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Twitterでの誹謗中傷|削除依頼、犯人特定の方法を解説

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岡野武志

監修者:アトム法律事務所 代表弁護士
岡野武志

削除依頼まとめ|twitter編

この記事でわかること

  • Twitterの誹謗中傷ツイートを削除依頼するには?
  • 名誉毀損のツイートを削除依頼する場合の法的手段とは
  • Twitterの誹謗中傷で警察が動かないときは弁護士に相談

※本記事では「自身のツイート」については対象としておりません。

SNSでの誹謗中傷|警察が動く事例も

脅迫容疑で送検された事例

SNS上で大阪市長に殺害予告をして、大阪府警が投稿者を脅迫容疑で書類送検したというニュースが話題になりました、産経新聞や朝日新聞で目にされた方も多いと思います。大阪市長という公人の立場にあると、普段からメディアなどでの露出も多く、政治的に反対意見を持つ人たちから誹謗中傷の標的にされることがあります。

産経新聞:ツイッターで大阪市長暗殺予告 書類送検

公人とはいえ、このような脅迫行為は許されません。最近では、警察もこのようなSNS上の誹謗中傷に目を光らせ厳しい対応をしているようです。このニュースは、被害者が大阪市長であったから大きく報道されただけで、実際にはTwitterなどのSNSユーザー一人一人に起こりうることです。

もし、あなたが、あなたの大切な人が誹謗中傷で苦しんでいる場合は、迷わず専門家に相談して解決策を見出してください。

SNSユーザー「44%」が誹謗中傷の被害経験

最近はSNSのバリエーションも増え、幅広い年齢層が気軽に自己表現を楽しんだりビジネスで活用するようになりました。Twitter、Instagram、Facebook、TikTokは、その使いやすさから、今や現代人にとって必須のコミュニケーションツールになっています。今回は、SNSの中でもTwitterをとりあげ、相次ぐ誹謗中傷トラブルの解決策をまとめたいと思います。

あるSNSに関する調査で、自分が誹謗中傷の被害者になった経験があると回答した人が実に44%にも上ることがわかりました。

SNSで誹謗中傷を受けた経験について伺ったところ、経験があるとの回答は44%、経験はないとの回答は56%という結果となった。

投稿の削除依頼か?弁護士に相談か?SNSで誹謗中傷にあった時の対処法

Twitterでの誹謗中傷も日を追うごとに深刻化しており、運営側であるTwitter社も機能改善に追われているといいます。誹謗中傷の被害に遭ったとき、中には簡単に解決が図れるケースもあります。「どうしようもない」「仕方ない」と諦めるのはまだ早いです。自分でやってみて、ダメなら専門家にアドバイスを求める方法もあります。ぜひ、この記事を参考に、できることから始めていきましょう。

Twitterの削除依頼① 誹謗中傷ツイートの削除

誹謗中傷の投稿者へDMで削除依頼するべき?

TwitterはDM機能を使うことで、非公開の環境で投稿者に削除依頼することが可能です。しかし、DMでの削除依頼は新たな誹謗中傷やトラブルの原因となりうるため、DMを活用するかは慎重な判断が求められます。素直に投稿者が削除依頼に応じてくれるという結果は必ずしも望めません。DMを晒すなどの新たな嫌がらせを受ける危険性もあるということを覚えておきましょう。

TwitterのDM機能は、確実に送信先の相手の元に届くものではありません。DM機能は受信拒否設定をすることが可能です。その場合、投稿者に個別連絡を行うことはできません。またクオリティフィルターの設定をしていた場合、文面によってはDM受信が相手に通知されない場合もあります。

ポイント

  • 当事者個人が相手方にDMを送るのは慎重に。かえってトラブルになることもあり、根本的な解決に至らないケースが多く見られます。

Twitter社へ違反報告して削除を求める

前提として、Twitterは他者への嫌がらせや暴力などの行為を「Twitterルール」(公式)で禁止しています。Twitterには投稿ツイートやアカウントの問題を運営元のTwitter社に報告する機能が設置されています。報告内容が禁止事項に該当していた場合、投稿者に対し削除や警告といった形で対処されます。

各ツイートの報告機能の他、「ヘルプセンター」にある問い合わせフォームから、違反ツイートを通報することも可能です。問い合わせフォームには、問題の詳細を記入するメッセージ欄があります。事情の詳細をTwitter社へ伝える必要がある場合は、問い合わせフォーム経由で通報を行うとよいでしょう。

注意点は違反報告を行ったツイートが必ず削除されるとは限らないという点です。報告者から見て、ツイート内容にTwitterルールの違反があったとしても、Twitter社がツイート内容や投稿者の違反歴をチェックした上で、最終的な判断を決めます。

誹謗中傷ツイートが削除対象となるケースとは?

ツイートがTwitterルールに違反する内容だった場合、運営のTwitter社に削除対象と判断される場合があります。その際、Twitter社は違反ツイートの投稿者に対しツイート削除を要請します。違反ツイートが削除されるまで、ツイート内容は第三者から見えない状態となります。

Twitterルールの重要な点を以下にまとめます。

Twitterで禁止されていること

  • 個人または集団に向けた暴力をほのめかす脅迫
  • テロ行為または暴力的過激主義をほのめかすことやそれを助長すること
  • 児童の性的搾取(例外なし)
  • 特定個人を標的にした嫌がらせ行為やそれを煽る行為
  • 人種、民族、出身地、社会的地位、性的指向、性別、性同一性、信仰している宗教、年齢、障碍、深刻な疾患を理由にして他者を脅迫したり嫌がらせをする行為
  • 自殺や自傷行為を助長し煽る行為
  • 過度にグロテスクな画像や動画を使用したり成人向けコンテンツを投稿すること(強姦、性的暴行を含むコンテンツも禁止)
  • 非合法な目的で違法な活動を促進させるためにTwitterを利用すること(違法商品の販売、取引など)
  • 他者の個人情報(電話番号や住所)を当人の許可なく公開すること
  • 本人の同意を得ないで私的な画像や動画を投稿すること
  • なりすまし行為
  • 著作権や商標など、他者に帰属する知的財産権を侵害すること

これらの禁止事項は、法律上問題のある行為を具体化したものになります。

名誉毀損罪や著作権侵害、プライバシー侵害など法的問題となるケースや対処方法については以下の記事で解説していますのでご参考になさってください。

また、上記の禁止事項は大きく、①刑事事件として問題になる行為と、②民事事件として問題になる行為の2種類があります。

①「刑事事件」の場合は、どうしたらいい?

刑事事件になる可能性があるときは、まず警察署に相談に行くことが大切です。警察が刑事事件として捜査ができると判断すれば、投稿者(犯人)の特定を行い投稿者の取り調べを行う流れになります。最終的に、検察官に起訴されると、刑事裁判を受けて、刑事処罰を受けることになります。

「このツイートは警察に持ち込むべき?」とわからないケースも多いと思いますので、その場合は、ネットに詳しい専門家がいる弁護士事務所へお問合せください。

刑事事件の可能性があるツイート例

  • 名指しで「前科がある」とツイートした
  • 「殺すぞ」「家を燃やすぞ」など脅迫的なツイート
  • 「馬鹿だ」「ブスだ」などの侮辱的なツイート など

②「民事事件」の場合は、どうしたらいい?

民事事件として問題になる場合は、相手に損害賠償を求める方法が考えられます。詳しくは、個別の投稿をもとに弁護士と相談し、方針を決めていくことになります。例えば、個人情報を晒される行為は、不法行為として民事責任を相手に追及することができ、その場合には相手に慰謝料請求することが考えられます

相手に金銭賠償を求める場合には、その前提として投稿者の氏名や住所などの情報を取得する必要があります。これを、「発信者の特定」といいます。投稿者がどこの誰かが明らかになると、相手に対して様々なアクションをとることができるようになります。

民事事件の可能性があるツイート例

  • 個人情報を晒す投稿(電話番号、住所など)
  • 無許可で顔写真を投稿するツイート
  • 名誉権を害するツイート など

Twitterの削除依頼② アカウントの削除

誹謗中傷アカウントの所有者へ削除依頼する

アカウントそのものが嫌がらせになっている場合、アカウントの削除依頼を所有者に直接求めることも考えられます。しかし、アカウント所有者への削除依頼は、ツイートの削除依頼以上に難しいと言えるでしょう。所有者はアカウントを削除することで、ツイートやフォロワーも失うことになります。

アカウントの削除依頼は、ツイートの削除依頼以上に難しいものです。任意で直接相手方に削除依頼する場合には、反発を招くことが予想されます。削除依頼したことを逆手にとり、新たな嫌がらせを受ける危険もありますので、直接のコンタクトは十分注意しなければいけません。

Twitter社への通報でアカウントを削除依頼する

Twitterではアカウントの問題をTwitter社に報告(通報)することができます。報告したアカウントにTwitterルールの違反があった場合、違反アカウントのツイート、プロフィール文、写真などの情報が削除されることがあります。アカウントが停止されると、そのURL上では「アカウントは凍結されています」の文言が表示されます。

この状態を、Twitterでは「アカウントの凍結」と表現されます。厳密にはアカウントが削除されている状態ではありません。凍結とは、プロフィールページのURLとアカウントID(英数字)以外の情報が非公開となり、所有者はアカウントの一切の操作ができなくなります。

アカウントが削除(凍結)されるケースとは?

アカウントにTwitterルールに違反する行為があったことが、アカウント削除(凍結)の前提条件となります。Twitter社が該当アカウントの違反の重大さや違反歴を考慮した上で、機能制限や凍結といった対応を決めます。アカウント凍結はTwitter内で最も重いペナルティとされています。

違反アカウントに対して、アカウント削除(凍結)を行うかは、あくまでもTwitter社が判断するという点がポイントです。特定アカウントから受けた違反行為を報告しても、違反を行ったアカウントが必ず削除(凍結)されるわけではない点に注意が必要です。

アカウント凍結の代表例

  • なりすましアカウント
  • 個人を攻撃することを目的に立ち上げられたアカウント

Twitterトラブル|実際にあった誹謗中傷の事例

ではここで、実際にアトム法律事務所に寄せられた実際にあったTwitterトラブルをご紹介します。もし、このような内容でお悩みの場合は、参考にされてください。

Twitterトラブル事例①

なりすましアカウントが作られたケース。ご相談者様の実名でアカウントが作られ、プロフィール写真もご相談者様の顔写真が使われていた。周囲への誤解を懸念して、すぐに削除したいという内容でお問合せされた事例。

すぐに弁護士からTwitter社に通報し、本人が作成したアカウントではないことを説明しました。Twitter社に事情を伝え、厳格な身分確認の後、アカウントを削除することができました。

Twitterトラブル事例②

アンチアカウントが作成されたケース。タレントとして活躍されていたご相談者様を攻撃する目的でTwitterアカウントが作成された。プロフィール情報には、ご相談者様の社会的評価を貶める内容が盛り込まれており、タレント活動に深刻な支障が生じることが懸念された。

この事例でも、ただちに弁護士はTwitter社に通報を入れました。純粋ななりすましアカウントではなかったものの、問題のアカウントが個人を攻撃する目的で作成されていることを説明し、即時削除を求めました。その結果、運営側に強制削除してもらうことに成功しました。

Twitterトラブル事例③

特定の個人を犯罪者扱いし、名誉毀損するアカウントが作成されたケース。プロフィールに使用されたご相談者様の顔写真には、犯罪者である旨の文言が刻まれるなどの加工が施され、著しく社会的評価を低下させていた。仕事に重大な影響が出ており、即時の対応が求められた。

このケースでは、問題のアカウントからつぶやかれる投稿もすべてが特定個人を非難する内容になっており、放置しておくとますます風評被害が拡大する可能性がありました。弁護士は事情を確認した後、すぐにTwitter社に対して法的に問題があることを主張し、削除に応じてもらいました。

ご紹介したケースは、名誉毀損やプライバシー侵害、肖像権侵害の問題が生じる場面です。違法となる基準や対処方法については以下の記事で解説していますのでご参考になさってください。

誹謗中傷ツイートを削除、犯人特定をする方法(仮処分・訴訟)

裁判所に対し削除の「仮処分」を申し立てる方法

Twitter社が削除を行わない場合、法的手段を使ったツイート削除の方法が効果的となる場合があります。裁判所に削除の「仮処分」を申し立て、裁判所からTwitter社へツイートやアカウントの削除命令を出してもらうよう求めます。仮処分は「仮」ではあるものの、一度ツイートが削除されると復元されることはないため、事実上削除の確定的な効果を得ることができます。

仮処分を申し立てるには、ツイートやアカウントの存在で、申立人の権利が違法に侵害されている、早急に解消することが必要であるという2つの要件を満たす必要があります。

  1. 被保全権利
  2. 保全の必要性

審尋と呼ばれる裁判官との面談を行い、裁判官が上記要件を満たすと判断した場合、仮処分の命令が出されます。仮処分ではなく、削除を求める本訴(訴訟)を提起することもあります。

犯人特定を行うために裁判所に訴える

Twitterのアカウントやプロフィール情報が匿名で作成されており、アカウント主の名前や住所が特定できない場合であっても、法的手段を用いて犯人を特定する方法があります。「発信者情報開示請求」という手続きで、Twitter社とインターネット回線業者に、それぞれ接続情報と個人情報の開示請求を行います。

Twitter社への情報開示請求は、日本法人のTwitter Japan株式会社に対してではなく、アメリカ法人のTwitter, Inc.宛に行います。Twitter社への情報開示請求は、外国企業への仮処分手続きとなるため、東京地方裁判所に訴え出ることになります。「発信者情報開示請求」については以下の記事でも紹介してますので、参考にしていただければと思います。

誹謗中傷の投稿者を特定する「発信者情報開示請求」を弁護士が解説

犯人特定の後は慰謝料請求

ツイート発信者(加害者)の特定ができたら、民事と刑事の両面で、加害者への責任追及を検討します。民事事件としては、不法行為に基づく損害賠償請求が考えられます。必ずしも裁判に持ち込まなくても、裁判外の和解により解決を図る道もあります。

誹謗中傷により精神的苦痛を受けたとして、慰謝料を請求したい場合は、弁護士に直接犯人に対して請求してもらう方法もあります。相手が応じなかったり、交渉がまとまらない時は、裁判所に訴えて、訴訟の中で慰謝料請求を行います。

警察が動かないと犯人特定は難しい?

刑事事件として責任追及をする場合、警察に被害届を提出することが考えられます。実際に被害届が受理されれば、警察の捜査が開始されることになります。名誉毀損や脅迫など、警察に動いてもらった方が根本的な解決につながることもあります。警察が犯人特定に動きだせば、基本的には手続も早く被害者に費用はかかりません。

警察にツイッターのことを相談しても、警察が動かないこともあります。証拠が不十分なときには、警察は動かないため、あらかじめ証拠を収集しておく必要があります。その場合は、一度弁護士に相談して、ツイッター上の証拠を精査することをおすすめします。また、場合によっては、警察が動かないときでも、弁護士による手続きで犯人特定が可能な場合もあります。

警察への被害届の提出については、以下の記事でも解説していますので、参考にしていただければと思います。

SNSなどの誹謗中傷・風評被害の被害者の方へ|被害届と刑事告訴

Twitterの削除依頼を弁護士に依頼すべき理由

仮処分の申し立てや裁判(訴訟)といった法的手段には、法律の専門知識が必要となります。弁護士に依頼することで、加害者に対して具体的な責任追及の方法を検討することもできます。加害者のツイートやアカウントにより権利侵害が生じた場合、まずは弁護士に相談して対応策を検討することをおすすめします。

最後に

Twitter内の通報機能やDMを使い、自力で削除依頼をはかっても、削除の実現には繋がりにくいのが実情です。ネットに強い弁護士に依頼することで、スムーズなトラブル解決に繋がります。Twitterの削除依頼でお困りの場合、アトム法律事務所までお問い合わせください。アトム法律事務所では、SNSに詳しい風評被害対策の専門家も常駐しています。

岡野武志

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」「ネット削除依頼」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了

英語:TOEIC925点