離婚したほうがいい夫婦の特徴と離婚すべきか判断するチェックポイント

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離婚すべき?チェックポイント

離婚したほうがいい夫婦の特徴として、DV(身体的・精神的暴力)、不貞行為の繰り返し、経済的暴力、性的不調和、深刻な性格の不一致が挙げられます。

令和6年の司法統計によると、離婚調停の申し立て理由で最も多いのは「性格が合わない」で25,736件にのぼります。これに「精神的な虐待」(14,646件)、「生活費を渡さない」(13,343件)が続いています。

この記事では、こうした離婚を考えるべき夫婦の主な特徴を整理しながら、判断のためのチェックポイントや、離婚に向けた準備、具体的な手続きについてわかりやすく解説します。

離婚したほうがいい夫婦の特徴

離婚寸前の夫婦に共通する傾向

離婚したほうがいい夫婦には、いくつかの共通する傾向があります。最高裁判所の「令和6年司法統計年報」によると婚姻関係事件における申し立ての動機別データは、以下の通りです。

夫(申立人総数15,396)妻(申立人総数43,033)
第1位性格が合わない(9,233)性格が合わない(16,503)
第2位精神的に虐待する(3,358)生活費を渡さない(12,461)
第3位異性関係(1,820)精神的に虐待する(11,288)
第4位浪費する(1,764)暴力を振るう(7,690)
第5位家族親族と折り合いが悪い(1,699)異性関係(5,743)
第6位性的不調和(1,622)浪費する(3,662)
第7位暴力を振るう(1,441)性的不調和(2,862)

令和6年司法統計年報家事編 第19表 婚姻関係事件数―申立ての動機別)
(注)申立ての動機は、申立人の言う動機のうち主なものを3個まで挙げる方法で 調査されており、重複集計となっています。

DV(身体的・精神的暴力)や不貞行為(浮気・不倫)はもちろん、経済的な問題(生活費を渡さない・浪費)や性的不調和も離婚の判断材料になります。なかでも最も多いのが、性格の不一致です。

内閣府の「男女共同参画白書 令和4年版」によると、夫婦関係が破綻した理由として、女性の57.6%、男性の69.6%が「性格の不一致」を挙げています。

さらに、女性のおよそ3人に1人が「身体的な暴力」や「精神的な暴力」、またはその両方を離婚の原因としており、暴力が深刻な要因になっている実態も明らかになっています。

性格の不一致で夫婦関係が改善しない

夫と性格が合わない

夫婦として共同生活を送るなかで、相手と性格が合わなくなってきたケースは、「離婚した方がいい夫婦」の典型的なパターンの一つです。性格が合わず、関係改善の兆しも見られないのであれば、離婚を検討する理由になり得ます。

付き合い始めた頃は「気が合う」「一緒にいて落ち着く」と感じて結婚した方も多いものです。

しかし実際に生活をともにするなかで、性格や価値観のズレに気づくことは珍しくありません。遠慮がなくなるにつれて相手の本来の姿が見えてきて、「態度が変わった」と感じるケースもあります。

不仲を隠して円満を装う「仮面夫婦」という選択肢もありますが、それすら難しいと感じるほど性格が合わないのであれば、離婚を視野に入れるべき状況といえます。

夫の実家と性格が合わない

相手だけでなく、相手側の家族と折り合いがつかないことも、離婚を考えるきっかけになります。

結婚は相手の家族とも親族関係になることを意味し、その後も付き合いが続きます。親族との不仲が解消される見込みがなく、夫婦生活にも影響が出ているのであれば、離婚原因の一つになり得ます。

DV(身体的暴力)を受けている

身体的なDV被害を受けている場合は、警察署や交番、女性相談支援センター(婦人相談所)に避難してまず身の安全を確保し、その上でできるだけ早めに離婚の手続きを進めるようにしましょう

家庭内における暴力は外部から見えにくく、第三者による発見や保護が遅れやすい傾向があります。場合によっては生命に関わる深刻な事態に発展するリスクもあるため、ためらわずに公的機関へ相談することをお勧めします。

精神的暴力も含め、DVが子どもに対して行われているケースでも同様です。

身の安全を最優先に確保した上で、早急に離婚を検討することが求められます。しつけの延長として始まった行為が過剰な暴力にエスカレートし、子どもの生命に危険が及ぶ事例も報告されているからです。

モラハラ(精神的暴力)を受けている

夫婦間の暴力には精神的暴力(モラハラの一種)も含まれます。

配偶者暴力防止法でも、身体に対する暴力だけでなく、これに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動も「暴力」に含まれると定義されています。大声で怒鳴りつける、人格を否定するような誹謗中傷を口にする、無視し続けるといった行為が、精神的暴力の典型例です。

精神的暴力を受けている場合も、早めに離婚を検討することをおすすめします。

身体的な傷がなくても、精神的暴力の結果としてPTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症するケースも報告されています。深刻な健康被害が生じる前に、離婚も選択肢に入れながら早期の解決を目指すことが大切です。

配偶者が不倫や浮気を繰り返している

不倫等の「不貞行為」があって離婚を選択肢のひとつとして考えている際には離婚した場合のメリット・デメリットも踏まえて離婚をすべきか、一度考えてみましょう。

一度だけでなく、不貞行為が常習化する不倫癖がつく場合には、改善する余地がなく、これ以上、夫婦としての健全な関係を続けることは困難であると考えられます。

法務省の「協議離婚に関する実態調査結果の概要」(令和3年3月)によると、協議離婚を経験した人の理由としては「性格の不一致」(63.6%)が最も多く、次いで「異性関係」(23.8%)が2番目に多く挙げられています。

不貞行為は裁判上の離婚事由(民法第770条1項1号)にも該当し、協議離婚・裁判離婚のいずれでもよく見られる離婚原因です。

経済的暴力(生活費を渡さない)がある

生活費を渡してくれない、ギャンブル依存や浪費癖によって家計が圧迫されているような状態は経済的暴力を受けているといえます。

夫婦生活を継続することが極めて困難になることから、離婚を検討するべきでしょう。

相手によって財産の使い道を限定されてしまうことで、十分に生活をすることができなくなってしまうと、ご自身や子どもの生命や健康が危ぶまれることも考えられます。

性的不調和が続いている

性的不調和の代表的なものにセックスレスが挙げられますが、これについても離婚を検討した方がいいでしょう。

理由もなく夫婦としての性交渉を拒まれることは、夫婦として絆を深めることを拒否されることも意味します。

性交渉を拒まれることによって受ける精神的なダメージは大きいものです。

一方で、相手が仕事による肉体的疲労や疾患等が原因で体調を崩しているといった理由で性交渉を拒んでいることもありえます。

しっかりとした理由があって性交渉を拒否しているのか、一度確認することも重要です。

離婚すべきか判断するチェックポイント

離婚したほうがいい夫婦の特徴に当てはまる場合でも、すぐに離婚に踏み切れないケースは少なくありません。

離婚すべきか判断するためには、以下の5つのチェックポイントを確認しておくことが重要です。

  • 離婚したい気持ちの強さ
  • 心身への悪影響の有無
  • 離婚後の生活基盤を確保できるか
  • 子どもへの影響を最小限にできるか
  • 相手が離婚に同意するか

離婚したい気持ちの強さ

離婚したいという自分の気持ちが強いか、もう一度考えてみましょう。

離婚を検討しているとはいえ、配偶者は今まで愛していた人、人生を共に過ごすと決めた相手です。

そのような相手と別れることを後悔しないか、関係修復の機会やきっかけがあれば修復したいか、一度立ち止まって考えてみましょう。

また、なぜ、自分が離婚したいのか、相手のどういうところを直してほしいのか、冷静に分析してみてもいいでしょう。

自分のなかで離婚したい理由が明確になれば、離婚するべきか、夫婦で話し合えば関係修復できる状況なのか、判断しやすくなります。

心身への悪影響の有無

心身に悪影響が生じているようなケースは、離婚をしたほうがいい典型例です。

相手から身体的暴力を受けている場合、自分や子どもの生命が奪われかねない、取り返しがつかない状況に発展するおそれがあります。

また、モラハラを受けている場合も、回復が著しく困難な心の傷を負わせられることもあり、場合によってはその後の日常生活に支障をきたすような健康被害を受けることもあります。

後戻りのできない手遅れの状況になる前に、離婚を決断した方がいい状況といえます。

離婚後の生活基盤を確保できるか

離婚原因となる特徴が夫婦間に見られるからといって、すぐに離婚に踏み切れるわけではありません。

その理由の一つに、離婚後の生活の不安があります。

特に、生活費について、現在、相手の収入に頼らざるを得ないという状況にあるような場合には、そのような不安はさらに大きくなります。

このような不安を取り除いたうえで離婚をするためにも、離婚後のご自身の生活費、子どもの養育費も含めて、収入を確保する手段があるか、一度確認してみましょう。

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子どもへの影響を最小限にできるか

離婚を考えていても、「子どもの将来に悪影響が出るのではないか」という不安から踏み出せない方は少なくありません。

子どもがいる場合、離婚にあたっては親権者を誰にするか、養育費をどちらが負担するかといった点を整理しておく必要があります。可能であれば子ども本人とも事前に話し合い、気持ちをしっかり聞いておくことも大切です。

内閣府の「離婚と子育てに関する世論調査」(令和4年2月)によると、未成年の子どもがいる夫婦の離婚については、「夫婦が結婚生活を続けることがかえって子どもに悪影響を与えるのであれば、離婚を認めるべきだ」と考える人が60.0%と最も多い結果となっています。

また、DVや子どもへの虐待があるケースでは、養育費や親子交流(面会交流)の取り決めよりも離婚を優先すべきだという声も一定数あります。子どもの利益を第一に考えながら、離婚の判断を行うことが重要です。

共同親権制度が離婚判断に与える影響

子どもがいる夫婦が離婚を決断する際には、2026年4月1日に施行された民法改正の内容を把握しておくことが大切です。

この改正により、これまでの単独親権に加えて、離婚後も父母双方が親権を持つ共同親権を選択できるようになりました。協議で合意できない場合は、家庭裁判所が子どもの利益を基準に親権の在り方を判断します(民法819条)。

ただし、DVや子どもへの虐待のおそれがある場合は、家庭裁判所は共同親権を定めることができません。配偶者から暴力を受けている場合は、その事実を裁判所に示すことが、単独親権を確保するうえで重要な要素となります。

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相手が離婚に同意するか

離婚をすることについて、相手が同意をしてくれないことも離婚に踏み切れない原因となり得ます。

このような場合、確かに協議上の離婚をすることはできませんが、法定離婚事由があれば、裁判上の離婚の訴えを提起することも可能です。

法定離婚事由とは、以下の各事実があった際に認められます(民法第770条1項)。

  1. 配偶者に不貞な行為があったとき
  2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき
  3. 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき
  4. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき

※2026年4月1日施行の民法改正により、「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」は法定離婚事由から削除されました。

4の事由は、婚姻共同生活が破綻し、その修復が著しく困難な状態を指します。

性格の不一致、浪費やギャンブル等の経済的問題、暴力や侮辱等のDV、配偶者の親族との不和といったことがこの状態にあたると判断されることがあります。

1〜4のような法定離婚事由がある場合には、裁判上の離婚が認められる可能性があるため、自分たちの状況が法定離婚事由にあたらないか確認しておきましょう。

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離婚した方がいい嫁・夫の選択肢

まずは夫婦間で話し合う

性格の不一致や不倫等の異性関係、経済的暴力による家計の圧迫、性的不調和といった特徴については、まずは改善に向けて夫婦間で一度話し合ってみましょう。

このような問題を抱えていることの原因の一つには、相手とのコミュニケーション不足も考えられます。

普段、いっしょに生活をする「家族」という近しい仲であるからこそ、なかなか腹を割ってお互いの本心を聞く機会が少なくなりがちです。

自分が夫婦関係に悩んでいること、関係修復や別居、離婚といった選択肢も踏まえてこの状況を改善したいと思っていることを打ち明けて、話し合ってみた方がいいでしょう。

別居を検討する

離婚以外にも、婚姻関係は維持したまま、別居をするという手段もあります。

離婚を検討するきっかけになった夫婦間の問題が、物理的な距離を置いて生活をすることで解決することもあります。

一度、別居をしたことで相手の気持ちも落ち着き、夫婦間での相談、話し合いがよりスムーズに進み、夫婦関係が改善されることも期待できます。

また、3年〜4年程度の長期間の別居状態を継続した場合には、裁判離婚において、夫婦関係が既に破綻しているとして法定離婚事由が認められやすくなるというメリットもあります。

離婚の種類と手続き

夫婦間で話し合っても改善の兆しが見られない、長く別居をしている場合、または相手から暴力を受けている場合、離婚すべきか検討した方がいいでしょう。

離婚には、夫婦間で話し合ったうえで離婚届を役所に提出する「協議離婚」、家庭裁判所の調停手続を利用した「調停離婚」、離婚の訴えによる「裁判離婚」があります。

相手の同意を得る必要がある協議離婚をすることが困難である場合には、調停離婚や裁判離婚といった手続による離婚も検討してみましょう。

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弁護士に相談する

離婚をしようにも経済的な問題、相手からの同意が得られないといった理由から容易には離婚に踏み切れないということもあり得ます。

また、子どもの親権を得られるかどうか不安に感じることもあると思います。

離婚をすべきケースか、いくら財産分与や慰謝料の請求をすることができるのか、といった疑問・不安は、専門知識を必要とする分野になります。

事前に専門家である弁護士にご相談いただければ、離婚について抱えているご不安を一緒に解決していくことができます。

離婚に向けた準備

離婚後の生活費の確保

結婚後に専業主婦になった場合やパートでの就業をしており、生活をするうえで相手側の収入に依存していることもあるでしょう。

その場合、離婚後、ご自身の生活を維持するためにも十分な収入源を確保する必要があります。

就職活動を進める、実家に頼ることができるか確認するといった準備は前もって進めておきましょう。

ひとり親になる場合には行政から補助金等のサービスが受けられることもあるので、事前に調べておきましょう。

離婚後の生活拠点の確保

また、離婚することによって、今まで生活の拠点としていた自宅を離れなければならないことも考えられます。

実家で暮らすことができるか、新しく生活拠点となり得る住居を確保できるか、といった点を確認し、離婚後も不安なく生活していけるように準備しておきましょう。

離婚によって得られる金銭の確認

離婚によって相手に財産やお金を支払うよう求めることができる場合があります。

具体的には、夫婦間の共有財産について相手と分け合う「財産分与」や離婚成立前の生活費である「婚姻費用」、不貞行為やDV等の「慰謝料」、子どもの「養育費」などです。

これらの請求についても離婚後の生活費とあわせて、離婚をする前にあらかじめ確認しておく必要があります。

しかし、お金に関わる問題であるために、夫婦間でなかなか協議が進まず、結局十分な金額を支払ってもらえないといったケースも多いです。

事前に弁護士にお金を請求できるケースか、いくら請求するのかといった点についてご相談いただければ、お金に関する協議もスムーズに進むことも期待できます。

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離婚したほうがいい夫婦についてよくある質問

Q. 離婚寸前の夫婦の特徴は?

離婚寸前の夫婦には、身体的・精神的なDV、不貞行為の繰り返し、生活費を渡さないなどの経済的な圧迫、性の不一致、深刻な性格の不一致といった特徴が見られます。令和6年司法統計でも、これらが離婚調停の主な申立て動機の上位を占めています。

Q. 離婚すべきか迷ったらどうすればいい?

離婚したい気持ちの強さに加え、心身への影響や生活基盤の確保、子どもへの影響などを総合的に考えることが大切です。判断に迷う場合は、弁護士に相談すると法的な見通しを把握できます。

Q. 相手が同意しなくても離婚できる?

相手の同意がなくても、民法第770条1項に定められた離婚事由があれば裁判で離婚が認められる可能性があります。不貞行為や悪意の遺棄、婚姻を継続し難い重大な事由などが該当します。

Q. 性格の不一致だけで離婚してもいい?

双方が合意する協議離婚であれば、性格の不一致だけでも離婚できます。令和6年司法統計によると、離婚調停の申立て理由として「性格が合わない」が男女ともに第1位(夫9,233件・妻16,503件)であり、最も多い離婚原因です。性格の不一致は、離婚を検討する十分な理由になります。

岡野武志弁護士

監修者


アトム法律事務所

代表弁護士岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律税務グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了