会社売却のタイミングは?会社を売る最適な時期を逃さない方法は?
- 会社売却に最適なタイミングはいつ?
- 会社売却の時期を逃す原因は?
- 会社売却のタイミングを逃さないためには?
会社売却は、経営者の年齢や体調、事業環境の変化など、様々な理由で検討されます。
一般的には、企業価値が高く、買い手企業を見つけやすい時期が、会社売却のタイミングとして最適とされます。
この記事では、会社売却のタイミングを判断する際の4つのポイントや、会社売却に最適な時期を逃さないための方法について解説します。
会社売却のタイミングでお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
会社売却の最適なタイミングは?
会社売却を決断するタイミング4つ
会社売却を決断するタイミングとして、以下の4つの時期があげられます。
会社売却のタイミング(一例)
- 業績が好調な時期
- 業界再編が活発な時期
- 経営者の高齢になった・体調の変化があった時期
- 事業環境の変化があった時期
①業績が好調な時期
会社の業績が好調な時期は、会社売却にとって絶好のタイミングです。
会社の業績が好調な時期は、買い手にとって、会社が魅力的に映ります。
売却価格が多少高額であっても、買い手企業が積極的に買収を検討してくれる可能性が高いでしょう。
業績が好調な時期(一例)
- 過去最高の業績を達成した
- 新規事業が成功し、収益が拡大している
- 市場シェアを拡大し、業界内で競争優位な地位を獲得している
etc.
②業界再編が活発な時期
業界再編が活発な時期も、会社売却にとって最適なタイミングのひとつです。
業界再編が活発な時期は、競合企業が買収を検討している可能性が高く、売却先を見つけやすい環境と言えます。
業界再編の波に乗ることで、自社の事業をより高く評価してもらえる可能性があります。
また、競合企業に買収されることで、事業の存続や成長を図ることもできます。
業界再編が活発な時期(一例)
- 同業他社によるM&Aが活発化している
- 業界大手による買収意欲が高まっている
- 新興企業の台頭により、業界の勢力図が変化している
etc.
③経営者の年齢や体調の変化
経営者の年齢や体調の変化も、会社売却を考えるタイミングになります。
特に、以下のような状況である場合、会社売却を検討すべきタイミングと言えるでしょう。
経営者の年齢や体調の変化(一例)
- 経営者が60歳になり、事業承継の準備が必要になった
- 経営者の体調が悪化し、事業継続が困難になった
- 経営者のモチベーションが低下し、事業への意欲が減退した
etc.
経営者の年齢や体調の変化は、会社の将来に大きな影響を与える可能性があります。
経営者の年齢や体調に変化が生じた時に、めぼしい後継者がいないときは、事業の安定的な継承や成長のためにも、早めに会社売却を検討することが重要となります。
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④事業環境の変化があった時期
事業環境の変化も、会社売却のタイミングを考える重要な要素となります。
事業環境の変化は、会社の競争力を低下させ、収益を悪化させる可能性があります。変化に対応するためには、会社売却も選択肢の一つとして検討する必要があります。
以下のような環境の変化があったタイミングで、事業に先細りを感じる場合は、会社売却を検討してみてもよいでしょう。
事業環境の変化(一例)
- 市場環境の変化により、事業の将来性が不透明
- 技術革新により、事業モデルが陳腐化
- 規制緩和により、新規参入企業が増加
etc.
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会社売却のタイミングを逃す原因
後継者問題を先送りにする
会社売却のタイミングを逃す原因のひとつとして、後継者問題を先送りにすることがあげられます。
一般に60歳を過ぎたら、後継者を選定して育てるのが望ましいとされています。
しかし、まだまだ現役であるからといって、後継者を立てることなく、70代や80代になっても社長職にとどまる方も少なからずいます。
その場合、ベストな条件で会社売却ができない可能性があります。
近い将来、経営者自身が体力の衰えを感じ、今後の経営方針や、会社売却先の選定や交渉に力を注ぐことが難しくなるおそれがあります。
また、経営陣の高齢化により会社の収益力が下がるケースもあります。全盛期と比べて売却価格が低額になってしまったり、買い手が見つからなかったりするケースもあるでしょう。
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会社売却にネガティブなイメージ
会社売却というと、従来、身売り、マネーゲームなどのネガティブなイメージがあり、会社売却について後ろめたい気持ちになる経営者も多いものでした。
会社を手放すことに抵抗を感じるため、経営者には「会社売却」という選択肢は無いに等しいものだったと思います。そのため、今でも会社売却に踏み切れずに、タイミングを逃すケースもあるでしょう。
ですが一方で、近年では、国が設置した事業承継・引継ぎ支援センターなどが、会社売却(M&Aによる事業承継)を支援するようになりました。
そのため、会社売却に対する否定的な考え方はくつがえされつつあり、会社売却に踏み切る中小企業も増えています。
会社を手放すのが惜しいと感じる
会社売却のタイミングを逃す原因として、現経営者が会社を手放すのが惜しいと感じることがあげられます。
自分が築き上げてきた会社に愛情が湧き、第三者の手にわたることを躊躇してしまうのです。
いつまでも社長でいたい、会社経営に参画していたいという気持ちは、会社売却の最適なタイミングを逃す原因になり得ます。
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会社売却のタイミングを逃さない方法
会社売却のメリットを意識する
会社を手放すのが惜しいなどと思う気持ちから、会社売却のタイミングを逃してしまいそうなときは、会社売却のメリットを意識するようにしましょう。
会社売却をおこなえば、譲渡益を得られ、新規事業のための資金や今後の生活資金を確保することができます。
先行き不安があり、自身が社長として事業継続するのが困難である場合、経営ノウハウのある第三者に売却することで、会社が存続し、成長を遂げる道を残すことができます。
また、会社売却をおこなえば、後継者不在の場合でも会社の存続がかない、従業員の雇用維持ができる可能性や、経営者が個人保証から解放される可能性もでてきます。
このように会社売却には、たくさんのメリットがあります。
会社を手放すことに躊躇した場合は、会社売却のメリットを思い浮かべて、ご自身を奮起させ、会社売却の好機を逃さないようにしましょう。
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企業価値向上に努めてタイミングをうかがう
高額での会社売却のタイミングを逃さないためには、企業価値の向上につとめながら、機会をうかがうことが大切です。
企業価値を高めることができれば、その分、会社売却価格も高額になります。
企業価値を高めるには、事業の収益性をあげるほか、無駄なコストを削減するなどの対策を講じる必要があります。
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早い段階で会社売却の情報・流れをつかむ
会社を売却できるかどうかは、業界の動向にも左右されます。そのため、早いうちから、こまめに業界動向についてチェックしておくと良いでしょう。
また、安心して会社売却を進めるためには、会社売却の流れや、各段階での手続きのポイントを押さえておくと安心です。
ここでは、買い手探しや条件交渉についてコメントしておきましょう。
会社売却先(買い手)の探し方
経営者自身の人脈を使って、買い手探しができるケースもあるでしょうが、なかなか買い手が見つからないこともよくあります。
効率よく会社売却先を探すには、民間のM&A仲介会社やM&Aマッチングサイト、公的機関である事業承継・引継ぎ支援センターの人材バンクなどを利用する方法が考えられます。
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会社売却の条件交渉
せっかく買い手候補があらわれたとしても、自分に有利な条件に固執するあまり、買い手側企業との交渉が決裂してしまい、好機を逃すこともあります。
会社売却に最適なタイミングを逃さないためには、譲歩できるポイントと、譲歩できないポイントを明確に意識して、交渉にのぞむことが重要です。
会社売却の交渉で悩んだ場合は、M&Aアドバイザリーや、交渉を得意とする弁護士などに相談してみると良いでしょう。
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まとめ
会社売却は、経営者にとって重要な決断です。タイミングを逃してしまうと、売却価格が低くなったり、買い手企業が見つからない可能性もあります。
早めに準備を始め、専門家のアドバイスを受けながら、最適なタイミングで会社売却を検討しましょう。