岡野武志弁護士

第二東京弁護士会所属。刑事事件で逮捕されてしまっても前科をつけずに解決できる方法があります。

「刑事事件弁護士アトム」では、逮捕や前科を回避する方法、逮捕後すぐに釈放されるためにできることを詳しく解説しています。

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保釈申請の流れ|請求が却下された場合の対処法とは

更新日:
保釈申請の流れ

2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。

  • 保釈とは?保釈が通る条件とは?
  • 保釈申請の手続きの流れとは?
  • 保釈が通るまでの日数とは?

起訴後も勾留が続く場合、身体の自由を回復するためには「保釈申請」が重要な手続きとなります。

しかし、保釈は申請すれば当然に認められるものではなく、裁判所が懸念する「証拠隠滅のおそれ」や「逃亡のおそれ」をいかに否定できるかが大きなポイントとなります。

実際には、保釈請求が一度却下されても、準抗告や事情変更による再申請によって保釈が認められるケースも少なくありません

本記事では、「保釈申請」「保釈却下」に直面した方に向けて、保釈が認められる条件、保釈申請の流れ、保釈が通るまでの日数の目安、そして弁護士が重視する実務上のポイントを解説します。

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そもそも保釈とは?

保釈とは「起訴後、保釈保証金(保釈金)を納付することで、被告人が勾留から釈放される手続き」です。

通常、身柄を拘束されたまま正式起訴されると、裁判が結審するまで拘置所で身体拘束され続けることになります。

しかし、保釈されると拘置所などから出て、ひとまず元の生活に戻れます。

刑事裁判の準備を整えることができるので、起訴後の被告人にとって保釈は非常に重要です。

また、保釈されることで会社や学校などに復帰することが可能になります。

保釈申請できるのは誰?

保釈申請は誰でもできるわけではありません。以下の方に限って申請することができます(刑事訴訟法88条1項)。

保釈申請できる人

  • 勾留されている被告人本人
  • 被告人の弁護人
  • 被告人の法定代理人(未成年の被告人の両親など)
  • 被告人の保佐人
  • 被告人の配偶者
  • 被告人の直系の親族若しくは兄弟姉妹

通常は、被告人の弁護人が保釈申請を行うことが多いです。

保釈申請が通る条件は?

法律では、「以下の6つの除外理由に当てはまらなければ、保釈を認めなければならない」と定められています。

保釈申請が通る条件

  1. 被告人が死刑又は無期、拘禁刑の下限が1年以上に当たる罪を犯した場合ではない
  2. 被告人が過去に死刑又は無期、拘禁刑の上限が10年を超える罪の前科がない
  3. 被告人が常習として拘禁刑の上限が3年以上の罪を犯した場合ではない
  4. 証拠隠滅のおそれがない
  5. 被害者や証人などを脅すおそれがない
  6. 氏名、住所が明らかである

条件をすべて満たした事件について行われる保釈を「権利保釈」と言います(刑事訴訟法89条)。1~3では犯した罪の刑罰が重視されます。そのため、例を挙げると殺人罪、強盗罪、不同意性交等罪、有印公文書偽造罪、営利目的の覚醒剤所持などは上記の条件からは外れます。

実務上の観点から言えば、権利保釈が認められるケースはかなり限定的です。たとえ軽微な犯罪であっても、証拠隠滅をするのではないかと疑われ、保釈が認められないケースが多くあります。

しかし、権利保釈の条件を満たしていないときであっても、弁護士などが保釈申請の請求をした場合に、裁判所が裁量で保釈を許可してくれることがあります。これを「裁量保釈」と言います。

刑事事件に強い弁護士が適切な主張をすることにより、裁量保釈が認められるケースは十分にあります。

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保釈された後は条件がある

保釈された後は、保釈条件を守る必要があります。

保釈条件は「逃亡、証拠隠滅をしてはならない」「証人と接触してはならない」「夜間外出してはならない」など具体的に定められます。

これらの条件が守られなかった場合には、保釈金が没取されます。

反対に、裁判が終わるまで保釈条件を守り続ければ、最終的に保釈金は返還されます。

保釈された後の条件については『保釈の条件とは?保釈金の相場、条件違反はどうなる?』 の記事で詳しく解説しています。

保釈申請の仕方とは?手続きの流れは?

保釈申請手続きのタイミングは?

保釈請求は、事件が起訴され、被疑者が「被告人」となった段階から、即日行うことが可能です。

身体拘束の目的は、被告人の逃亡や証拠隠滅を防止することにあります。そのため、これらの危険性がなく、刑事裁判を円滑に進めることができると判断される場合には、身体拘束を継続する必要はありません。

被告人には、誰でも保釈を請求する権利が認められています。そのため、可能な限り早期に保釈申請を行うことが重要です。

保釈の流れ

なお、保釈申請自体は土日・祝日を含め、原則として24時間受け付けられています。ただし、土日・祝日は裁判所が閉庁しているため、実際の審査は平日に行われるのが通常です。

また、裁判所によっては、申請書をポスト投函で受け付けている場合もあります。

保釈申請に必要な書類

保釈申請をするにあたっては、以下の書類が必要となります。

保釈申請に必要な書類

  • 保釈請求書
  • 身元引受書
  • 住民票
  • 上申書、示談書など
  • (本人や弁護士以外が申請する場合)戸籍謄本

これらの書類を全てご家族で用意し、かつ適切に保釈申請を行うのは難しいので、弁護士へ依頼するべきと言えるでしょう。

保釈請求書の書き方

保釈請求書には、履歴書のような統一規格はありません。

法律で決まった書式がないので、自由に作成することができます。

一般的な書き方としては、まず権利保釈が見込まれる事件については、権利保釈の条件にすべて合致するという旨について主張していきます。

特に「罪証隠滅のおそれが無い」、「証人などを害するおそれが無い」という条件は定量的な評価ができるものではないため、これらのおそれがないことを論拠をもってしっかりと示す必要があります。

権利保釈の条件に該当しない事件の場合、裁量保釈を目指します。

その場合には「事件について深く反省している」、「健康状態が悪く通院の必要がある」、「家族の収入を支える大黒柱のため仕事を休めない」、「公判審理の進行が順調である」といった事実を根拠をもって主張するのが有効です。

保釈申請に身元引受人は必要?

事実上、保釈申請に身元引受人は欠かせません。

身元引受人は、保釈期間中、被告人の生活や行動を監督したり、公判期日に被告人の出頭を確保する役割を担う人です。

保釈期間中に、逃亡・証拠隠滅が行われないよう監督できる人が求められます。身元引受人は、同居の家族が引き受けることが多いです。同居していれば、保釈中の生活や行動を監督しやすいからです。

また、家族以外でも、身元引受人をお願いすることは可能です。会社の上司、友人や知人などが身元引受人となることもあります。

保釈金はいくらぐらいになる?

保釈金の金額は、犯罪の性質・情状、証拠の証明力、被告人の性格・資産を考慮して決定されます。

個々の事案によりますが、一般人の保釈にあたっては150万円~300万円の保釈金が必要となります。

犯罪の態様が重大であったり、被告人が芸能人や資産家であるような場合は、保釈金が高額になる傾向があります。

保釈申請の結果がわかるのはいつ頃?

保釈申請したら即日釈放される?

保釈請求は、被疑者が「被告人」となった段階から即日可能ですが、実務上、即日釈放されることはほとんどありません。

保釈申請は裁判所に対しておこないますが、保釈申請を受けた裁判所が保釈について審理する期間は2~3日です。

また土日は審理が行われません。そのため、週末に申請をすると土日を挟んでさらに審理期間がかかることになります。

釈放後の保釈の期間はどのくらい?

保釈が認められた場合、保釈条件を守っている限り、第1審の判決日まで身柄を拘束されることはありません。

保釈の際には「住居を変更するには裁判所の許可を得る」、「ある日数以上の旅行につき裁判所の許可を得る」、「被害者など関係者と接触しない」といった条件が課されます。

これらに違反した場合には、保釈が取り消されて再び拘置所に拘束されることになります。

また第1審で実刑判決を受けてしまった場合にも保釈は取り消されてしまいます。

そのため控訴して審理を続ける場合には、再び拘置所に身体拘束されてしまうことになります。

ただ再度保釈の申請をすることは可能であり、これが認められれば控訴審のあいだも身体拘束されずに日常生活を送ることができます。

保釈申請が却下される理由は?却下された場合の「準抗告」とは?

裁判官の判断によっては、保釈請求が却下されることもあります。

保釈請求が却下されると、ご本人もご家族も「もう裁判まで出られないのか」と絶望的な気持ちになるかもしれません。

しかし、却下の理由を正確に分析し、適切な「対策」を講じれば、保釈が実現できる可能性があります。

保釈が却下される最大の原因は証拠隠滅のおそれ

保釈が却下される最大の原因は、裁判所に「外に出すと証拠を隠したり、関係者に口裏合わせをしたりするのではないか?」と疑われることです。これを防ぐには、単に「しません」と誓うだけでなく、物理的に不可能な環境を提示する必要があります。

「被害者・共犯者への接触」を物理的に断つ

まず、事件の関係者と連絡を取る手段を完全に排除します。具体的には、弁護士の立ち会いのもと、本人のスマートフォンから被害者や共犯者の連絡先、SNSのつながりを完全に削除し、そのプロセスを「報告書」としてまとめ、裁判所に提出します。

また、もし共犯者が近所に住んでいるような場合は、釈放期間中だけ一時的に実家や親戚宅へ住居を移すことも有効な手段です。物理的な距離を置くことで、「接触したくてもできない環境」であることを強くアピールします。

スマートフォンの利用制限を可視化する

現代の刑事裁判において、インターネットやSNSを通じた証拠隠滅は非常に厳しく警戒されます。そのため、スマートフォンの利用については踏み込んだ制限が必要です。

「親に端末を預け、必要な時以外は触らせない」「トラブルの温床となったSNSアカウントを削除する」といった具体的な措置を講じます。これにより、外部との不透明な接触を自ら断つ意思を裁判所に示します。

身元引受人による「監視プラン」の提示

家族などが身元引受人となる場合、単に「監督します」という抽象的な言葉だけでは、裁判官を納得させることはできません。

「仕事の行き帰りは必ず家族が同伴する」「就寝前に必ずスマートフォンを回収し、通信履歴を確認する」といった、分単位・日単位での具体的で厳しい監視ルールを策定し、それを遵守することを約束します。

こうした「徹底した管理体制」を裁判所に提示することで、保釈が認められる可能性を高めます

却下された場合には「準抗告」が有効

裁判官の決定に対して「その判断は納得できない」と異議を申し立てる手続きがあり、これを「準抗告」と呼びます。この手続きは、いわば保釈における「再審理」のチャンスです。

準抗告が通常の保釈請求と大きく異なる点は、判断を下す「裁判官の数」にあります。最初の保釈請求では、1人の裁判官が許可・不許可を決定しますが、準抗告では3人の裁判官で構成される「合議体」が改めて審理を行います。

1人の主観的な判断ではなく、3人の多角的な視点から再検討されるため、最初の判断で見落とされていた事情や、過剰に厳しく評価されていたポイントが修正され、保釈が認められるケースは決して珍しくありません。

実務上は、却下の理由を弁護士が速やかに特定し、通常1〜2日以内には精緻な申し立て書類を完成させて提出します。この迅速な対応こそが、準抗告で保釈を実現するための「最短ルート」となります。

保釈に関するよくある質問

Q.保釈申請から釈放まで、最短で何日かかりますか?

通常、申請から2〜3日で裁判所の判断が出ます。

弁護士が保釈請求書を提出した後、裁判官による面談(審理)を経て、当日〜翌々日には許可・却下の決定が下されるのが一般的です。

許可が出た後、保釈金を納付すればその日のうちに釈放されます。

Q.保釈金の相場はいくらですか?また、後で戻ってきますか?

一般的な事件では150万〜300万円程度が相場です。

金額は被告人の資産状況や罪の重さによって変動しますが、最低でも150万円程度が必要になるケースが多いです。保釈金はあくまで「裁判への出席を保証する担保」であるため、保釈が取り消されずに裁判が終われば(有罪・無罪にかかわらず)全額返還されます。

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保釈金が返還される時期と条件は?没収されることはある?

Q.保釈金がどうしても用意できない場合、どうすればいいですか?

「日本保釈支援協会」などの立替制度を利用することが可能です。

まとまった現金が手元にない場合でも、手数料を支払うことで保釈金を立て替えてくれる機関があります。

また、弁護士を通じてこれら専門機関への紹介を受けることで、スムーズに手続きを進めることができます。

Q.保釈請求が「却下」される主な理由は何ですか?

最も多い理由は「証拠隠滅のおそれがある」と判断されることです。

特に、共犯者がいる事件や、被害者に口裏合わせを働きかける可能性があるとみなされた場合、却下されやすくなります。その他、逃亡のおそれや、過去に重い罪を犯している場合なども却下事由に該当します。

Q.一度保釈を却下された場合、釈放されるチャンスはありませんか?

釈放される可能性はあります。諦める必要はありません。

却下決定に対して「準抗告」という不服申し立てを3日以内に行う、あるいは、証拠隠滅のおそれがないことを証明する新たな資料を揃えて「再申請」を行うことで、決定が覆り保釈が認められるケースは多々あります。

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保釈に関するお悩みはアトム法律事務所にご相談ください。

アトム法律事務所は刑事事件専門の弁護士事務所として設立された沿革があり、刑事事件に強い専門性を持っています。

実務上、保釈が認められる可能性は低いことから、僅かでも可能性を上げるために刑事事件に強い弁護士事務所に依頼するべきだと言えます。

アトム法律事務所では警察沙汰になった事件について30分間無料の対面相談を実施しています。

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岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了