なくありません。
夫婦で暮らしていた家よりも、狭くて不便な家に引っ越すという方は多いでしょうし、自由に使えるお金も少なくなってしまいます。衣食住のレベルが下がるというのは相当な精神的苦痛であり、将来への不安も高まります。
また、シングルマザーにとって、ひとりで家事や子育てをするのも大変な負担です。「離婚しなければこんなことにはならなかったかも」と後悔してしまうこともあるでしょう。
離婚のつらさはいつまで続く?
離婚のつらさはいつ終わる?
離婚後の苦しみの大きさや長さは、人によって様々です。
一般的には、数ヶ月から数年で徐々に楽になるといわれています。中には何年もつらい気持ちが続く場合もありますが、いずれは和らいでいきますので、「今のつらさがずっと続くのでは」と不安になる必要はありません。
離婚を受け入れるまでのステップ
「死の受容のプロセス」「悲しみの5段階」などと呼ばれる概念をご存じでしょうか。これは、キューブラー・ロス博士が提唱した理論で、死に向き合う人間の心理状態を5つの段階に分類しています。
もとは死に近い人の心の動きについての研究でしたが、現在では死別や離婚を経験した人にもあてはまるのではないかと言われています。
必ずしもすべての人がこの順番を辿るわけではありませんが、このプロセスを知っておけば、自分のつらさを客観視するのに役立つのではないでしょうか。
第1段階「否認」
離婚直後は、現実を受け入れることができません。「私が離婚するはずがない」と、現実を疑ってしまうこともあります。
第2段階「怒り」
離婚原因や相手への怒り、自分自身への怒りなど、様々な怒りの感情が湧き出る段階です。「なぜ自分だけがこんな目に遭うのか」などと、怒りを周囲に向けることがあります。
第3段階「取引」
離婚を回避するための取引を試みます。「もう二度と怒らないから復縁しよう」「何でも言うことを聞くから出ていかないで」など、現実離れした条件を持ち出す場合もあります。
第4段階「抑うつ」
離婚後の生活への不安や孤独感、喪失感などから、抑うつ状態になることがあります。何もやる気が起きない、食欲がない、眠れないなどの症状が現れる場合もあります。
第5段階「受容」
離婚という現実を受け入れ、未来に向けて歩き始める段階です。離婚は人生の終わりではなく、新たな始まりであることを理解します。
離婚のつらさから立ち直るには?
仕事や趣味で忙しく過ごす
離婚のことを考える暇がなくなるくらい、仕事や趣味に没頭するのもよいでしょう。
仕事を頑張ればその分金銭的な余裕ができますし、趣味に力を注げば、生きがいや新しい仲間を見つけられるというメリットもあります。
ただし、忙しすぎるあまり身体を壊してしまったら、余計につらい思いをしてしまいますので、体調管理は必須です。
徹底的に自分と向き合う
予定をたくさん入れて忙しく過ごすのとは真逆ですが、人によっては自分の気持ちに向き合うことで考えが整理でき、前向きな気持ちに切り替えられることもあります。
例えば、瞑想をしたり、日記を書いたりすることは、自分の気持ちに気づくために有効です。
ただし、つらさを直視する行為でもありますので、かえって落ち込んでしまう方もいるかもしれません。
周囲の人に話を聞いてもらう
家族や友人、同僚など、周りの人に話を聞いてもらうことは非常に有効です。
親しい人からの共感や励ましは、離婚後の苦痛を和らげてくれるでしょう。
また、自分の気持ちを他人に話すことで、気持ちが整理されて現状を受け入れやすくなるという効果があります。
専門家のカウンセリングを受ける
カウンセラーやセラピストなどの専門家に相談して、専門的なアドバイスを受けるのもよいでしょう。
自分自身では気づかなかった問題点や解決策を提示してもらえることで、苦痛を和らげ、前に進むための道筋を見つけやすくなります。
また、身近な人には話しづらいプライベートな話も、安心して打ち明けることができるでしょう。
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新しい恋愛をする
新しい恋愛は、離婚のつらさを忘れさせてくれるでしょう。また、愛される経験をすることで、自信を取り戻し、自己肯定感を高めることができます。
一度離婚を経験したからこそ、充実した恋愛ができるのではないでしょうか。
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経済的な援助を受ける
経済面の不安を感じている方は、経済状況を改善することでつらさを軽減し、安心して生活できるようになるかもしれません。
公的な援助を受けられないか検討してみましょう。ひとり親家庭は、児童扶養手当や医療費助成を受けられる可能性があります。また、生活保護という選択肢もあります。
さらに、元夫に対しても金銭を請求できるかもしれません。離婚時に養育費や慰謝料、財産分与の取り決めをしていなくても、離婚後に請求できる場合があります。
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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。
保有資格
士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士
学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了