ネット炎上・誹謗中傷の対応方法|弁護士が実例で解説します

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炎上や誹謗中傷

この記事でわかること

  • ネットの炎上はなぜ起こる?
  • ネットの誹謗中傷の対応方法は?
  • 誹謗中傷されたら弁護士に相談すべき?

ネット炎上・誹謗中傷はなぜ起こる?

昨今、ネット上の誹謗中傷は深刻な社会問題となっています。SNS上で芸能人などの有名な方に対し、多くの誹謗中傷が書き込まれているのを多くの方が目にしたことがあるかと思います。

たとえば、オリンピックの開催中には、出場した選手に対して国内外から一方的に誹謗中傷が書き込まれ、問題となりました。

東京オリンピックが始まり、主に敗退した選手らを誹謗中傷するような書き込みがインターネットやSNS上に増えています。

警視庁はこうした誹謗中傷について、本人から被害届が出れば警察として真摯に対応する方針を示しました。

五輪選手への誹謗中傷 警視庁「被害届出れば対応」

SNSなどはその匿名性から、特定個人の誹謗中傷を一方的に書き込んだりするケースが多いです。有名人だけでなく、一般の方も誹謗中傷の被害に遭う可能性がありますので、以下で典型例や対策を確認してみましょう。

ネット炎上の典型例①Twitter

Twitterは炎上が起こりやすいメディアのひとつです。手軽に使えるSNSで、毎日Twitterに触れている人も多いのではないでしょうか。自分のツイートに対してコメントが付けられたり、メンションがつけられて自分に対して意見が投じられるなど、炎上のきっかけは様々です。ひとつのツイートがきっかけで、それに対する意見があちこちからやってきて、気づけば炎上しているという現象はよくあります。一種の「バズった状態」を炎上といいます。

また、Twitterは拡散性に優れていることから、一瞬のうちにツイートが広がります。周囲から注目されたり批判を浴びるようなツイートは、削除しない限りどこまでも拡散されるおそれがあります。スクリーンショットが取られていたり、魚拓サイトでコピーがとられていると、ツイートの回収はもはや不可能となります。

Twitterの削除依頼について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考になさってください。

ネット炎上の典型例②掲示板

掲示板も炎上が起こりやすい仕組みを含んでいます。掲示板がスレッドが立てられると、次々にそのスレッドに関する投稿が行われます。この投稿をレスといいます。スレッドのテーマに関心が集まれば集まるほど、多くのレスが書き込まれるため、すぐに炎上状態になります。掲示板はほとんどが匿名で投稿されるため、暴言や誹謗中傷のコメントも多いのが特徴的です。「表現の自由」の名のもとに、特定個人に対する攻撃的な発言も見られ、社会問題にまで発展しています。

5ちゃんねる、2ちゃんねる、爆サイの3サイトが、ユーザー数トップレベルを誇る有名な掲示板です。実名を指摘して誹謗中傷が行われることもあります。実名が書き込まれると、サイトに入りスレッドを見に行かなくても、名前検索だけでヒットしてしまうこともあります。炎上が激しいものは、スレッドが複数立てられ、数千件の投稿が集まる場合もあります。

爆サイ、5ちゃんねる、たぬき掲示板等への削除依頼について詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考になさってください。

ネット炎上の典型例③逮捕報道の拡散

ネットニュースで報じられる逮捕報道も、炎上を招く典型的な原因です。正規の報道機関が逮捕ニュースを公開すると、数時間のうちに多くのメディアに転載されます。個人ブログ、SNS、掲示板などに、元の逮捕記事を引用した投稿が大量に行われます。実名が含まれていることも多く、実名検索をすると事件関係の記事が検索結果の上位を占めてしまうという現象が起こります。

逮捕報道の拡散は、どこまで広がっているかを正確に把握することは難しいものです。「名前」「名前+逮捕」「名前+警察」など、様々なキーワードの組み合わせで検索をかけ、実際にどのサイトにどのような掲載があるかをひとつひとつ見ていく必要があります。報道直後に検索結果にでていなかった記事が、数日経過してから上位に表示されるようになることも、少なくありません。

逮捕報道への対応方法を詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考になさってください。

ネット炎上・誹謗中傷への対処法は?

「ネット炎上はすぐに消すべき」は誤り?

ネットで炎上してしまったとき、「自分に向けられた誹謗中傷をすぐに消したい!」と思うのは当然のことです。ただ、すぐに書き込みを削除することは、必ずしも有効な方法であるとはいえません。炎上の状況をよく分析し、場合によっては一定期間放置することや、警察への相談を優先させるべきケースもあります。

すぐに削除をしたことで、「都合が悪い投稿を消しにかかっている」とさらに悪評が書き込まれたという事例もあります。投稿内容、投稿頻度、スレッド全体の話題の流れなどを分析し、削除することで炎上がおさまる最も良いタイミングを計ることが大切です。静観すべきか、部分的に削除に踏み切るべきかは、なかなか判断が難しいところです。専門家の意見を参考にしながら方針を決める方がよいでしょう。

警察へ相談すべきか、見極める

投稿内容が人を脅迫するものや、名誉毀損の疑いがあるものは、警察に相談することも重要です。すべてのケースが警察の捜査の対象になるわけではないため、相談のみで終ることも多々あります。しかし、ネットでの誹謗中傷は、通常、1回きりで終ることは少なく、複数回にわたり他人から攻撃を受けることがあります。一度、警察で相談をしておくことで、次回以降の相談がスムーズになるため、相談実績をつくっておくことは有効です。

警察が刑事事件として立件できるケースであれば、被害届の提出や刑事告訴をすることも可能になります。立件できるかどうか、証拠が大切になりますので、誹謗中傷の詳細情報をまとめて警察にもって行き、担当刑事の方に見てもらうようにしましょう。捜査が開始されると、犯人(投稿者)の特定も捜査機関が行ってくれます。犯人特定の上、刑事的な制裁が検討されます。

刑事事件の可能性がある投稿例

  1. 名指しで「前科がある」と投稿
  2. 「殺すぞ」「家を燃やすぞ」など脅迫的な投稿
  3. 「バカ」「ブス」などの侮辱的な投稿 など

被害届と刑事告訴についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考になさってください。

誹謗中傷の削除は慎重な判断を要する

誹謗中傷の書き込みを削除する際、もっとも気を付けなければいけないことは、「再炎上の危険」を回避することです。サイト管理者に削除依頼を出したとき、それを良しとしない管理者が削除依頼があったこと自体を晒すことがあります。それがまた注目を浴び、炎上が始まってしまうという状況は回避しなければいけません。

誹謗中傷の削除依頼を行うときには、そのサイトの分析やサイト管理者の性格傾向など、できる限りのプロファイリングをしたうえで、適切な方法で削除依頼を行うことが大切です。一方的に被害者という立場を利用し、権利侵害だと主張するだけでは意見が通らないこともあります。誹謗中傷を受けた場合には、ネットに詳しい弁護士に状況を精査してもらい、削除に踏み切るべきか意見を聞いてから判断することが望ましいです。

ネット上の誹謗中傷への対策について詳しく知りたい方は、記事『ネットで誹謗中傷されたらどんな対応がとれる?法的な解決は弁護士に任せよう』もご参考になさってください。

法律事務所はネットの誹謗中傷の相談先のひとつ

ネットの誹謗中傷を相談したいとき、その窓口はいろいろあります。その中で、弁護士に相談する場合は法律事務所に問い合わせることになります。

法律事務所のなかには「無料相談」の窓口もあるので、うまく活用して情報収集からはじめていきましょう。法律の専門家として、問題の投稿が違法といえるか、法律上どのような主張が可能か、アドバイスを受けることができます。誹謗中傷と一言でいっても、その中には違法性まで認められない悪口程度のものから、深刻な権利侵害のものまで、様々です。法律専門家の視点から、削除対応が可能な事案か、検討してもらうことが大切です。

実際に、弁護士に対応を依頼する場合には、弁護士費用がかかります。相談時には自分でできる範囲のものか弁護士に依頼すべきものかを見極めることが大切です。また、弁護士に依頼する場合の弁護士費用についても、しっかり確認しておきましょう。いつ、どんな名目の費用が発生するか、支払方法や支払い期限など、細かな点まで聞いておきましょう。

誹謗中傷ネット記事の削除依頼する場合、弁護士費用はいくらくらいが相場なのか詳しく知りたい方は、以下の記事もご参考になさってください。

「自分の家族が逮捕され、大手報道機関がネットにニュースを掲載した」「自分の前科情報が匿名アカウントに暴露されてしまった」など、ネットの誹謗中傷トラブルは毎日のように発生しています。

ネットの記事が原因で就職活動がうまくいかなかったり、近所の人間関係にひびが入ったりする可能性も考えられるのです。

そんなとき、すぐに法律事務所に相談して、一日も早い解決を目指しましょう。

ネット上のトラブルに詳しい弁護士を探したいという方は、以下のバナーより解説記事をご覧ください。弁護士を探す際のポイントを詳しく解説しています。

ネットに強い弁護士を探す

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了